JPS6028300B2 - フイブリル構造を有する多孔質アセチレン高重合体の製造方法 - Google Patents
フイブリル構造を有する多孔質アセチレン高重合体の製造方法Info
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- JPS6028300B2 JPS6028300B2 JP5024479A JP5024479A JPS6028300B2 JP S6028300 B2 JPS6028300 B2 JP S6028300B2 JP 5024479 A JP5024479 A JP 5024479A JP 5024479 A JP5024479 A JP 5024479A JP S6028300 B2 JPS6028300 B2 JP S6028300B2
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Description
本発明は、通常の加圧成形法によって、機械的強度にす
ぐれた任意の形状と肉厚を有する成形品を容易に製造す
ることができる、フイブルリル(繊維状微結晶)構造を
有する多孔質アセチレン高重合体の製造方法に関する。 アセチレンを遷移金属化合物と有機金属化合物′からな
る、いわゆるチーグラ−・ナツタ触媒により重合させて
得られるアセチレン高重合体は、有機半導体として知ら
れている。このアセチレン高重合体は、加熱しても溶融
せず、また酸素の存在下で加熱すると容易に酸化劣化を
受けるため、通常の熱可塑性樹脂の如き成形方法は用い
ることができない。また、このアセチレン高重合体を溶
解する溶媒も未だ見し、出されておらず、従って、アセ
チレン高重合体の実用的成形物を製造する方法は、次の
2方法に限られていた。{ィ’粉末状アセチレン高重合
体を加圧成形する方法。
ぐれた任意の形状と肉厚を有する成形品を容易に製造す
ることができる、フイブルリル(繊維状微結晶)構造を
有する多孔質アセチレン高重合体の製造方法に関する。 アセチレンを遷移金属化合物と有機金属化合物′からな
る、いわゆるチーグラ−・ナツタ触媒により重合させて
得られるアセチレン高重合体は、有機半導体として知ら
れている。このアセチレン高重合体は、加熱しても溶融
せず、また酸素の存在下で加熱すると容易に酸化劣化を
受けるため、通常の熱可塑性樹脂の如き成形方法は用い
ることができない。また、このアセチレン高重合体を溶
解する溶媒も未だ見し、出されておらず、従って、アセ
チレン高重合体の実用的成形物を製造する方法は、次の
2方法に限られていた。{ィ’粉末状アセチレン高重合
体を加圧成形する方法。
【o} 遷移金属化合物と有機金属化合物からなる触媒
系をトルェンの如き芳香族炭化水素またはへキサデカン
の如き脂肪族炭化水素に溶解してなる触媒溶液と気体ア
セチレンの自由表面近傍の界面または固体表面にこの触
媒溶液を塗布した表面で重合を行なって膜状および繊維
状アセチレン高重合体を製造する方法(特公昭48一3
2581号)。しかしながら前者の{ィーの方法では、
機械的強度の低い成形品しか得られず、また、後者の{
o}の方法では、形状が膜状および繊維状に限定される
ばかりか、それらの厚みが限定され、実質的には肉厚の
薄い膜状および繊維状の成形品しか得ることができない
。 そこで、近年、これらの問題点を有しない新しいアセチ
レン高重合体の製造方法が検討され、例えば‘1’アセ
チレンをり一(り1:り5CyC】Opentadie
nyl ) 一 triS ( り −cyclope
ntadieny)ditit−anlmm(Ti−T
i)〔(C5は)5(C5日5)3Ti2〕なる触媒を
用い、ヘキサンを溶媒として重合すると、ヘキサンとフ
ィブリル構造を有するアセチレン高重合体とからなるゲ
ル状のアセチレン高重合体が得られることが提案された
〔S・L・Hsuら、J・chem・Phys、69{
11、106−111(1978)〕。 この方法で得られるゲル状のアセチレン高重合体は、通
常、有機溶媒で精製後、真空中で有機溶媒を徐々に除去
