JPH01207436A - 耐疲労性が良好な高強力ポリアミド繊維コード - Google Patents

耐疲労性が良好な高強力ポリアミド繊維コード

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JPH01207436A
JPH01207436A JP3146888A JP3146888A JPH01207436A JP H01207436 A JPH01207436 A JP H01207436A JP 3146888 A JP3146888 A JP 3146888A JP 3146888 A JP3146888 A JP 3146888A JP H01207436 A JPH01207436 A JP H01207436A
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JP
Japan
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cord
strength
polyamide fiber
elongation
melting point
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JP3146888A
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Isoo Saito
磯雄 斎藤
Takuji Sato
卓治 佐藤
Masaharu Yamamoto
雅晴 山本
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は高強力ポリアミド繊維コードに関するものであ
り、特に加硫処理時の強力低下が改善され、かつ高タフ
ネスで耐疲労性に優れ、ゴム補強用コードとして好適な
ポリアミド繊維コードに関する。
〈従来の技術〉 ポリアミド繊維コードは高強力で、耐熱性、耐疲労性、
及びゴムとの接着性等に優れているため、主に耐久性が
要求されるトラック、バス、及び建設車両用等の大型バ
イヤスタイヤ用コードとして有用されてきた。
しかし、近年この分野に於いてもスチールコードとの競
合からコストダウンの要求が強い。タイヤ性能を保持し
つつ、例えばタイヤコードの繊度を減らしたり、コード
スダレのコード打込み本数やブライ数をへらしてタイヤ
材料コストの低減を図りたいとの要求に応えるためには
コードの強力を高めてカバーする必要がある。また最近
は、タイヤコード及びタイヤ製造工程の合理化によるコ
ストダウンも図られており、例えば、デイツプ処理の高
速化やタイヤ加硫の高温短時間化が行なわれつつある。
この場合、コードは従来よりも高温の熱履歴や高温から
の急激な冷却による収縮等苛酷な処理を受けることにな
る。
一方、コストダウンとは別にタイヤ用途の多様1ヒに件
ない、埋め込まれるタイヤゴム種も例えば軟質のものか
ら硬質のものまで広くもちいられるようになっている。
タイヤゴムとの組合せによって、走行時のタイヤ変形に
伴なうタイヤコードの変形や拘束状態が種々異なってく
る。
従フて、求められるポリアミド繊維コードは単に高強力
であるだけでなく、工程変動やタイヤ走行時の疲労に対
しても従来以上に耐久性のあるものでなければならない
ポリアミド繊維コードの高強力化に関する改良技術は、
例えば特開昭58−65008、特開昭58−1321
09、及び特開昭60−162829号公報等がある。
また耐疲労性、寸法安定性、及び或いはタイヤ加硫工程
での強力低下を改善する技術としては、例えば特開昭5
7−191337、特開昭58−540118号公報等
があり、これらは高速紡糸を利用した効率的な製造プロ
セ前記特開昭58−65008号公報及び特開昭58−
