JPS6216420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は方向変換装置に関し、特に走行方向の
異なる２つのコンベヤの間に配置され、前段側の
コンベヤによつて送られてきた物品をその搬送態
様をほぼ90゜変えて後段側のコンベヤに向けて送
り出すことのできる方向変換装置に関する。

第２図は従来のこの種の方向変換装置を備えた
搬送装置の一例を表したものである。

この搬送装置では、前段側のコンベヤＡと後段
側のコンベヤＩとが互いに直交するように配置さ
れ、その間に方向変換装置が配置されている。方
向変換装置は、複数のローラＣと、通常ローラＣ
の下方に位置させられているチエーンＧと、駆動
したとき支持枠Ｆを介してチエーンＧをローラＣ
の上方に位置させるためのシリンダＨとを備えた
構造となつている。

この搬送装置で例えばパン製造工程で使用され
る展板（物品）Ｂを搬送する場合には、前段側の
コンベヤＡによつて送られてきた展板Ｂはまず方
向変換装置のローラＣ上に送り込まれる。この送
り込まれた展板Ｂが方向変換装置のストツパＤに
当接して係止されると、リミツトスイツチＥが展
板Ｂによつて押されてオンの状態となる。する
と、シリンダＨが駆動し、チエーンＧがローラＣ
の上方に位置し、これに展板Ｂが載置される状態
となる。この状態でチエーンＧが所定の方向に走
行すると、これの上に載置されている展板Ｂが後
段側のコンベヤ１に向けて送り出される。

このように、従来の方向変換装置では、前段側
のコンベヤＡによつて送られてきた展板Ｂをその
搬送態様をほぼ90゜変えて後段側のコンベヤＩに
向けて送り出すことができる。

しかしながら、従来のこのような方向変換装置
では、展板ＢをストツパＤに当接させて一旦停止
させた後チエーンＧによつて送り出しているの
で、展板Ｂを受け入れて送り出す動作が間欠的で
あり、作業能率が悪いという問題があつた。チエ
ーンＧの上下動およびその走行速度を速めると作
業能率はある程度良くなるが、騒音の発生や展板
Ｂの損傷などという別の問題が発生してしまう。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、展板などの物品を受け入れて送り出す動作を
連続的にかつスムーズに行うことのできる方向変
換装置を提供することを目的とする。

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を適用した搬送装置
の要部を表したものである。

この搬送装置では、前段側のコンベヤ６と後段
側のコンベヤ７とが互いに直交するように配置さ
れ、その間に方向変換装置が配置されている。方
向変換装置は、ほぼ90゜の円弧形状の通路を形成
する外側のガイド板１および内側のガイド板２を
備えている。これらのガイド板１，２の前段側は
前段側のコンベヤ６に接続され、後段側は後段側
のコンベヤ７に接続されている。外側のガイド板
１の内側にはこれに沿つて外側の湾曲トツプチエ
ーン３が配置されている。内側のガイド板２のほ
ぼ後半分の外側には内側の湾曲トツプチエーン４
が外側の湾曲トツプチエーン３と曲率中心をほぼ
同じとされて配置されている。内側のガイド板２
のほぼ前半分の外側には直線トツプチエーン５が
前段側のコンベヤ６の走行方向に延びて（すなわ
ち外側の湾曲トツプチエーン３の前端部の接線方
向と平行するように）配置されている。

この搬送装置では、直線トツプチエーン５の走
行速度は外側の湾曲トツプチエーン３の走行速度
よりも速く、また両湾曲トツプチエーン３，４の
各走行角速度はほぼ同じとなつている。一例とし
て、外側の湾曲トツプチエーン３の走行速度を19
ｍ／分程度とした場合には、直線トツプチエーン
５の走行速度を41ｍ／分程度とする。これらのト
ツプチエーン３，４，５の各走行速度は、実際の
稼働をみて所期の搬送が行われるように個々に調
整することができる。

この搬送装置で例えばパン製造工程で使用され
る展板（物品）８を搬送する場合には、前段側の
コンベヤ６によつて送られてきた展板８はまず直
線トツプチエーン５と外側の湾曲トツプチエーン
３の上に送り込まれる。この送り込まれた展板８
は、直線トツプチエーン５の走行速度が外側の湾
曲トツプチエーン３の走行速度よりも速いので、
第１図において二点鎖線で示すように、その内側
が外側よりも先行し、かつ特にその外側を外側の
ガイド板１に案内されることにより、同図におい
て時計方向に徐々に回動される。

展板８は直線トツプチエーン５から内側の湾曲
トツプチエーン４へと移行するが、その当初にお
いてその一部が内側の湾曲トツプチエーン４の前
段部に乗り移り、これにより直線トツプチエーン
５から内側の湾曲トツプチエーン４への移行はが
たつくことなくスムーズに行われる。また、トツ
プチエーン３，４，５の搬送面は全体にわたつて
ほぼ同一面であるので、これらによる展板８の搬
送は初めから終わりまでがたつくことなくスムー
ズに行われる。

展板８が直線トツプチエーン５から離れた時点
では、展板８は初期の状態から第１図において時
計方向にほぼ45゜回動される。この後、展板８は
両湾曲トツプチエーン３，４によつてただ単に搬
送されながら、これらのトツプチエーンが湾曲し
ていることにより、第１図において反時計方向に
ほぼ45゜回動され、後段側のコンベヤ７に向けて
送り出される。

このように、この搬送装置の方向変換装置で
は、前段側のコンベヤ６によつて送られてきた展
板８をまず第１図において時計方向にほぼ45゜回
動させ、次いで逆の方向にほぼ45゜回動させて初
期の状態に戻しているので、両コンベヤ６，７が
互いに直交していることにより、展板８に対する
後段側のコンベヤ７による搬送態様は前段側のコ
ンベヤ６による搬送態様に対してほぼ90゜変えら
れることになる。このようなことは、両コンベヤ
６，７が互いに直交していない場合でも同様であ
る。

以上説明したように本考案によれば、展板など
の物品を受け入れて送り出す動作をトツプチエー
ンなどによつて連続的にかつスムーズに行うこと
ができるので、騒音の発生や物品の損傷などとい
う不都合を生じることなく、作業能率の大幅な向
上を図ることができる。また、各トツプチエーン
の走行速度を個々に調整することができるので、
物品に対する搬送を容易に所期の通りとすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を適用した搬送装置
の要部を示す平面図、第２図は従来の方向変換装
置を備えた搬送装置の一例を示す一部の斜視図で
ある。 １，２……ガイド板、３……外側の湾曲トツプ
チエーン、４……内側の湾曲トツプチエーン、５
……直線トツプチエーン、６，７……コンベヤ、
８……展板（物品）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円弧形状の通路を形成する外側のガイド板およ
   び内側のガイド板と、外側のガイド板の内側にこ
   れに沿つて配置された外側の湾曲トツプチエーン
   と、内側のガイド板のほぼ後半分の外側に外側の
   湾曲トツプチエーンと曲率中心をほぼ同じとされ
   て配置された内側の湾曲トツプチエーンと、内側
   のガイド板のほぼ前半分の外側に外側の湾曲トツ
   プチエーンの前端部の接線方向と平行するように
   配置された直線トツプチエーンとを具備し、各ト
   ツプチエーンの搬送面は全体にわたつてほぼ同一
   面であり、かつ直線トツプチエーンの走行速度は
   外側の湾曲トツプチエーンの走行速度よりも速
   く、また両湾曲トツプチエーンの各走行角速度は
   ほぼ同じであることを特徴とする方向変換装置。