JPS6013544Y2 - 角材料移送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は角材料移送装置に関し、詳しくは、固定ビー
ムと移動ビームとの相対運動によって材料を回転移送す
るウオーキングビーム型材料移送装置であり、特に、冷
却床において角材料を転回送りしながら冷却するに適し
たものである。

ビレット等の角柱材料を製造するにあたって、その材料
の品質を向上させるために冷却する場合は、材料の各面
を均等に冷却して材料温度の均一化を図り、冷却過程に
おける曲りを防止すると共に材料自身の曲りを矯正する
必要がある。

近時、材料の生産量の増大につれて、上記工程も含めて
材料の品質向上に対する作業が繁雑化したため、出来る
だけ人手を要することなく上記冷却作業を行ない、かつ
、材料の冷却時間を短かくし、即ち、冷却速度を早めて
設備の縮小を図ることが要望されている。

上記した要望に応えるため、近時、冷却床において材料
を転回送りする技術が開発され、特に、材料の送り過程
で他者と接触することなく材料にキズの付かないウオー
キングビーム方式による材料送り装置が最も有望な装置
として提供されている。

この考案は、この種の固定ビームと移動ビームとの相対
運動によって角材料を移送するウオーキングビーム型材
料移送装置において、上記固定ビ−ムの上面を円弧、楕
円、双曲線、放物線、アルキメデス曲線等の曲線の一部
あるいはこれら曲線を組合せた弧状の山型部を連続的に
設け、隣接する山型部の溝を材料支持部として構成し、
上記移動ビームを駆動装置によって昇降及び前後運動さ
せ、該移動ビームの運動軌跡と前記固定ビームの弧状山
型部との交直が移動ビームの下降行程時に山型部の頂点
より搬送側前方で交差するようにし、移動ビームの運動
と固定ビームの弧状カーブの特性を利用して角材料を転
回させながら次の固定ビームの材料支持部へと移動させ
る装置を提供せんとするものである。

この発明は上記した構造とすることにより、固定ビーム
の弧状カーブの特性の利用で巾広い材料の確実な転回送
りを短時間で行ない得るようにし、かつ、弧状の固定ビ
ーム上で角材料を転回させることにより材料との接触面
を最小とし無理な力を加えることなく転回を可とするこ
とにより材料のキズの発生を防止し、さらに、材料の転
回送り動作を移動ビームの運動のみとして構造の単純化
及びコストの低価を図ることを目的とするものである。

以下、この考案を図面に示す一実施例により詳細に説明
する。

図中、４は固定ビーム、５は移動ビームであり、両ビー
ム４と５を交互に複数本水平に並置し、複数本の固定ビ
ーム４を固定ビーム受６を介して固定サポート７上に固
定し、該固定サポート７を基台８上に固定する一方、複
数本の移動ビーム５を移動ビーム受９を介して移動サポ
ート１０上に固定し、該移動サポート１０を後述する駆
動機構で円運動を行なわせるようにしている。

上記固定ビーム４の上面には弧状カーブを描く山型部１
１が連続た状態に形成しており、隣接する山型部１１間
の溝を材料支持部１２として構成している。

上記山型部１１は、円弧の連続を連続せしめた形状であ
り、該固定ビームの上面の形状を材料（鋼片）を転回さ
せるに際し、その全転回過程において固定ビームと材料
との間に、後述の如くすべり運動を生じることなく、か
つ円滑な転回をなさしめるために、円弧、楕円、双曲線
、放物線、アルキメデス曲線等の曲線の一部あるいはこ
れら曲線を組合わせた弧状の山型部が連続した形状とし
ている。

一方、移動ビーム５の上面には■字形の溝を連続的に設
け、該溝を材料移載溝１３とみて構成りでおり、隣接す
る材料移載溝１３間の距離Ｓ１は上記固定ビーム４の隣
接する材料支持部１２間の距離ちと同一としている。

上記移動ビーム５は、第３図中ｒで示す作動半径で図中
時計方向に円運動するようにしており、移動ビーム５の
材料移載溝１３が上昇行程時に点Ｐ□で固定ビーム４の
材料支持部１２と交わって移動ビーム５が固定ビーム４
より上方となり、山型部１１の上端点Ｔを越えて下降行
程時に搬送側前方の点Ｐ２で山型部の下向彎曲面側１１
ａで交わり、移動ビーム５が下方となるよう設定してい
る。