して乾燥される。 しかしながら、このような通常の真空乾燥方法では、ゲ
ル状のアセチレン高重合体が本来有する形状と寸法を保
持することが困難であり、膜状のアセチレン高重合体し
か得られないこと、生成するアセチレン高重合体の腰厚
や高密度を任意に調節できないこと、生成する膜状アセ
チレン高重合体を他の任意の形状に成形することが困難
である等の欠点を有する。本発明者らは、上記実情に鑑
み、アセチレン高重合体のゲル状物の乾燥方法について
種々検討した結果、アセチレン高重合体のゲル状物を製
造する際に、重合溶媒として凝固点が室温に近いものを
使用するか、または他の溶媒で重合した後、ゲル状高重
合体中の溶媒を凝固点が室温に近い溶媒で置換してから
凍結乾燥をすることにより、ゲル状高重合体が本来有し
ていた形状と寸法をほぼ完全に保持した多孔質アセチレ
ン高重合体を製造することができることを見出し、本発
明を完成した。 アセチレンを凝固点が−50〜50ooの有機溶媒の存
在下に重合するか、または該有機溶媒以外の他の溶媒の
存在下で重合した後、アセチレン高重合体のゲル状物中
の他の溶媒を上記有機溶媒で置換して得られる、凝固点
が−50〜5000の有機溶媒を含有するフィブリル構
造を有するアセチレン高重合体のゲル状物を凍結乾燥す
ることを特徴とするフィブリル構造を有する多孔質アセ
チレン高重合体の製造方法に関する。 本発明の方法によって得られる多孔質アセチレン高重合
体は、重合条件によっては任意の高密度を有し、かつ成
形加工性にすぐれているため、加圧成形法により、任意
の形状でかつ任意の肉厚を有する成形品を容易に製造す
ることが可能である。 また、この多孔質アセチレン高重合体は、フィブリル構
造を有しているから、得られる成形品の機械的強度も大
きい。以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明で対象とするフィプリル構造を有するアセチレン
高重合体のゲル状物は、フィプリル構造を有するアセチ
レン高重合体と有機溶媒とからなるゲル状物であれば、
いかなる方法で製造されたものでも使用できる。 具体的な製造例としては、例えば前記{1’の製造方法
、‘2〕芳香族系化合物を重合溶媒として遷移金属化合
物と有機金属化合物を主成分とする触媒系を用い、遷移
金属化合物を芳香族系化合物1夕に対して0.0001
〜0.1モル濃度で使用し、且つ健梓下でアセチレンを
重合してアセチレン高重合体のゲル状物を製造する方法
等があげられるが、■の方法で得られるアセチレン高重
合体のゲル状物は均一であり、しかも、これを加圧成形
した場合、任意の形状と肉厚を有する均一な成形品を容
易に製造することができる点から■の方法で得られるア
セチレン高重合体のゲル状物の使用がより好ましい。上
記の方法で得られるアセチレン高重合体のゲル状物は、
通常の架橋したゲルとは本質的に異なり、アセチレン高
重合体のフィブリルが絡み合って溶媒に膨潤した状態の
ものである。 このゲル状物中の有機溶媒は、少なくとも凍結乾燥時に
凝固点が室温に近い有機溶媒からなっていることが必要
である。ここでいう有機溶媒とは、凝固点が−5000
〜50℃、好ましくは−3000〜200Cの範囲の有
機溶媒である。 凝固点が上記範囲外の有機溶媒であっても使用可能であ
るが、凍結乾燥のための設備費が高価となるため工業的
には不利である。上記有機溶媒の代表例としては、例え
ばオルソジクロロベンゼン、シクロヘキサノン、ベンジ
ルアルコール、ペソゾニトリル、ジエチレングリコール
、サリチル酸メチル、ホルムアミド、ベンゼン、ニトロ
ベンゼン、シクロヘキサン、ギ酸.ジオキサソ、メタク
レゾール、パラキシレン、酢酸等があげられる。 これ等の有機溶媒はアセチレン高重合体を製造する際に
重合溶媒として使用するか、または上記以外の有機溶媒
で重合した後、アセチレン高重合体のゲル状物中の大部
分の有機溶媒を上記有機溶媒のいずれかで置換してから
凍結乾燥をすることにより、ゲル状物中のアセチレン高
