JPS6016297Y2 - 脱穀機のストロラツク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は脱穀機において脱穀時に発生したわら屑等の処
理物と穀粒とを選別するストロラックに関するものであ
る。

自動脱穀機およびコンバインの脱穀機における脱穀作業
においては、脱穀と同時にわら屑、穂切れ、かぎ又等多
くの処理物が発生する。

これらの処理物は受網から透過されない一部の穀粒とと
もに扱き室内を移送されて扱き室終端部の排塵口から排
塵物として選別装置のストロラック上へ排出されて選別
される。

第１図は従来におけるストロラックの平面図およびその
ＡＡ断面図であって、ストロラック１は両面の側板２と
、その間に傾斜して並設された複数個のラック片３とか
らなり、ラック片３は、山部３ａと谷部３ｂとを交互に
設けた波形状に形成されている。

そして、このストロラック１は、揺動棚に支架されてい
て揺動棚とともに図に矢印Ｂで示す方向に揺動すること
によって、その上の排塵物を移送しながら選別するもの
であって、穀粒などの小さいものはラック片３の間から
落下し、また、長いわら屑や穂切れ等は、谷部３ｂに架
は渡されて移送され、さらに軽いわら屑や塵埃は吸引フ
ァンによって機外へ排出される。

ところが、このような従来のストロラック１においては
、谷部３ｂ上のわら屑は、揺動によって一進一退しなが
ら前進するので、その移送速度が遅くて滞溜しがちであ
り、必ずしも満足した選別性能を期待することができな
かった。

また、この他に、ラック片３と直交してストロラック１
を幅方向に分割する鋸刃状のフィンを設けたものが用い
られているが、ラック片とフィンとの間にわら屑が挾ま
って排塵物の移送を阻害するという不具合があった。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、波形板
状に形成されたラック片の山部側端縁を折曲して三角形
状のフィンを一体形成することにより、わら屑等を挾む
ことなく排塵物の移送を促進して選別効率の向上を計っ
た脱穀機のストロラックを提供するものである。

以下、その構成等を図に示す実施例により詳細に説明す
る。

第２図および第３図は本考案に係るストロラックを示し
、第２図はこれを実施した脱穀機の縦断面図、第３図は
ストロラックの平面図およびそのＣＣ断面図である。

図において、脱穀機１１は、扱き室１２とその下方から
後方へ延設された選別室１３とを備え、扱き室１２内に
は、周面に多数の扱き歯１４を備えた扱き胴１５が回転
自在に軸架されている。

この扱き胴１５の下方には、これと同心円弧状に形成さ
れた受網１６が張架されており、その終端部には、排塵
口１７が下方へ向って開口されている。

また、扱き室１２の側方には、無端状に形成されたフィ
ードチェーン１８が張架されており、その上方には、ば
ね部材によってフィードチェーン１８側へ付勢された挾
扼杆１９が走行端に沿って支架されている。

さらにフィードチェーン１８の後方には、これとほく同
じ構成の排わらチェーン２０が張架されている。

そして、前記受網１６下方の選別室１３内には、偏心カ
ム２１と揺動アーム２２とに支持されて偏心カム２１の
回転により矢印Ｂ方向に揺動する逆三角形箱状の揺動棚
２３が装架されている。

この揺動棚２３の中央部には、グレンパン２４によって
支持された選別網２５が張架されており、揺動棚２３は
この選別網２５の下方において開口されている。

そして、揺動棚２３の上端開口部には、前記排塵口１７
に対応してストロラック２６が設けられている。

このストロラック２６は、揺動棚２３の両側側板に支持
された左右一対の側板２７と、これら両側板２７を連結
して揺動方向Ｂに並設された複数個のラック片２８とか
らなり、このうちのラック片２８は、山部２８ａと谷部
２８ｂとを交互に設けた波板状に形成されていて上端部
を後方へ向けることく傾斜して並列されている。

そしてこれらのラック片２８のうちの一部（本実施例で
は７個のうち４個）は、谷部２８ｂに隣接する片側の山
部２８ａ側端縁ずべてが上方へ向ってはＳ゛直角方向に
折曲されて三角形状のフィン２８ｅが形成されている。

