JPH0235922Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建物の屋根用伸縮継手装置に関するも
のである。

従来、一般的に、建物の屋根用伸縮継手装置と
しては、第１図に示すように対向する両躯体１の
上面に沿つて走る断面ほぼアングル状の縁材２の
立ち上がり片３の下部内側に、塩化ビニール等合
成樹脂製の前後に延び下方に突状で樋状の止水板
４の両側部に係止し、縁材２の立ち上がり片３の
上端に水密用のガスケツト５を嵌着し、躯体１間
の間隙を覆うカバープレート６をガスケツト５上
に載置し、スプリングクリツプ７の端部を立ち上
がり片３の上端内側に係合させてカバープレート
６に挿通してボルト８をスプリングクリツプ７中
央部下面に装着したローラナツト９に螺着して固
定し、躯体１上面から建物内への雨水の浸入を防
止していた。この伸縮継手装置は躯体１の間隙部
上方にカバープレート６を配置し、カバープレー
ト６下面にガスケツト５を当接させた縁材２の立
ち上がり片３で、躯体１間の間隙部と屋外との連
通を遮断しているが、本考案はカバープレートと
躯体上面との間を遮断する遮壁を設けないように
したもので、止水板上に滞留する雨水の蒸発を可
及的に早めその劣下防止を図るものである。

以下、本考案を添付する図面に示す具体的な実
施例に基づいて詳細に説明する。

第２図は建物の屋根のジヨイント部の垂直断面
図で、符号１０は躯体で、その伸縮を吸収させる
ために躯体１０間には間隙が設けてある。

アルミニウム合金押出形材の断面概略直角状の
止水板縁材１３の水平片１４上面に突設したＴ突
起２０に、複数個のアルミニウム合金押出形材の
ブラケツト１８の内側下面の前後に通るアリ溝１
９を嵌合させ、この止水板縁材１３をその水平片
１４の下面に突き出した突片１７を折曲げて両躯
体１０の上面端縁に沿つて走らせ、ブラケツト１
８を両躯体１０の上面に適宜間隔にて配置して躯
体１０に埋設したアンカボルト２１に取付ボルト
２２を挿通螺着して固定する。

前後に延びる塩化ビニール等合成樹脂製止水板
１１の両端近傍下面に係合突起１２を突設し、こ
の係合突起１２を、前記止水板縁材１３の水平片
１４と垂直片１５との交差部に設けたアリ溝１６
に係止する。

ブラケツト１８は水平状の基板２３内側に上方
に起立した垂直壁２４、外側に斜め下方を向く斜
壁２５をそれぞれ突設し、基板２３の斜壁２５寄
りに上方に起立した支持壁２６を突設する。ま
た、基板２３の中間部には前記取付ボルト２２の
通孔２７を穿設し、垂直壁２４の上端には係合爪
２８を突設し、斜壁２５下部外面には凹部２９を
刻設する。

続いて、前後に延びるアルミニウム合金押出形
材の水切カバー３０を、その基片３１および基片
３１下面に突設した支持片３２を、前記ブラケツ
ト１８の垂直壁２４および支持壁２６上に載置
し、基片３１内側下方に垂設した係合片３３下端
の突起３４を垂直壁２４の係合爪２８と係合させ
ると共に、基片３１外側下方に垂設した垂下片３
５下端の係合突起３６を斜壁２５の凹部２９に係
合させて、内側を外側より高く基片３１を斜状し
て躯体１０上面とほぼ平行状にしてブラケツト１
８に載置する。また水切カバー３０は内側上方に
向けて立ち上がり片３７を突設し、立ち上がり片
３７上端の支持溝３８には水密用のガスケツト３
９を嵌着する。

断面コ字状で前後に延びるアルミニウム合金押
出形材のカバープレート４０は、躯体１０間の間
隙を覆う大きさに設定し、前記ガスケツト３９上
に載置し、前記水切カバー３０の立ち上がり片３
７の上端に突起を有する水平状の両係合片４１に
Ｗ状スプリングクリツプ４２の端部を係合させ
て、カバープレート４０の屋外側から屋内側に挿
通したボルト４３をスプリングクリツプ４２中央
部下面に装着したローラナツト４４に螺着して固
定する。

