JPS602149Y2 - 補助ジブつき伸縮ブ−ム式クレ−ンにおける補助ジブチルト角度調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は補助ジブつきの伸縮ブーム式クレーンにおける
補助ジブのチルト角度を調整するための装置に関するも
のである。

従来の補助ジブつき伸縮ブーム式クレーンにおいては、
先端ブーム頭部に装着した補助ジブのチルト角度を調節
可能とする場合、補助ジブ全体を先端ブームに対して起
伏させるようにしているため、補助ジブを先端ブーム頭
部に装着する場合は、該補助ジブと先端ブーム頭部の間
に補助シブチルト角度調整装置を組み込む必要があり、
両者の結合構造が複雑となって、組立工数が多くなった
り、補助ジブのチルト角度調整操作に多大の手数を要し
たりしていた。

本考案は上記の問題を改善すべくなされたもので、補助
ジブのチルト角度を調整可能とした伸縮ブーム式クレー
ンにおいて、その補助シブチルト角度調整機構を補助ジ
ブそれ自体の中の組み込むことにより、補助ジブの先端
ブーム頭部への組付けを容易にし、しかも補助ジブのチ
ルト角度調整操作の簡略化を促進せしめることができる
ようにするとともに、補助ジブのチルト角度変更時、即
ちチルトダウン状態からチルトアップ状態へ、又はチル
トアップ状態からチルトダウン状態へそれぞれ変更する
際に、補助ジブを先端ブーム頭部に軸着している連結ピ
ンを抜き取ることなくそのまま行なえるようにしたこと
を目的とするものである。

以下、図示の実施例により本考案の装置を段切すると、
各図において符号１は伸縮ブームの基端ブーム、２は先
端ブーム、３は基端ブームの頭部、１０は先端ブーム頭
部３に装着される継ぎ足し用の補助ジブを示している。

この実施例においては補助ジブ１０をジブ本体４とジブ
基台５に分けるようにし、さらにジブ基台５は先端ブー
ム頭部３に装着し、ジブ本体４はジブ基台５に対して鉛
直面内で上下方向に傾動可能としている（第１図、第２
図参照）。

第１図及び第２図の実施例では第３図に示すように、先
端ブーム頭部３の両側板１１．１２に外側方に向けて突
設したブラケット２２．２３及び同２４，２５にピン３
２，３３及び同３４，３５によってジブ基台５を装着し
ている。

このジブ基台５は一方の先端ブーム頭部側板１２側にお
いてピン３４．３５を抜き取ることによって他方の先端
ブーム頭部側板１１側のピン３２．３３を中心として旋
回可能とされており、それによって第４図に示すように
補助ジブ１０が基端ブーム１の側面に格納され得るよう
になっている。

続いてジブ基台５とジブ本体４の間の連結構造について
説明すると、このジブ本体４はジブ基台５に対して上下
２位置で軸着されている。

即ち、ジブ本体４は下側位置においてはジブ本体４側の
ブラケット４３，４５とジブ基台５側の突子７３．７５
を嵌合させ、これにボルト５３．５５を嵌挿することに
よってジブ基台５に軸着され、上側位置においては一対
の中継部材（実用新案登録請求の範囲でいうところの第
１継手部材に該当する）６，７を介してジブ基台５側の
継手用桁材（実用新案登録請求の範囲でいうところの第
２継手部材に該当する）６２．６４に結合されている。

中継部材（第１継手部材）６，７はジブ本体４の後端上
部に形成したブラケット４２，４４にボルト５２，５４
によって枢着されるとともに、ジブ基台５の継手用桁材
（第２継手部材）６２，６４の長穴７２，７４内に嵌入
せしめられる。

継手用桁材６２，６４にはその長手方向に所定距離だけ
離れた位置に２つのピン受穴８２，８３、同８４．８５
が形成され、これに対して各中継部材６．７にはそれぞ
れ対応する継手用桁材６２，６４のピン受穴８２．８３
、同８４．８５間の距離とほぼ同じ長さを持つ長溝１６
，１７が形成されている。

この中継部材６，７をジブ基台５側の長穴７２．７４内
に嵌挿し、一方のピン受穴８２．８３及び長溝１６に連
結ピン９２，９３を、又他方のピン受穴８４，８５及び
長穴１７内に別の連結ピン９４．９５を嵌挿すると、ジ
ブ本体４はジブ基台５に対して上向き状態（チルトアッ
プ状態）で結合される（第１図及び第５図）。

尚、第１図及び第５図に示すジブ本体４のチルトアップ
状態においては、ジブ本体４の上側位置は、主として後
側のピン受穴８３．８５と長溝１６，１７間に嵌挿され
ている後側の連結ピン９３，９５が該長溝１６．１７の
ピン係合側端部（第５図における右側端部）１６ａ、１
７ａに衝合していることによって支持されており、従っ
て先側の連結ピン９２．９４はピン受穴及び長溝から抜
き取ることも可能である。

又、第１図及び第５図のチルトアップ状態から後側の連
結ピン９３．９５を抜き取り（この場合、ジブ本体４は
予じめウィンチ用ワイヤーロープを利用して下方に回動
しないように支持させておく）、徐々にジブ本体４を下
方に回動させる（ワイヤーロープを延ばす）と、中継部
材６．７はその長溝１６，１７のピン係合側端部１６ａ
、１７ａが前側の連結ピン９２．９４に衝合するまで継
手用桁材６２．６４から抜は出し、それによってジブ本
体４はジブ基台５に対してチルトダウン状態で支持され
る（第２図及び第６図）。

