JPS6017331Y2 - プリンタのインクリボン色切換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、１本のリボンに複数色を配したインクリボン
を使用するプリンタにおけるインクリボン色切換装置に
関するものである。

プリンタ用のインクリボンには、１本のリボンに複数色
を配したものがある。

このようなインクリボンを使用するには、プリンタの印
字ヘッドとインクリボンの相対位置を変えて、帯状に区
分けされた異なった色彩間の切換えを行なうことになる
。

この切換えは、印字ヘッドを有する移動体に設けられた
インクリボンの色切換機構によってインクリボンを収納
したカセットもしくはリールを動かすのが普通であり、
その駆動源としてはソレノイドまたはモータを用いるの
が一般的である。

また、上記移動体には上記インクリボンの色切換機構の
他に、インクリボン巻き上げ機構も設けられているので
、移動部の重量が大きくなり、かつ、所要スペースも大
きくなる欠点が生ずる。

本考案はこのような欠点を除去したインクリボン色切換
装置を提供することを目的とする。

以下１、本考案の一実施例を図について説明すると、ま
ず第１図および第２図において１は移動体であって、印
字ヘッド２とカセット押えばね３とを一体に有している
ものである。

移動体１には雌ねじ部４が設けられており、この雌ねじ
部４にはねじ軸５が螺合している。

ねじ軸５は基枠６に回転自在に支持されており、その一
端に駆動歯車７が取り付けられている。

この構造により、図示しない動力機構により駆動歯車７
が回転させられると、ねじ軸５と雌ねじ部４との螺合に
よって、移動体１は図における左右方向に移動すること
になる。

移動体１にはそれぞれ同じ回転方向に作用する一方向ク
ラッチ内蔵のプーリ８，９がそれぞれ回転自在に設けら
れている。

そしてこれらのプーリ８，９の軸部にはリボン巻取軸１
０が嵌挿して、これらプーリ８，９を支持するとともに
、これらプーリ８，９から受ける回転力を後述のリボン
カセット１９（リールでもよい）に伝達するようになっ
ている。

なお、リボン巻取軸１０のリボンカセットへの結合は、
リボン巻取軸１０の一端に形成されたハブ１０ａ（第５
図参照）によって行なわれる。

基枠６，６間には２本のワイヤ１１．１２が張設されて
いる。

これらワイヤ１１．１２は、第３図に示すようにその一
部でプーリ８，９を互いに逆回りに１回転以上し、両側
に延びている。

これによりプーリ８，９は、移動体１がねじ軸５との関
係で図における左右方向に移動したとき、その移動方向
に応じて時計方向、反時計方向のいずれか互いに逆方向
に回転するが、これらプーリ８゜９には前述のようにそ
れぞれ同じ回転方向に作用する一方向クラッチが内蔵さ
れているので、移動体１が左右いずれの方向に移動して
も、リボン巻取軸１０には常に一定方向の回転力が与え
られることになる。

基枠６の駆動歯車７側のものには、ワイヤ１１を張設し
た部分の下部に、駆動部材としてのソレノイド１３が取
り付けられている。

そしてこのソレノイド１３の芯部から出入するプランジ
ャ１４にはワイヤ１５の一端が係止されている。

ワイヤ１５は、その途中部分でプーリ９および後述のプ
ーリ１６を巻回した後、他端は相手側の基枠６に係止さ
れている。

第４図および第５図に示すように、移動体１にはワイヤ
１５の張設方向とは直交する方向に長孔１ａが穿設され
ていて、この長孔１ａには、プーリ１６を枢支した軸１
７が遊嵌している。

第５図および第６図に示すように、軸１７には、一面を
斜面１８ａにした揺動手段としての押上げ片１８が、斜
面１８ａを第５図の上方に向けて取り付けである。

この斜面１８ａは、第１図に示すように移動体１にリボ
ンカセット１９を装着したとき、その前線の一部に接す
るように位置決めされている。

第１図中の２０は、リボンカセット１９の支点であり、
リボンカセットを揺動自在に支持するようになされてい
る。

このように構成されたこの装置において、支点２０を移
動体１に嵌め、カセット押えばね３で押えてリボンカセ
ット１９を支点２０により揺動可能に支持させると、リ
ボンカセット１９のリール軸がハブ１０ａと結合する。

この状態において移動体１が移動すると、ワイヤ１１．
１２の作用によりプーリ８，９が回転することになるが
、これらプーリ８，９には、それぞれ同じ回転方向に作
用する一方向クラッチが内蔵されているので、軸１０は
常に一定方向に駆動されることになり、したがってこの
軸１０にハブ１０ａを介して結合されたリボンカセット
１９のリール軸も一方向に回転し、インクリボンを第１
図のＡ方向に巻取ることになる。