符号４５，４６はコーキング、４７は防水シー
ト、４８は屋上床タイルである。

第３図および第４図では、前後に延びる塩化ビ
ニール等合成樹脂製でその両端の下面に係合枠部
４９を膨出し、係合枠部４９より内側の下面に複
数個の舌片５０を突設した止水板５１を、コ字状
の挾持溝５２と挾持溝５２の基片から突き出た連
結片５３を備え前後に延びるアルミニウム合金押
出形材の止水板縁材５４の挾持溝５２に、その係
合枠部４９を嵌着して、中央部を下方に突状で樋
状として躯体１０間の間隙に臨ませ舌片５０を躯
体１０の端縁に沿うように位置させて躯体１０上
に載置する。

次に、止水板縁材５４が載置された両躯体１０
上の適宜箇所に複数個のブラケツト１８を配置
し、ブラケツト１８の内側下面の保持溝５５内に
前記止水板５１の端部および止水板縁材５４を収
容し、保持溝５５の側壁に連結片５３先端の膨出
頭部５６を回動自在に嵌合する。なお、同符号で
示す部材は前述の第２図の場合と同様の構成、作
用をなす。

第４図ではブラケツト１８がライナー５７を介
在して取付け止水板５１端部が水平状にならない
場合であるが、止水板縁材５４は止水板５１の自
重により下方に回動し、止水板５１の舌片５０の
先端が躯体１０上面に弾接するので、止水板５１
と躯体１０上面から雨水が浸入することはない。
なお、ブラケツト１８の保持溝５５側壁と防水シ
ート４７との間は必要に応じてコーキングもでき
る。

本考案は、上述のように、屋根のジヨイント部
の対向する躯体上にそれぞれブラケツトを介して
水切カバーを躯体上面と平行状に配置し、両水切
カバーの内端上部にガスケツトを嵌着し、両躯体
間の間隙を覆うようにして前記ガスケツト上にカ
バープレートを載置し固定した屋根用伸縮継手装
置において、水切カバー下面と躯体上面との間を
遮断する遮壁を設けないようにして水切カバー下
面において躯体間の間隙部と屋外とを連通させた
屋根用伸縮継手装置であり、カバープレートと躯
体上面との間を遮断する遮壁を設けないようにし
たもので、止水板上に滞留する雨水の蒸発を可及
的に早めその劣下防止を図るものである。また、
水切カバー下面と躯体上面との間を遮断する遮壁
を設けないようにして水切カバー下面において躯
体間の間隙部と屋外とを連通させても、水切カバ
ーが躯体上を覆うように配置されているため、建
物内への雨水の浸入は全くない。躯体間の間隙部
と屋外との連通部の水切カバー下面に大気の流れ
に乱流を起こさせる支持片および係合片を突設し
ているので、躯体間の間隙部と屋外側とは連通し
滞留する雨水の蒸発を早めるが、連通部には支持
片および係合片が臨み乱流を生じさせるので大気
中に含まれた水蒸気分を積極的に分離し止水板の
劣下防止が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の屋根用伸縮継手装置の縦断面
図、第２〜４図は本考案の具体的な実施例で、第
２図は第１実施例の縦断面図、第３、４図は第２
実施例で、第３図は縦断面図、第４図は要部の縦
断面図である。 １０……躯体、１８……ブラケツト、３０……
水切カバー、３９……ガスケツト、４０……カバ
ープレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根のジヨイント部の対向する躯体上にそれぞ
   れ短尺状のブラケツトを介して水切カバーを躯体
   上面と平行状に配置し、両水切カバーの内端上部
   にガスケツトを嵌着し、カバープレートの屋外側
   から屋内側に挿通したボルトでスプリングクリツ
   プ中央部をカバープレートにナツトで螺着し固定
   したカバープレートを両躯体間の間隙を覆うよう
   にして前記ガスケツト上にカバープレートを載置
   し、水切カバー上端の両係合部にスプリングクリ
   ツプの端部を係合させた屋根用伸縮継手装置にお
   いて、躯体上面に短尺状のブラケツトを適宜間隔
   にて配置し、水切カバー下面と躯体上面との間を
   遮断する遮壁を設けないようにして水切カバー下
   面において躯体間の間隙部と屋外とを連通させ、
   前記躯体間の間隙部と屋外との連通部の水切カバ
   ー下面に突設した支持片をブラケツトの支持壁上
   に載置し、水切カバー下面の内側に垂設した係合
   片をブラケツト内側垂直壁の係合爪と係合させた
   ことを特徴とする屋根用伸縮継手装置。