132109号公報は、紡糸冷却過程を特定条件下に制
御しながら低速紡糸し、得られた低配向の未延伸糸をス
チームを熱媒として低速で多段延伸し、該方法によって
得られた1 1 g/d以上の高強度ポリアミド繊維と
それによって得られる高強力タイヤコードについて開示
している。該ポリアミド繊維は確かに高強度ではあるが
、このような低速紡糸・延伸法で製造された高強度繊維
はタイヤコード加工工程での強力保持率が低いという欠
点があり、結果としてタイヤコード強力はあまり高くな
らなかった。また寸法安定性及び耐疲労性従来のポリア
ミド繊維コードよりもむしろ劣るものであった。また特
開昭60−162829号公報でも、高強力タイヤコー
ドを得るために低配向未延伸糸を高圧蒸気を用いて延伸
する方法によって12g/d以上の原糸強度を得る方法
が提案されている。し・かし・この方法によって得られ
ろタイヤコードも加工工程での強力低下が大きく、耐疲
労性や寸法安定性も改良されていない。
一方、特開昭57−19337号公報は2000〜45
00m/分で高速紡糸して得た比較的高配向の未延伸糸
を延伸した後、撚糸してゴム補強用コードとする方法を
開示している。しかし該繊維の強度は9g/d未満で、
むしろ従来のポリアミド繊維より低く、タイヤコード加
工工程での強力低下が改善されているとはいえ、タイヤ
コードの強力の絶対1直は満足できるレベルに達してい
るとは言えない。同様に特開昭58−54018号公報
は寸法安定性及び耐疲労性の改善されたポリカプラミド
繊維とその製造方法を提案しているが、ポリカプラミド
繊維の強度は9.1g/d未満であり、タイヤコードと
した時の強力は従来のものに比べてあまり改良されてい
ない。即ち、両技術とも、寸法安定性、耐疲労性、及び
加硫処理工程での強力保持性の改良は達せられているも
のの、原糸自身の強度が低いために、加硫処理後コード
強力の高い絶対値を得ることはできなかった。
本発明の課題は、従来の高強力ポリアミド繊維コードが
かかえる構造的な欠陥を改良しようとするものである。
即ち、ゴム加硫工程での急激な収縮変化を受けたり、タ
イヤ走行時の圧縮疲労な受けた時の強力低下を抑えるこ
とにより、これまでになく高強力で、寸法安定性に優れ
、かつ耐疲労性に優れたポリアミド繊維コードを提供す
ることにある。そして該ポリアミド繊維コードを工業的
に可能な方法によって提洪しようとするものであ前記従
来のポリアミド繊維コードの抱える問題点は以下の本発
明ポリアミド繊維コードを提供することによって解決さ
れる。即ち、繰り返し・構造単位の95モル%以上がε
−カプラミドからなり、硫酸相対粘度3.0以上の高重
合度を有するポリアミド繊維コードであって、下記(イ
)〜(へ)の特性を有することを特徴とする耐疲労性が
良好な高強力ポリカブラミド繊維コードを提洪すること
にある。
(イ)通常法DSC融点(Tmr): Tmr≧216℃ (ロ)定長法DSC融点(Tmf): Tmf≦236℃ (ハ)小角X線散乱像が層線状四点散乱像を示し、その
子午線方向の長周期(Dm)に対する赤道線方向の長周
期(De)の比(De/Dm):De/Dm≧1.4 (ニ)110Hzで測定した動的粘弾性測定の力学的正
接損失(tanδ)曲線における主分散ピーク温度(T
α): Tα≦113℃ (ホ)コードの撚係数(K): 2500≧K≧1900 (へ)コードの強度(T)と伸度(E)との積(TφE
): T−E≧212.5g/dφ% そして上記(イ)〜(ニ)の繊維構造パラメーター、(
ホ)のコード撚形態、及び(へ)のコードの機械的特性
を満足する本発明ポリアミド繊維コードは更にコードの
強度(T)が8.5g/d以上、伸度(E)が25%以
上、中間伸度(ME)が8.5〜11%で、かつ150