重合体が本来有していた形状と寸法をほぼ保持した多孔
質アセチレン高重合体を製造することができる。ゲル状
物中の上記有機溶媒の量は、アセチレン高重合体10の
重量部に対して5.2〜190の重量部であることが好
ましく、この範囲外では均一な多孔質アセチレン高重合
体を得ることは困難である。 濠緒乾燥は、当業界で通常行なわれている、真空装置で
凍結した有機溶媒を昇華させながら行えばよい。凍結乾
燥時の温度は、用いる有機溶媒によって異るが、通常−
50〜50qoの範囲である。本発明においては、重合
時の条件を調節することにより、生成ゲル状物中のアセ
チレン高重合体の濃度を任意に調節できるため、多孔費
アセチレン高重合体の嵩密度を0.1夕/地〜0.00
01夕/榊の範囲に調節することができる。本発明の製
造方法により得られる多孔質アセチレン高重合体は、そ
のまま使用してもよいし、また加圧成形して成形品とし
て使用してもよい。 多孔質アセチレン高重合体およびその成形品はP型半導
体であり、その電気的性質は高重合体中のシスートラン
ス組成比および嵩密度により異る。例えばシス含有率が
5%で嵩密度が1夕/地の成形品の室温における電気伝
導度は10‐90‐1・肌‐1であるが、トランス含有
率が95%のものは10‐50‐1・肌‐1であり、こ
れらの値はシスートランス組成比に応じて連続的に変化
する。一方、シスートランス組成比はアセチレンの重合
温度をかえるか、シス体を熱異性化する等の方法により
任意に調節できるから、上記の範囲内で任意の電気伝導
度を有する成形品を製造できる利点がある。この電気的
特性を利用して、例えば電気抵抗素子などの電子機器の
部品を製造するための有機半導体材料として利用できる
。またこれ等の多孔質アセチレン高重合体またはその成
形品は適当な電子受容性化合物または電子供与性化合物
で処理することによって、金属的電気伝導度を有するP
型またはn型の半導体とすることができるから、各種デ
バイスおよび可榛性を有する導電材料として利用するこ
とができる。 さらに、多孔質アセチレン高重合体への電子受容性化合
物または電子供与性化合物のドーピングにより電気抵抗
が変化し、その変化量は不純物濃度に比例するから、電
子受容性化合物や電子供与性化合物の定量検知器として
使用できる。以下、実施例によって本発明をさらに詳し
く説明する。 実施例 1窒素ガスで完全に置換した1そのガラス製反
応器に、重合溶媒として常法にしたがって精製したトル
ェン200叫、触媒としてテトラプトキシチタニウム2
.94ミリモルおよびトリエチルアルミニウム7.34
ミリモルを順次に室温で仕込んで触媒溶液を調製した。 触媒溶液は均一溶液であった。反応器を液体窒素で冷却
して系中の窒素ガスを真空ポンプで排気した。−78o
oに反応器を冷却してマグネチック・スターラーで触媒
溶液を渡洋しながら、1気圧の圧力の精製アセチレンガ
スを吹き込んだ。 重合反応の初期に系全体は寒天状になり、縄洋が困難に
なった。アセチレンガンを1気圧に保つたままで24時
間重合反応をそのまま継続した。 系は赤紫色を呈した寒天状であった。重合終了後、未反
応のアセチレンガスを除去し、系の温度を−78q0に
保つたまま200の上の精製トルェンで4回繰り返し洗
総した。洗膝後も溶液はやや褐色をおび、触媒は完全に
除去されなかった。トルェン中で膨潤したゲル状アセチ
レン重合体は、フィブリルが絡み合った均一チップ状で
あり、粉末状や塊状のポリマーは生成していなかった。
次に系の温度を1oo0に昇温した後、200机上のベ
ンゼンで4回繰り返して洗練して系中のトルェンの大部
分をベンゼンで置換した。 このゲル状物を室温で真空乾燥したところ、ベンゼンは
自己の蒸発熱で凝固した。そのまま真空乾燥を続けて凍
結乾燥し、ゲル状物が本釆有していた形状と寸法を保持
した嵩密度が0.08夕/洲の多孔質アセチレン高重合
体を得た。走査型電子顕微鏡でこの重合体を観察したと
ころ、径が200〜300Aのフィブリル構造を有して
いた。この多孔室アセチレン高重合体は、シス含有量が
弘%で、電気伝導度(直流四端子法)が4.7×10‐
