JPS6024806Y2 - 温室 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は温室、詳しくは屋根フレーム構造物と壁フレ
ーム構造物と、透光性を備え、内部に空気層を有する断
熱パネルとから戒り、前記断熱パネルを、前記屋根フレ
ーム構造物と、壁フレーム構造物の外側に、取付部材を
介して取付けるようにした温室に関する。

従来においてもこの種温室に関し、屋根材及び壁材とし
て前記断熱パネルを用いることは知られていたのである
が、該断熱パネルの大きさ、特に幅方向寸法は、一定大
きさに規格化されているため、該パネルを用いる場合に
は、該パネルを幅方向に多数枚つなぎ合わせて用いる必
要がある。

所でこれらつなぎの部分は、取付部材により前記各構造
物に取付けているのであるが、これらつなぎ部分を確実
に、密着して固定することが困難であったところから、
これらつなぎの部分より温室内に雨水が侵入することが
ないようにするため、パツキン材又はパテ類を用いてシ
ールしていたのであるが、こういった方法により雨水の
侵入を防止することは、温室の建設に手間取るばかりか
コストが非常に高くなるといった問題があったのである
。

本考案は以上の如き問題点に鑑みて考案したもので、屋
根材及び壁材のつなぎの部分にパツキン材及びパテ類を
用いることなく温室に侵入せんとする雨水を温室外部に
誘導滴下させることができるようにしたものであり、屋
根フレーム構造物と壁フレーム構造物と、透光性をもっ
た上板と下板及び複数の仕切板とを備え、内部に空気層
を有する断熱・〈ネルとから威り、前記断熱パネルを、
前記屋根フレーム構造物と、壁フレーム構造物の外側に
、取付部材を介して取付ける温室であって、前記取付部
材を断面Ｕ形で、底部に排水路を備え、上部に前記パネ
ルを受止める幅広な受片を備えた長尺な受体と該受体の
受片に対向する幅広な押え片をもった長尺な押え体とに
より形威し、前記受体を前記各フレーム構造物に取付け
て、前記断熱パネルを、前記受体の受片と押え体の押え
片とで挟着して、前記フレーム構造物に取付けると共に
、前記押え片の下面と、前記受片の上面とに、前記押え
体及び受体の長さ方向に沿う複数条の突条を形成する一
方、これら突条の形状を、前記断熱パネルの挟着時該断
熱パネルの表面に喰込むごとく尖鋭状に形威したことを
特徴とするものである。

以下本考案の温室を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。

本考案温室は、第１図のごとく、屋根フレーム構造物Ａ
と、壁フレーム構造物Ｂ及び後記する断熱パネル１とか
ら成るもので、前記屋根フレーム構造物Ａは、複数個の
Ｈ型鋼製合掌部材２と、該合掌部材２に架設する複数個
のリップ付Ｃ型鋼製母屋３とから戒り、壁フレーム構造
物Ｂは、前記合掌部材２に固定する複数本のＨ型鋼製柱
部材４と該柱部材４に架設する複数個のリップ付Ｃ型鋼
製胴縁５とから構成するのである。

そして、以上の如く構成する各構造物Ａ、 Ｂの前記母
屋３及び胴縁５に、前記断熱パネル１を、取付部材６に
より取付けるのである。

前記断熱パネル１は、第２，３図に示したごとく、ポリ
カーボネイト樹脂などを用い透光性を有するごとく形成
するのであって、上板１１及び下板１２の二重構造とな
っており、前記両板１１゜１２間に多数の仕切板１３を
取付けて、内部に空気層１４を有するごとく構成されて
いる。

しかして前記断熱パネル１を前記各フレーム構造物Ａ。

Ｂに取付ける取付部材６は、長尺なアルミ成型品から戊
る受体７と、押え体８とから構成するのであって、前記
受体７は、断面Ｕ形としてその開口上部に前記断熱パネ
ル１を受止める幅広な受片７０を設け、また底部に排水
路７１を設けると共に、前記底部の中央部には、前記母
屋３に取付けるボルト２０を挿通ずるための切割り部７
２を設け、前記底部の上方には、断面Ｕ字形としたねじ
受部７３を突設している。

