JPS6017330Y2 - シリアルプリンタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はキャリッジに装着されたインクリボンカセッ
ト保持体をインクリボンの幅方向へ移動して印字色切換
えを行なうシリアルプリンタの改良に関する。

従来のこの種のシリアルプリンタはキャリッジに駆動プ
ーリを装着し、この駆動プーリにキャリッジの移動方向
に沿って配設されたワイヤーを接触させ、キャリッジの
移動に伴い上記駆動プーリを回転させて、上記駆動プー
リによりインクリボンカセット内のリボン送りローラを
駆動するように構成されていた。

ところで、上記構成のシリアルプリンタにあっては、イ
ンクリボンカセット保持体をリボン幅方向へ回動して、
例えば黒印字から赤印字への印字色切換えを行なう場合
に、駆動プーリとリボン送りローラとが軸方向に接近又
は離間することになる。

そこで、上記カセット保持体をリボン幅方向へ回動する
際には駆動プーリと送りローラとの嵌合連結部における
摩擦抵抗が生じ、このため上記カセット保持体を回動さ
せるマグネット等の駆動源としては強力なものを用いな
ければならない問題があった。

この考案は上述したような事情を考慮してなされたもの
で、カセット保持体のリボン幅方向への移動を小さな駆
動源で行なうことができるシリアルプリンタを提供する
ことを目的とする。

第１図乃至第７図は本考案の一実施例を示すもので、キ
ャリッジ１はプラテン９に対し平行に配設されたガイド
軸１０に摺動自在に装着され、フレーム１１に取着され
たモータ１２によりベルト１３を介して送り動作される
ようになっている。

このキャリッジ１の側部には電磁マグネット１４が取着
されるとともに、カム溝１５ａを有する可動片１５が軸
１６を中心に回動自在に取付けられている。

上記カム溝１５ａ内にはカセット保持体２に取着したカ
ムピン１７を挿入させ、また上記可動片１５はばね１８
によって常時はマグネット１４より離間した第４図の位
置に保持されている。

したがって、可動片１５が回動すると、これに伴なって
カセット保持体２が回動することになるが、可動片１５
が第４図の位置にあるときはカセット保持体２は黒印字
を行なわせる基準位置に保持され、可動片１５がマグネ
ット１４に吸着されて回動すると、カセット保持体２は
赤印字を行なわせる第５図の位置に保持されるようにな
る。

また、上記キャリッジ１の上端部には前記カセット保持
体２をインクリボン３の幅方向へ回動自在に支持する１
対の支持部１９．１９が突設されている。

前記インクリボンカセット保持体２はインクリボンカセ
ット４を着脱自在に保持するもので、両側部に設けられ
た１対の突部２Ｇ、２０をそれぞれ回動軸２１，２１を
介して前記支持部１９．１９に回動自在に連結するとと
もに、両突部２０．２０間にてカセット４を挟持するよ
うにしている。

また、このカセット保持体２には前記カムピン１７を有
する支持部２２が突設されている。

さらに、上記カセット保持体２の下方には１対の駆動プ
ーリ６ａ、６ｂが弾性板よりなるプーリ取付体２６を介
して回転自在に取付けられている。

上記駆動ブー’Ｊ６ａ、６ｂはそれぞれ既存の一方向ク
ラッチを介して共通の回転軸２４に取着されており、こ
のクラッチを介して特定方向、例えば反時計方向の回転
力のみを回転軸２４に伝達するようになっている。

そして、上記回転軸２４の上端部にはインクリボンカセ
ット４内の送りローラ５と着脱自在に連結する嵌合連結
部が設けられている。

ワイヤー７は一端をフレーム１１の右側壁１１ａに緩衝
用ばね２７を介して取付けられ、下方の駆動プーリ６ｂ
を１巻きしたのちガイドローラ８およびフレーム１１の
左側壁１１ｂに掛は渡され、さらに上方の駆動プーリ６
ａを１巻きして他端をフレーム１１の右側壁１１ａに取
付けられている。

上記ガイドローラ８は支持アーム。

２８の先端に回転自在に取付けられている。上記支持ア
ーム２８の基端はフレーム１１の左側壁１１ｂに取着さ
れたホルダー２９に支持さレテ上、下方向（インクリボ
ンの幅方向）へ軽く揺動；し得るようになっている。

なお、図中３０は印字ヘッドである。

次に、上記シリアルプリンタの動作を説明する。

まず、キャリッジ１を送り方向へ動作させると、駆動プ
ーリ６ａ、６ｂはワイヤー７によって：回転される。

このとき、キャリッジ１が第１図中右方向へ移動すると
、駆動プーリ６ａはワイヤー７によって時計方へ回転さ
れ、駆動プーリ６ｂはワイヤー７によって反時計方向へ
回転される。

そして、一方向クラッチによって特定方向、例えば反時
計方向の回転力（駆動ブー’Ｊ ６ ｂの回転力）のみ
が回転軸２４に伝えられ、この回転軸２４によって送り
ローラ５を駆動して、インクリボン３を送出する。