90‐1・仇‐1のp型半導体であった。 この多孔質アセチレン高重合体を常温、100夕/地の
圧力でプレス成形して嵩密度が0.80タ′係の強轍な
膜状アセチレン高重合体を得た。この膜状アセチレン高
重合体の電気伝導度は1.2×10‐80‐1・肌‐1
のp型半導体であった。 この膜状アセチレン高重合体を反応容器に入れて系中の
空気を排気した後、電子受容性化合物として約被rのヨ
ウ素を入れて2時間膜状アセチレン高重合体を処理した
。ヨウ素の処理により膜状アセチレン高重合体の重量は
190%増加し、電気伝導度は1080‐1・仇‐1で
あった。比較例 1実施例1で得られたアセチレン高重
合体のゲル状物中のトルェンをベンゼンで置換しないで
、そのまま室温でゆっくりと真空乾燥して、高密度が0
.54夕/洲の膜状アセチレン高重合体を得た。 得られた膜状アセチレン高重合体は、強籾で成形性はな
かつた。実施例 2 窒素ガスで完全に置換した1そのガラス製反応器に重合
溶媒として常法にしたがって精製したベンゼン200の
と、触媒としてテトラブトキシチタニウム0.294ミ
リモルおよびトリイソブチルアルミニウム1.50ミリ
モルを順序に室温で仕込んで触媒溶液を調製した。 触媒溶液は均一溶液であった。反応器を液体窒素で冷却
して系中の窒素ガスを真空ポンプで排気した。反応器の
温度を室温に戻し、マグネチツク・スターラーで触媒溶
液を縄拝しながら、1気圧の圧力の精製アセチレンガス
を吹き込んだ。 重合反応が1庇ご間位進んだところで系全体が寒天状の
ゲル状物になった。櫨拝を続けて2独特間アセチレンガ
スの圧力を一気圧に保つたままで重合を続けた。系全体
は黒褐色を呈した寒天状であった。重合反応終了後、未
反応のアセチレンガスを除去し、次いでベンゼン200
の【で4回繰り返し洗糠した。このゲル状物を室温で凍
結乾燥し、ゲル状物が有していた形状と寸法を保持した
多孔質アセチレン高重合体を得た。得られた多孔質アセ
チレン高重合体は、実施例1で得たと同様なフィブリル
構造を有し、嵩密度が0.04夕/地、シス含量は60
%、縄気伝導度が5.7×10‐80‐1・弧‐1のp
型半導体であった。この多孔質アセチレン高重合体を実
施例1と同様にプレス成形して高密度が0.82多/地
の強靭な成形品を得た。 実施例 3 実施例1で得られたアセチレン高重合体のゲル状物中の
トルェンを、ベンゼンの代りに1・4ージオキサンで置
換した以外は、実施例1と全く同様に凍結乾燥して嵩密
度が0.075夕/仇の多孔質アセチレン高重合体を得
た。
系をトルェンの如き芳香族炭化水素またはへキサデカン
の如き脂肪族炭化水素に溶解してなる触媒溶液と気体ア
セチレンの自由表面近傍の界面または固体表面にこの触
媒溶液を塗布した表面で重合を行なって膜状および繊維
状アセチレン高重合体を製造する方法(特公昭48一3
2581号)。しかしながら前者の{ィーの方法では、
機械的強度の低い成形品しか得られず、また、後者の{
o}の方法では、形状が膜状および繊維状に限定される
ばかりか、それらの厚みが限定され、実質的には肉厚の
薄い膜状および繊維状の成形品しか得ることができない
。 そこで、近年、これらの問題点を有しない新しいアセチ
レン高重合体の製造方法が検討され、例えば‘1’アセ
チレンをり一(り1:り5CyC】Opentadie
nyl ) 一 triS ( り −cyclope
ntadieny)ditit−anlmm(Ti−T
i)〔(C5は)5(C5日5)3Ti2〕なる触媒を
用い、ヘキサンを溶媒として重合すると、ヘキサンとフ
ィブリル構造を有するアセチレン高重合体とからなるゲ
ル状のアセチレン高重合体が得られることが提案された
〔S・L・Hsuら、J・chem・Phys、69{
11、106−111(1978)〕。 この方法で得られるゲル状のアセチレン高重合体は、通
常、有機溶媒で精製後、真空中で有機溶媒を徐々に除去
して乾燥される。 しかしながら、このような通常の真空乾燥方法では、ゲ
ル状のアセチレン高重合体が本来有する形状と寸法を保
