JPS6160844B2 - - Google Patents

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JPS6160844B2
JPS6160844B2 JP4788679A JP4788679A JPS6160844B2 JP S6160844 B2 JPS6160844 B2 JP S6160844B2 JP 4788679 A JP4788679 A JP 4788679A JP 4788679 A JP4788679 A JP 4788679A JP S6160844 B2 JPS6160844 B2 JP S6160844B2
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JP
Japan
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acetylene
polymer
compounds
compound
stretching
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Application number
JP4788679A
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English (en)
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JPS55142012A (en
Inventor
Masao Kobayashi
Hideki Shirakawa
Sakuji Ikeda
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP4788679A priority Critical patent/JPS55142012A/ja
Publication of JPS55142012A publication Critical patent/JPS55142012A/ja
Publication of JPS6160844B2 publication Critical patent/JPS6160844B2/ja
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、延伸性の良好な膜状または繊維状ア
セチレン高重合体の製造方法に関する。 アセチレンを遷移金属化合物と有機金属化合物
からなる、いわゆるチーグラー・ナツタ触媒を用
いて重合させて得られるアセチレン高重合体は、
有機半導体として知られている。このアセチレン
高重合体は加熱しても溶融せず、また酸素存在下
で加熱すると容易に酸化劣化を受け易い。また、
このアセチレン高重合体を溶解する溶媒も見い出
されていない。従つて、従来アセチレン高重合体
の実用的成形物を製造する方法は、次の二つの方
法のみに限られていた。 (イ) 粉末状アセチレン高重合体を加圧成形する方
法。 (ロ) 遷移金属化合物と有機金属化合物からなる触
媒系をトルエンの如き芳香族炭化水素またはヘ
キサデカンの如き脂肪族炭化水素に溶解してな
る触媒溶液と気体アセチレンの自由表面近傍の
界面および固体表面にこの触媒溶液を塗布した
表面で重合を行なつて膜状および繊維状アセチ
レン重合体を製造する方法(特公昭48―32581
号)。 しかしながら、前者の(イ)の方法では、機械的強
度の低い成形品しか得られず、機械的強度のある
アセチレン高重合体の成形品を得る方法は後者の
(ロ)方法に限定されていた。(ロ)の方法によつて、製
造される膜および繊維は、直径200から300Åの繊
維状微結晶(フイブリル)が無秩序に集合した結
晶性の高重合体である。このアセチレン高重合体
はシスまたはトランス共役二重結合のつながりか
らなる直鎖状不飽和炭化水素であり、一部架橋し
ている可能性がある。また、(ロ)の方法によつて製
造されるアセチレン高重合体は、重合温度により
二重結合の立体配置が異り、−78℃以下で重合し
た高重合体中の二重結合の98%はシス結合である
