JPS6011111Y2 - エアジエツトル−ムにおける緯入れ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は圧縮空気の噴射により緯糸を経糸開口内に緯
入れするエアジェツトルームの緯入れ装置に関するもの
である。

従来技術 エアジェツトルームにおいては測長装置（図示しない）
により所定の長さに測長された緯糸Ｗは、第１図に示す
ように緯糸貯留装置１で一時貯留された後、接離動作に
より緯糸Ｗの挟持、開放を繰り返すグリッパ２及び同グ
リッパ２に近接して設けられた緯糸ガイド３を通り、噴
射ノズル４に挿通される。

そして噴射ノズル４からは揺動運動を行なうスレー５の
上部の筬６より織前側に所定のピッチで多数配設された
ガイド片７により形成された案内通路に向けて圧縮空気
が噴射され、緯糸Ｗは噴射された空気に搬送されて案内
通路に挿通され緯入れが行なわれる。

緯糸Ｗは織前付近に設けられたカッター（図示しない）
により筬打ち後に毎回切断される。

噴射ノズル４は第２図に示すように機枠（図示しない）
に固定したブラケット８に形成された嵌挿孔９にノズル
本体１０が嵌着されている。

ノズル本体１０の先端部には加速管１１が設けられ、止
めナツト１２によりノズル本体１０に固定されている。

又、後部には収容凹所１３が形成されている。

同収容凹所１３はノズル本体１０の軸心部に形成された
流路１４を介して加速管１１と連通し、同収容凹所１３
には中心部に緯糸導入通路１５が形成されたニードル１
６が螺合されている。

ノズル本体１０の後部外周には溝１７が環状に形成され
、溝１７の底部には間溝１７を前記収容凹所１３に連通
させる空気供給孔１８が形成されている。

空気供給孔１８は第３図に示すようにすべてノズル本体
１０の軸心に向かい、かつ軸心と直交する方向に延びる
ように形成されている。

ノズル本体１０の後部外周には前記溝１７を覆う外管１
９が嵌挿され、止めナツト２０及び２１により前記ブラ
ケット８を介してノズル本体１０上に固定されている。

前記外管１９には前記溝１７に連通ずる嵌合孔２２が形
成されている。

同嵌合孔２２には圧縮空気供給用のパイプ２３が嵌合固
着されている。

パイプ２３は第４図に示すように圧縮空気供給用のタン
ク２４に連結され、その途中に電磁バルブあるいは機械
的なバルブ２５が設けられている。

パイプ２３にはタンク２４に連結されたバイパスとして
のパイプ２６が連結され、パイプ２６の途中には絞り弁
２７が設けられている。

前記のように構成された噴射ノズル４には緯入れ時期に
同期してバルブ２５が開かれ、緯糸Ｗを搬送するための
圧縮空気がパイプ２３から供給され、緯入れが行なわれ
る。

又、緯入れ期間以外にも、緯糸Ｗの切断ミスを防止する
ため、あるいは緯入れ性能を上げることを目的として切
断後の噴射ノズル外に残る緯糸端に若干の張力を与えて
おくため、絞り弁２７により流速が減じられた圧縮空気
が絶えずパイプ２６を介して供給され、加速管１１内に
は絶えず微風が吹くようになっている。

ところで、このような緯入れ装置を備えたエアジェツト
ルームにおいて生じる緯入れミスの要因を種々分析した
結果、緯入れ中に噴射ノズル４内にて発生する緯糸Ｗの
切断が緯入れミスの大きな要因の一つとなっていること
が明らかになった。

又、緯入れ時以外にも噴射ノズル４内で微風にさらされ
ている緯糸端が切断されてしまい、次回の緯入れ時に所
定量の緯入れ長さを確保できず、緯糸Ｗが予定された位
置に到達できない場合も緯入れミスの大きな要因となっ
ていた。

