JPS6032532B2 - 冷間ロ−ル成形方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は多数の冷間ロール成形スタンドを持つ冷間ロー
ル成形法により、長手方向に一定の曲率をもつ型鋼成形
品の冷間ロール成形法に関するものであり、とくに成形
品の側緑部が凹側でウェブ部が凸側となる長手方向に一
定の曲率をもつ異形断面成形品の冷間ロール成形方法に
関するものである。

金属帯板を多数の冷間ロール成形スタンドを経て、徐々
に所定の形状に袷間ロール成形する場合矯正機などを利
用して長手方向に真直な成形する袷間ロール成形は通常
行われているがＬ長手方向に一定の曲率を有する湾曲成
形品を製造するためには「プレス成形が行われていた。

しかしプレス成形では生産性が悪く、また長尺体の成形
品を成形するには極めて非能率であると共に高価であっ
た。またプレス成形加工時に成形品表面にスリ癖が発生
し成形品の品質が劣るという問題があった５従って、自
動車のバンパーなど大量に使用する成形品に対しては袷
間ロール成形による能率的な製造法の確立が望まれてい
た。しかしながら例えば軽量型鋼のように横断面が異形
でリップ部を持つ形状のものを長手方向に一定の曲率を
与えて成形する場合ｔとくに成形品のりツプ部が凹側で
ゥェブ部が凸側となる長手方向の一定曲率を形成するこ
とに難しい問題があった。即ち、通常の上下ロールにお
いて型鋼を成形するときの順序は横断面の立ち上り部か
ら順次成形を進めてリップ部に移行するものであり、こ
のためリップ部の伸びが大きくなりその結果リップ部が
凸側となる長手方向の曲率を有する形状となる。従って
これと逆方向に湾曲させるためには対策が必要であった
。薄くて広幅の金属帯板を軽量型鋼またはデッキプレー
トに冷間ロール成形する場合、側緑部となるエッジ部の
不規則な伸びと座屈の問題がある。この問題はステンレ
ス鋼等のスプリングバックの起き易い材質や帯板の幅が
広く成形断面形状が大きくなる程大であり〜かつ板厚さ
が小である程冷間ロール成形時に生じやすい。一般にパ
イプ等成形断壷が円形の場合にはＴ／口（但しＱは成形
断面の直径「Ｔは成形板厚さ）が１％以下の値を示すと
きには不可能とされている。このように成形品の幅方向
に対して立ち上がりが高くかつ薄板の成形品で断面形状
が複雑なものほど問題を生じ易い。これは袷間ロール成
形途中における板側面エッジ部に作用する引張ｔ圧縮変
形応力と板幅中央底部に作用する塑性変形応力のアンバ
ランスにより「第１図および第２図に示す所定の形状１
に対し帯板エッジ部に座屈や伸びの波状２を呈したり「
成形品断面の一部が内側に落込む等の変形３を生じたり
する。成形品の側縁部の座屈と同時に成形に無理が生じ
ると「成形ロールや成形品に競付きや源が生じたり変化
する等の不都合があり所望の成形品を得ることが出来な
い問題があった。帯板エッジ部の座屈や伸び防止するに
はダウンヒルと称する冷間。ール成形スタンドの成形接
触点の高さを各段において工程が進むにつれて下げるこ
とによりもエッジ部の伸びを抑制し、成形品の変形バラ
ンスをとる方法がある。また逆にアップヒルと称して袷
間ロ−ル成形スタンドの成形接触点の高さを各段におい
て工程が進むにつれて上げることにより「帯板の外側に
伸び変形を徐々に与えて成形する方法もある。本発明は
冷間ロール成形法で成形品の側線部が凹側でウェブ部が
凸側となる長手方向の一定の曲率を有する湾曲を形成さ
せる場合の問題点を究明し「表面癖、エッジウェーブ、
座屈および変形がなく「かつ長手方向の湾曲の曲率半径
がより小さい高品質の型鋼成形品を能率よくかつ安定に
成形できる冷間ロール成形法の提供を目的とするもので
ある。