一方、キャリッジ１が左方向へ移動すると、駆動プーリ
６ａは反時計方向へ回転され、駆動ブーＩＪ ６ ｂは
時計方向へ回転されるので、駆動プーリ６ａの回転力の
みが回転軸２４に伝えられ、送りローラ５によってイン
クリボン３が送出される。

したがって、キャリッジ１が何れの方向へ移動してもイ
ンクリボン３は常に一方向に送られる。

次に、黒色字を行なっている第４図の状態で電磁マグネ
ット１４を励磁すると、可動片１５がばね１８に抗して
図中時計方向へ回動し、マグネット１４に吸着保持され
る。

これに伴って、上記カセット保持体２が第５図の位置ま
で回動し、インクリボン３が幅方向へ移動するので、こ
の状態で赤印字を行なうことができる。

また、このとき駆動ブー’Ｊ６ａ、６ｂはカセット保持
体２の回動により若干上昇することになるが、これによ
ってワイヤー７の張力が増大するため、ガイドローラ８
を支持している支持アーム２８がこのワイヤー７の張力
増大を抑える方向、すなわち上方向へ回動することにな
る。

したがって、ワイヤー７の傾きが防止され、その結果、
キャリッジ１の移動および駆動プーリ６ａ、６ｂの回転
を円滑に行なわせることができる。

以上、実施例にもとづいて説明したように、この考案の
シリアルプリンタにあっては、カセット保持体２に駆動
プーリ６ａ、６ｂを取着するようにしたので、基準位置
から印字色切換えを行なう場合に、駆動ブー’Ｊ６ａ、
６ｂの回転軸２４と送りローラ５との嵌合状態を変化さ
せることはなく、したがって従来のようにこの嵌合部に
おいて摩擦抵抗が生じたり、駆動プーリ６ａ、６ｂの回
転中心線と送りローラ５の回転中心線とが位置ずれを起
こすことはないので、カセット保持体２のリボン幅方向
への移動を小さな駆動力で行なうことができる。

また、上記実施例にあっては、ガイドローラ８がインク
リボン３の幅方向へ軽く移動し得るようにしたので、第
７図に示すようにプーリ６ｂが上方又は下方へ移動する
とガイドローラ８はワイヤー７の傾斜角が減少する方向
、すなわち上方又は下方へ移動することになる。

したがって駆動ローラ８ｂを常に円滑に回転させること
ができる。

また、プーリ取付体２６を弾性板としたので、カセット
保持体２にカセット４を取付けるとき、リボン送りロー
ラ５が駆動プーリ６ａ、６ｂの回転軸２４に設けられた
嵌合部に合致しない場合には、上記回転軸２４をいった
ん下方へ逃がし、送りローラ５が上記嵌合部に確実に合
致したところでプーリ取付体２６によって上記回転軸２
４を復帰させることができる。

なお、この考案は上述した実施例に限定されるものでは
ない。

例えば、第８図に示すように１対のガイドローラ８ａｖ
８ｂを支持アーム３１で支持するとともに、この支持ア
ーム３１を連結杆３２に回動自在に取付け、この連結杆
３２をフレームに固定されたホルダー３３によってイン
クリボン３の幅方向へ回動自在に取着する構成にしても
よい。

また、ガイドローラ８をキャリッジ１が移動する両端に
設けてもよい。

さらに、駆動プーリは１個だけでもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第７図はこの考案の一実施例を示すもので、
第１図はシリアルプリンタの概略構成を示す平面図、第
２図は要部平面図、第３図は要部側面図、第４図および
第５図は動作を説明するための側面図、第６図はガイド
ローラを示す斜視図、第７図はガイドローラの動作を説
明するための側面図、第８図は変形例を示す斜視図であ
る。 １・・・・・・キャリッジ、２・・・・・・インクリボ
ンカセット保持体、３・・・・・・インクリボン、４・
・・・・・インクリボンカセット、５・・・・・・送り
ローラ、６ａ、６ｂ・・・・・・駆動プーリ、７・・・
・・・ワイヤー、８．８ａ、８ｂ・・・・・・ガイドロ
ーラ（ワイヤ支持体）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラテンに対し平行に配設されたガイド軸に摺動自在に
   装着されモータによりベルトを介して送り動作されるキ
   ャリッジと、このキャリッジにインクリボンの幅方向に
   回動自在に枢支されインクリボンカセットを着脱可能に
   保持するカセット保持体と、このカセット保持体を前記
   インクリボンの幅方向へ回動させる印字色切換手段と、
   前記カセット保持体に回転自在に支持され上端部に前記
   インクリボンカセット内のリボン送りローラと着脱自在
   に連結する嵌合連結部を有する回転軸と、この回転軸に
   一方向クラッチを介して取着された駆動プーリと、この
   駆動プーリに巻回して前記プラテンと平行に張架され前
   記キャリッジの移動に伴い上記駆動プーリを回転させる
   リボン送り用ワイヤーと、前記インクリボンの幅方向に
   揺動自在に設けられ少なくとも前記キャリッジが移動す
   る一方の側で上記ワイヤーを支持するワイヤー支持体と
   を具備したことを特徴とするシリアルプリンタ。