JPH028900Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、搬送物を、主ラインより、主ライン
と搬送方向の異なる転向ライン上へ、確実かつ安
全に誘導する転向装置に関するものである。

〔従来の技術〕

ローラコンベヤにおいて、搬送物の搬送方向を
転向させる装置は、既に各種提供されている。

たとえば、転向部を弧状に湾曲させるととも
に、この転向部における搬送ローラを、短寸に分
割して、湾曲部の求心方向へ向けて並べたもの、
あるいは、主ラインと転向ラインを直交させ、直
交部に設けた押出し腕または取り出し腕により、
強制的に搬送方向を転向させるようにしたもの等
がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述した従来のものの前者は、搬送方向の転向
角度が小さい場合には支障はないが、転向角度
が、直角等の大角度の場合には、転向部を大きな
曲率で湾曲させねばならず、かつ搬送物が、その
遠心力により、コンベヤより転落するおそれがあ
る。

また後者は、機構が複雑で、故障を起こし易
く、かつ装置と搬送物が衝突するおそれがある。

本考案は、上述の問題点を解決することを目的
としてなされたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案は、ローラコ
ンベヤにおける前後方向に搬送する主ラインの前
端に、左右方向を向くとともに、内部を左右方向
に２分割した角枠状のフレームを設け、このフレ
ームにおける主ラインと連続する側の区劃部に、
主ラインの搬送方向と転向させるべき方向のほぼ
中間方向へ向けて傾斜させた多数の誘導ローラを
枢設するとともに、主ラインから遠い側の区劃部
に、左右方向に並ぶ多数の直進ローラを枢設し、
かつ各直進ローラを、各誘導ローラよりも高速で
駆動するようにしてある。

〔作用〕

搬送するべき方向に対する転向角度が大であつ
ても、搬送物は、強制的に、確実かつ安全に転向
させられる。

〔実施例〕

第１図において、１，２は、それぞれ搬送面を
同一平面上に揃え、かつ前後方向に搬送するロー
ラコンベヤの主ラインと、左右方向に搬送する転
向ラインである。転向ライン２は、主ライン２の
前端部の延長線上に、それと直交するように配設
されている。

両ライン１，２における搬送ローラ３，４は、
それぞれの下方に設けた長手方向の駆動軸５，６
に、無端ベルト７をもつて連係され、回転させら
れる。

主ライン１の前端面と、転向ライン２の側面後
端部とは、本考案の装置Ａを介して連結されてい
る。

８は、角枠状のフレームで、その内部は、左右
方向を向く枠杆９により、左右の区劃部１０，１
２に分割されている。

主ライン１の前端面に接する左方（第１図下
方）の区劃部１０には、両ライン１，２の搬送ロ
ーラ３，４の向く方向のほぼ中間の方向へ向き、
かつ両ローラ３，４と等径かつ等高をなす、多数
の誘導ローラ１１が枢設されている。

同じく右方の区劃部１２には、転向ライン２の
搬送ローラ４と平行をなし、かつ同ローラ４と等
径かつ等高をなす、多数の直進ローラ１３が枢設
されている。

誘導ローラ１１と直進ローラ１３は、それぞれ
の下方に枢設された第１駆動軸１４と第２駆動軸
１５に、無端ベルト７をもつて連係されている。

第１駆動軸１４は、転向ライン２の駆動軸６に
直結され、第２駆動軸１５は、前記駆動軸６に固
着された第１スプロケツト１６と、第２駆動軸１
５に固着された、第１スプロケツト１６よりも小
径の第２スプロケツト１８とに、無端チエーンを
掛け回わすことにより連係されている。

従つて、直進ローラ１３は、誘導ローラ１１よ
りも高速で回転する。

上記各ローラの周速度の一例を示せば、搬送ロ
ーラ３，４と誘導ローラ１１は20ｍ／min、直進
ローラ１３は30ｍ／minである。

上述のローラコンベヤ装置によると、主ライン
１により、前方へ搬送された搬送物１９ａは、そ
れより先行する搬送物１９ｂが示すように、フレ
ーム８の区劃部１０内に進入して、誘導ローラ１
１により、前部が次第に第１図左方の転向ライン
２に向かつて転向しつつ進行し、その先端が右側
の区劃部１２における直進ローラ１３に乗ると、
高速で回転する直進ローラ１３により、さらに左
向きに転向させられつつ前進し、フレーム８から
出る時には、先行する搬送物１９ｃが示すよう
に、完全に90゜転回して、転向ライン２上に乗り、
搬出される。

第２図に示すように、互いに平行をなす主ライ
ン１と転向ライン２の端部同士を、互いに直交す
る２基の本考案装置Ａをもつて連結することによ
り、主ライン１上の搬送物１９ａを、反転させ
て、逆方向に搬送することもできる。

上述の実施例は、主ライン１上の搬送物１９ａ
の搬送方向を、直角に転向させる場合についての
ものであるが、本考案装置Ａの長さや、誘導ロー
ラ１１の傾斜角度、あるいは誘導ローラ１１と直
進ローラ１３の回転速度を調節することにより、
搬送方向を任意の方向に向けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置１基を使用して、搬送方
向を直角に転向するようにしたローラコンベヤ装
置の平面図、第２図は、本考案装置２基を使用し
て、搬送方向を180゜転向するようにしたローラコ
ンベヤ装置の平面図である。 Ａ……本考案装置、１……主ライン、２……転
向ライン、３，４……搬送ローラ、５，６……駆
動軸、７……無端ベルト、８……フレーム、９…
…枠杆、１０……区劃部、１１……誘導ローラ、
１２……区劃部、１３……直進ローラ、１４……
第１駆動軸、１５……第２駆動軸、１６……第１
スプロケツト、１７……無端チエーン、１８……
第２スプロケツト、１９ａ，１９ｂ，１９ｃ……
搬送物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ローラコンベヤにおける前後方向に搬送する主
   ラインの前端に、左右方向を向くとともに、内部
   を左右方向に２分割した角枠状のフレームを設
   け、このフレームにおける主ラインと連続する側
   の区劃部に、主ラインの搬送方向と転向させるべ
   き方向のほぼ中間方向へ向けて傾斜させた多数の
   誘導ローラを枢設するとともに、主ラインから遠
   い側の区劃部に、左右方向に並ぶ多数の直進ロー
   ラを枢設し、かつ各直進ローラを、各誘導ローラ
   よりも高速で駆動するようにしてなるローラコン
   ベヤにおける搬送方向転向装置。