このために本発明はダウンヒル成形とアップヒル成形の
両者の原理を適正に組合せ応用し「かつ成形能力向上手
段を適正に組合せることによって難成形品の冷間ロール
成形を可能とするものである。即ち本発明は成形品の側
緑部を構成する金属帯板部分周辺の伸び変形を防止する
ようにダウンヒル成形しながら断面形状成形をする第１
工程と、成形品の側綾部が凹側でウヱブ部が凸側となる
長手方向の一定の曲率を形成させるようにアップヒル成
形しながら成形品の長手方向に湾曲成形を行う工程の少
くとも一部として縦横方向より同時に成形しながら湾曲
成形を行う第２工程と「成形品の長手方向の湾曲成形を
行う前記第２工程前に設けた少くとも成形品のウヱブ部
を構成する金属帯板部分に伸び変形を付与する工程とを
含む成形法である。

とくにダウンヒル成形しながら断面形状成形をする第１
工程の少くとも一部として縦横方向より同時に成形しな
がら行うとよい。また本発明では成形能力のより一層の
向上を図り「エッジウェーブや座屈の防止効果をより一
層発揮し、成形品の長手方向の曲率半径をより小さくす
るために、各冷間ロール成形スタンドのスタンド間隔を
狭くして冷間ロール成形すること、各冷間ロール成形ス
タンド間に長手方向に対時して設けた一組の遊転ロール
を複数組設備し各組の遊転ロールに金属帯板のエッジ部
の表面と裏面より支承して通過させ冷間ロール成形する
こと、各冷間ロール成形スタンドの上下ロールシャフト
の中心を鉛直線より左右に偏○させ各冷間ロール成形ス
タンドの上ロールシャフトの中心と下ロールシャフトの
中心を結ぶ延長線が成形品の曲率半径のほぼ中心を通る
ようにし成形品の曲率半径の中心方向に成形力が向くよ
うにして冷間ロール成形すること等を適宜組合せること
ができる。本発明における型鋼とは第３図ｂにに示す軽
量リップ溝形鋼のみに拘束されず、第４図ａ〜ｆに示す
如く第３図ｂのフランジ部５、ウェブ部６に折れ部を有
していてもよく、またリップ部４に溝ａ、折り返しｂ、
先端折り曲げｃ等を有するかりップ部をなくした断面形
状をも含むものであり、又第３図ｂ、第４図ａ〜ｆのみ
に拘束されず、これらの変形断面形状も含むものである
。また、本発明における成形品の側縁部が凹側でゥェブ
部が凸側となる長手方向に一定の曲率とは第３図ａに示
す如く、成形品のＩＪップ部が凹側曲率半径の中心側で
ウェブ部が凸側（曲率半径の外側）となる長手方向の一
定の曲率の湾曲を意味する。

第３図ａ，ｂではリップ部を有する成形品の例を示した
が、リップ部がない場合も第３図と同様の形状で成形品
の側縁部が凹側でウェブ部が凸側となる長手方向の湾曲
を意味する。なお「本発明でいうアップヒル成形、ダウ
ンヒル成形は、被成形材の側緑部の曲げ成形方向との関
係で規定されている。すなわち通常行なわれる成形方法
、つまり側緑部を成形ステップが進むに従って順次上向
きに曲げ成形する場合、ダウンヒルとは被成形材断面を
順次降下する成形方法であり、逆に側緑部を下向きに曲
げ成形する場合ダウンヒルとは被成形材断面を順次上昇
する成形方法という。アップヒル成形は、この逆の成形
である。本発明の一実施例を第３図、第５〜１２図で説
明する。

