JPS6022106B2 - ナイロン6デイツプコ−ドの製造法 - Google Patents
ナイロン6デイツプコ−ドの製造法Info
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- JPS6022106B2 JPS6022106B2 JP52101214A JP10121477A JPS6022106B2 JP S6022106 B2 JPS6022106 B2 JP S6022106B2 JP 52101214 A JP52101214 A JP 52101214A JP 10121477 A JP10121477 A JP 10121477A JP S6022106 B2 JPS6022106 B2 JP S6022106B2
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- nylon
- yarn
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- raw
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- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明はナイロン6デイツプコードの簡略化された製造
法に関するものであり、更に詳しくは、ゴム補強用繊維
として、ベルト、タイヤコードなどに用いられるゴムと
の接着性を向上させるためのディツブ液で処理されたナ
イロン6からなるディツプコードの簡略化された製造法
に関するものである。
法に関するものであり、更に詳しくは、ゴム補強用繊維
として、ベルト、タイヤコードなどに用いられるゴムと
の接着性を向上させるためのディツブ液で処理されたナ
イロン6からなるディツプコードの簡略化された製造法
に関するものである。
ナイロン6繊維は、寸法安定性、高強力、耐熱性、耐疲
労低抗性などに優れており、ゴム補強用繊維としてベル
ト、タイヤコードなどに広く使用されている。
労低抗性などに優れており、ゴム補強用繊維としてベル
ト、タイヤコードなどに広く使用されている。
特に近年に至りラジアルタイヤが普及するようになって
からは、益々ナイロン6タイヤコードの需要は増加して
いる。最近、ポリアミドを溶融紡糸し、3000の/m
in以上の高速で巻取ることによって高度に配向された
未延伸マルチフィラメントャーン(POY)を製造する
ことが検討されつつあるが、このような高遠紡糸による
ポリアミドマルチフィラメントャーンは、ヤング率が小
さいために、タイヤコードなどの高強力を必要とする産
業資材分野には通常不適当なものとなる。
からは、益々ナイロン6タイヤコードの需要は増加して
いる。最近、ポリアミドを溶融紡糸し、3000の/m
in以上の高速で巻取ることによって高度に配向された
未延伸マルチフィラメントャーン(POY)を製造する
ことが検討されつつあるが、このような高遠紡糸による
ポリアミドマルチフィラメントャーンは、ヤング率が小
さいために、タイヤコードなどの高強力を必要とする産
業資材分野には通常不適当なものとなる。
このため、従来高速紡糸によるポリアミドマルチフィラ
メントヤーンは、専ら延伸仮撚加工用の供給糸として検
討されるにとどまり、該ャーンからなるタイヤコードは
実用性がないと一般に考えられていた。本発明者等は高
速級糸により製造されたポリアミドマルチフィラメント
ヤーンの強力を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、高速
紙糸により製造されたy変態結晶のポリアミドマルチフ
イラメントャ一ンは撚がかれがれた状態での延伸操業性
が通常のポリアミド延伸糸(ほぼ100%Q変態結晶)
あるいは延伸倍率を低下させることにより伸度を高くし
たQ変態結晶のポリアミド不完全延伸糸と比較して非常
に優れており、撚変態の変形に伴なうャーンの疲労劣化
および収縮率の上昇も少ないことを見出し、更に撚がか
けられたコードをレゾルシン・ホルマリン・ラテックス