このように構成されたストロラック２６の終端部には、
線杆状に形成された多数の飾縁２９が突設されており、
その上方には、複数個の羽根を備えて図に矢印りで示す
方向に回転する吸引フィン３０がフレーム側板に取付け
られていて、その排気口３１は機外へ向って開口されて
いる。

一方、揺動棚２３の下方には、複数枚の羽根を備えて図
に矢印Ｅで示す方向に回転する唐箕３２と螺旋状に形成
された１番螺旋コンベア３３および２番螺旋コンベア３
４とが軸方向を平行させて軸架されている。

さらに２番螺にコンベア３４の軸端部には２番揚穀機３
５が設けられていて、その排気口は図示しない２番還元
筒によって扱き室１２と連結されている。

以上のごとく構成された脱穀機１において、フィードチ
ェーン１８と挾扼杆１９とによって根元部を挾持された
殻稈は扱き胴１５の軸方向に移送されて脱穀される。

脱穀された穀粒は、受網１６の網目を通って落下し、グ
レンパン２４上に滑行して選別網２５へ導かれたのち、
揺動棚２３の揺動と唐箕３２の起風する選別風とによっ
て選別され、１番螺旋コンベア３３上に落下して移送回
収される。

一方、脱穀時に発生した処理物は、一部の穀粒とともに
扱き室１２内を移送されたのち排塵口１７から排塵物と
してストロラック２６上へ排出される。

排出された排塵物は、揺動棚２３の揺動と唐箕３２の送
風ならびに吸引ファン３０の吸引力によって選別される
。

すなわち排塵物中の穀粒はラック片２８の間から選別網
２５上に落下して前記穀粒と合流して選別回収され、ま
た軽いたわら屑や塵埃は機外へ排出される。

そｌ、てこの選別において、長いわら屑が穂切れは、ラ
ック片２８の上端部に架は渡されて移送されるが、ここ
には、フィン２８ｃが設けられているので、わら屑等は
揺動による慣性でフィン２８ｃの斜面を上ってこれを乗
り越えたのちは後退することがなく、この繰返しによっ
て速やかに移送が行なわれる。

このようにして選別された結果残った排塵物は、いわゆ
る２番物となって飾縁２９の線間から２番螺旋コンベア
３４上に落下して移送されたのち、２番揚穀機３５によ
って扱き室１２へ還元され、前記処理物と合流して選別
が繰返される。

なお、本実施例においては、フィン２８ｃをラック片２
８一枚おきに設けたが、フィン２８ ｃの数および位置
を限定するものでなく、またずべての山部２８ａに設け
てもよい。

以上の説明により明らかなように、本考案によれは、脱
穀機のストロラックにおいて、波形板状に形成されたラ
ック片の山部側端縁を折曲して三角形状のフィンを一体
形成することにより、ラック片の上端部に架は渡された
わら屑等は、フィンの作用により、後退することなく速
かに移送されて機外へ排出されるか２番還元されるので
、選別効率が向上し、穀粒の回収率が良好となるととも
に、吸引ファ―／の排気口にわら屑等が詰ることがない
。

また、フィンはラック片の山部を折曲することによって
一体形成されているので、ラック片とフィンとの間にす
きまがなく、わら屑等の詰りによる選別性能の低下を防
止するこができる。

【図面の簡単な説明】 第１図ａは従来におけるストロラックの平面図、第１図
すは第１図ａのＡＡ断面図、第２図および第３図は本考
案に係る脱穀機のストロラックを示し、第２図はこれを
実施した脱穀機の縦断面図、第３図ａはストロラックの
平面図、第３図すは第３図ａのＣＣ断面図である。 １１・・・・・・脱穀機、２６・・・・・・ストロラッ
ク、２８・・・・・・ラック片、２８ａ・・・・・・山
部、２８ｂ・・・・・・谷部、２８ｃ・・・・・・フィ
ン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 山部と谷部とを備えて波形板状に形成された複数個のラ
   ック片を選別物移送方向に並設するとともに、このラッ
   ク片の谷部に隣接する山部側端縁を上方へ向ってはＳ゛
   直角方向に折曲して三角形状のフィンを形成したことを
   特徴とする脱穀機のストロラック。