上記緯入れミスの要因はいずれも噴射ノズル４内におけ
る緯糸Ｗの切断が原因したものである。

そこで発明者らは噴射ノズル４内における緯糸のふるま
いを分析してみた。

その結果、噴射ノズル４内は周囲を完全に覆われた流通
路であるにもかかわらず、同流通路内に存在する緯糸Ｗ
は激しく振動し、しかも解撚する方向に旋回するという
現象を生じており、このために緯糸Ｗが噴射ノズル４内
で切断されてしまうことが明らかになった。

この場合の緯糸Ｗが解撚方向に旋回する現象は、空気流
速度が緯糸Ｗの進行速度よりも速い（緯入れ時期以外は
緯糸Ｗが停止状態にあるので、緯糸速度は零となる）た
め、空気流が緯糸Ｗをしごくように作用する結果上じる
ものと思われる。

空気流が緯糸Ｗをしごくように作用するため、緯糸Ｗが
旋回されるとともに空気流の推進力を受けて切断されて
しまうものと考えられる。

なお、このような噴射ノズル４内における緯糸切断現象
は緯入れ中においても、また緯入れ時期以外の緯糸端が
噴射ノズル４内で微風にさらされているときでも同様の
原因により生じていた。

又、フィラメント糸を使用した場合には噴射ノズル４内
における緯糸Ｗの激しい振動や旋回により、フィラメン
ト割れが発生しやすく、緯糸切断に至らなくてもフィラ
メント割れを生じた緯糸Ｗを織り込むことになるため、
織布の品質低下を招くことになる。

目的 この考案は前記従来の欠陥を解消するためになされたも
のであって、その目的は噴射ノズル内における緯糸の振
動や旋回を極力防止して緯入れミスの発生や織布品質の
低下を減少し、安定した緯入れを行なえるようにしたエ
アジェツトルームの緯入れ装置を提供することにある。

実施例 以下この考案を具体化した一実施例を第５，６図に従っ
て説明する。

この実施例の噴射ノズル４は前記第２図に示したものと
基本的には同−構成であり、同一部分は同一符号で示し
である。

この実施例の緯入れ装置においては、第５図に示すよう
にノズル本体１０はブラケット８の嵌挿孔９に嵌挿され
、ノズル本体１０後部のフランジ部１０ａとノズル本体
１０の前部外周に螺合された止めナツト２０とによりブ
ラケット８に固定され、加速管１１はノズル本体１０に
圧入固定されている。

ニードル１６は収容凹所１３に螺合されるとともに、そ
の外周に螺合されるリングナツト２８によりノズル本体
１０に固定されている。

ノズル本体１０の後部外周に形成された溝１７に連通し
、前記圧縮空気供給用のパイプ２３が嵌合固着される嵌
合孔２２はブラケット８の上部に形成されている。

ノズル本体１０及び加速管１１には流通路と外部とに連
通ずる複数の排気孔２９が形成されている。

該排気孔２９は噴射ノズル４の後部から前部に向かって
右回りに９０°ずつ旋回するように配設されるとともに
、第６図に示すように各排気孔２９はノズルの外側から
ノズルの軸心より偏心した位置に向かうように形成され
ている。

ブラケット８及び止めナツト２０には一端がノズル本体
１０に形成された排気孔２９に連通し他端が外部に開口
された排出孔３０が形成されている。

又、加速管１１が圧入されたノズル本体１０の先端部に
は加速管１１に形成された排気孔２９を外部へ連通させ
る透孔３１が形成されている。

前記のように構成された緯入れ装置について次に作用を
説明する。

パイプ２３から供給されて圧縮空気は溝１７を通った後
、各空気供給孔１８から収容凹所１３内に入り、流路１
４を通り大部分が加速管１１の先端から外部に噴出し、
一部が排気孔２９を通って外部に排出される。

噴射ノズル４から圧縮空気が噴射される緯入れ時に排気
孔２９から排出される空気量は加速管１１の先端から噴
出される空気量に比較して非常に少なく、緯糸Ｗに対す
る推進力は従来装置と全く変らないので、緯糸Ｗは進行
方向に対しては排気孔２９からの排出空気流の影響を受
けることなく搬送される。