を主体とする接着着剤処理液(ディップ液)に浸潰した
後高温で高度にストレッチ(伸張)するとによってコー
ド強力が増大し、かつコード中の空隙が減少するためコ
ード単位体積当りのディップ液付着量が増加し、ディッ
プコードの接着性も著しく改善されるという全く予想し
得なかった効果が得られることを見出し本発明をなすに
至った。
メントヤーンは、専ら延伸仮撚加工用の供給糸として検
討されるにとどまり、該ャーンからなるタイヤコードは
実用性がないと一般に考えられていた。本発明者等は高
速級糸により製造されたポリアミドマルチフィラメント
ヤーンの強力を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、高速
紙糸により製造されたy変態結晶のポリアミドマルチフ
イラメントャ一ンは撚がかれがれた状態での延伸操業性
が通常のポリアミド延伸糸(ほぼ100%Q変態結晶)
あるいは延伸倍率を低下させることにより伸度を高くし
たQ変態結晶のポリアミド不完全延伸糸と比較して非常
に優れており、撚変態の変形に伴なうャーンの疲労劣化
および収縮率の上昇も少ないことを見出し、更に撚がか
けられたコードをレゾルシン・ホルマリン・ラテックス
を主体とする接着着剤処理液(ディップ液)に浸潰した
後高温で高度にストレッチ(伸張)するとによってコー
ド強力が増大し、かつコード中の空隙が減少するためコ
ード単位体積当りのディップ液付着量が増加し、ディッ
プコードの接着性も著しく改善されるという全く予想し
得なかった効果が得られることを見出し本発明をなすに
至った。
即ち本発明は、抜糸速度が3000の/min以上の高
速紙糸によって製造した主としてy変態の結晶を有する
複屈折率△nが30×10‐3〜45×10‐3である
ナイロン6のマルチフィラメントヤーンを、延伸するこ
となく下撚および上燃を施して生コードとなし、該生コ
ードまたは該生コードより織成した藤織物を、ゴムとの
接着性を改善するためのディップ液処理に引き続いて1
5〜150%ホットストレッチすることを特徴とするナ
イロン6デイツプコードの製造法である。
速紙糸によって製造した主としてy変態の結晶を有する
複屈折率△nが30×10‐3〜45×10‐3である
ナイロン6のマルチフィラメントヤーンを、延伸するこ
となく下撚および上燃を施して生コードとなし、該生コ
ードまたは該生コードより織成した藤織物を、ゴムとの
接着性を改善するためのディップ液処理に引き続いて1
5〜150%ホットストレッチすることを特徴とするナ
イロン6デイツプコードの製造法である。
ここでナイロン6の結晶型について説明すると、ナイロ
ン6には最も安定なQ変態結晶と、該Q変態結晶をヨウ
素処理することにより得られる安定なy変態結晶、筋糸
後吸湿することによりできるスメクチックヘキサゴナル
な結晶およびスメクチックヘキサゴナルな結晶を有する
未延伸糸を冷延伸することにより得られるB変態結晶が
知られている。
ン6には最も安定なQ変態結晶と、該Q変態結晶をヨウ
素処理することにより得られる安定なy変態結晶、筋糸
後吸湿することによりできるスメクチックヘキサゴナル
な結晶およびスメクチックヘキサゴナルな結晶を有する
未延伸糸を冷延伸することにより得られるB変態結晶が
知られている。
今、本発明に関係のある結晶型Q変態およびy変態タイ
プの結晶の含有率はX線回折写真およびX線回折曲線の
該結晶型の特性回折点の黒度または強度測定から求めら
れることができる。すなわち、ほぼ完全と考えられる8
変態結晶のみからなる試料と、y変態タイプ結晶のみか
らなる試料についてフオトメーターあるいはデイフラク
トメーターにより赤道線および子午線を走査すると第1
図および第2図に示す曲線を得る。これらの図の赤道線
回折点(200)面、子午線回折点(020)面の強度
をそれぞれIQ、lyとすると、1y/(IQ十1y)
からyインデックスが求められる。ほぼ完全なq変態結
晶の場合、yインデックス≠0、ほぼ完全なy変態結晶
の場合、ツインデツクス≠1となる。即ち、ほぼ完全な
Q変態脂晶の場合、X線による赤道線回折曲線に明確な
2つのピーク(第1図の実線参照)が認められ、子午線