が、重合温度が高くなるにつれトランス結合が増
加して+150℃以上で重合したものはほぼ完全に
トランス結合のみとなる。シス結合を含む高重合
体は真空中または不活性気体中で200℃、30分間
熱処理を行なうと完全なトランス結合に異性化さ
せることができる。また、処理温度と時間を調節
することにより任意のシス―トランス組成を有す
る高重合体を製造することができる。 この重合体の電気的、機械的、および光学的性
質はシス―トランス組成により大きく変化する。
例えば25℃における導電率は、シス含有率が約95
%のもので1.7×10-9Ω-1・cm-1、トランス含有率
が約95%のもので4.4×10-5Ω-1・cm-1である。破
断強度はシス含有率98%で3.8Kg/mm2からトラン
ス含有率の増加と共に次第に減少し、トランス含
有率96%では2.4Kg/mm2となる。一方、破断伸び
はシス含有率98%の140%からトランス含有率96
%で5%以下となる。従つてシス含有率の高い膜
状および繊維状アセチレン高重合体は、機械的操
作により延伸し繊維状微結晶を延伸方向に配列す
ることが可能で、一軸延伸配向したシス含有率の
高い膜状および繊維状アセチレン高重合体を製造
できる。この一軸延伸したアセチレン高重合体を
機械的緊張下で加熱し、シス結合をトランス結合
に熱異性化させるとさらに延伸が進み、より高度
に配向したトランス含有率の高い膜状および繊維
状アセチレン高重合体を製造できる。 このように延伸して得られるアセチレン重合体
の電気伝導度は異方性を有し、延伸軸方向の電気
伝導度(σ11)と延伸軸に直交方向の電気伝導度
(σ)の比((σ11/σ)は、概略延伸倍率の
2乗に比例して変化するため、電気伝導度の異方
性を利用した電子・電気素子としてアセチレン高
重合体を利用する場合には、延伸性の良好なこと
が必須条件であつた。しかし、従来の方法で得ら
れるアセチレン高重合体の単なる機械的緊張下で
の延伸ではその延伸倍率は高々200%であり、200
%以上の高い延伸倍率を得るためには、機械的緊
張下で加熱延伸させるという複雑な操作があり、
また、この場合アセチレン高重合体は酸素により
酸化劣化を受け易いので、酸素の不存在下の状態
で加熱延伸しなければならないという取り扱い上
の困難さがあつた。 以上の点に鑑みて、本発明者等は、機械的緊張
のみの延伸で高い延伸倍率を与えるアセチレン高
重合体の製造方法について種々検討した結果、遷
移金属化合物および有機金属化合物とを主成分と
する触媒系と溶媒とからなり、且つ遷移金属化合
物の濃度が溶媒1に対して0.1モルより多い触
媒溶液を、静置した状態または該触媒溶液を固体
表面に塗布した状態で使用して、該触媒溶液とア
セチレンとを接触させて膜状または繊維状アセチ
レン高重合体を製造する方法において、該溶媒と
して芳香族エーテル系化合物を用いれば、延伸性
の良好な膜状または繊維状アセチレン高重合体が
得られることを見出し、本発明を完成した。 本発明の製造方法によつて得られる膜状または
繊維状アセチレン高重合体は、機械的緊張のみに
よつて容易に200%以上の高い延伸倍率を与える
から、工業的に極めて有用である。 本発明において、溶媒として芳香族エーテル系
化合物を用いると何故に高延伸性のアセチレン高
重合体が得られるかは必ずしも明確ではないが、
芳香族エーテル系化合物がトルエンの如き芳香族
炭化水素やヘキサデカンの如き脂肪族炭化水素に
比較してアセチレン高重合体と相溶性にすぐれて
いるため本発明の効果が発現するものと考えられ
る。 本発明において用いられる遷移金属化合物と
は、チタン、バナジン、クロム、鉄、コバルト、
タングステンおよびモリブデンの金属のハロゲン
原子あるいは炭素数が多くとも20個のアルキル
基、アルケニル基アリル(aryl)基、アラルキル
基、アルコキサイド基、フエノキツド基、カルボ
ン酸残基、シクロペンタジエニル基、アセチルア
セトン残基、一酸化炭素(カルボニル基)を有す
る化合物ならびに該化合物とピリジン、トリフエ
ニルフオスフインおよびジピリジル等の電子供与
性化合物との錯体である。 遷移金属化合物のうちでもチタン、バナジン、
鉄、クロムおよびコバルトの化合物が好ましく、