第３図ａ，ｂは長手方向に一定の曲率半径Ｒを有した成
形品で断面形状は軽量リップ溝型鋼である。第５図は冷
間ロール成形する冷間ロール成形スタンドの略図を示す
。成形ロールをスタンドＮｏ．１〜Ｎｏ．６まで組込み
逐次成形を行うものである。第６図は第５図の各スタン
ドで成形される帯板の横断面形状を示す。第５図におい
て各々の成形ロールは冷間ロール成形機に内蔵した駆動
装置により動力を伝達して金属帯板７をスタンド番号Ｎ
ｏ．１よ卵頂次成形を行い、スタンド番号Ｎｏ．６で所
望の断面形状を連続的に成形する。前記成形過程におい
てスタンド番号Ｎｏ．１〜Ｎｏ．４までは下ロール９，
１０，１１，１２と冷間ロール成形機のベッド８との距
離Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ（ベッドは一般に平面であるがスタン
ド中間で段差のあるベッドの時は基準面をベッド８と称
する）を逐次小さくして成形する所謂ダウンヒル成形を
行いスタンド番号Ｎｏ．５、Ｎｏ．６は下ロール１３，
１４とベッド８との距離Ｅ，Ｆを逐次大きく成形する所
謂アップヒル成形を行いながら、第３図に示す曲率半径
Ｒの長手方向に一定のリップ部に対して凹側に曲率を有
した成形品を連続的に成形するものである。また本発明
においてはダウンヒル成形工程でリップ部とフランジ部
の断面形状の成形をほぼ終了させ、アップヒル成形工程
でリップ部の若干の成形と成形品長手方向湾曲成形を行
うと良好な成形品が得られる。一方ダウンヒル成形を行
わない場合、即ち第５図のＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄ寸法が同一の
場合、第６図に示す帯板の側緑部２１，２１′は成形が
進行するにつれて次第に高くなる。従って帯板の側緑部
の変形は大きな塑性伸び歪が残留し、このままの状態で
さらに成形を進行して行くと、成形品は第３図とは全く
反対方向の曲率を有する成形品が得られ「リップ側４が
凹側となる所望の曲率をした成形品は得られない。本発
明は成形品の側縁部が凹側でウェブ部が凸側となる長手
方向に一定の曲率を有する成形いこくい異形断面成形品
を座屈や変形を防止し長手方向の湾曲曲率半径をより小
さくし、能率よくかつ安定して冷間ロール成形できるよ
うにするため成形品の側綾部を構成する金属帯坂部分周
辺の伸び変形を防止するようにダウンヒル成形しながら
断面形状成形をし、かつ長手方向の湾曲成形を行なうア
ップヒル成形としては該アップヒル成形工程の内少くと
も一部として縦横両方向から同時に成形しながら湾曲成
形することを必須とし、これにより座屈や変形を防止し
ている。

またアップヒル成形による湾曲成形工程前に少くとも成
形品のゥェブ部を構成する金属帯板部分に伸び変形を付
与することによって次工程の湾曲時の座屈防止効果をよ
り一層発揮するものである。また前述した縦横両方向か
らの同時成形の際に、後述するように一方方向の成形ロ
ール例えば横方向成形ロ−ルを成形品と接触して回転す
る独立回転構造にすると、ロールの摩耗現象やロールと
成形品との嘘付現象が発生することがなく成形品の表面
庇を皆無にすることができる。とくにダウンヒル成形し
ながら断面形状成形をする第１工程の少くとも一部とし
ても縦横方向より同時成形するとより効果が発揮される
。成形品の長手方向の湾曲成形を行う第２工程前に設け
る少くとも成形品のウェブ部を構成する金属帯板部分に
伸び変形を付与するためにはダウンヒル成形を行なう上
下ロールでウェブ部を構成する金属帯坂部分を強〈圧下
するようにすればよい。

またウェフー部を構成する金属帯板部分を成形する上下
ロールとして凹ロール、凸ロール、平坦ロ−ルを適宜組
合せたり、局部圧延、高周波加熱等の加熱手段を適宜用
いて伸び変形を付与してもよい。また前記第１工程、第
２工程の成形の少くとも一部に使用する縦横両方向より
の同時成形手段の一例を第７図に示す。第７図Ａは６つ
のスタンドをもつ袷間ロール成形装置のダウンヒル成形
の第３スタンドからアップヒル成形を行なう第６スタン
ドまでを上下横軸に縦軸を左右１対宛懸架装着せしめて
縦軸遊転ロールを設け金属帯板を縦横同時に成形する概
略正面図を示し第７図Ｂは第７図Ａの×−×断面の側面
詳細図である。第７図ＡおよびＢにおいて上部横軸２２
および下部機軸２３にはその中央部にそれぞれ成形ロー
ル２４および２５が鉄着され、キー２６を介して固着さ
れる。成形ロール２４および２５による成形力は金属帯
板２７に対して縦横方向に作用し所定の成形加工を行う
。上機軸２２にキー２６により止められたカラー２８が
鉄合された上に軸受２９を介して縦軸３０が、又下横軸
２３にキー２６により止められたカラー２８が鉄合され
た上に軸受２９を介して突起部３１が遊駁されて、縦軸
遊転ロール３２を装着する位置決めの役を果している。
即ち上機軸２２、下横軸２３の間に、上機軸２２に懸架
され、先端に凹部をもつ縦軸３０が同一軸芯上に設けら
れ下横軸２３に懸架された先端が突起部３１を有して双
方が鉄着される。該縦軸３０‘こは針状軸受３３を介し
て縦藤遊転ロール３２が１対装着され横方向の成形を行
なう。また本発明においてはダウンヒル成形する第１工
程、アップヒル成形する第２工程に冷間ロール成形装置
の成形能力を低下させないで各袷間ロ−ル成形スタンド
のスタンド間隔を狭くして冷間ロ−ル成形することを適
用することにより成形品のエッジウェーブ、座屈を防止
し、かつスプリングバック量を減少させることができ、
その結果成形品の長手方向の湾曲曲率半径をより小さく
できる。