回折曲線には強い回折点は認められない。一方ほぼ完全
なy変態腿晶の場合には、赤道線回折曲線に1つのピー
ク(第1図の点線参照)が認められ、子午線回折曲線に
は(020)面に明確な回折ピークが認められる(第2
図の点線参照)。なお第1図および第2図を得るために
使用したX線は管電圧4歌V、管電流7瓜hA、鋼対陰
極、Niフィルター、波長1.5Aであり、ディフラク
トメーターとして理学電気製のSG−7型ゴニオメータ
ー、X線発生装置としてローターフレツクスRU−9日
型を使用した。ナイロン6を3000w/min以上の
続糸速度で高速紙糸したヤーン(asspunのrn)
は、ほぼ完全なy変態脂晶を有しており、これを熱延伸
するとほぼ完全なQ変態結晶になる。
プの結晶の含有率はX線回折写真およびX線回折曲線の
該結晶型の特性回折点の黒度または強度測定から求めら
れることができる。すなわち、ほぼ完全と考えられる8
変態結晶のみからなる試料と、y変態タイプ結晶のみか
らなる試料についてフオトメーターあるいはデイフラク
トメーターにより赤道線および子午線を走査すると第1
図および第2図に示す曲線を得る。これらの図の赤道線
回折点(200)面、子午線回折点(020)面の強度
をそれぞれIQ、lyとすると、1y/(IQ十1y)
からyインデックスが求められる。ほぼ完全なq変態結
晶の場合、yインデックス≠0、ほぼ完全なy変態結晶
の場合、ツインデツクス≠1となる。即ち、ほぼ完全な
Q変態脂晶の場合、X線による赤道線回折曲線に明確な
2つのピーク(第1図の実線参照)が認められ、子午線
回折曲線には強い回折点は認められない。一方ほぼ完全
なy変態腿晶の場合には、赤道線回折曲線に1つのピー
ク(第1図の点線参照)が認められ、子午線回折曲線に
は(020)面に明確な回折ピークが認められる(第2
図の点線参照)。なお第1図および第2図を得るために
使用したX線は管電圧4歌V、管電流7瓜hA、鋼対陰
極、Niフィルター、波長1.5Aであり、ディフラク
トメーターとして理学電気製のSG−7型ゴニオメータ
ー、X線発生装置としてローターフレツクスRU−9日
型を使用した。ナイロン6を3000w/min以上の
続糸速度で高速紙糸したヤーン(asspunのrn)
は、ほぼ完全なy変態脂晶を有しており、これを熱延伸
するとほぼ完全なQ変態結晶になる。
・本発明における主としてy変態の結晶を有するナイロ
ン6のマルチフィラメントャーンは、級糸速度(第1引
取りローラ上の糸途)が3000の/min以上、好ま
しくは4000〜6700の/minの高速紙糸によっ
て製造される複屈折率△nが30×10‐3〜45×1
0‐3のagsp肌yamである。
ン6のマルチフィラメントャーンは、級糸速度(第1引
取りローラ上の糸途)が3000の/min以上、好ま
しくは4000〜6700の/minの高速紙糸によっ
て製造される複屈折率△nが30×10‐3〜45×1
0‐3のagsp肌yamである。
筋糸速度が5000m/min以上になるとy変態結晶
に若干のは変態脂晶が混在した結晶構造となる。タィャ
コ−ドのよいな高強力でかつ寸法安定性が要求される用
途向けの場合には特に紡糸速度を4000仇/min以
上とし、かつ級糸口金と第1引取ローラとの間で一たん
冷却した縁出糸条を再加熱するための加熱帯城を設け、
該加熱帯城の出口での糸条温度が8ぴ○以上になるよう
に加熱することが好ましい。前記条件で高速筋糸したナ
イロン6マルチフィラメントャーンはポリアミド未延伸
糸特有の後伸びがなく、巻き取った未延伸糸パッケージ
の巻姿安定性が良好であり、y変態に配向結晶化してい
る。本発明におけるナイロン6マルチフィラメントャー
ンの複屈折率は前記した如く30×10‐3〜45×1
0‐3であることが必要であり、この範囲の複屈折率を
有する高速紡糸assp皿ャーンに限り、本発明の独特
の効果が得られる。
に若干のは変態脂晶が混在した結晶構造となる。タィャ
コ−ドのよいな高強力でかつ寸法安定性が要求される用
途向けの場合には特に紡糸速度を4000仇/min以
上とし、かつ級糸口金と第1引取ローラとの間で一たん