特にチタンの化合物が好ましい。 好ましい遷移金属化合物の代表例としては、一
般式が(1)〜(3)式で示される遷移金属化合物をあげ
ることができる。 Ti(OR)4 (1) (Rは炭素数が多くとも20個のアルキル基また
はアリル基(aryl)) M(acac)3 (2) MO(acac)2 (3) 〔(acac)はアセチルアセトナート基、Mはチ
タン、バナジン、鉄、クロム、およびコバルトの
遷移金属である〕 これらの遷移金属化合物の代表例としては、例
えばテトラメトキシチタニウム、テトラエトキシ
チタニウム、テトラn―プロポキシチタニウム、
テトライソプロポキシチタニウム、テトラn―ブ
トキシチタニウム、テトライソブトキシチタニウ
ム、テトラオクタデシロキシチタニウム、テトラ
フエノキシチタニウム、トリスアセチルアセトナ
ートチタニウム、トリスアセチルアセトナートバ
ナジウム、トリスアセチルアセトナート鉄、トリ
スアセチルアセトナートクロム、トリスアセチル
アセトナートコバルト、チタニウムオキシアセチ
ルアセトナート、バナジウムオキシアセチルアセ
トナート等があげられる。 本発明において用いられる有機金属化合物は周
期律表のA、B、BおよびB族の金属の
うち少なくとも一種の金属を有する有機金属化合
物であり、そのうちの一部の一般式は下式で示さ
れるものである。 MRn 〔ただし、Mは周期律表のA、B、B、
またはB族の金属であり、Rは炭素数が多くと
も20個のアルキル基、アルケニル基、アリル
(aryl)基、アラルキル基、アルコキサイド基、
フエノキシ基およびシクロペンタジエニル基から
なる群からえらばれた有機基または水素原子もし
くはハロゲン原子であり、それらは同一でも異種
でもよいが、それらのうち少なくとも一つは水素
原子または該有機基であり、nは該金属の最高原
子価数またはそれ以下の正の整数である〕 他の有機金属化合物としては、上記の有機金属
化合物と当モルのピリジン、トリフエニルホスフ
インまたはジエチルエーテルとの錯体および該有
機金属化合物1モルと多くとも2.0モルの水との
反応物ならびに二種の前記有機金属化合物の複塩
があげられる。 本発明において使用される有機金属化合物のう
ち、代表的なものとしては、マグネシウム、カル
シウム、亜鉛、ほう素、アルミニウム、ガリウ
ム、けい素、およびすずを有する有機金属化合物
であり、特にマグネシウム、亜鉛、アルミニウム
およびすずの有機金属化合物が好ましく、とりわ
け、有機アルミニウム系化合物が好適である。該
有機アルミニウム系化合物の代表例としては、ト
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリヘキシルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロライド、ジ―n―ブチルアルミニウ
ムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロラ
イド、ジエチルアルミニウムブトキシドおよびト
リエチルアルミニウムと水との反応生成物〔反応
割合1;0.5(モル比)〕があげられる。それ以外
の有機アルミニウム系化合物としては、アルミニ
ウム・シロキサレン系(Slloxalene)化合物、ア
ルミニウム・アマイド系化合物およびジアルモキ
サレン系化合物ならびに前記の有機アルミニウム
化合物を含む複塩があげられる。 本発明において有機金属化合物として使用され
るアルミニウム・シロキサレン系化合物の一般式
は下式で示されるものである。 〔ただし、R1、R2およびR3は同一でも異種で
もよく、ハロゲン原子または炭素数が多くとも10
個のアルキル基もしくはアルコキシ基であり、
R4は炭素数が多くとも10個のアルキル基であ
り、R5はハロゲン原子または炭素数が多くとも
10個のアルキル基もしくはアルコキシ基あるいは
一般式が
【式】または
【式】 (ただし、R6、R7およびR8は同一でも異種で
もでもよく、前記のR1、R2およびR3と同一であ
り、nは10以下の正の整数)で表わされる置換基
である〕 本発明において用いられるアルミニウム・シロ