℃で測定した乾熱収縮率が3.5%以下であることによ
って特徴づけられる。
本発明ポリアミド繊維コードを構成するポリアミド繊維
は分子鎖の繰り返し構造単位の95モル%以上がε−カ
プラミドであって、共重合成分を5モル%未満含有して
いてもよい。共重合成分としては、例えばテトラメチレ
ンアジパミド、ヘキサメチレンアジパミド、ヘキサメチ
レンアジパミド、ヘキサメチレンイソフタラミド、ヘキ
サメチレンテレフタラミド、キシリレンフタラミド等が
ある。共重合成分を5モル%以上含有した場合は、融点
、及び結晶性が低下し、その結果タイヤコードとした時
の寸法安定性が低下するため好ましくない。
本発明ポリアミド繊維コードを構成するポリアミド繊維
はオストワルド粘度計を用いて25℃、ポリマ潤度1重
量%で測定した硫酸相対粘度が3゜0以上である。特に
3.5〜6.0の高重合度ポリマが好ましい。硫酸相対
粘度が3.0未満であると、コードの強力、および耐疲
労性が十分改良されない。
また熱、光、酸素等に対する耐久性を付与するためにポ
リマは酸化防止剤を含有していることが好ましい。この
酸化防止剤がない場合、製糸工程、コード加工工程およ
びタイヤとして使用される間に劣化が進行してしまう。
通常酸化防止剤としては有機、無機銅塩と、アルカリ又
はアルカリ土金属のハロゲン化物、有機ハロゲン化物、
無機及び有機リン化合物、ヒンダードフェノール系抗酸
比剤、及びアミン系抗酸化剤等から選ばれた1種または
2種以上とを組合せてもちいる。
酸化防止剤はポリε−カプラミドの重合工程あるいはチ
ップに混合して添加し、含有せしめる。
その添加量は、銅塩の場合は銅としてlO〜300pp
m、好ましくは30〜150ppm、他の酸化防止剤は
0.01〜1重量%、好ましくは0゜03〜0.5重量
%の範囲である。
本発明ポリアミド繊維コードは通常の方法で測定したD
SC融点(Tmr)が216℃以上である。この融点が
高いということは高温の熱履歴を受けても構造変化が少
なく安定であることに対応している。この値が高いコー
ドはゴム加硫工程で熱処理を受けた後の強力保持性に優
れている。従来の高強力ポリアミド繊維コードは通常2
16℃未満である。
また繊維端を固定して測定したDSC定長法融点(Tm
f)は236℃以下である。この特性に対応するポリア
ミド繊維コードの構造は、非晶分子鎖の拘束が強くない
ため、加硫工程で受ける熱刺激やタイヤとして使用され
た時に受ける圧縮疲労時に生ずる応力を吸収することが
できることを意味している。このような特徴は強力深持
性及び耐疲労性に優れていることと対応している。従来
の高強力ポリアミド繊維コードは通常236℃を超えて
いる。
次に、本発明ポリアミド繊維コードはその撚をほぐして
繊維状にして小角X線散乱を測定すると、その散乱像は
層線状四点散乱像を示し、その子午線方向の長周期(D
・m)に対する赤道線方向の長周期(De)の比De/
Dmが1.4以上であることが特徴である。赤道線方向
の長周期(De)が長いということは繊維軸に直角方向
の繰り返し単位が長く、繰り返し圧縮疲労時に加わる、
繊維軸にほぼ45°方向のズリ応力を緩和できると理解
できる。その結果、耐疲労性が改良されているものと推
測する。
1、また、本発明ポリアミド繊維コードの撚をほぐして
繊維状にした後、110Hzで動的粘弾性を測定した時
、その力学的正接損失(tanδ)曲線の主分散ピーク
温度(Tα)は113℃以下である。このことは本発明
ポリアミド繊維タイヤコードを構成するポリアミド繊維
の構造は非晶分子鎖が比較的低温で動き易く、非晶部の
拘束がきつくないことを示している。通常このような特
徴は優れた寸法安定性、及び耐疲労性に対応する。
本発明ポリアミド繊維コードの撚係数(K)は1900
