JPH0140883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建物の屋根用伸縮継手装置に関するも
のである。

従来、一般的に、建物の屋根用伸縮継手装置と
して、対向する両躯体の上面に沿つて走る両縁材
に、塩化ビニール等合成樹脂製の前後に延び下方
に突状で樋状の止水板の両側部を係止して躯体上
面から建物内への雨水の浸入を防止していた。こ
れであると、躯体上面の仕上が完全でなく凹凸が
あると、そこから雨水の浸入の虞があり、また、
止水板は前後に延びる下方に突状の樋状であるた
め、止水板上に浸入した雨水はそこに滞留して止
水板外に流出することなく自然蒸発させる傾向が
あつて止水板の劣下を早めていた。また、雨水は
躯体の上面にも溜まり躯体を劣下させていた。そ
の上、躯体の上面角部は特に破損しやすいもので
あつた。そこで、本考案は上記の事情に鑑み、躯
体上面の仕上の程度如何にかかわらず建物内への
雨水の浸入を防ぎ、その上、止水板に浸入した雨
水は止水板外に直ちに流出するようにすべく、止
水板を載置して両躯体の立ち上がり部上面および
両躯体の立ち上がり部間の間隙部で上方に突状に
形成し、一枚の防水シートを用い作業手間がかか
らず、躯体の上面に雨水を溜めず、上面角部を保
護したことを最大の特徴とする。

以下、本考案を添付する図面に示す具体的な実
施例に基づいて詳細に説明する。

図面は建物の屋根のジヨイント部の垂直断面図
で、符号１は躯体で、その伸縮を吸収させるため
に躯体１間には間隙が設けてある。

前後に延びるブチルゴム板３１と補強用のバネ
鋼板３２とよりなる止水板２を、躯体１の立ち上
がり部３３間の間隙部で上方に突状に形成して両
躯体１の立ち上がり部３３上面および上面寄りの
外面を覆うように躯体１の立ち上がり部３３上面
に載置すると共に上面寄りの外面に当接させる。
なお、バネ鋼板３２は止水板２が躯体１の立ち上
がり部３３の間隙を覆う突状部を積極的に維持す
るためにブチルゴム板３１の突状部下面に下記ブ
ラケツトと同一間隔で複数個配置する。

また、止水板２の両端、すなわち、両躯体１の
両角部には両面粘着テープ３４を張着して固定し
角部を保護する。

次に、止水板２が載置された両躯体１の立ち上
がり部３３上の適宜箇所に複数個のアルミニウム
合金押出形材のブラケツト３を配置し、躯体１の
立ち上がり部３３に埋設したアンカーボルト４に
取付ボルト５を挿通螺着して固定する。このブラ
ケツト３は水平状の基板６に内側に上方に起立し
た垂直壁７、外側に斜め下方を向く斜壁８をそれ
ぞれ垂設し、基板６の斜壁８寄りに上方に起立し
た支持壁９を突設する。また、基板６の中間部に
は前記取付ボルト５の通孔１０を穿設し、垂直壁
７の上端には係合爪１１を突設し、斜壁８下部外
面には凹部１２を刻設する。

続いて、前後に延びるアルミニウム合金押出形
材の水切カバー１３を、その基片１４および基片
１４下面に突設した支持片１５を、前記垂直壁７
および支持壁９上に載置し、基片１４内側下方に
垂設した係合片１６下端の突起１７を垂直壁７の
係合爪１１と係合させると共に、基片１４外側下
方に垂設した垂下片１８下端の係合突起１９を斜
壁８の凹部１２に係合させて、内側を外側より高
く基片１４を傾斜状にして躯体１の立ち上がり部
３３上面とほぼ平行状にしてブラケツト３に載置
する。また水切カバー１３は内側上方に向けて立
ち上がり片２０を起立させ、立ち上がり片２０上
端の支持溝２１には水密用のガスケツト２２を嵌
着する。

断面コ状で前後に延びるアルミニウム合金押出
形材のカバープレート２３は、躯体１間の間隙を
覆う大きさに設定し、前記ガスケツト２２上に載
置し、前記水切カバー１３の立ち上がり片２０の
上端に突起を有する水平状の両係合片２４に連結
部材であるＷ状スプリングクリツプ２５の端部を
係合させて、カバープレート２３の屋外側から屋
内側に挿通した連結部材であるボルト２６をスプ
リングクリツプ２５中央部に装着したローラナツ
ト２７に螺着して固定する。スプリングクリツプ
２５は弾性を有するため伸縮する。