キサレン系化合物のうち、代表的なものとして
は、トリメチルジメチル―シロキサレン、トリメ
チルジエチル―シロキサレン、トリメチルジ―n
―プロピル―シロキサレン、トリメチル―ジイソ
ブチル―シロキサレン、トリメチルジオクチル―
シロキサレン、トリクロロジメチル―シロキサレ
ン、ジメチルエチルジエチル―シロキサレン、ト
リメトキシジメチル―シロキサレン、トリエチル
ジメチル―シロキサレン、トリメチルジメトキシ
―シロキサレン、トリメチルジメトキシ―シロキ
サレンおよびトリメトキシジクロロ―シロキサレ
ンがあげられる。 また、本発明において有機金属化合物として使
われるアルミニウム・アマイド系化合物の一般式
は下式で示されるものである。 (ただし、R1、R2およびR3は同一でも異種で
もよく、水素原子または炭素数が多くとも10個の
アルキル基であり、R4はハロゲン原子または炭
素数が多くとも10個のアルキル基である) 本発明において使用されるアルミニウム・アマ
イド系化合物のうち、代表的なものとしては、ジ
エチルアルミニウムジメチルアミド、ジエチルア
ルミニウムジエチルアミド、ジメチルアルミニウ
ムジメチルアミド、ジメチルアルミニウムジ―n
―ブチルアミド、ジエチルアルミニウムジ―n―
ブチルアミド、ジクロロアルミニウムジメチルア
ミド、ジメチルアルミニウムジオクチルアミド、
ジイソブチルアルミニウムジ―n―ブチルアミド
およびジヘキシルアルミニウムジオクチルアミド
があげられる。 本発明において有機金属化合物として用いられ
ジアルモキサン系化合物の一般式は下式で示され
るものである。 (ただし、R1、R2およびR3は同一でも異種で
もよく、ハロゲン原子または炭素数が多くとも10
個のアルキル基もしくはアルコキシ基であり、
R4は炭素数が多くとも10個のアルキル基であ
る) 本発明において使用されるジアルモキサン系化
合物のうち、代表的なものとしては、テトラメチ
ルジアルモキサン、テトラエチルジアルモキサ
ン、テトライソブチルジアルモキサン、1.1―ジ
メチル―3.3―ジエチルジアルモキサン、テトラ
イソブチルジアルモキサン、1.1―ジメチル―3.3
―ジイソブチルジアルモキサン、テトラデシルジ
アルモキサン、塩化トリメチルジアルモキサンお
よび塩化トリエチルジアルモキサンがあげられ
る。 本発明において使われる有機金属化合物のうち
有機アルミニウム化合物以外の有機金属化合物の
代表例としては、ジエチルマグネシウム、塩化エ
チルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、
塩化アリル(allyl)マグネシウム、塩化ノルマル
プロピルマグネシウム、第三級―ブチルマグネシ
ウムクロライド、臭化フエニルマグネシウム、ジ
フエニルマグネシウム、エチル・エトキシマグネ
シウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジエトキ
シ亜鉛、ヨウ化フエニルカルシウム、塩化ジブチ
ルホウ素、ジボレイン、トリメチルホウ素、トリ
エチルシラン、四水素化ケイ素、トリエチルシリ
コーンハイドライド、テトラメチルスズ、テトラ
エチルスズ、塩化トリメチルスズ、二塩化ジメチ
ルスズ、水素化トリメチルスズ、臭化エチルマグ
ネシウムとエチルエーテルとの錯体およびジエチ
ル亜鉛と水との反応生成物〔H2O/Zn(C2H52
<2.0(モル比)〕などがあげられる。 さらに、本発明において使用される有機化合物
としては、二種の上記有機化合物の複塩(たとえ
ば、リチウムアルミニウムテトラハイドライド、
カルシウムテトラエチル亜鉛)があげられる。 本発明を実施するにあたり、これらの有機金属
化合物は一種のみを使用してもよく、二種以上を
併用してもよい。 遷移金属化合物に対する有機金属化合物の使用
割合は、特に制限されないが、一般には、遷移金
属化合物の遷移金属に対する有機金属化合物の割
合はモル比で1〜100の範囲内であることが好ま
しい。 これら遷移金属化合物と有機金属化合物を、必
要に応じて第3成分を組み合せて使用し、重合体
収率、重合速度等を制御することも可能である。