〜2500である。ここで撚係数(K)は次の近似式か
ら求めた値を言う。
K=ND1/2 (但しNはコード長さ10cm当たりの撚数、Dはコー
ドを構成する原糸繊度と合撚糸本数の積である。) 撚係数(■0は大型のバイアスタイヤ用として用いられ
るタイヤコードの通常の範囲、1900〜2500が適
用されるが特に2100〜2300が好ましい。撚係数
が1900未満ては耐疲労性が劣り、一方2500を越
えると強力および寸法安定性を満足させることができな
い。尚、下撚と上撚数は通常はぼ同数とするが、10%
程度までの差を有するコードであってもよい。
上記特徴を有する本発明ポリアミド繊維コードは優れた
機械的特性を示す。即ち、コードの強度(T)と伸度(
E)との積(T −E)が212゜5g/d・%以上で
あり、かつ強度(T)が8゜5 g / (1以上、伸
度(E)が25%以上、通常は27%以上であり、中間
伸度(ME)は8.5〜11%である。従来のポリアミ
ド繊維コードと比較して高強度・高伸度であり、高タフ
ネスコードであることが特徴である。また150℃で測
定した乾熱収縮率(△So)が3.5%以下、通常は3
%以下と寸法安定性も優れている。
本発明ポリアミド繊維コードを構成するポリアミド繊維
は以下の特徴を有する新規なポリアミド繊維からなる。
即ち、繰り返し構造単位の95モル%以上がε−カプラ
ミドからなり、硫酸相対粘度3.0以上の高重合度を有
するポリアミド繊維であって、下記(イ)〜(へ)の特
性を有することを特徴とする高強力ポリアミド繊維であ
る。
(イ)通常法DSC融点(Tmr): Tmr≧215℃ (ロ)定長法DSC融点(Tmf): Tmf≦235℃ (ハ)小角X線散乱像が層線状四点散乱像を示し、その
子午線方向の長周期(Dm)に対する赤道線方向の長周
期(D e)の比(De/Dm):De/Dm≧1.4 (ニ)蛍光法で測定した非晶分子配向度F:F≦0.8
5 繊維同志の静摩擦係数(μ): μ≦0.15 (ホ)フィラメントの表面の全域に、幅が0.01〜1
μ、長さが0.1〜10μの多数の凹凸が繊維軸方向に
長く、縞状に形成されていること。
そして、上記繊維構造パラメータ、繊維表面特性および
表面構造を有するポリアミド繊維は強度が10g/d以
上であり、伸度が21%以上で、沸騰水収縮率が10%
以下の繊維物性によって特徴づけられる。
本発明ポリアミド繊維コードを構成するポリアミド繊維
の特1外即ち上記構造パラメーターとタイヤコード性能
との関係は、前記ポリアミド繊維コードについて述べた
関係と基本的にかわらない。
ポリアミド繊維に新たに用いた構造パラメーターである
非晶分子配向度及び繊維同志の静摩擦係数について説明
を加えると以下の通りである。
本発明ポリアミド繊維コードに係るポリアミド繊維の非
晶分子配向度(F)は0.85以下である。0.85を
越えると原糸強度は高くなるものの、加硫工程での熱収
縮によって構造変化して、コード強力が低下したり、ま
たタイヤ走行時の圧縮疲労が劣るなど、本発明効果が得
られない。
次に本発明に係るポリアミド繊維は繊維同志の静摩擦係
数(μ)が0.15以下である。μが0゜15を越える
と、繊維同志の拘束力が強すぎるため、熱収縮や繰返し
圧縮応力を受けた時、それががコード内の各繊維に分散
し難く、コード強力は低下する。この低い静摩擦1糸数
は前記ポリアミド繊維の表面層に形成された縞状凹凸と
密接に係わって決定され、従来のポリアミド繊維に比較
し・て低いことが特徴である。
本発明に係るポリアミド繊維は上記の繊維構造パラメー
ター及び繊維表面特性によって特徴づけられるが、要約
すると、従来のポリアミド繊維と異なり、結晶部、非晶
部ともそれぞれ安定な構造をとり、かつ表面層部分の薄
い結晶層によって保護された二層構造からなっているこ