符号２８はコーキング、２９は防水シート、３
０は屋上床タイルである。防水シート２９はシー
トを複数枚重ねてなり、コーキング２８は立ち上
がり部３３の間隙側上面に固定され、重ねた防水
シート２９端部を接着し防水シート２９間の雨水
の浸入を防止する。

本考案は、上述のように、屋根のジヨイント部
の対向する躯体の立ち上がり部上にそれぞれブラ
ケツトを介して水切カバーを躯体上面と平行状に
配置し、両水切カバーの間隙寄りの立ち上がり片
上端にガスケツトを嵌着し、両躯体の立ち上がり
部間の間隙を覆うようにして前記ガスケツト上に
カバープレートを載置し屋根用伸縮継手装置にお
いて、前記ブラケツト下に前後に延びる一体の止
水板を配置し両躯体の立ち上がり部上面、立ち上
がり部上面寄りの外面および両躯体間の立ち上が
り部間の間隙を覆わせ間隙部で上方に突状に形成
した屋根用伸縮継手装置であり、躯体の立ち上が
り部上面の仕上の程度如何にかかわらず建物内へ
の雨水の浸入を防ぎ、その上、止水板に浸入した
雨水は止水板外に直ちに流出するようにした止水
板の劣下を防止し、実用上の効果多大である。本
考案では、水切カバーで、躯体の立ち上がり部の
上面および上面寄りの外面を、内側が高く外側が
低く傾斜した基片と、基片の外側に下方に垂設し
た垂下片とで覆わせているので、雨水は直ちに躯
体の立ち上がり部外側下方に流出させることがで
きる。その上、止水板上に浸入した雨水は、間隙
部が突状に形成され、立ち上がり部上面および上
面寄りの外面が覆われているため、躯体の立ち上
がり部外側下方に流出させることができる。ま
た、本考案では止水板の間隙部にはバネ鋼板が用
いられているので、十分に伸縮し突状の形状が容
易に維持できる。

さらに、本考案ではカバープレートの取付けを
Ｗ状スプリングクリツプの端部を水切カバーの間
隙寄りの立ち上がり片上端に係合させているの
で、水切りカバーとカバープレートとの間に介在
させるガスケツトが途切れることなく連続して設
けることができ水密効果を上げることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の具体的一実施例の縦断面図であ
る。 １……躯体、３３……立ち上がり部、３……ブ
ラケツト、１３……水切カバー、２３……カバー
プレート、１３……基片、２０……立ち上がり
片、１８……垂下片、２２……ガスケツト、２５
……Ｗ状スプリングクリツプ、２６……ボルト、
２９……防水シート、２……止水板、３２……バ
ネ鋼板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根のジヨイント部の対向する躯体１の立ち上
   がり部３３上面にそれぞれブラケツト３を介して
   水切カバー１３を躯体１の立ち上がり部３３上面
   と平行状に配置し、両水切カバー１３の上部に両
   躯体１の立ち上がり部３３間の間隙を覆うように
   してカバープレート２３を載置した屋根用伸縮継
   手装置において、前記水切カバー１３はその基片
   １４を内側を外側より高く傾斜状に形成し、基片
   １４内側に上方に向けて立ち上がり片２０を起立
   させ、基片１４外側に下方に向け垂下片１８を垂
   設して、基片１４および垂下片１８で躯体１の立
   ち上がり部３３の上面および上面寄りの外面を覆
   わせ、両水切カバー１３の間隙寄りの立ち上がり
   片２０上端にガスケツト２２を嵌着し、該ガスケ
   ツト２２にカバープレート２３下面を当接させ、
   立ち上がり片２０の内側の上端にスプリングクリ
   ツプ２５の端部を係合しスプリングクリツプ２５
   とカバープレート２３とを連結部材により連結し
   てカバープレートを間隙側へ引きつけ、躯体１の
   立ち上がり片３３の上面および外面は防水シート
   ２９で覆わせ、両躯体１の間の間隙を覆い両躯体
   １の立ち上がり部３３上面および上面寄りの外面
   を覆う前後に延びる一体の止水板２を、立ち上が
   り部３３上面でブラケツト３と防水シート２９の
   間に配置し、該止水板２を躯体１の間隙部で上方
   に突状に形成し、止水板２の突状部下面に突状に
   形成したバネ鋼板３２を位置させたことを特徴と
   する屋根用伸縮継手装置。