冷却した縁出糸条を再加熱するための加熱帯城を設け、
該加熱帯城の出口での糸条温度が8ぴ○以上になるよう
に加熱することが好ましい。前記条件で高速筋糸したナ
イロン6マルチフィラメントャーンはポリアミド未延伸
糸特有の後伸びがなく、巻き取った未延伸糸パッケージ
の巻姿安定性が良好であり、y変態に配向結晶化してい
る。本発明におけるナイロン6マルチフィラメントャー
ンの複屈折率は前記した如く30×10‐3〜45×1
0‐3であることが必要であり、この範囲の複屈折率を
有する高速紡糸assp皿ャーンに限り、本発明の独特
の効果が得られる。
複屈折率が30×10‐3未満のものはディップ液処理
に引き続くホットストレッチが150%を越えない限り
十分な強力を有するディップコードを得ることがむずか
しい。しかし、ディップ工程でのストレッチが150%
を越えると、テンションが大きく増加すると同時に、コ
ードの疲労劣化が激しくなる。一方、複屈折率が45×
10‐3を越えると通常の延伸糸に近いものとなり、広
角×線散乱パターンから見る結晶型もy変態からQ変馳
に移行し、撚りがかけられた状態での延伸による延伸操
業性の劣化およびャーンの疲労劣化が急激に増加する。
本発明は、前記のようにして高速紡糸して得たナイロン
6のマルチフィラメントヤーンを撚糸して生コードを製
造する。
に引き続くホットストレッチが150%を越えない限り
十分な強力を有するディップコードを得ることがむずか
しい。しかし、ディップ工程でのストレッチが150%
を越えると、テンションが大きく増加すると同時に、コ
ードの疲労劣化が激しくなる。一方、複屈折率が45×
10‐3を越えると通常の延伸糸に近いものとなり、広
角×線散乱パターンから見る結晶型もy変態からQ変馳
に移行し、撚りがかけられた状態での延伸による延伸操
業性の劣化およびャーンの疲労劣化が急激に増加する。
本発明は、前記のようにして高速紡糸して得たナイロン
6のマルチフィラメントヤーンを撚糸して生コードを製
造する。
この生コードの製造法は従来一般に行なわれているコー
ド製造方法に準じて行なえばよい。即ち、前記ナイロン
6のマルチフィラメントヤーンに先ず35〜45T/1
0肌程度の下撚をかけ、かくして下撚を施したャーンを
2本合糸して下撚とは撚方向が逆になるように30〜4
0T/1比の程度の上撚をかけて双糸コードとする方法
が最も一般的である。特にタイヤコード用の場合のコー
ドはディッブコードの標準デニールが280のとなるよ
うにマルチフイラメントヤーンのデニールを適宜調節す
る。次にかくして製造した生コードをそのまま又は常法
に従って製織して廉織物となした後ディツピング工程に
付す。ディツピング工程では先ずゴムとの接着性を改善
するためにディップ液(通常、レゾルシン・ホルマリン
・ラテックスを主体とする水性液)処理を行い、次いで
直ちに乾燥ゾーンを通過させて付着ディッブ液を乾燥し
、しかる後ホットストレッチゾーンにおいて15〜15
0%、好ましくは20〜50%の高度のストレッチをか
け、次いで数%リラックス熱処理を行なった後巻取る。
ホットストレッチは約180〜23ぴ0の加熱空気中を
被処理コードを数10秒乃至数100秒間滞留させなが
ら行なうのがよい。かかる高度のホットストレッチによ
り、コードの破断強力は顕著に向上し、延伸糸を撚糸し
て製造される従来コードとほぼ同等の破断強力が得られ
る。ここで一つ問題となるのは、デイッピング工程にお
けるホットストレッチを大きくすることによってテンシ
ョンが高くなることが予想されるため、デイップマシー
ンの強度が十分であるかということである。本発明者等
はこの点について鋭意研究を積み重ねた結果、高遠紡糸
によるy変態のナイロン6からなるコードを用いる限り
、ホットストレッチによるテンションは、約300世の
生コードを想定した場合でも10k9を越えることはな
く、従ってディツプマシーンの機械的強度は十分である
ことがわかった。デイツピング工程におけるホットスト
レッチが15%未満であると、コ−ドの強力を十分改善
することができず、また核ストレッチが150%を越え
ると、テンションが大きく増加すると同時に、コードの