とである。該表面層部分の薄い結晶層とは、高度に結晶
化し、しかし結晶間に存在する非晶領域の分子鎖は十分
弛緩し、極めて安定な構造をとる結果、柔軟な弾性回復
性のよい特性を発現する層を形成している。
このような層で保護された本発明ポリアミド繊維コード
に係るポリアミド繊維を用いてなるコードは強力1呆持
性、耐疲労性に優れ、かつ寸法安定性に圏れた高強力・
高タフネス繊維となる。
本発明ポリアミド繊維コードに係るポリアミド繊維は下
記するような新規な方法によって製造することができる
硫酸相対粘度3.0以上の実質的にカプラミド単位から
なるポリアミドポリマを溶融紡糸し・、該紡出した糸条
を、ポリアミドの融点以上の温度に加熱され、かつポリ
アミドにとって不活性な気体によって満たされた雰囲気
領域を通過させた後、効率良く急冷固化し、次いで短時
間低圧のスチームによって処理し、糸条の各フィラメン
ト表面層の結晶化を促進する。次いで糸条に非水系の油
剤を付与した後引取りロールで引取る。次に該引取り糸
条は一旦巻取ることなく連続的に熱延伸するが、その延
伸条件を、 ぐ1)1段目の延伸倍率が全延沖培率の60〜80%と
すること、 (2)延伸を完了した後の熱固定処理を210℃以上の
高温で行なうこと、 (3)熱固定ロール部分をボックスで囲み、該部分をロ
ール表面温度と同等もしくはそれ以上とすること、 を特徴として行なう。
特に本発明ポリアミド繊維コードに係るポリアミド繊維
の特徴の発現と密接に係わる製造上のポイントは本発明
法のポインI・は、紡出糸条が冷却固化した後、低圧の
スチームて糸条を処理してフィラメントの表面層に結晶
層を形成せしめ、次いで非水系の油剤を付与した後、連
続して多段熱延伸することにある。
フィラメントの表面層の結晶層を形成ぜしぬるための装
置としてはスチームが充満させた筒状の加熱装置を用い
ることが望ましい。使用するスチームは飽和水蒸気でも
いわゆる50重置火以上の水分を含む過熱蒸気でもよい
が、圧力としては20〜200mmH2Oの低圧が好ま
しい。該装置内雰囲気温度は80〜120℃、スチーム
処理筒内滞留時間は0.01〜0.5秒とすることが好
ましい。また糸条が随伴してくる気流を遮断しながら、
筒内雰囲気温度を制御する必要があり、該装置の上部に
は随伴気流排除板などを取り付けることが好ましい。
スチーム処理された後、非水系油剤を付与された糸条は
、その水分率が0.05〜0.4重量%、好ましくは0
.08〜0.20重量%、その複屈折が8X10−3〜
35X10−3、好ましくは10X10−3〜20X1
0−3である。
紡糸引取り速度は100〜1500111/分、好まし
くは300〜900m/分である。そして熱延伸前の紡
糸引取り糸条の水分率及び複屈折が前記範囲となるよう
ポリマ特性、紡糸条件、及びスチーム処理条件を相互に
関連づけて行なうことが重要である。
以上の方法で得られた本発明ポリアミド繊維コードに係
るポリアミド繊維は、次に通常の方法で合撚糸し、撚係
数1700〜2100の生コードとなし、次いで該コー
ドのまま、または−旦スダレ状織物とした後、RFL 
(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス)混合液からな
る接着剤を付与し、緊張熱処理する。該緊張熱処理条件
は、熱処理温度が190〜220℃、緊張熱処理時にお
けるコードの最高発現応力を0.5〜2.5g/d、伸
長率を3〜10%となるようホットゾーン及びノルマラ
イジングゾーンで処理する。処理時間は両ゾーンの合計
で60〜500秒、通常は100〜300秒である。
かかる方法で得られる本発明ポリアミド繊維コードは前
記特徴的な繊維構造パラメーターと有用なタイヤコード
物性を具備する。