冷間ロール成形装置の成形能力を低下させないで各冷間
ロール成形スタンドのスタンド間隔を狭くして袷間ロー
ル成形する一例を第８図および第９図に示す。第９図は
冷間ロール成形装置の動力源とスタンド間にゥオーム減
速機と直結した中間歯車装置を設け、これ等を軸嬢手を
介してロール軸に動力を伝達する構造の概略平面図であ
る。第８図において３５は電動機、３６は減速機、３７
，３８はプリー、３９，４０，４１，４２は軸受「 ４
３，４４，４５，４６，４７はチェンカップリング等の
触接手、４８，４９はウオーム減速機、５０，５１は中
間歯車装置、５２，５３，５４，５５，５６，６７，５
８はユニバーサルジョイント等の藤後手、５９，６０，
６１，６２，６３，６４，６５はスタンド、６６，６７
，６８，６９９ ７０，７１，７２はロール軸「 ７３
，７４はベッドである。ベッド７４に軸受３９，４０，
４１，４２、ゥオーム減速機４８，４９ｔ、中間歯車装
置５０，５１、を定位暦に固定し、プリー３８に入力し
た動力を軸援手４３，４４，４５，４６，４７を経て円
滑にユニバーサルジョイント等の藤援手に出力する。ベ
ッド７３にスタンドを−定の間隔をおいて固定し、各ス
タンドのロール軸が円滑に回転するように取付ける。ス
タンドはロール軸に所望の形状をした成形ロールを装着
し、成形中に発生するスラスト荷重、ラジアル荷重を支
承する軸受を内蔵したものである。電動機の動力は減速
機３６、プリ−３７、Ｖベルト７５、プリー３８、プリ
ーを支承している轍７６，７７、チェンカップリング、
ウオーム減速機、中間歯車装置５０，５１、ユニバーサ
ルジョイント、ロール軸へと伝達し成形を行なうもので
ある。一方、中間歯車装置５０，５１は上下ロール軸駆
動用ユニバーサルジョイント等の触接手の接続機能を内
蔵したものである。第８図の装置はユニバーサルジョイ
ント方式であって、１個の中間歯車装置よりそれぞれ４
組と３組のロール軸駆動源を内蔵したものであるが、中
間歯車装置の強度上並びに製作コスト面より自由にロー
ル軸駆動源を選択出釆るものである。スタンド間隔７８
は各スタンド間等間隔である。スタンドのフレーム幅７
９により最リ・寸法は限定されるが、従来の成形機に比
べ大中にスタンド間隔が狭くなった。一方、中間歯車装
置の上下ロール軸駆動用ユニバーサルジョイントの鞄援
手の接続寸法７８′は歯車を複数個組合せて使用するた
めスタンド間隔７８と合わせ且つ任意に選択できる。こ
のようにするとスタンド間隔は従来の５０〜６０％狭く
できる。スタンド間隔を狭くする他の一例を第９図に示
す。