第3成分としては含酸素化合物、例えばアルコー
ル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロラ
イド、エステル、ケトン等が代表例としてあげら
れるが、その他含窒素化合物、含硫黄化合物、含
ハロゲン化合物、あるいは分子状ヨウ素、その他
のルイス酸等も用いることができる。 これらの触媒系の添加順序は、特に制限されな
い。 本発明において用いられる芳香族エーテル系化
合物とは、一般式が次式で表わされる化合物であ
る。 (ただし、Rは炭素数が10以下のアルキル基ま
たはアリール基であり、nは1、2または3のい
ずれかの正の整数である。) 芳香族エーテル系化合物の具体例としてはメチ
ルフエニルエーテル(アニソール)、エチルフエ
ニルエーテル、ジフエニルエーテル、m―ジメト
キシベンゼン、p―ジメトキシベンゼン、m―ジ
エトキシベンゼン、p―ジエトキシベンゼン、お
よび1,3,5―トリメトキシベンゼン等をあげ
ることができる。これら芳香族エーテル系化合物
は、単独または2種以上混合して使用してもよ
い。また、芳香族エーテル系化合物は、芳香族エ
ーテル系化合物以外の不活性な脂肪族または芳香
族化合物との混合溶媒として用いても差し支えな
い。この際、混合溶媒中の芳香族エーテル系化合
物の占める割合は、20容量%以上、特に好ましく
は50容量%以上であることが望ましい。触媒系の
うちの遷移金属化合物の濃度は、溶媒1に対し
て0.1モルより多いことが好ましく、特に好まし
くは0.1〜10モルである。遷移金属化合物の濃度
が溶媒1に対して0.1モル以下では、膜状また
は繊維状のアセチレン高重合体を得ることは困難
である。 前記の触媒系は、酸素または水と反応して分解
したり変質したりするので、触媒の取り扱いは実
質的に酸素および水の存在しない状態で取り扱う
ことが必要であるばかりでなく、用いる有機溶媒
も常法にしたがつて精製して酸素および水を極力
減らしておくことが必要である。触媒溶液は、均
一溶液または不均一溶液のいずれであつてもよい
が、均一性にすぐれた膜および繊維うるためには
均一溶液であることが好ましい。 重合時の温度によつてアセチレン高重合体の立
体構造を制御することが可能であることはすでに
述べたが、本発明の高延伸性のアセチン重合体を
製造するためには、アセチレンの重合温度はシス
体含量の多いアセチレン高重合体が得られ易い室
温以下の温度、好ましくは10℃以下の温度、特に
好ましくは0℃から−100℃の温度であることが
望ましい。 重合は、静置した触媒溶液にアセチレンガスを
接触させるか、固体表面に触媒溶液を塗布し、塗
布した触媒溶液にアセチレンガスを接触させるこ
とによつて行なわれる。アセチレンの圧力は、特
に制限されないが、一般的には、10気圧以下が好
ましい。 本発明で膜状のアセチレン高重合体を製造する
ために使用される固体表面には特に制限はない
が、その具体例としてはガラス、金属、プラスチ
ツク、半導体、雲母等をあげることができる。ま
た、ガラス、金属等の繊維に触媒溶液を塗布して
重合を行なうことにより、ガラス、金属等を軸芯
とする繊維状アセチレン高重合体を製造すること
ができる。特に適当な有機または無機溶剤に可溶
なポリオレフイン、ポリエステル、ポリアミド等
の繊維に触媒溶液を塗布して重合後、軸芯繊維を
溶剤により除去し、延伸処理を行なえばアセチレ
ン高重合体のみからなる配向した繊維を製造する
ことができる。 重合して得られた膜状または繊維状のアセチレ
ン高重合体から触媒を除去する方法としては、触
媒が溶解する有機溶媒で洗滌する方法等の通常の
方法が用いられるが、特に触媒を除去しないで用
いても差し支えない。 このようにして得られるアセチレン高重合体は
高延伸性であり、室温で延伸するだけで容易に
200%以上の高い延伸倍率が得られ、さらに機械
的緊張下での加熱延伸操作を加えることによつて
容易に250%以上の高い延伸倍率のアセチレン高
重合体が得られる。 加熱延伸操作時の温度は、室温から300℃、好
ましくは50℃〜250℃、特に好ましくは100℃〜
250℃である。このように延伸して得られるアセ