次に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明に係
るコード及び繊維物性の定義、及び測定法は以下の通り
である。
尚、タイヤコードとしての各種繊維構造パラメーターの
測定は一旦コードの撚をほぐ七、繊維状として行なった
旦二且牲性 (1)通常法DSC融点(Tmr): 試料を4mm長程度に切断してアルミニウム製パンに入
れ、パーキン エルマー社製のDSC−■型でその融点
を測定した。測定条件は、昇温速度=10℃/分、繊維
量:2.Omg、感度二0゜5mcal/secフルス
ケール、乾燥N2フロー下で行なった。
(2)定長法DSC融点(Tmf): lO〜12 c rn長の試料の両端部を針金に結びつ
けた後、該試料をアルミ板(3X3X0.1mm)に巻
き付け、試料の両端部の針金をそのアルミ板に固定した
。その試料をアルミニウム製パンに入れ、前記通常法D
SC融点と同様条件で測定した。
(3)小角X線による子午線方向の長周期(Dm)およ
び赤道線方向の長周期(De): 理学電機(株)製広角X線散乱装置Ru−200型を用
いて、CuKα(Niフィルタ使用)を線源として測定
した(出カニ50KV、150mA、スリット: 1 
mmφ)。撮影条件はカメラ半径:400 mm、フィ
ルム:Kodak DEF−5、露出時間30分である
小角X線散乱写真上の距離l・から、Braggの式:
L=λ/2s in [(jan−1(r/R))/2
]を用いて計算した。ただし、[R:カメラ半径、λ:
X線の波長、L:長周期(子午線方向はDm、赤道線方
向はDe)コ (4)力学的正接損失(tanδ)曲線における主分散
ピーク温度(Tα): 東洋ボールドウィン(株)社製“VibronDDV−
n”を用い、振動数110Hz、昇温速度3℃/分で空
気浴中で測定した。
(5)引張り強度(T)、伸度(E)、強力・伸度積(
T −E) 、中間伸度(ME):JIS−L1017
の定義によつ々。試料を総状にとり、20℃、65%R
Hの温湿度調節室で24時間放置後、東洋ボールドウィ
ン(株)社製“テンシロソ’ UTM−4L型引張試験
機を用い、試製25 C111、引張速度30 c m
/分で測定した。
中間伸度(ME)とはコードの荷重伸長曲線に於いて、
(10,IXDXn)/ (’1890X2)荷重を発
現する時の伸度である(但し、D=原糸繊度、N:原糸
の合撚糸数)。例えば、実施例に於ける1890D/2
コードの中間伸度は10゜1Rg荷重時伸度である。
(6)乾熱収縮率(△So) : 試料を総状にとり、20℃、65%RHの温調室で24
時間以上放置した後、試料の0.1g/dに相当する荷
重をかけて測定した長さt、oの試料を、無張力状態で
150℃に加熱されたオーブン中に30分間放置した後
、オーブンから取り出して、上記温調室で4時間放置し
、再び上記荷重をかけて測定した長さLlとから次式に
より算出した。
ΔSo= ((Lo−Lt)/Lo)X100 (%)
(7)GY疲労寿命: 、JIS  L−10173,2,2,1(1)A法に
よった。
繊維物性 通常法DSC融点(Tmr)、定長法DSC融点(Tf
nl)、長周期比(De/Dm) 、及び強伸度特性の
定義、及び測定法は上記コード物性の方法と同じである
。その他の繊維物性の定義、及び測定法は以下の通りで
ある。
(8)非晶分子配向度(F): 試料を蛍光剤“Wlz i t ex  RP’” 〔
住友化学(株)製〕の0.2重量%水溶液に20℃で2
時間浸漬し、次いで十分洗浄した後風乾して測定試料と
した。日本分光(株)製FOM−1偏光光度計を用い、
偏光蛍光の相対強度を測定し、次式によりFを求めた。
F=1−B/A 但し、A:I離軸方向の偏光蛍光の相対強度B:繊維軸