疲労劣化が激しくなり、コードの強力が逆に低下してく
る。本発明は以上の如く構成されており、抜糸巻取とコ
ード撚糸との間の所謂延伸工程が省略できるから、工程
簡略化、製造コスト低減という工業的メリットのすこぶ
る大きなものである。
ド製造方法に準じて行なえばよい。即ち、前記ナイロン
6のマルチフィラメントヤーンに先ず35〜45T/1
0肌程度の下撚をかけ、かくして下撚を施したャーンを
2本合糸して下撚とは撚方向が逆になるように30〜4
0T/1比の程度の上撚をかけて双糸コードとする方法
が最も一般的である。特にタイヤコード用の場合のコー
ドはディッブコードの標準デニールが280のとなるよ
うにマルチフイラメントヤーンのデニールを適宜調節す
る。次にかくして製造した生コードをそのまま又は常法
に従って製織して廉織物となした後ディツピング工程に
付す。ディツピング工程では先ずゴムとの接着性を改善
するためにディップ液(通常、レゾルシン・ホルマリン
・ラテックスを主体とする水性液)処理を行い、次いで
直ちに乾燥ゾーンを通過させて付着ディッブ液を乾燥し
、しかる後ホットストレッチゾーンにおいて15〜15
0%、好ましくは20〜50%の高度のストレッチをか
け、次いで数%リラックス熱処理を行なった後巻取る。
ホットストレッチは約180〜23ぴ0の加熱空気中を
被処理コードを数10秒乃至数100秒間滞留させなが
ら行なうのがよい。かかる高度のホットストレッチによ
り、コードの破断強力は顕著に向上し、延伸糸を撚糸し
て製造される従来コードとほぼ同等の破断強力が得られ
る。ここで一つ問題となるのは、デイッピング工程にお
けるホットストレッチを大きくすることによってテンシ
ョンが高くなることが予想されるため、デイップマシー
ンの強度が十分であるかということである。本発明者等
はこの点について鋭意研究を積み重ねた結果、高遠紡糸
によるy変態のナイロン6からなるコードを用いる限り
、ホットストレッチによるテンションは、約300世の
生コードを想定した場合でも10k9を越えることはな
く、従ってディツプマシーンの機械的強度は十分である
ことがわかった。デイツピング工程におけるホットスト
レッチが15%未満であると、コ−ドの強力を十分改善
することができず、また核ストレッチが150%を越え
ると、テンションが大きく増加すると同時に、コードの
疲労劣化が激しくなり、コードの強力が逆に低下してく
る。本発明は以上の如く構成されており、抜糸巻取とコ
ード撚糸との間の所謂延伸工程が省略できるから、工程
簡略化、製造コスト低減という工業的メリットのすこぶ
る大きなものである。
次に実施例を示して本発明の効果を一段と明確にする。
尚実施例中のHテストはASTM試験法のD‐21磯‐
6のに準じ、試験ゴム片として幅9.5肋、厚さ6.3
肌のものを使用し、該ゴム片中にディツプコードを埋没
させて加熱された型内で15〆0で20分間加硫接着さ
せた後、220で4時間放冷してから測定した値である
。実施例 1 相対粘度3.40(97%硫酸溶液、溶液濃度1.0重
量%、温度25q0で測定)のナイロン6チップを、ェ
クストルーダーで溶融し、ギアポンプによって孔直径0
.3岬、孔数50の溶融織糸口金より単孔あたりの吐出
量4夕/minで290℃で溶融級出し、筋出された糸
条を溶融紡糸口金下方において室温の冷却空気流を吹き
当てて、一たん80qC以下の温度に冷却し、次いで加
熱筒中を通過させて、加熱筒出口での糸条温度が8$0
になるようにして、紙糸速度4500m/minで紡糸
し巻取った。
6のに準じ、試験ゴム片として幅9.5肋、厚さ6.3
肌のものを使用し、該ゴム片中にディツプコードを埋没
させて加熱された型内で15〆0で20分間加硫接着さ
せた後、220で4時間放冷してから測定した値である
。実施例 1 相対粘度3.40(97%硫酸溶液、溶液濃度1.0重
量%、温度25q0で測定)のナイロン6チップを、ェ
クストルーダーで溶融し、ギアポンプによって孔直径0
.3岬、孔数50の溶融織糸口金より単孔あたりの吐出
量4夕/minで290℃で溶融級出し、筋出された糸
条を溶融紡糸口金下方において室温の冷却空気流を吹き