チレン高重合体の電気伝導度は、10-10〜10-6Ω
-1・cm-1であるが、さらにより高い電気伝導度の
アセチレン高重合体が要求される場合には、電子
受容性化合物または電子供与性化合物で延伸後の
アセチレン重合体を処理すればよい。 ここでいう電子受容性化合物としては、 ()ヨウ素、臭素およびヨウ化臭素の如きハ
ロゲン、()五フツ化ヒ素、五フツ化アンチモ
ン、四フツ化ケイ素、五塩化リン、五フツ化リ
ン、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムおよび
フツ化アルミニウムの如き金属ハロゲン化物、
()硫酸、硝酸、フルオロ硫酸、トリフルオロ
メタン硫酸およびクロロ硫酸の如きプロトン酸、
()三酸イオウ、二酸化窒素、ジフルオロスル
ホニルパーオキシドの如き酸化剤、()Ag、
()テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、クロラニール、2.3―ジクロル―5.6―
ジシアノパラベンゾキノン、2.3―ジブロム―5.6
―ジシアノパラベンゾキノン等をあげることがで
きる。また、電子供与性化合物としては、ナトリ
ウム、カリウム、セシウムをあげることができ
る。 これらの電子受容性化合物または電子供与性化
合物でアセチレン重合体を処理する方法として
は、()電子受容性化合物または電子供与性化
合物の蒸気を直接アセチレン重合体に接触させる
方法および()アセチレン重合体を不活性有機
溶媒または水に浸漬して、そこに電子受容性化合
物または電子供与性化合物を導入する方法等があ
げられるが、その他のいずれの方法を用いてもよ
い。 本発明の製造方法により得られる膜状または繊
維状アセチレン高重合体は、上記の諸電気的性質
を利用することにより、例えば電気抵抗素子、感
熱素子、感光素子等の電子機器の部品を製造する
ための有機半導体材料として有用である。 以下、実施例により本発明をさらにくわしく説
明する。 なお、実施例および比較例における伸び率の測
定は、ASTM―D―638―58Tにしたがつた。 また、本発明でいう伸び率とは、延伸前の長さ
をl0、破断時の長さをlとすると、伸び率(%)
=(l/l0)×100なる式で示されるものである。 実施例 1 窒素雰囲気下で内容積500mlのガラス製反応容
器に1.7ml(5.0ミリモル)のチタニウムテトラブ
トキサイドを加え、30mlのアニソールに溶かし、
次いで2.7ml(19.7ミリモル)のトリエチルアル
ミニウムを撹拌しながら加えて触媒溶液を調製し
た。 この反応容器を液体窒素で冷却して、系中の窒
素ガスを真空ポンプで排気した。次いで、この反
応容器を−78℃に冷却し、静止したままで、1気
圧の圧力の精製アセチレンガスを吹き込んだ。 直ちに、触媒溶液表面で重合が起り、膜状のア
セチレン高重合体が生成した。アセチレン導入
後、30分で反応容器系内のアセチレンガスを排気
して重合を停止した。窒素雰囲気下で触媒溶液を
注射器で除去した後、−78℃に保つたまま精製ト
ルエン100mlで5回繰り返し洗滌した。次いで真
空乾燥して金属光択を有する赤紫色の厚さ2mm
で、シス含量98%の膜状アセチレン高重合体を得
た。 この膜状アセチレン高重合体の伸び率は280%
であつた。また、延伸したアセチレン高重合体の
電気抵抗は異方性を有し、20℃での比抵抗は延伸
軸方向で2.05×10-5Ω・cm、延伸軸に直交方向で
1.27×10-6Ω・cmであつた。 また、本重合方法で得られた未延伸のアセチレ
ン高重合体を250%まで室温で延伸し、続いて加
熱延伸操作を行つた。加熱延伸操作は巾5mmの延
伸フイルムを切り取り、660grの荷重をかけてガ
ラス容器に納めて真空ポンプで排気し、系を10-3
mmHgに保ちながら外部から電気炉で毎分2〜3
℃に加熱しながら熱異性化処理を行なつた。約
130℃で熱異性化に伴う延伸が起り、約160℃で伸
びは止つた。冷却して室温に戻して延伸フイルム
を取り出した。熱異性化処理後の延伸フイルムの
伸び率は325%であつた。 このフイルムをフラスコに入れ、真空ポンプで
空気を排気した後、ヨウ素ガスを室温の蒸気圧で