又、前記押え体８は、アーチ状となっていて、その両側
には、受体７の前記受片７０．７０に対向する幅広な押
え片８１．８１を設けており、これら押え片８１．８１
と前記受片７０．７０との各対向面、即ち前記押え汁８
１，８１の下面及び前記受片７０．７０の上面には前記
押え体８及び前記受体７の長さ方向に沿う尖鋭状の複数
個の突条８２・・・を形威し、後記する断熱パネル１の
取付時、前記突条８２・・・を前記断面パネルの表面に
喰込む如く圧着させて、前記断熱パネル１を前記受体７
と押え体８とで挟着するように威しているのである。

即ち、前記突条８２・・・により前記受体７の受片７０
．７０と前記押え体８の押え片８１，８１と；で前記断
熱パネル１を位置ずれが生ずることなく確実に挟着でき
ると共に雨水の浸入を最小限に抑制できるように威すの
である。

又前記受体７は、前記母屋３又は胴縁５に固定すると共
に、前記受体７と押え体８とにより、前１記断熱パネル
１を、挾み込んで前記母屋３又は胴縁５に取付けるので
ある。

第２，３図には、前記断熱パネル１を前記母屋３に取付
けた部分を示している。

又、第２，３、図に示した前記受体７の母屋３への固定
は、該母屋３を構成するリップ付Ｃ型鋼のリップ部３ａ
に係合する保合部９１を一端側にもった細幅板状の固定
体９を用い、この固定体９の保合部９１を、前記母屋３
のリップ部３ａに係合した状態で前記受体７の切割り部
７２に遊嵌した′頭付ボルト２０を前記固定体９の貫通
孔に貫通し、ナツト２１の締付けにより、前記固定体９
の遊端側を、前記受体７に接触させ、この接触と、前記
係合部９１のリップ部３ａへの係合とにより、前記受体
７を前記母屋３の上面に引付けて固定するのである。

また、前記受体７と押え体８とによる前記パネル１の挟
着は、雑材ビス２２を用いるのであって、該ビス２２を
、前記押え体８の貫通孔を貫通させて、前記受体７に設
けたねじ受部７３に強制的に旋回させながら螺合するこ
とにより行なうのである。

前記受体７と押え体８とにより構成する取付部材６で前
記断熱パネル１を前記母屋３に取付けるのは、隣接して
配置する前記パネル１，１の継ぎ目において行なうので
あって、継ぎ目以外の中間部及び最外側に位置する断熱
パネル１の外側端部の取付けは、第２図のごとく他の取
付部材を用いてもよいが前記受体７をそのまま利用して
もよい。

又、前記受体７は、前記したごとく構成してもよいが、
その他前記ねじ受部７３を設けないで、前記切割り部７
２を連結する連結部に、直接前記雑材ビス２２を螺合す
るごとく威してもよいのである。

尚、第２図は屋根フレーム構造物Ａを上方から下向きに
見た断面図で、最外側の合掌部材２及び柱部材４を表わ
している。

第２図において３０は、前記合掌部材２に沿って固定す
るブラケットで、外側部材３１を固定しており、この外
側部材３１と、前記柱部材４に固定する胴縁５により、
前記断熱パネル１を垂直状態に支持している。

しかして、以上の如く断熱パネル１を、第２゜３図のご
とく屋根フレーム構造物Ａの母屋３に取付けて屋根を構
成する場合、前記各パネルト・・の継目には、前記押え
体８が隣接する各パネル１゜１の端部間に跨がって取付
けられるため、前記継目からの雨水の侵入は少なくでき
るのであり、また、たとえ前記継目から雨水が侵入して
も、該雨水は、前記パネル１の端部から前記受体７の底
部に形成した排水路７１に受止められ、該排水路７１の
温室外部に開口する下端部から、外部に排出されるので
ある。