当てて、一たん80qC以下の温度に冷却し、次いで加
熱筒中を通過させて、加熱筒出口での糸条温度が8$0
になるようにして、紙糸速度4500m/minで紡糸
し巻取った。
次いでこの巻取ったマルチフィラメント糸条を4本合糸
し、10弧あたり35ターンの下撚りをかけて下撚ヤー
ンとなし、このャーンを2本更に合糸して、もとの撚り
方向と反対方向に10伽あたり40ターンの上撚りをか
けて生コードを製造した。この生コードの広角×線回折
を測定したところ第1図および第2図に点琉擬で示した
y変態係吉晶に相当する回折曲線が得られた。また織糸
後の前記マルチフィラメントヤーンの後屈折率△nを測
定したところ40×10‐3であった。
し、10弧あたり35ターンの下撚りをかけて下撚ヤー
ンとなし、このャーンを2本更に合糸して、もとの撚り
方向と反対方向に10伽あたり40ターンの上撚りをか
けて生コードを製造した。この生コードの広角×線回折
を測定したところ第1図および第2図に点琉擬で示した
y変態係吉晶に相当する回折曲線が得られた。また織糸
後の前記マルチフィラメントヤーンの後屈折率△nを測
定したところ40×10‐3であった。
次にかくして得た生コードを通常のナイロン6タイヤコ
ード用デイツプ液(レゾルシン・ホルマリン・ラテック
ス液)中に浸潰し、次いで130℃で3分間0.3%の
ストレッチのもとに熱風乾燥し、引き続いてホットスト
レッチゾーンへ導入しで210qoの加熱空気中で30
%のストレッチのもとに6現砂間ホットストレッチを行
い、しかる後200℃の加熱空気中で1℃の弛緩率のも
とに6の砂、間リラックス熱処理を行ってディツブコー
ドを製造した。
ード用デイツプ液(レゾルシン・ホルマリン・ラテック
ス液)中に浸潰し、次いで130℃で3分間0.3%の
ストレッチのもとに熱風乾燥し、引き続いてホットスト
レッチゾーンへ導入しで210qoの加熱空気中で30
%のストレッチのもとに6現砂間ホットストレッチを行
い、しかる後200℃の加熱空気中で1℃の弛緩率のも
とに6の砂、間リラックス熱処理を行ってディツブコー
ドを製造した。
本例におけるホットストレッチ時のコード張力およびデ
ィップコードの糸質を第1表に示した。
ィップコードの糸質を第1表に示した。
実施例 2単孔当りの吐出量を5.8夕/min、紙糸
速度を6000の/minに変更し、かつ加熱筒を使用
しないようにする以外はすべて実施例1と同一紙糸条件
、コード製造条件によりナイロン6の生コードを製造し
た。
速度を6000の/minに変更し、かつ加熱筒を使用
しないようにする以外はすべて実施例1と同一紙糸条件
、コード製造条件によりナイロン6の生コードを製造し
た。
この生コードの広角×線回折を測定したところ、第1図
および第2図に点線で示したy変態粥晶に相当する回折
曲線が得られた。
および第2図に点線で示したy変態粥晶に相当する回折
曲線が得られた。
尚本例における紡糸後のマルチフィラメントャ−ンの複
屈折率△nは斑XIO‐3であった。次にかくしたて得
た生コードをホットストレッチを33%に変更する以外
はすべて実施例1と同一条件でディッピングおよび熱処
理してディップコードを製造した。本例におけるホット
ストレッチ時のコード張力およびディツプコードの糸質
を第1表に示した。
屈折率△nは斑XIO‐3であった。次にかくしたて得
た生コードをホットストレッチを33%に変更する以外
はすべて実施例1と同一条件でディッピングおよび熱処
理してディップコードを製造した。本例におけるホット
ストレッチ時のコード張力およびディツプコードの糸質
を第1表に示した。
比較例 1実施例1と同一のナイロン6チップを、ェク
ストル−ダで溶融し、ギアポンプによって孔直径0.3
物、孔数200の溶融紙糸口金より単孔あたりの吐出量
1.5タノminで290qoで溶融紙出し、紙出糸条
を該口金直下で室温の冷却空気を吹きあてて冷却した後
450m/minの紙糸速度で紡糸し巻き取つた。
ストル−ダで溶融し、ギアポンプによって孔直径0.3
物、孔数200の溶融紙糸口金より単孔あたりの吐出量
1.5タノminで290qoで溶融紙出し、紙出糸条
