JPS6336117Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、バルコニーに用いられる根太を支持
する根太掛けに関するものである。

〔従来の技術〕

バルコニーと従来の根太掛けを第３図および第
４図に示す。

第３図はバルコニーの一例で、柱建て式のバル
コニーである。１は柱で、中間の柱は間柱２であ
る。３は根太で、けた４と第４図に示す躯体１１
側の根太掛け５′とによつて支持される。根太３
上にはデツキ材が張られ、床を形成している。第
４図５′は従来の根太掛けで、コーチボルト６等
によつて躯体１１面に固着される。根太掛け５′
は断面Ｌ形をなし、Ｌ字の垂直状の一辺を取付部
５a′として躯体１１側に密着し、これと直交する
水平状の他辺を受け部５b′として根太３を載置
し、図示しないボルト、ナツトで固定して根太３
を支持している。７はシーリング材で、根太掛け
５′を躯体１１面に固着したのち、躯体１１と根
太掛け取付部５a′の上端部との接触部である間隙
に塗布される。

上述のように、建物にバルコニーを取付ける場
合、根太掛け５′をコーチボルト６等で躯体１１
である壁面に打ち付け組み立てるが、これは根太
掛け５′の取付部５a′、特にその上端部から雨水
が建物側に流れ込んで躯体１１側締結具の孔に雨
水が浸入して、躯体に浸透し部屋の壁面に滲み出
たり、根太掛け５′下の躯体壁面に雨水のシミを
生じさせないためであり、コーチボルト６等の取
付孔の部分と根太掛け５′上端部にシーリング材
７を施していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかるに、根太掛け上端部に全長に亘つてシー
リング材を施す手間は容易でなく、作業時間もか
かり、しかも躯体側となる壁体がALC（軽量気泡
コンクリート）等の場合には、シーリング材の密
着性に難点がありシール効果も不完全であつた。

本考案はこのような問題を解決すべく考案され
たもので、根太掛け上端部に合成樹脂又はゴム等
よりなる軟質弾性体で成形したシール材を嵌め込
み、この根太掛けを壁面に対しコーチボルト等で
取付けることにより、作業者の技量差とは無関係
にシール材を自動的に壁面に密着して、作業能率
を向上させ、完全なシール効果を期待し得るバル
コニー用根太掛けを提供することを目的とするも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は上記問題点を解決するために、躯体
側に取付けられる垂直状の取付部と根太を支持す
る水平状の受け部とからなる根太掛けの前記取付
部の上端部に、この取付部上端部より少なくとも
頂部が上方かつ躯体側に突出し前記躯体への取付
け時に密着する合成樹脂、ゴム等よりなる軟質弾
性体で成形したシール材を予め嵌め込んでなるバ
ルコニー用根太掛けを構成したものである。

〔作用〕

この考案によれば、根太掛け取付部の上端部に
は、予めシール材を嵌め込んでいるので、根太掛
けの取付けに際し、根太掛けを躯体側へ取付ける
と同時にシール材が躯体と密着した状態で自動的
に取付けられ、壁面と根太掛け取付部の上端部と
の接触部を完全にシールし閉塞することになる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図面の第１図および第２図は改良された根太掛
けである。断面Ｌ形をなしている点は従来の根太
掛けと同じであるが、本考案に係る根太掛け５
は、従来のシーリング材を塗布する部分、すなわ
ち根太掛け５の取付部５ａの上端部には、軌条形
の嵌合溝９を形成してあり、この嵌合溝９と形状
的に合致して嵌合する合成樹脂、ゴム等の軟質弾
性体で成形したシール材８を嵌め込んでいる。こ
のシール材８は、その頂部を鋭角にして根太掛け
取付部５ａの上端部より上方、かつ躯体１１側に
向けた突出湾曲形状であり、しかも躯体１１に取
付けた際に雨水がスムースに躯体１１から離れる
ようにその上面を下り勾配としている。また上記
取付部５ａの下端には、直交方向に折曲した水平
状の受け部５ｂを形成してあり、根太３を直接的
に支持するようにしている。

第２図は別の実施例で、この場合は根太掛け５
の取付部５ａの背面頂部、即ち躯体１１側と面す
る側に鳩尾状の嵌合溝１０を形成して、これに合
致する形状のシール材８を嵌めている。このシー
ル材８は、躯体１１側に面する側を凹ませて、躯
体１１との密着状態を良好にするとともに、その
頂部を先の実施例同様に鋭角にして上方、かつ躯
体１１側に向けて突出してあり、その上面は下り
勾配にして雨水の水捌けを良好にしている。５ｂ
は根太３を支持する受け部である。

上記二実施例は、いずれもシール材８，８を根
太掛け５の嵌合溝９，１０に対してスライドある
いは押圧しながら嵌め込んで、予め根太掛け５に
取付けておくものである。以上のように構成した
根太掛け５を、躯体１１に取付けているので、根
太掛け５を躯体１１に取付けると同時に、シール
材８，８も躯体１１面に密着し、従来例のように
根太掛けを取付けた後シーリング材を取付ける手
間が省け、しかもシール材８，８の形状から躯体
１１側とは密着して取付けられるので、躯体１１
と根太掛け取付部５ａの上端部との間隙、すなわ
ち接触部は閉塞され、作業者の技量差とは無関係
に確実なシール効果が期待できることになる。

なおシール材の形状について２つの例を示した
が、これは例示にすぎず、種々の改変例が考えら
れる。

〔考案の効果〕

本考案は以上の通り構成してあり、予め根太掛
けの上端部にシール材が嵌め込まれているので、
根太掛けの取付けに当つて自動的にシール材も取
付けられ作業能率が向上し、しかも躯体、すなわ
ち壁面材の種類、作業者の技量差等に何等左右さ
れずに躯体と根太掛けとの接触部を閉塞して確実
なシール効果をあげることができる。また、シー
ルが完全になされるので、例えば、躯体側締結具
の孔に雨水が浸入して躯体を浸透し部屋の壁面に
滲み出たり、根太掛け下の躯体壁面にシミを生じ
させる不具合がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る根太掛けの側面図、第２
図は他の実施例を示す根太掛けの側面図、第３図
はバルコニーの斜視図、第４図は従来の根太掛け
の側面図である。 １……柱、２……間柱、３……根太、４……け
た、５……根太掛け、５ａ……取付部、５ｂ……
受け部、６……コーチボルト、７……シーリング
材、８……シール材、９，１０……嵌合溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 躯体側に取付けられる垂直状の取付部と根太を
   支持する水平状の受け部とからなる根太掛けの前
   記取付部の上端部に、この取付部上端部より少な
   くとも頂部が上方かつ躯体側に突出し前記躯体へ
   の取付け時に密着する合成樹脂、ゴム等よりなる
   軟質弾性体で成形したシール材を予め嵌め込んで
   なることを特徴とするバルコニー用根太掛け。