と直角方向の偏光蛍光の相対強度 (9)繊維同士の静摩擦係数(μ): 鍔部分に切込みを入れた太鼓型の円筒ドラムの軸方向に
試料繊維を1kgの張力をかけてセットする。そのドラ
ム上に、一方に500 g (=W)の荷重をかけ、も
う一方に張力計をとりつけた試料繊維(約50cm)を
乗せ、該ドラムを2CIT1/分の低速で回転させる。
その時発生する張力Tから摩擦係数μを次式により求め
た。
μ= <T−’、V’)/ (T+W)(10)走査電
子顕微鏡による繊維表面の観察:電界放射型走査電子顕
微鏡である日立(株)製5−soo型を用い、加速電圧
6KVT:f&i維表面表面察した。
(10)沸!A水収縮率(△S、): 前記乾熱収縮率(△So)測定に於いて、熱処理を沸騰
水中で行なった以外、同様にして測定した。
(11)複屈折(△n): 白色光を光源として、日本光学工業(株)製POH型偏
光顕微鏡を用いて、通常のベリツクコンペンセータ法に
より求めた。
〈実施例−1〉 酢酸銅0.02重量%、沃化カリウム0.1重量%、臭
化カリウム0.05重量%のηr=3゜7のナイロン6
チップをエクストルーダ型紡糸機で紡出した。吐出量は
全糸繊度が1890Dとなるように調整した。また口金
は孔’40.3mmφ、孔数306を用い、ポリマ温度
は280℃とした。
濾過には10μカツトの目開きを有する不織布フィルタ
ーを用いた。口金下25cmの雰囲気を窒素ガス5N/
分を流して300℃に保った加熱筒中を通過させ、次い
で5cm長さの断熱ゾーンを介して取付けた9 0 c
 m長さの対面吹出し、吸込み型のユニフローチムニ−
を通過させ急冷した。
チムニ−風は20℃、301Tl/分の条件をとった。
糸条は冷却固化後、第1表に示す条件の飽和スチームで
充満した長さ60C111の表面結晶層形成装置内を通
過させた後、2段に配置したガイド給油装置で非水系油
剤を糸条に対して1重量%付与した。次に糸条は所定の
速度で回転する非加熱の引取りロールで引き取り、次い
で、第1供給ロールと50℃に加熱した第2供給ロール
とで5%のストレッチをかけ、170℃に加熱した第1
延沖ロールとの間で1段延伸、200℃に加熱した第2
延伸ロールとの間で2段延伸、更に表1に示す温度で加
熱した第3延伸ロールとの間で3段延伸を行ない、第3
延伸ロールと140℃に加熱したリラックスコールとの
間でリラックスを行なって巻取った。
製糸条件および得られた延伸糸特性を第1表に示した。
次に延伸糸を、それぞれ320T/111の撚数で下撚
および上撚をかけて、生コードとした。次いてリツラー
社製ディッピング機によって接着剤付与および熱処理を
行なった。RFL溶液に浸漬し、付着量が約5%となる
ように溶液)農度および液切り装置を調整して処理した
乾燥ゾーンは130℃で130秒間定長で通過させ、熱
処理ゾーンは215℃150秒間、1゜5g/dの張力
のストレッチをかけつつ通過させた。ノルマライジング
ゾーンは215℃で50秒間、O,’7g/dの張力で
弛緩を与えて通過させた。ここで得られたコードをデイ
ツプコードと言う。
次にデイ、ツブコードをゴムに埋め込んで、ゴム加硫処
理し、加硫コードを作製した。加硫コードの作製は以下
の通りである。
デイツプコードを厚さ0 、3 mmのシート状未加硫
ゴム上に24本/インチの密度で平行に並へ、更に同じ
未加硫ゴムシートで挟み、160℃に維持したヒートプ
レス板に挟んで30分間加熱し、加硫処理した。プレス
圧力は501<g/cm2Gである。加硫処理後直ちに
ヒートプレス板ごと取出して水冷した後、ゴムシートを
室温で取り出した。20℃、65%RHの温湿度調節室
に48時間放置した後、コードをゴムから剥離し、強力
を測定した。
デイツプコードおよび加硫コードの特性を第2表に示し
た。
実施例−1〜実施例−4は本発明で特定した繊維構造パ
