JPH0453378Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は壁板の取付構造に関し、特に浴室等に
おいて壁内装板を水漏れなく取付ける場合に好適
な壁板の取付構造に関する。

（従来の技術） 従来より、浴室等の壁は、水漏れを防止するた
め、モルタル等で床から天井まで連続する粗壁を
形成し、この粗壁の表面に化粧用のタイル等を貼
付けた構造とされている。

しかしながら、かかる壁構造の場合は、多数の
タイルを貼付けるのに手間がかかるため、施工費
用がかさみ、工期が長引くといつた問題がある。

このような問題を解決する手段としては、市販
のタイル模様が施された無機質壁板（例えばタキ
ロン(株)製の商品名カベリアン）等を用いて浴室の
壁を形成することが考えられるが、その場合は水
漏れを充分に防止することが困難となり、柱や根
太が早期のうちに朽ちるという問題がある。

（考案の目的） 本考案はかかる事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、施工が簡単で費用が安
くつき、しかも水漏れの虞がない壁板の取付構造
を提供するにある。

（目的を達成するための手段） 上記目的を達成するため、本考案の取付構造
は、下向きに突出する略凹溝状のアンカリング部
とその後方より立上がる壁板当止部を備えた支持
部材の該アンカリング部を基礎壁の上端に埋設
し、シール材を介して壁板の端縁を該壁板当止部
に当止すると共に、壁板固定用部材を該アンカリ
ング部の凹溝に挿入し、該凹溝より突出する該壁
板固定用部材の上方突出部と前記壁板当止部によ
つて壁板の端縁を前後から挟持したことを要旨と
するものである。

（作用及び効果） かかる取付構造とすれば、支持部材と壁板との
間に水が浸入しても、該支持部材の壁板当止部と
壁板との間に介在されたシール材によつて背後へ
の水の浸入が防止され、また該支持部材と基礎壁
との間に水が浸入しても、該基礎壁の上端に埋設
されたアンカリング部によつて背後への水の浸入
が防止されるので、水漏れの虞が殆どなくなり、
従つて、水漏れによる柱や根太の早期腐朽の問題
は満足に解消される。

しかも壁板の取付作業は、アンカリング部を埋
設した基礎壁上端の支持部材の壁板当止部に、シ
ール材を介して壁板の端縁を当止すると共に、該
アンカリング部の凹溝に壁板固定用部材を挿入
し、該凹溝より突出する壁板固定用部材の上方突
出部と支持部材の壁板当止部によつて壁板の端縁
を前後から挟持するだけでよいから、頗る簡単に
行うことができ、従つて、従来の全面タイル貼り
の壁に比べると、施工時間が大幅に短縮され、施
工費用もはるかに安くなるのである。

以下、実施例を挙げて本考案を詳述する。

（実施例） 第１図は本考案の一実施例を浴室の壁に適用し
た場合の断面図であつて、ここに１は基礎壁、２
は壁板、３は支持部材、４は壁板固定用部材を示
している。

この基礎壁１は例えばモルタル等で形成された
もので、その高さは浴室の高さのほぼ半分程度と
されている。そして、この基礎壁１の前面にはタ
イル１１が貼着され、各タイル間にはコーキング
材で目地１２が施されている。また、この基礎壁
１と背後の柱５との間には、必要に応じて吸水紙
（不図示）等が介在されている。

かかる基礎壁１の上端には支持部材３が固定さ
れ、その上に壁板２が取付けられている。この支
持部材３は例えばアルミニウム等の押出型材等か
らなるもので、第２図に示すように、下方に突出
する略凹溝状のアンカリング部３１と、その後方
より立上がる壁板当止部３２と、該当止部３２の
上端より延びるＬ形延設部３３とが一体に形成さ
れている。そして、このアンカリング部３１の両
外面には鋸歯状の複数の突起３１１が形成されて
おり、また該アンカリング部３１の凹溝３１２の
両内面にも鋸歯状の細かい凹凸３１３が形成され
ている。しかして、この支持部材３は、基礎壁１
の施工の際にアンカリンク部３１が基礎壁１上端
に埋設され、該アンカリング部３１外面の突起３
１１によつて抜出し不能に固着されており、また
Ｌ形延設部３３は止具７によつて柱５に固定され
ている。このようにアンカリング部３１が基礎壁
１の上端に埋設されていると、支持部材３と基礎
壁１上端との間に水が浸入しても、該アンカリン
グ部３１のところで阻止されるので、背後まで水
が浸透して水漏れを生じることはなくなる。尚、
この実施例では水漏れをより確実に防止するため
に、支持部材３の前縁にＬ形段部３４を設け、こ
のＬ形段部３４とタイル１１上端との間にコーキ
ング材をつめて目地１２′を形成している。