これは第８図に示した中間歯車装置の代りに中間軸を利
用したものである。電動機８０からの動力駆動により減
速機８１を介してプリー８２から中間軸プリー８３に伝
達される、このプリー８３はチヱンカップリング騒擾手
９１により一直線上に連結された８９，９０の２本の中
間軸を駆動せしめるが、長い中間軸の適当な位置にベッ
ド１３４上に８４，８５，８６，８７，８８の軸受を酉
己設して駆動の正常回転を保証する。そしてさらにこの
中間軸上に配設されているプリ−９２，９３，９４，９
５，９６，９７，９８は、各々１対のロールにより構成
される各スタンドの小さなウオーム減速機のプリー９２
，９３′，９４′，９５′，９６′，９７′，９８′に
９９，１００，ＩＱ１，１０２，１０３，１０４，１０
５のベルト（又はチェン）を介して動力を伝達し、該ウ
オーム減速機１０６，１０７，１０８，１０９，１１０
，１１１，１１２により直角方向に変え、ユニバーサル
ジョイント１１３，１１４，１１５，１１６，１１７，
１１８，１１９を介して各スタンド１２０，１２１，１
２２，１２３，１２４，１２５，１２６のロール軸１２
７９ １２８，１２９，１３０，１３１，１３２，１３
３をそれぞれ駆動させる。このロール駆動軸には成形用
のロールが装着され成形中に発生するスラスト荷重、ラ
ジアル荷重を支承する軸受を内蔵したロールスタンドの
装置であり、各スタンドは成形進行方向に従って所望の
形状に成形するための異つたロール形状のスタンドとし
て併列されているものである。本発明の特徴とする動力
駆動源と各ロールスタンド間の間に中間軸を設けて動力
を分割して各スタンドに配分するため、ウオーム減速機
は小型となり、従って各スタンド間隔Ｇ，日，１，Ｊ，
Ｋ，Ｌを小さくすることができ〜従釆の成形機に比較し
て大中に成形能力を拡大できると共に、特に長手方向に
湾曲した異形断面をもつ型鋼の冷間ロール成形品の曲率
半径をより小さくできる等の効果がある。

この構造でもスタンド間隔は従来の５０〜６０％狭くで
きる。また成形断面が板厚に対して立上りの高い成形品
や長手方向に一定の曲率を有する湾曲成形品を成形する
とき帯板を立ち上りや曲率する部分の成形を片側表面よ
り、より強く成形されて片面のみが伸ばされるため、座
屈強度が低下して帯板に座屈現象であるエッジウェーブ
が残留し、成形品の品質を著しく低下していた。

特に長手方向に一定の曲率を有するリップ部が内側とな
る湾曲成形品の成形時には、帯板の座屈強度が不足する
と、所望の曲率をした成形が出来ない問題があった。そ
こで本発明ではダウンヒル成形する第１工程、アップヒ
ル成形する第２工程の内最も座屈現象の起りやすい工程
の袷間ロール成形スタンド間に成形中の帯板のエッジ面
の表面と裏面の両方より支承するための一組の遊転ロー
ルを長手方向に複数組設置することにより加工歪のバラ
ンスをはかり座屈をより防止でき曲率半径をより小さく
できる。帯板のエッジ部を表裏面の両方より支承する遊
転ロール装置を冷間ロ−ル成形スタンドとスタンドの中
間に取付けた一例の概略正面図を第１ ０図に示し、遊
転ロール装置の部分断面図を第１１図に示す。各々のス
タンド１３５に組込まれた成形ロールは、成形機の駆動
装置により動力を伝達して帯板１３６を所定の形状に成
形していくスタンドの中間にブラケツト１３７，１３８
をボルト１３９により定位道に固定する。一方、遊転ロ
ールのユニット１４０は取付板１４７、軸１４５，１４
６、遊転ロール１４３，１４４、軸受、ボルトＩ４８、
ナット１４９から成っており、フレーム１４１を介して
、ブラケット１３７，１３８にボルト１３９により所定
の位置に固定され、帯板１３６の自由端であるエッジ部
１４２を両サイドから支承し連続的に成形する構造とな
っている。また本発明では成形品の長手方向の湾曲成形
を行う第２工程の少くとも一部に各冷間ロール成形スタ
ンドの上下ロールシャフトの中心を鉛直線より左右に偏
心させ各袷間ロールスタンドの上ロールシャフトの中心
と下ロールシャフトの中心を結ぶ延長線が成形品の曲率
半径の中心を通るようにし成形品の曲率半径の中心方向
に成形力が向くようにして冷間ロール成形することを適
用することにより長手方向の湾曲を安定にかつ能率よく
成形することを可能とする。但し本発明で表現した曲率
半径中心方向と上下ロールシャフトの中心を結ぶ線の延
長方向とが一致することは完全に一致するという意味で
はなく上下ロールシャフトを結ぶ線の延長方向が種々曲
率半径よりも小さいことが必要である。それは成形品の
成形曲率がスプリングバックによって戻る性質があるた
めである。即ち第１２図ａに示す如く成形品亀５Ｑの曲
率半径中心方向１５１と上下ロールシャフトの中心を結
ぶ線の延長方向１５２とが一致していないと「 ロール
１５３９１５４による成形力はロールと成形品の接点亀
５５， １５６において成形品１５８もこ垂直に作用す
るため成形品１５８には長手方向の曲げ曲率とは逆方向
に曲げるモーメント竃５７が働くことになり、長手方向
に湾曲させた成形品を曲げ戻す結果となる。このため成
形品に所定の長手方向の曲率の曲げを得ることが困難で
あり、又上下のロールの圧下調整のわずかの変化又は成
形品板厚さのわずかな変動により上記の長手方向の曲げ
曲率とは逆方向の曲げモーメントは大きく変動し一定の
曲率を安定して与えることが非常に困難であり品質の一
定した成形品を得ることができないという欠点があった
。