該移動ビーム４を円運動させるための駆動機構は、上記
並置したビーム４，５の長手方向側方の中心に配置した
モータ１５の出力軸を減速機１６に連結し、該減速機１
６にビーム４，５と平行な中間軸１７と連結し、該中間
軸１７をビーム４．５の長手方向と直角方向の下方に配
置した前後一対の駆動軸１８と減速機１９を介して連結
し、モータ１５の回転を駆動軸１８に伝達している。

上記駆動軸１８のビーム４，５外方の両側にはそれぞれ
一対の偏心軸２０を固着し、該偏心軸２０上に、前記移
動サポート１０の下部に支持ローラ受２１を介して取付
けた支持ローラ２２を介装保持し、駆動軸１′８の回転
に応じて偏心軸２０を介して移動ビーム５を図中矢印で
示す如く回転させている。

次に上記構造よりなる角材料移送装置の転回送り作動に
ついて説明する。

まず、断面正方形の角柱状の材料２をその長手方向をビ
ーム４，５の′長手方向と直角方向の横向として並設し
て固定ビーム４上の上流側先端の材料支持部１２ａの溝
上にかけ渡して供給する。

この時、図示の如く、角材料２は、その−角α１が材料
支持部１２ａの下限方向を向き、隣接する２辺２ａｙ２
ｂが材料支持部１２ａを構成する隣接する山型部１１に
接する状態である。

また、この時は、その材料移載溝１３が固定ビーム４の
材料支持部１２より下方で、かつ、上流側先端の材料移
載溝１３ ａが上記上流側先端の材料支持部１２ａより
下流側右方に位置させている。

この状態でモータ１５を駆動し、駆動軸１８を回転させ
ると、移動ビーム５は第３図に示す如く、時計方向に円
運動させ、材料移載溝１３ａが下限位置より上流側上方
に向って回動し、ついで、固定ビーム４の材料支持部１
２ａと交わる点Ｐ１を通過後に固定ビーム４より上方と
なり、下流側上方に向って回動し、固定ビーム４の上端
点Ｔを越えて交わる点Ｐ２を通過後に固定ビーム４より
下位となり、上流側下方に向って回動し、元の下限位置
に達する円運動をする。

この移動ビーム５の１回目の回転により、上記固定ビー
ム１の上流端側の材料支持部１２ａに供給された角材料
２は、移動ビーム５の材料移載Ｒ１３ａが１１点を通過
した時に、材料移載溝１３上に積載され、移動ビーム５
の前記所定の軌跡をたどって移送させ、固定ビーム４の
下流側山型部１１の中央上端点Ｔを越え、材料移載溝１
３ａが２２点を通過した時、固定ビーム４の上流端より
図中に示す如＜Ａ１よりＡ２へと２番目の材料支持部１
２ｂに供給される。

上記交ａｐ２点で移動ビーム５より固定ビーム４に移載
される時、移動ビーム５の回動に伴い、材料２は第３図
中Ｉ→■に示す如＜９００自転により回転して次の材料
支持部１２ｂに供給され、該材料支持部１２ｂにおいて
、角材料２は上記角α１と隣接する角α２が材料支持部
１２の下限方向に向い、かつ、辺２ｂ、２ｃが材料支持
部１２ｂを構成する隣接する山型部１１に接する状態と
なる。

このように、駆動軸１８の１回転毎に角材料２を９０°
回転させて固定ビーム４の隣接する下流側の材料支持部
１２へと移送し、この転回送りを順次行なう。

この移送時において、固定ビーム４の上面の形状を円弧
、楕円、双曲線、放物線、アルキメデス曲線等の曲線の
一部あるいはこれら曲線を組合わせた弧状の山型部が連
続した形状としていることにより角材料を転回させるに
際し、その全転回過程において固定ビームと角材料との
間にすべり運動を生じることなく、かつ円滑な転回をな
さしめる。