以上は、屋根フレーム構造物Ａについて説明したが壁フ
レーム構造物についても同様に適用できる。

以上説明した如く本考案の温室は、屋根フレーム構造物
と壁フレーム構造物と、透光性をもった上板と下板及び
複数の仕切板とを備え、内部に空気層を有する断熱パネ
ルとから戒り、前記断熱パネルを、前記屋根フレーム構
造物と、壁フレーム構造物の外側に、取付部材を介して
取付ける温室であって、前記取付部材を断面Ｕ形で、底
部に排水路を備え、上部に前記パネルを受止める幅広な
受片を備えた長尺な受体と該受体の受片に対向する幅広
な押え片をもった長尺な押え体とにより形成し、前記受
体を前記各フレーム構造物に取付けて、前記断熱パネル
を、前記受体の受片と押え体の押え片とで挟着して、前
記フレーム構造物に取付けると共に、前記押え片の下面
と、前記受片の上面とに、前記押え体及び受体の長さ方
向に沿う複数条の突条を形成する一方、これら突条の形
状を、前記断熱パネルの挟着時該断熱パネルの表面に喰
込むごとく尖鋭状に形成したことを特徴とするものであ
り、前記取付部材を威す長尺な前記受体と前記押え体と
にそれぞれ設ける幅広な受片と押え片とにより、前記断
熱パネルの取付時前記断熱パネルとの挟着領域幅を広く
して該断熱パネルを確実に挟着できるのであり、しかも
前記断熱パネルに加わる挟着力を前記受片と押え片によ
り分散できるから挟着力が集中的に加わって断熱パネル
を破損するような問題を防げるのである。

その上、前記受体と押え体とによる断熱パネルの挟着時
、前記受片の上面と、前記押え片との下面とにそれぞれ
長さ方向に亘って形成した尖鋭状の突条を前記断熱パネ
ルの表面に喰込ませて圧着できるから、前記断熱パネル
をより一層確実に挟着できて該断熱パネルの位置ずれを
防げると共に、前記断熱パネルのつなぎの部分より雨水
が浸入するのを最少限に抑制できるのである。

しかも、万一雨水が浸入してくるようなことがあったと
しても、前記受体の底部に設けた排水路で雨水が受止め
られて温室外へ放出されるから、雨水が温室内部に滴下
飛散することを確実になくし得るものであり、受材と断
熱パネルとの間をパツキン材又はパテ類を用いてシール
することなく、完全に防止できるものである。

更に、前記断熱パネルにおける上板及び下板間に設ける
複数の仕切板により、該断熱パネルの強度は著しく向上
して前記押え体及び受体間での挟着力に充分耐え得るの
であり、かつ透光性を有する前記断熱パネルから取入れ
た太陽光線による熱が、温室外に放出されることを該断
熱パネル内部の空気層で防止して極めて効果的に温室内
の熱を保温するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案温室の一実施例を示す構造物と断熱パネ
ルとの組合せ状態の１部省略説明図、第２図は第１図に
示した温室の最外側部分を上方から下向きに見た断面図
、第３図は要部の拡大断面斜視図である。 Ａ・・・・・・屋根フレーム構造物、Ｂ・・囲壁フレー
ム構造物、１・・・・・・断熱パネル、６・・曲数付部
材、７・・・・・・受体、７０・・・・・・受片、８・
・・・・・押え体、７１・・・・・・排水路、８１・・
・・・・押え片、８２・・・・・・突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根フレーム構造物と壁フレーム構造物と、透光性をも
   った上板と下板及び複数の仕切板とを備え、内部に空気
   層を有する断熱パネルとから成り、前記断熱パネルを、
   前記屋根フレーム構造物と、壁フレーム構造物の外側に
   、取付部材を介して取付ける温室であって、前記取付部
   材を断面Ｕ形で、底部に排水路を”備え、上部に前記パ
   ネルを受止める幅広な受片を備えた長尺な受体と該受体
   の受片に対向する幅広な押え片をもった長尺な押え体と
   により形成腰前記受体を前記各フレーム構造物に取付け
   て、前記断熱パネルを、前記受体と受片と押え体の押え
   片とで挟着して、前記フレーム構造物に取付けると共に
   、前記押え片の下面と、前記受片の上面とに、前記押え
   体及び受体の長さ方向に沿う複数条の突条を形成する一
   方、これら突条の形状を、前記断熱パネルの挟着時該断
   熱パネルの表面に喰込むごとく尖鋭状に形威したことを
   特徴とする温室。