導入して、この延伸フイルムを1時間ヨウ素ガス
で処理した。処理後、未反応のヨウ素を真空ポン
プで排気してヨウ素処理した延伸フイルムを得
た。このヨウ素処理した延伸フイルムの電気伝導
度(直流4端子法で測定)は異方性を有し、20℃
での電気伝導度は延伸方向で185Ω-1・cm-1、延
伸軸に直交方向で12Ω-1・cm-1であつた。 実施例2〜3、比較例1〜5 実施例1で重合溶媒として用いたアニソールの
代りに第1表に示す溶媒を用いた以外は実施例1
と全く同様に触媒の調製およびアセチレンの重合
を行つた。得られた膜状アセチレン高重合体(膜
厚2mm、シス含量98%)の伸び率は、第1表のと
おりであつた。
【表】 実施例 4 窒素雰囲気下で内容積500mlのガラス製反応容
器に、5.1ml(15.0ミリモル)のチタニウムテト
ラブトキサイドを加え、18.4mlのアニソールに溶
かし、6.5ml(40.0ミリモル)のトリイソブチル
アルミニウムを撹拌しながら加えて反応させ触媒
溶液を調製した。 この反応容器を液体窒素で冷却して、系中の窒
素ガスを真空ポンプで排気し、次いでこの反応容
器を−50℃に冷却した。 反応容器を回転させて触媒溶液をガラス製反応
容器の内壁に均一に付着させた後、反応容器を静
置させた状態で直ちに1気圧の圧力の精製アセチ
レンガスを導入して重合を行なつた。重合開始と
同時に反応容器の内壁に金属光択を持つたアセチ
レン高重合体が析出した。この状態で1時間重合
反応を行つた後、未反応アセチレンを真空ポンプ
で排気して重合を停止した。窒素雰囲気下で触媒
溶液を注射器で除去した後、−50℃に保つたまま
精製アニソール100mlで5回洗滌を繰り返し、次
いで室温で真空乾燥した。触媒溶液が反応容器内
壁に付着した部分に、その部分の面積と等しく、
厚さが85μmでシス含量が95%の膜状アセチレン
高重合体が得られた。得られた膜状アセチレン高
重合体の伸び率は300%であつた。 この延伸したアセチン高重合体の電気抵抗は異
方性を有し、20℃での比抵抗は延伸軸方向で3.21
×10-5Ω・cm、延伸軸に直交方向で1.52×10-6
Ω・cmであつた。 また、この延伸したフイルムをフラスコに入
れ、真空ポンプで空気を排気した後、5mmHgの
圧力の五フツ化ヒ素ガスを導入して、延伸フイル
ムを1時間五フツ化ヒ素で処理後、未反応の五フ
ツ化ヒ素を真空ポンプで排気して五フツ化ヒ素で
処理した延伸フイルムを得た。 この五フツ化ヒ素で処理した延伸フイルムの電
気伝導度は異方性を有し、20℃での電気伝導度は
延伸方向で1520Ω-1・cm-1、延伸軸に直交方向で
120Ω-1・cm-1であつた。 実施例 5〜8 実施例4で遷移金属として用いたチタニウムテ
トラブトキサイドのかわりに同じ量の第2表に示
す遷移金属化合物を用い、実施例4と同じ方法で
重合して膜状アセチレン高重合体を得た。膜厚は
90μmでシス含量は95%であつた。得られたそれ
ぞれの膜状アセチレン高重合体の伸び率は第2表
に示した。
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 遷移金属化合物および有機金属化合物を主成
    分とする触媒系と溶媒とからなり、且つ遷移金属
    化合物の濃度が溶媒1に対して0.1モルより多
    い触媒溶液を、静置した状態または該触媒溶液を
    固体表面に塗布した状態で使用して、該触媒溶液
    とアセチレンとを接触させて膜状または繊維状ア
    セチレン高重合体を製造する方法において、該溶
    媒として芳香族エーテル系化合物を使用すること
    を特徴とする延伸性の良好な膜状または繊維状ア
    セチレン高重合体の製造方法。
JP4788679A 1979-04-20 1979-04-20 Preparation of acetylene high polymer film or fiber having improved drawability Granted JPS55142012A (en)

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