持することが困難であり、膜状のアセチレン高重合体し
か得られないこと、生成するアセチレン高重合体の腰厚
や高密度を任意に調節できないこと、生成する膜状アセ
チレン高重合体を他の任意の形状に成形することが困難
である等の欠点を有する。本発明者らは、上記実情に鑑
み、アセチレン高重合体のゲル状物の乾燥方法について
種々検討した結果、アセチレン高重合体のゲル状物を製
造する際に、重合溶媒として凝固点が室温に近いものを
使用するか、または他の溶媒で重合した後、ゲル状高重
合体中の溶媒を凝固点が室温に近い溶媒で置換してから
凍結乾燥をすることにより、ゲル状高重合体が本来有し
ていた形状と寸法をほぼ完全に保持した多孔質アセチレ
ン高重合体を製造することができることを見出し、本発
明を完成した。 アセチレンを凝固点が−50〜50ooの有機溶媒の存
在下に重合するか、または該有機溶媒以外の他の溶媒の
存在下で重合した後、アセチレン高重合体のゲル状物中
の他の溶媒を上記有機溶媒で置換して得られる、凝固点
が−50〜5000の有機溶媒を含有するフィブリル構
造を有するアセチレン高重合体のゲル状物を凍結乾燥す
ることを特徴とするフィブリル構造を有する多孔質アセ
チレン高重合体の製造方法に関する。 本発明の方法によって得られる多孔質アセチレン高重合
体は、重合条件によっては任意の高密度を有し、かつ成
形加工性にすぐれているため、加圧成形法により、任意
の形状でかつ任意の肉厚を有する成形品を容易に製造す
ることが可能である。 また、この多孔質アセチレン高重合体は、フィブリル構
造を有しているから、得られる成形品の機械的強度も大
きい。以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明で対象とするフィプリル構造を有するアセチレン
高重合体のゲル状物は、フィプリル構造を有するアセチ
レン高重合体と有機溶媒とからなるゲル状物であれば、
いかなる方法で製造されたものでも使用できる。 具体的な製造例としては、例えば前記{1’の製造方法
、‘2〕芳香族系化合物を重合溶媒として遷移金属化合
物と有機金属化合物を主成分とする触媒系を用い、遷移
金属化合物を芳香族系化合物1夕に対して0.0001
〜0.1モル濃度で使用し、且つ健梓下でアセチレンを
重合してアセチレン高重合体のゲル状物を製造する方法
等があげられるが、■の方法で得られるアセチレン高重
合体のゲル状物は均一であり、しかも、これを加圧成形
した場合、任意の形状と肉厚を有する均一な成形品を容
易に製造することができる点から■の方法で得られるア
セチレン高重合体のゲル状物の使用がより好ましい。上
記の方法で得られるアセチレン高重合体のゲル状物は、
通常の架橋したゲルとは本質的に異なり、アセチレン高
重合体のフィブリルが絡み合って溶媒に膨潤した状態の
ものである。 このゲル状物中の有機溶媒は、少なくとも凍結乾燥時に
凝固点が室温に近い有機溶媒からなっていることが必要
である。ここでいう有機溶媒とは、凝固点が−5000
〜50℃、好ましくは−3000〜200Cの範囲の有
機溶媒である。 凝固点が上記範囲外の有機溶媒であっても使用可能であ
るが、凍結乾燥のための設備費が高価となるため工業的
には不利である。上記有機溶媒の代表例としては、例え
ばオルソジクロロベンゼン、シクロヘキサノン、ベンジ
ルアルコール、ペソゾニトリル、ジエチレングリコール
、サリチル酸メチル、ホルムアミド、ベンゼン、ニトロ
ベンゼン、シクロヘキサン、ギ酸.ジオキサソ、メタク
レゾール、パラキシレン、酢酸等があげられる。 これ等の有機溶媒はアセチレン高重合体を製造する際に
重合溶媒として使用するか、または上記以外の有機溶媒
で重合した後、アセチレン高重合体のゲル状物中の大部
分の有機溶媒を上記有機溶媒のいずれかで置換してから
凍結乾燥をすることにより、ゲル状物中のアセチレン高
重合体が本来有していた形状と寸法をほぼ保持した多孔
質アセチレン高重合体を製造することができる。ゲル状
物中の上記有機溶媒の量は、アセチレン高重合体10の