又、ジブ本体４をチルトダウン状態（第２図、第６図）
からチルトアップ状態（第１図、第５図）まで持ち上げ
るときには、前側の連結ピン９２．９４をピン受穴８２
，８４及び長溝１６゜１７かり抜かずにそのまま嵌挿し
た状態で前記ウィンチ用ワイヤーロープを利用してジブ
本体４を上方に回動させる。

すると中継部材６，７が継手用桁材６２．６４内に徐々
に格納されるようになり、やがて長４１６，１７のジブ
先端側（第５図において左側）端部１６ｂ、１７ｂが前
側の連結ピン９２．９４に衝合してそこでジブ本体４の
回動が停止される。

そして前記ワイヤロープでジブ本体４を支持した状態で
後側のピン受穴８３，８５と長溝１６，１７間に連結ピ
ン９３．９５（前側の連結ピン９２．９４を抜き取って
それを利用してもよい）を嵌挿させた後、ワイヤーロー
プを弛めればジブ本体４が第１図及び第５図に示すチル
トアップ状態に維持されるようになる。

尚、この実施例ではジブ基台５に対するジブ本体４の傾
動動作を許容するために、ジブ本体４側の上側ブラケッ
ト４２．４４に形成したボルト５２，５４嵌挿用の穴４
６，４８を縦方向にやや長い長円形としている。

又、ボルト嵌挿用穴４６，４８を長円形とするのにかえ
て、第７図に示すように中継部材６，７の上下軸ｔより
ジブ基台５の継手用桁材６２．６４の長穴７２，７４の
上下幅Ｔを所定量だけ大きくすることによりジブ本体４
と中継部材６，７の傾動を許容するようにすることもで
きる。

尚、第１図ないし第７図において符号５６，５７．５８
，５９はボルト５２，５３，５４，５５と螺合するナツ
ト、７７．７８はジブ基台突子７３．７５に形成したピ
ン受穴９６，９７，９８゜９９はピン９２，９３，９４
，９５の抜は止め部材を示している。

本考案は上記実施例に限定されるものではなく、たとえ
ば次のように変形して実施することもできる。

即ち、（１）中継部材６，７をジブ基台５側の上部桁材
６２．６４に対して外側から嵌合する（第８図、第９図
）。

（２）ジブ本体４を、上方位置側においてジブ基台５に
固定的に軸支し、下方位置側において中継部材６，７を
介してジブ基台５と連結する（第１０図）。

尚、この場合はジブ本体４をチルトダウンさせるときに
は前側のピン９２を抜き取って中継部材６，７を後退さ
せる。

本考案の補助シブチルト角度調整装置は、補助ジブ１０
それ自体の中にチルト角度調整機構が組み込まれている
から、補助ジブ１０を先端ブーム頭部３に送着するに際
しても従来のようにチルト角度調整機構の組付作業が不
要となるばかりでなく、クレーン使用時における補助ジ
ブのチルト角度変更操作も簡略化される等の実用的効果
を発揮するものである。

又、本考案の補助シブチルト角度調整装置は、ジブ本体
４のチルト角度変更操作時において、ジブ本体４をジブ
基台５に対して軸着するためのジブ基台５（或いはジブ
本体４）側の第１継手部材６２．６４とジブ本体４（或
いはジブ基台５）側の第２継手部材６，７との間に嵌挿
される連結ピン９２，９３，９４，９５の一部をそのま
ま嵌挿させたままでチルト角度変更操作を行なうことが
でき、ジブ本体４のチルト角度変更操作が容易となると
いう効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる補助シブチルト角度調
整装置を使用したブーム伸縮式クレーンの要部側面図、
第２図は第１図のクレーンの他の状態図、第３図は第１
図のクレーンの要部分解斜視図、第４図は第１図のクレ
ーンにおける補助ジブ格納状態平面図、第５図は第１図
におけるＡ部拡大図、第６図は第２図におけるＢ部拡大
図、第７図及び第８図はそれぞれ本考案の変形実施例に
おける要部拡大側面図、第９図は第８図におけるＩＸ−
ＩＸ断面拡大図、第１０図は本考案のさらに他の変形実
施例における要部側面図である。 １・・・・・・基端ブーム、２・・・・・・先端ブーム
、３・・・・・・先端ブーム頭部、４・・・・・・ジブ
本体、５・・・・・・ジブ基台、６，７・・・・・・第
２継手部材（中継部材）、１０・・・・・・補助ジブ、
１６，１７・・・・・・長溝、６２，６４・・・・・・
第１継手部材（継手用桁材）、８２，８３゜８４．８５
・・・・・ゼン受穴、９２，９３，９４，９５・・・・
・・連結ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端ブーム２の頭部３に装着され又は基端ブーム１に沿
   って格納される補助ジブ１０を、前記先端ブーム頭部３
   への取付台となるジブ基台５と該ジブ基台５に接続され
   るジブ本体４に分けるとともに、前記ジブ本体４は、前
   記ジブ基台５に対して上下２位置で軸着され、しかも該
   上下軸着部のいずれか一方において、前記ジブ本体４或
   いはジブ基台５側に補助ジブ長手方向に所定距離だけ離
   間する如くして２つのピン受穴８２．８３又は８４．８
   ５を形成した第１継手部材６２．６４を設は他方前記ジ
   ブ基台５或いはジブ本体４側に前記第１継手部材６２．
   ６４の両ピン受穴８２，８３又は８４，８５に同時に対
   向し得る長溝１６，１７を形成した第２継手部材６，７
   を設けて、前記長溝１６．１７と前記２つのピン受穴８
   ２，８３又は８４，８５のうち選択したいずれか一方の
   ピン受穴との間に連結ピン９２，９３又９４，９５を嵌
   挿することにより前記ジブ基台５に対するチルト角度を
   調整し得るようにしたことを特徴とする補助ジブつき伸
   縮ブーム式クレーンにおける補助シブチルト角度調整装
   置。