を該口金直下で室温の冷却空気を吹きあてて冷却した後
450m/minの紙糸速度で紡糸し巻き取つた。
かくして得たナイロン6の禾延伸マルチフィラメントャ
ーンを常法に従って190℃で4.63苔延伸して延伸
ヤーンとなし、次いでこの延伸ャーンに3町ノ10弧の
下撚をかけて下撚ャーンとなし、このャーンを2本合糸
して、もとの撚方向と逆方向に3け/10伽の上孫をか
けて生コードを製造した。
ーンを常法に従って190℃で4.63苔延伸して延伸
ヤーンとなし、次いでこの延伸ャーンに3町ノ10弧の
下撚をかけて下撚ャーンとなし、このャーンを2本合糸
して、もとの撚方向と逆方向に3け/10伽の上孫をか
けて生コードを製造した。
この生コードの広角×線回折を測定したところ第1図お
よび第2図に実線で示したと同様のほぼ100%のQ変
態結晶に相当する回折曲線が得られた。
よび第2図に実線で示したと同様のほぼ100%のQ変
態結晶に相当する回折曲線が得られた。
また該生コードの複屈折率は57×10‐3であった。
次にかくして得た生コードをホットストレッチを6%と
する以外はすべて実施例1と同一条件でデイッピングお
よび熱処理してデイップコードを製造した。
次にかくして得た生コードをホットストレッチを6%と
する以外はすべて実施例1と同一条件でデイッピングお
よび熱処理してデイップコードを製造した。
本比較例におけるホットストレッチ時のコード張力おっ
びディップコードの糸質を第1表に併記した。
びディップコードの糸質を第1表に併記した。
比較例 2
比較例1に示した未延伸マルチフィラメントヤーンを1
90qoで4.6の音延伸して得た延伸ャーンを比較例
1と同一撚糸条件で撚糸して生コードを製造した。
90qoで4.6の音延伸して得た延伸ャーンを比較例
1と同一撚糸条件で撚糸して生コードを製造した。
この生コードの広角×線回折を測定したところ第1図お
よび第2図に実線で示したと同様のほぼ100%のQ変
態結晶に相当する回折曲線が得られた。
よび第2図に実線で示したと同様のほぼ100%のQ変
態結晶に相当する回折曲線が得られた。
また該生コードの複屈折率は55×10‐3であった。
次にかくして得た生コードをホットストレッチを10%
とする以外はすべて実施例1と同一条件でデイッピング
および熱処理してディップコードを製造した。
次にかくして得た生コードをホットストレッチを10%
とする以外はすべて実施例1と同一条件でデイッピング
および熱処理してディップコードを製造した。
本比較例におけるホットストレッチ時のコード張力およ
びディップコードの糸質を第1表に併記した。
びディップコードの糸質を第1表に併記した。
第1表に示すように本発明に従って製造したディップコ
ードは、強力も十分大きく、寸法安定性のメジャーであ
る沸水収縮率も小さく、かつHテスト接着力も優れてお
り、タイヤコード‘こ要求される性能をすべて満足して
おり、比較例1で示した従来法タイヤコードと同等乃至
それ以上の性能を有している。
ードは、強力も十分大きく、寸法安定性のメジャーであ
る沸水収縮率も小さく、かつHテスト接着力も優れてお
り、タイヤコード‘こ要求される性能をすべて満足して
おり、比較例1で示した従来法タイヤコードと同等乃至
それ以上の性能を有している。
又従来法において、未延伸マルチフィラメントヤーン状
での延伸倍率を下げ、その下げた分に相当する延伸をデ
ィツプ後のホットストレッチでカバーした比較例2のデ
ィツプコードは、沸水収縮率が十分小さくならないため
、寸法安定性に劣るものしか得られず、ゴム補強用コー
ドとしては不適当であった。
での延伸倍率を下げ、その下げた分に相当する延伸をデ
ィツプ後のホットストレッチでカバーした比較例2のデ
ィツプコードは、沸水収縮率が十分小さくならないため
、寸法安定性に劣るものしか得られず、ゴム補強用コー
ドとしては不適当であった。
第1図および第2図は、ナイロン6繊維のは変態焔士晶
およびy変態係吉晶の赤道線方向および子午線方向のX
線回折曲線を示すグラフである。 第1表第1図 第2図
およびy変態係吉晶の赤道線方向および子午線方向のX