重量部に対して5.2〜190の重量部であることが好
ましく、この範囲外では均一な多孔質アセチレン高重合
体を得ることは困難である。 濠緒乾燥は、当業界で通常行なわれている、真空装置で
凍結した有機溶媒を昇華させながら行えばよい。凍結乾
燥時の温度は、用いる有機溶媒によって異るが、通常−
50〜50qoの範囲である。本発明においては、重合
時の条件を調節することにより、生成ゲル状物中のアセ
チレン高重合体の濃度を任意に調節できるため、多孔費
アセチレン高重合体の嵩密度を0.1夕/地〜0.00
01夕/榊の範囲に調節することができる。本発明の製
造方法により得られる多孔質アセチレン高重合体は、そ
のまま使用してもよいし、また加圧成形して成形品とし
て使用してもよい。 多孔質アセチレン高重合体およびその成形品はP型半導
体であり、その電気的性質は高重合体中のシスートラン
ス組成比および嵩密度により異る。例えばシス含有率が
5%で嵩密度が1夕/地の成形品の室温における電気伝
導度は10‐90‐1・肌‐1であるが、トランス含有
率が95%のものは10‐50‐1・肌‐1であり、こ
れらの値はシスートランス組成比に応じて連続的に変化
する。一方、シスートランス組成比はアセチレンの重合
温度をかえるか、シス体を熱異性化する等の方法により
任意に調節できるから、上記の範囲内で任意の電気伝導
度を有する成形品を製造できる利点がある。この電気的
特性を利用して、例えば電気抵抗素子などの電子機器の
部品を製造するための有機半導体材料として利用できる
。またこれ等の多孔質アセチレン高重合体またはその成
形品は適当な電子受容性化合物または電子供与性化合物
で処理することによって、金属的電気伝導度を有するP
型またはn型の半導体とすることができるから、各種デ
バイスおよび可榛性を有する導電材料として利用するこ
とができる。 さらに、多孔質アセチレン高重合体への電子受容性化合
物または電子供与性化合物のドーピングにより電気抵抗
が変化し、その変化量は不純物濃度に比例するから、電
子受容性化合物や電子供与性化合物の定量検知器として
使用できる。以下、実施例によって本発明をさらに詳し
く説明する。 実施例 1窒素ガスで完全に置換した1そのガラス製反
応器に、重合溶媒として常法にしたがって精製したトル
ェン200叫、触媒としてテトラプトキシチタニウム2
.94ミリモルおよびトリエチルアルミニウム7.34
ミリモルを順次に室温で仕込んで触媒溶液を調製した。 触媒溶液は均一溶液であった。反応器を液体窒素で冷却
して系中の窒素ガスを真空ポンプで排気した。−78o
oに反応器を冷却してマグネチック・スターラーで触媒
溶液を渡洋しながら、1気圧の圧力の精製アセチレンガ
スを吹き込んだ。 重合反応の初期に系全体は寒天状になり、縄洋が困難に
なった。アセチレンガンを1気圧に保つたままで24時
間重合反応をそのまま継続した。 系は赤紫色を呈した寒天状であった。重合終了後、未反
応のアセチレンガスを除去し、系の温度を−78q0に
保つたまま200の上の精製トルェンで4回繰り返し洗
総した。洗膝後も溶液はやや褐色をおび、触媒は完全に
除去されなかった。トルェン中で膨潤したゲル状アセチ
レン重合体は、フィブリルが絡み合った均一チップ状で
あり、粉末状や塊状のポリマーは生成していなかった。
次に系の温度を1oo0に昇温した後、200机上のベ
ンゼンで4回繰り返して洗練して系中のトルェンの大部
分をベンゼンで置換した。 このゲル状物を室温で真空乾燥したところ、ベンゼンは
自己の蒸発熱で凝固した。そのまま真空乾燥を続けて凍
結乾燥し、ゲル状物が本釆有していた形状と寸法を保持
した嵩密度が0.08夕/洲の多孔質アセチレン高重合
体を得た。走査型電子顕微鏡でこの重合体を観察したと
ころ、径が200〜300Aのフィブリル構造を有して
いた。この多孔室アセチレン高重合体は、シス含有量が
弘%で、電気伝導度(直流四端子法)が4.7×10‐
90‐1・仇‐1のp型半導体であった。 この多孔質アセチレン高重合体を常温、100夕/地の
圧力でプレス成形して嵩密度が0.80タ′係の強轍な