第１２図ｂに示すように成形スタンド中心鉛直線亀５８
‘こ対して下ロールシャフト１５９は進行方向側に又上
ロールシャフト１６０Ｇま進行方向とは逆方向に橋○し
てセットされている。この偏○量は上下のロールシャフ
トの中心を結ぶ線が成形品の長手方向の円弧の曲率半径
の中心方向と一致するよう計算によって決定される。成
形品の長手方向の円弧の曲率半径中心方向１５１は下ロ
ールシャフト１５９の中心と上ロールシャフト１６０の
中心を結ぶ線の延長１５２とり致しており、従ってロー
ル１５３，１５４と成形品１５０との接点１５５，１５
６も成形品の長手方向の円弧曲率半径方向１５１の上に
あることになり、成形品１５８‘こは長手方向の曲率を
曲げ戻すような力は作用しない。このため、長手方向の
円弧の曲率が一定した品質の安定した成形品を得ること
がより可能になった。

以上の本発明の実施例では上下成形ロールを対象として
ダウンヒル、アップヒル成形を示したが垂直ロールによ
り左右にダウンヒル、アップヒル成形することも包含す
ることは勿論である。

即ち本発明では成形品の側綾部が凹側でウェフー部が凸
側となる長手方向に一定の曲率を有する成形品を得るた
めに、成形品の側縁部を構成する金属帯板部分周辺の伸
び変形を防止するようにダウンヒル成形を行ない、次工
程のアップヒル成形前に少くとも成形品のウヱブ部を構
成する金属帯坂部分に伸び変形を付与し、その後アップ
ヒル成形工程の少くとも一部として縦横方向より同時に
成形しながら湾曲加工のアップヒル成形を行なう構成を
なしておればよくロール軸の方向等に何ら拘束されるも
のではない。また本発明の実施例では主としてリップ部
を有する成形品について説明したが本発明がリップ部な
しの成形品であっても適用できることは勿論である。以
上説明した如く本発明の成形法を使用することにより、
表面癖トェッジウェーブ、座屈および変形がなく「かつ
長手方向の湾曲曲率が小さい高品質の型鋼成形品を能率
よくかつ安定に成形できる。