線回折曲線を示すグラフである。 第1表第1図 第2図
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 紡糸速度が3000m/min以上の高速紡糸によ
つて製造した主としてγ変態の結晶を有する複屈折率Δ
nが30×10^−^3〜45×10^−^3であるナ
イロン6のマルチフイラメントヤーンを、延伸すること
なく下撚および上撚を施して生コードとなし、該生コー
ドまたは該生コードより織成した廉織物を、ゴムとの接
着性を改善するためのデイツプ液処理に引き続いて15
〜150%ホツトストレツチすることを特徴とするナイ
ロン6デイツプコードの製造法。 2 ナイロン6のマルチフイラメントヤーンが紡糸速度
4000〜6700m/minの高速紡糸によつて製造
されたものである特許請求の範囲第1項記載のナイロン
6デイツプコードの製造法。 3 デイツプ液処理に引き続くホツトストレツチが20
〜50%である特許請求の範囲第1項記載のナイロン6
デイツプコードの製造法。 4 デイツプ液処理に引き続くホツトストレツチを18
0〜230℃の加熱空気中で行う特許請求の範囲第1項
又は第3項記載のナイロン6デイツプコードの製造法。 5 生コードが下撚数35〜43T/10cm、上撚数
30〜40T/10cmでかつ下撚と上撚の撚方向が逆
方向の双糸である特許請求の範囲第1項又は第4項記載
のナイロン6デイツプコードの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP52101214A JPS6022106B2 (ja) | 1977-08-23 | 1977-08-23 | ナイロン6デイツプコ−ドの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP52101214A JPS6022106B2 (ja) | 1977-08-23 | 1977-08-23 | ナイロン6デイツプコ−ドの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5434415A JPS5434415A (en) | 1979-03-13 |
JPS6022106B2 true JPS6022106B2 (ja) | 1985-05-31 |
Family
ID=14294651
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP52101214A Expired JPS6022106B2 (ja) | 1977-08-23 | 1977-08-23 | ナイロン6デイツプコ−ドの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6022106B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57191337A (en) * | 1981-05-12 | 1982-11-25 | Toyo Boseki | Production of nylon 6 cord for reinforcing rubber |
JPS584602A (ja) * | 1981-07-01 | 1983-01-11 | Toyobo Co Ltd | タイヤ |
JPS59187640A (ja) * | 1983-04-07 | 1984-10-24 | 東レ株式会社 | ポリアミドタイヤコ−ドの製造方法 |
CN112647310B (zh) * | 2020-11-24 | 2022-09-27 | 江苏太极实业新材料有限公司 | 高残余干热收缩力的聚酰胺56浸胶帘子布的制造方法 |
-
1977
- 1977-08-23 JP JP52101214A patent/JPS6022106B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5434415A (en) | 1979-03-13 |
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