膜状アセチレン高重合体を得た。この膜状アセチレン高
重合体の電気伝導度は1.2×10‐80‐1・肌‐1
のp型半導体であった。 この膜状アセチレン高重合体を反応容器に入れて系中の
空気を排気した後、電子受容性化合物として約被rのヨ
ウ素を入れて2時間膜状アセチレン高重合体を処理した
。ヨウ素の処理により膜状アセチレン高重合体の重量は
190%増加し、電気伝導度は1080‐1・仇‐1で
あった。比較例 1実施例1で得られたアセチレン高重
合体のゲル状物中のトルェンをベンゼンで置換しないで
、そのまま室温でゆっくりと真空乾燥して、高密度が0
.54夕/洲の膜状アセチレン高重合体を得た。 得られた膜状アセチレン高重合体は、強籾で成形性はな
かつた。実施例 2 窒素ガスで完全に置換した1そのガラス製反応器に重合
溶媒として常法にしたがって精製したベンゼン200の
と、触媒としてテトラブトキシチタニウム0.294ミ
リモルおよびトリイソブチルアルミニウム1.50ミリ
モルを順序に室温で仕込んで触媒溶液を調製した。 触媒溶液は均一溶液であった。反応器を液体窒素で冷却
して系中の窒素ガスを真空ポンプで排気した。反応器の
温度を室温に戻し、マグネチツク・スターラーで触媒溶
液を縄拝しながら、1気圧の圧力の精製アセチレンガス
を吹き込んだ。 重合反応が1庇ご間位進んだところで系全体が寒天状の
ゲル状物になった。櫨拝を続けて2独特間アセチレンガ
スの圧力を一気圧に保つたままで重合を続けた。系全体
は黒褐色を呈した寒天状であった。重合反応終了後、未
反応のアセチレンガスを除去し、次いでベンゼン200
の【で4回繰り返し洗糠した。このゲル状物を室温で凍
結乾燥し、ゲル状物が有していた形状と寸法を保持した
多孔質アセチレン高重合体を得た。得られた多孔質アセ
チレン高重合体は、実施例1で得たと同様なフィブリル
構造を有し、嵩密度が0.04夕/地、シス含量は60
%、縄気伝導度が5.7×10‐80‐1・弧‐1のp
型半導体であった。この多孔質アセチレン高重合体を実
施例1と同様にプレス成形して高密度が0.82多/地
の強靭な成形品を得た。 実施例 3 実施例1で得られたアセチレン高重合体のゲル状物中の
トルェンを、ベンゼンの代りに1・4ージオキサンで置
換した以外は、実施例1と全く同様に凍結乾燥して嵩密
度が0.075夕/仇の多孔質アセチレン高重合体を得
た。
Claims (1)
- 1 アセチレンを凝固点が−50〜50℃の有機溶媒の
存在下に重合するか、または該有機溶媒以外の他の溶媒
の存在下で重合した後、アセチレン高重合体のゲル状物
中の他の溶媒を上記有機溶媒で置換して得られる、凝固
点が−50〜50℃の有機溶媒を含有するフイブリル構
造を有するアセチレン高重合体のゲル状物を凍結乾燥す
ることを特徴とするフイブルリル構造を有する多孔質ア
セチレン高重合体の製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5024479A JPS6028300B2 (ja) | 1979-04-25 | 1979-04-25 | フイブリル構造を有する多孔質アセチレン高重合体の製造方法 |
DE19803041421 DE3041421C2 (de) | 1979-03-29 | 1980-03-28 | Verfahren zur Herstellung sowohl einer leicht formbaren Masse aus einem Acetylenhochpolymeren als auch eines por¦sen Acetylenhochpolymeren |
GB8036773A GB2058096B (en) | 1979-03-29 | 1980-03-28 | Process for preparing gel-like composition of acetylene high polymer and process for fabrication thereof |