このようにして移動するときに、印字ヘッド２を作動さ
せれば、印字作用を行なうことになる。

ソレノイド１３への通電を行なわないときには、リボン
カセット１９は、常にカセット押えばね３によって一方
向に押圧されているので、その状態で印字ヘッド２に対
向する側の色彩のインクリボンにより、その色彩での印
字が行なわれることになる。

次にソレノイド１３への通電を行なうと、プランジャ１
４が吸引され、ワイヤ１５を一定ストロークで緊張方向
に強く引くことになる。

ワヤ１５はプーリ９，１６を巻回しているが、プーリ９
は移動体１に対して移動しないように支持されており、
プーリ１６は長孔１ａの範囲内で移動できるので、プー
リ１６、したがって軸１７を、第１図、第４図、第５図
に対して上方に移動させることになる。

軸１７には、一面に斜面１８ａを形成した押上げ片１８
が取り付けられているので、この押上げ片１８もワイヤ
１５の方向に移動することになる。

押上げ片１８が移動するとその斜面１８ａによってリボ
ンカセット１９は押さえばねに抗し、支点２０を支点と
して若干量上向きに揺動されることになる。

この状態で印字ヘッド２が作動すると、それまでとは異
なった色彩で印字されることになる。

ソレノイド１３への通電を断つと、ソレノイド１３の内
部に装着されたスプリング（図示せず）によってプラン
ジャ１４は押し出され、元の状態に復帰することになる
。

このようにして、複数色の印字が行なわれることになる
。

なお、本考案は上述の実施例に限られるものではなく、
次の部分は変更することもできる。

すなわち、ワイヤはバンドにしてもよく、ソレノイドは
モータ等にしてもよい。

また片方向移動時のみ印字を行なうものではリボン送り
用のプーリ１個にすることもできる。

本考案は上述のように構成したものであるから、駆動部
材を移動体に設けなくとも良いので、該移動体の所要ス
ペースが大きくなることによる大型化及び重量の増大化
を招くことのないインクリボンの色切換装置を得ること
ができるという効果がある。

さらに、ワイヤをインクリボン巻上げ用のプーリを介
して可動プーリに掛は渡したことから、インクリボン巻
上げ用のプーリ、即ちインクリボン巻上げ機構の一部を
利用したかたちで、新たな部材を設けなくとも駆動部材
の駆動力を有効利用することができるので、上記した移
動体の大型化、及び重量の増大化をすることなくインク
リボンの色切換動作を瞬敏なものとすることができると
いう効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は第１図の
ものの正面図、第３図は第１図のもののうちの一部を示
す斜視図、第４図は第１図のものの裏面を示す背面図、
第５図は第１図のもののリボンカセットのない状態を示
す平面図、第６図は第５図のうちの要部を示す斜視図で
ある。 １・・・・・・移動体、１ａ・・・・・・長孔、２・・
・・・・印字ヘッド、３・・・・・・カセット押えばね
、４・・・・・・雌ねじ部、５・・・・・・ねじ軸、６
・・・・・・基枠、８，９．１６・・・・・・プーリ、
１０・・・・・・リボン巻取軸、１０ａ・・・・・・バ
ブ、１１．１２．１５・・・・・・ワイヤ、１３・・・
・・・ソレノイド、１４・・・・・・プランジャ、１７
・・・・・・軸、１８・・・・・・′押上げ片、１８ａ
・・・・・・斜面、１９・・・・・・リボンカセット、
２０・・・・・・支点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印字ヘッドを一体に有し駆動源により往復移動する移動
   体にインクリボンのカセットもしくはリールを装着し、
   該カセットもしくはリール内のインクリボンを前記移動
   体の移動に係らしめて巻取りつつ印字ヘッドを作動させ
   て印字を行なうようにしたプリンタにおいて、前記イン
   クリボンには平行に複数色を配したものを用い、該イン
   クリボンのカセットもしくはリールは移動体に対して前
   記インクリボンの幅方向に揺動自在に支持し、前記移動
   体にはインクリボン巻上げ用のプーリと、このプーリに
   対して近接、離反する可動プーリとを取り付け、該可動
   プーリには、駆動部材の作動によって緊張する方向に引
   かれるワイヤを前記インクリボン巻上げ用のプーリを介
   して掛は渡し、かつ前記可動側のプーリによってリボン
   カセットもしくはリールの一縁に当接してこれを揺動変
   移させる揺動手段を設けたことを特徴とするプリンタの
   インクリボン色切換装置。