ラメーター、コード撚係数を満足し、そしてデイツプコ
ードの強度、伸度、および強度・伸度積、中間伸度、お
よび乾熱収縮率等の全てを満足している。その結果、本
発明の目的とする高強力、高タフネス、低収縮コードと
なり、また加硫時の強力低下も少なく、耐疲労性の改良
されたポリアミド繊維コードが得られている。
一方、比較例−1〜比較例−2は撚係数が本発明範囲外
であり、本発明ニー下特性を発現しない。
比較例−3〜比較例−5はポリアミド繊維コードを構成
するポリアミド繊維の構造パラメーター、繊維表面特性
および表面構造、及び繊維の物理特性において本発明ポ
リアミド繊維と著しく異なり、該繊維を用いてなるコー
ドは本発明で特定したコード特性を満足しない。そして
本発明の目的とする有用コード特性の改良は認あられな
い。
〈発明の効果〉 本発明ポリアミド繊維コードはコードの強度が8.5g
/c3、伸度が25%以上で強度・伸度積が215.5
g/d・%以上と高いので、タイヤコードをはじめVベ
ル)・、タイミングベルト、搬送用ベルトおよびゴムホ
ース等のゴム補強用コードとして好適である。
特に高強力で、加硫工程での強力低下が少ない特1敦を
生かして、ゴム補強用コードとしては材料使用量の減少
を可能とし、製品のコストダウン、軽量化に寄与する。
また耐疲労性および耐熱性等の耐久性に優れている特徴
を生かして、大型の建設車両用タイヤに好適である。
本発明ポリアミド繊維コードによって提案した、高強力
、優れた寸法安定性、および特に著しく改良された強力
保持性と耐久性を実現した本技術は、ゴム補強用コード
としては°かりでなく、カバーシート、漁網、シーベル
ト、縫糸等各種産業用製品に広ぐ適用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明ポリアミド′a維コードに係るポリアミ
ド繊維(実施例−3)の繊維側面の走査電子顕微鏡写真
であり、第2図は従来の市販タイヤコード用高強力ポリ
アミド繊維(比較例−5)の繊維側面の走査電子顕微鏡
写真である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)繰り返し構造単位の95モル%以上がε−カプラ
    ミドからなり、硫酸相対粘度3.0以上の高重合度を有
    するポリアミド繊維からなるコードであって、下記(イ
    )〜(ヘ)の特性を有することを特徴とする耐疲労性の
    良好な高強力ポリアミド繊維コード。 (イ)通常法DSC融点(Tmr): Tmr≧216℃ (ロ)定長法DSC融点(Tmf): Tmf≦236℃ (ハ)小角X線散乱像が層線状四点散乱像を示し、その
    子午線方向の長周期(Dm)に対する赤道線方向の長周
    期(De)の比(De/Dm):De/Dm≧1.4 (ニ)110Hzで測定した動的粘弾性測定の力学的正
    接損失(tanδ)曲線における主分散ピーク温度(T
    α): Tα≦113℃ (ホ)コードの撚係数(K): 2500≧K≧1900 (ヘ)コードの強度(T)と伸度(E)との積(T・E
    ) T・E≧212.5g/d・%
  2. (2)コードの強度(T)が8.5g/d以上、伸度(
    E)が25%以上、中間伸度(ME)が8.5〜11%
    で、かつ150℃で測定した乾熱収縮率が3.5%以下
    であることを特徴とする特許請求範囲第(1)項記載の
    ポリアミド繊維コード。
JP3146888A 1988-02-12 1988-02-12 耐疲労性が良好な高強力ポリアミド繊維コード Pending JPH01207436A (ja)

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