PCT/JP1980/000053 WO1980002143A1 (en) | 1979-03-29 | 1980-03-28 | Process for preparing gel-like composition of acetylene high polymer,and process for fabrication thereof |
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US06/301,890 US4410640A (en) | 1979-03-29 | 1981-09-11 | Process for producing a gel-like composition of a high polymer of acetylene, and process for molding said composition |
US06/755,210 US4596852A (en) | 1979-03-29 | 1985-07-12 | Process for producing a gel-like composition of a high polymer of acetylene, and process for molding said composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5024479A JPS6028300B2 (ja) | 1979-04-25 | 1979-04-25 | フイブリル構造を有する多孔質アセチレン高重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS55142030A JPS55142030A (en) | 1980-11-06 |
JPS6028300B2 true JPS6028300B2 (ja) | 1985-07-04 |
Family
ID=12853573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5024479A Expired JPS6028300B2 (ja) | 1979-03-29 | 1979-04-25 | フイブリル構造を有する多孔質アセチレン高重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6028300B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6316133A (ja) * | 1986-07-09 | 1988-01-23 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 可変容量タ−ビン |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57121168A (en) * | 1981-01-22 | 1982-07-28 | Showa Denko Kk | Battery |
JPS59135238A (ja) * | 1983-01-25 | 1984-08-03 | Showa Denko Kk | 多孔性アセチレン系重合体成形物の製造法 |
-
1979
- 1979-04-25 JP JP5024479A patent/JPS6028300B2/ja not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6316133A (ja) * | 1986-07-09 | 1988-01-23 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 可変容量タ−ビン |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS55142030A (en) | 1980-11-06 |
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