この支持部材３の上に取付けられる壁板２は、
既述のごとき市販の無機質壁板で、その表面には
例えばタイル模様等の適宜の模様が施されてお
り、且つ裏面には耐水性ベニア板等の補強板２１
が設けられている。

しかして、この壁板２の下端の取付は、第１図
のように裏面の補強板２１の下端縁を支持部材３
のＬ形延設部３３に係止させた状態で壁板２の下
端縁をシールテープ等のシール材６を介して支持
部材３の壁板当止部３２に当止すると共に、壁板
固定用部材４を支持部材３のアンカリング部３１
の凹溝３１２へ挿入し、この固定用部材４の上端
突出部４１と支持部材３の壁板当止部３２で前後
から壁板２の下端縁を挟持することによつて離脱
不能に行われている。その場合、壁板２の固定を
より確実にするため、裏面の補強板２１を接着材
１０等で接着するのが望ましい。

上記のように壁板２を固定するために使用され
る壁板固定用部材４は、支持部材３と同様、アル
ミニウム等の押出型材よりなるもので、第２図に
示すように前方に突出したフランジ部４２を有す
る略「ト」字状の断面形状とされており、挿入部
４３の両側面には前記アンカリング部３１の凹溝
３１２内面の凹凸３１３と対応する鋸歯状の凹凸
４３１が形成され、一旦挿入するとこの挿入部４
３の凹凸４３１が凹溝３１２の凹凸３１３と噛合
して抜け出すことのないように構成されている。
そして上端突出部４１及びフランジ部４２の先端
は薄肉化されて弯曲爪状に形成され、第１図に示
すように取付けた時これらの弯曲爪の先端が壁板
２の前面及び支持部材３の上面に弾接して良好な
水切り効果を発揮できるように構成されている。

上記のようにして壁板２の下端を取付けると、
壁板固定用部材４を挿入するだけでよいから取付
作業が頗る簡単となり、しかも壁板２と支持部材
３との間に水が浸入してもシール材６で阻止され
るので、背後まで水が浸透して水漏れを生じるこ
とはなくなる 尚、壁板２の上端の取付は、水漏れの心配が殆
どないので、例えば第１図の如く、天井パネル８
の端部に受金具９を固着し、この受金具８の鋸歯
状凹凸内面を有する凹溝８１に、断面略「ト」字
形の押さえ金具９の鋸歯状凹凸外面を備えた挿入
部９１を挿入する等の簡易な手段によつて取付を
行うようにすればよい。

以上の説明から理解できるように、本考案の取
付構造によれば、基礎壁１の上に壁板２を簡単且
つ水漏れなく取付けることができるので、従来の
ように壁全体をタイル貼りにする場合に比べる
と、施工性が大幅に向上し、施工費用が安価とな
り、水漏れによる柱や根太等の早期腐朽も防止で
きる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
本考案に用いる支持部材と壁板固定用部材の拡大
断面図。 １……基礎壁、２……壁板、３……支持部材、
３１……アンカリング部、３２……壁板当止部、
３１２……凹溝、４……壁板固定用部材、４１…
…上端突出部、６……シール材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下向きに突出する略凹溝状のアンカリング部と
   その後方より立上がる壁板当止部を備えた支持部
   材の該アンカリング部を基礎壁の上端に埋設し、
   シール材を介して壁板の端縁を該壁板当止部に当
   止すると共に、壁板固定用部材を該アンカリング
   部の凹溝に挿入し、該凹溝より突出する該壁板固
   定用部材の上方突出部と前記壁板当止部によつて
   壁板の端縁を前後から挟持したことを特徴とす
   る、壁板の取付構造。