また同一曲率の湾曲を有する成形品においては、より薄
い金属帯板の成形を可能とする。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来方法における欠陥を示すロー
ル成形品の斜視図、第３図ａ，ｂは各々長手方向に一定
の曲率をした成形品の側面図および断面図、第４図ａ〜
ｆは本発明に適用する成形品の−実施例の断面榛式図、
第５図は本発明の一実施例の工程を示す正面図、第６図
は本発明を適用した金属帯板の形状を示す断面模式図、
第７図Ａは本発明に適用する縦横同時成形装置の正面概
略図、第７図Ｂは第７図Ａの×−×断面の側面詳細図、
第８図および第９図は本発明に適用できる袷間ロール成
形スタンド間隔を狭くした冷間ロール成形装置の平面図
、第１０図は本発明に適用できる成形帯板のエッジ部を
表裏面から支承しながら成形する冷間ロール成形装置の
概略正面図「第１１図は第１０図に示す遊転ロール装置
の部分断面図、第ｉ２図ａは従来の袷間ロール成形装置
による成形状態説明図、第１２図ｂは本発明に適用でき
る上下ロールシャフトを偏心させた冷間ロール成形装置
による成形状態説明図である。 ４三リップ部、５：フラソジ部、６：ウェフ部、７：金
属帯板、９〜１４：下ロール、２１，２１′：エッジ部
、２４：上ロール、２５：下ロール、３２：縦横遊転ロ
ール、４８，４９：ウオーム減速機、５０，５１：中間
歯車装置、８９，９０：中間鞠、１４０：遊転ロールユ
ニット、１４３，１４４：遊転ロール、１５９：上ロー
ルシャフト、１６０：下ロールシャフト。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図 第７図 第８図 第９図 第１０図 第１１図 第１２図 第１２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多数の冷間ロール成形スタンドを経て金属帯板より
   連続して冷間ロール成形する冷間ロール成形方法におい
   て、成形品の側縁部を構成する金属帯板部分周辺の伸び
   変形を防止するようにダウンヒル成形しながら断面形状
   成形をする第１工程と、成形品の側縁部が凹側でウエブ
   部が凸側となる長手方向の一定の曲率を形成させるよう
   にアツプヒル成形を行ない成形品の長手方向に湾曲成形
   を行う工程の少くとも一部として縦横方向より同時に成
   形しながら湾曲成形を行う第２工程と、成形品の長手方
   向の湾曲成形を行う前記第２工程前に設けた少くとも成
   形品のウエブ部を構成する金属帯板部分に伸び変形を付
   与する工程とを含む成形品の側縁部が凹側でウエブ部が
   凸側となる長手方向に一定の曲率を有する型鋼成形品の
   冷間ロール成形方法。 ２ 特許請求の範囲第１項において、成形品の長手方向
   の湾曲成形を行う第２工程前に設けた少くとも成形品の
   ウエブ部を構成する金属帯板部分に伸び変形を付与する
   工程を第１工程の一部として行なう成形品の側縁部が凹
   側でウエブ部が凸側となる長手方向に一定の曲率を有す
   る型鋼成形品の冷間ロール成形方法。 ３ 特許請求の範囲第１項又は第２項において、成形品
   の側縁部を構成する金属帯板部分の伸び変形を防止する
   ようにダウンヒル成形しながら断面形状成形する第１工
   程の少くとも一部として縦横方向より同時に成形するこ
   とを特徴とする冷間ロール成形方法。 ４ 特許請求の範囲第１項〜第３項のいずれかの第１工
   程および又は第２工程において、冷間ロール成形装置の
   成形能力を低下させないで各冷間ロール成形スタンドの
   スタンド間隔を狭くして冷間ロール成形することを特徴
   とする冷間ロール成形方法。 ５ 特許請求の範囲第１項〜第４項のいずれかにおいて
   、第１工程および第２工程に用いる冷間ロール成形スタ
   ンドの内任意の冷間ロール成形スタンド間に長手方向に
   対時して設けた一組の遊転ロールを複数組設置し各組の
   逆転ロールに金属帯板のエツジの表面と裏面より支承し
   て通過させる冷間ロール成形することを特徴とする冷間
   ロール成形方法。 ６ 特許請求の範囲第１項〜第５項のいずれかにおいて
   、湾曲成形を行う第２工程の少くとも一部として各冷間
   ロール成形スタンドの上下ロールシヤフトの中心を鉛直
   線より左右に偏心させ各冷間ロール成形スタンドの上ロ
   ールシヤフトの中心と下ロールシヤフトの中心を結ぶ延
   長線が成形品の曲率半径のほぼ中心を通るようにし成形
   品の曲率半径の中心方向に成形力が向くようにして冷間
   ロール成形することを特徴とする冷間ロール成形方法。