しかし緯糸Ｗは横方向に対しては排気孔２９から外部へ
流出する排出空気流の作用を受ける。

緯糸Ｗは先端に向かって右回りに旋回するように配設さ
れた排気孔２９側に引き寄せられるため、第５図に示す
ように緯糸Ｗ全体が進行方向に向かって右回りの螺線を
描くように進行する形態となる。

従って緯糸Ｗとして紡績糸の単糸のようにＺ撚りの糸を
使用した場合には、緯糸Ｗはその解撚が妨げられる方向
に旋回しながら進行することになるので、解撚及び振動
が抑制され緯糸切れが防止される。

又、口合わせ時噴射ノズル４内に緯糸Ｗを挿入する場合
、従来は絞り弁２７の開度を拡げてニードル１６に緯糸
Ｗを挿入し、挿入が終ると運転時の開度に戻していたが
、噴射ノズル４に排気孔２９を設けたことにより絞り弁
２７を運転時の開度にしたままで緯糸Ｗがニードル１６
内に吸い込まれるようになり、口合わせ時の緯糸Ｗの挿
入が簡単になった。

又、この実施例においては各排気孔２９がノズルの外側
からノズルの軸心より偏心した位置に向かうように形成
されているためノズル内を緯糸Ｗの撚り方向に旋回しな
がら流れる空気を排気孔２９から外部へ排出する排出効
果が大きくなっている。

この実施例では各排気孔２９がノズル先端に向かって右
回りに配設されているため２撚りの緯糸Ｗに適し、Ｓ撚
りの緯糸Ｗを使用する場合には排気孔２９をこの実施例
と反対の左回りに配設するのが望ましい。

なお、この考案は前記実施例に限定されるものではなく
、例えば第７図に示すように排気孔２９を一箇所に複数
個ずつ設けたり排気孔２９を６０゜〜１２０°ずつ旋回
するように配設したり噴射ノズル４をスレー５側に設け
たりするなどこの考案の趣旨を逸脱しない範囲において
各部の形状、構成等を任意に変更することも可能である
。

効果 以上、詳述したようにこの考案は噴射ノズルのノズル本
体後部に装備した緯糸導入用ニードルの先端より前方の
流通路に、同流通路と外部とに連通ずる複数の排気孔を
緯糸の解撚方向と反対方向に旋回する螺線状に配設した
ことにより、緯糸は噴射ノズル内を各排気孔側に引き寄
せられ、その解撚が妨げられる方向に旋回しながら進行
することになり、解撚及び振動が抑制されるため緯糸切
れが解消され、織布品質の低下が減少するとともに安定
した緯入れを行なうことができる。

又、口合わせ時の緯糸の挿入が簡単になるという優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はエアジェツトルームの要部平面図、第２図は従
来の噴射ノズルの縦断面図、第３図は第２図のＸ−Ｘ線
における拡大断面図、第４図は噴射ノズルへの圧縮空気
の供給系統を示す平面図、第５図はこの実施例を具体化
した一実施例を示す縦断面図、第６図は第５図のＹ−Ｙ
線における断面図、第７図は変更例の加速管を示す一部
破断正面図である。 グリッパ２、噴射ノズル４、ブラケット８、ノズル本体
１０、加速管１１、流路１４、排気孔２９、緯糸Ｗ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 緯糸を圧縮空気の噴射により緯糸開口内に緯入れす
   るエアジェツトルームにおいて、噴射ノズルのノズル本
   体後部に装備した緯糸導入用ニードルの先端より前方の
   流通路に、同流通路と外部とに連通ずる複数の排気孔を
   緯糸の解撚方向と反対方向に旋回する螺線状に配設した
   ことを特徴とするエアジェツトルームにおける緯入れ装
   置。 ２ 前記排気孔は９０°ずつ旋回するように配設されて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載のエアジェツトルームにおける緯入れ装置。 ３ 前記排気孔はノズルの外側からノズルの軸心より偏
   心した位置に向かうように形成されていることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項に記載の
   エアジェツトルームにおける緯入れ装置。