即ち、移動ビーム５のＶ字型の材料移載溝１３に積載さ
れた角材料（鋼片）が曲線が形成された固定ビーム４の
上面に接地したとき、固定ビーム４の形状によって角材
料２のコーナ一部に対してあたかもブレーキ作用をなし
、角材料コーナ一部が固定ビーム上面を滑動することな
く保持され、続く移動ビーム５の搬送力によって、角材
料の転回作用が生起し、このとき、角材料２は固定ビー
ム４の上面の曲線に沿った転回がなされることとなり、
換言すれば転回作動時において、従来の如き、Ｖ字溝形
状の冷却床とは異り、常時角材料と固定ビームとの曲線
に沿った接触（接触点は角材料の転回に伴い連続的に移
動する）を保ちながら転回がなされ、これにより角材料
のすり疵の減少と、騒音の発生の抑制が達威し得る。

例えば、固定ビーム上面が直線であるとするならば、角
材料２のコーナ一部の接地時に、該接触点において滑動
を生じ、転回を不可能ならしめ、仮にこの滑動現象を排
除するために傾斜角を緩かにすると、冷却床全長が長く
なり、設備費が高くなるのみならず、角材料の支持が前
記コーナ一部においてなされるのみで、角材料の転回運
動最終時にすべりを生じることになり、疵発生が多くな
り、また騒音発生を招くことになる。

上記の如く、固定ビーム４の上面を弧状としてすべりを
生じることなく、円滑な転回送りを順次行なうことによ
り、角材料２が数回転する時、固定ビーム４の材料支持
部１２及び移動ビーム５の材料移載溝１３で支持される
角材料２の面が逐次変化する。

よって、当初角材料２に生じていた長手方向の曲りも、
角材料２の自重によって逐次減じ、かつ、ビーム４，５
を介して冷却手段（図示せず）によって角材料２の各面
が均等に冷却され、その結果、冷却時間が短く、かつ、
温度差による角材料２の曲りも減少される。

尚、この考案は上記実施例に限定されず、移動ビーム５
を交点Ｐ□からＰ２を通過するように運動するようにす
れば、円運動に限らず、楕円運動、矩形運動させるよう
にしてもよい。

また、移動ビーム５の材料移載溝１３の形状もＶ形に限
定されるものでなく、単に平板状にしても、上記送り作
動を行い得る。

以上の説明より明かなように、この装置によれば角材料
が確実に転回移送出来ると共に、材料の長手方向に曲が
りがある時もスムーズに、かつ矯正しつつ移送できる。

又、移動ビームを単に円又はだ円運動させるだけである
ため構造が極めて簡単で安価に製造しうると共に転回時
に角材料との接触面も少なく、又無理な力が加わらない
ためキズの発生も少なく、且つ、角材料を転回移送しつ
つ各面が均等に冷却され品質の向上を図ることが出来る
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る角材料移送装置の一実施例を示
す平面図、第２図は第１図の正面図、第３図は材料の転
回送り作動を示す説明図である。 ２・・・・・・角材料、４・・・・・・固定ビーム、５
・・・・・・移動ビーム、１５・・・・・・モータ、１
１・・・・・・山型部、１２・・・・・・材料支持部、
１３・・・・・・材料移載溝、ｐｌ、 ｐ２・・・・・
・交色

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定ビーム４と移動ビーム５とを交互に複数本水平に並
   置し、複数本の固定ビーム４を固定ビーム受６と固定サ
   ポート７を介して基台８上に固定すると共に、複数本の
   移動ビーム５を移動ビーム受９を介して移動サポート１
   ８上に固定し、該移動サポート１０を駆動装置によって
   円運動させて昇降及び前後作動を行なわせるようにする
   一方、上記固定ビーム４の上面には円弧、楕円、双曲線
   、放物線、アルキメデス曲線等の曲線の一部あるいはこ
   れら曲線の組合わされた弧状の山型部１１を連続して形
   威し、隣接する山型部１１間の溝を材料支持部１２とす
   ると共に、上記移動ビーム５の上面にはｖ字型の材料移
   載溝１３を連続的に設け、該移動ビーム５の材料移載溝
   １３が上昇行程時に固定ビーム４の材料支持部１２と交
   わって上方となり、下降行程時に山型部１１の上端点よ
   り搬送側前方で交差して材料移載溝１３が材料支持部１
   ２より下方となるよに設定し、上記固定ビーム４と移動
   ビーム５の間に角材料２をかけ渡し、上記移動ビーム５
   の運動と固定ビーム４の山型部１１の弧状カーブの特性
   により角材料を山型部１１上で転回させながら次の固定
   ビーム４の材料支持部１２へと移動させる構成としたこ
   とを特徴とする角材料移送装置。