JPS6010926Y2 - モ−ルデイングの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のモールディングの取付構造の改良に関
する。

自動車のグリル及びフィニッシャ−等には外観品質の向
上からモールディングが施されている。

このような従来のモールディングの取付構造を、例えば
フロントグリルを例にとって説明すれば、第１図に示す
ように、フロントグリル１は、ラジェータグリル２と、
このラジェータグリル２の両側に配設されたヘッドラン
プグリル３とで構成されており、これらのグリル２，３
の周縁部には、ラジェータグリルモールディング４及び
ヘッドランプ下モールディング５が装着されている。

そして、これらのラジェータグリルモールディング４と
ヘッドランプ下モールディング５の接続は、第２図乃至
第５図に示すように、ラジェータグリル２の頭部の表面
にラジェータグリルモールディング４を装着し、そして
ラジェータグリル２の下端部７に下方に突出するボス８
を設け、このボス８を車体パネル９の上面に予じめ配設
しファスナー１０に嵌着させる。

他方、上記ラジェータグリル２の上端部を図示外のラジ
ェータコアサポートに止着すると共に、ヘッドランプ下
に位置するモールディングファスナー１１の頭部１２表
面にはヘッドランプ下モールディング５を装着する。

そして上記モールディングファスナー１１を、車体パネ
ル９の上面に予じめ穿設した取付孔９ａに嵌着させ、ク
リップ１３により車体パネル９に固定させてラジェータ
モールディング４の終端部１４を他方のヘッドランプ下
モールディング５の終端部１５に重合させて連結するよ
うにしている。

このようなモールディングの取付については自動車工学
全書第１３Ｓ１乗用車の車体ヨ（山海置版）第１９０頁
に記載されている。

しかしながら、この様な従来のモールディングの取付構
造にあっては、ラジェータグリル２は、種々の理由によ
り単独で逐一取外す必要等があるため、ラジェータグリ
ルモールディング４とヘッドランプ下モールディング５
は分割して形成されている場合が多く、その結果上記モ
ールディング４．５は車体パネル９上のファスナー１０
及び取付札９ａに、別々ボス８及びモールディングファ
スナー１１によって取付けなければならず、このためフ
ァスナー１０と取付孔９ａとの配設位置の設定精度をラ
ジェータグリルモールディング４及びヘッドランプ下モ
ールディング５とが第５図左側に示す状態になるように
正確に行う必要があり、又これが不良である場合には、
第５図右側に示すように一方のラジェータグリルモール
ディング４と他方のヘッドランプ下モールディング５の
重ね合せ部に隙間ｅが生じたりして見映えが悪くなり、
またヘッドランプ下モールディング５の終端部１５に、
ラジェータグリルモールディング４の終端部１４との重
合組付作業がしにくくなるという不具合を有していた。

本考案は、このような従来の問題点を一掃すべくなされ
たものであって、その目的とするところは、見映えの向
上を図ると共に容易に組付は作業及び取外し作業を行な
うことが可能なモールディングの取付構造を提供しよう
とするものである。

以下、添附図面に示す実施例に基づいてこの考案を詳細
に説明する。

本考案の第１実施例を示すと、第６図乃至第９図に示よ
うに、ヘッドランプ周囲にはヘッドランプ下モールディ
ング５が装着されており、このヘッドランプ下モールデ
ィング５の下面にはヘッドランプ下モールディング５を
車体に固定するモールディングファスナー１１が配設さ
れている。

すなわち、断面略コ字状に形成されたヘッドランプ下モ
ールディング５はモールディングファスナー１１の頭部
１２側に、嵌着されている。

また、第７図に示すように、モールディングファスナー
１１の固定部１１ａ下端には車体左右方向の固定用爪１
６を複数個設けると共に、第６図に示すように、上記モ
ールディングファスナー１１の固定部１１ａ下端から車
体前後方向に、複数個のスプリング１７を延設する一方
、他方の車体パネル９には、従来のモールディングファ
スナー１１の取付孔開設位置よりやや車体前方向に、ス
リット状の取付孔１８を設けている。

このスリット状の取付孔１８は、車体左右方向の幅はモ
ールディングファスナー１１の固定部１１ａの幅と略同
じ長さに形成されており、また車体前後方向の長さは固
定部１１ａの長さよりも長く形成されていてモールディ
ングファスナー１１の車体前後方向に対する摺動のみを
許容するように形成されている。

従ってモールディングファスナー１１を車体パネル９表
面に開設された取付孔１８に嵌挿するとモールディング
ファスナー１１の固定用爪１６によってモールディング
ファスナー１１の車体左右方向の動きは規制されること
になる。

そして、この後車体パネル９に取付けられたラジェータ
グリルモールディング４の終端部１４とヘッドランプ下
モールディング５の終端部１５とを嵌合するのであるが
、ラジェータグリルモールディング４とヘッドランプ下
モールディング５との間に製造誤差又は組付誤差が発生
していた場合であっても、ヘッドランプ下モールディン
グ５を取り付ける取付孔１８の位置をファスナー１０の
開設位置より少し車体前方方向に開設しているので、ヘ
ッドランプ下モールディング５がスプリング１７の反発
力によって車体前方向に押圧される。

そして、ヘッドランプ下モールディング５の立壁部外周
面１９がラジェータグリルモールディング４の立壁部内
周面２０に密に押しつけられ、立壁部外周面１９と立壁
内周面２０の間には間隙が発生せず、ラジェータグリル
モールディング４とヘッドランプ下モールディング５と
の間に発生していた接続誤差を有効に吸収することがで
きる。

次にこの考案の第２実施例を示すと、第１０図及び第１
図に示すように、モールディングファスナー１１の頭部
１２の上下壁後面にヘッドランプ下モールディング５の
開口側を折曲して形成された爪５ａと係合する段部２１
を設け、更に上記モールディングファスナー１１の頭部
１２の先端にはスプリング２２を突設し、このスプリン
グ２２はヘッドランプ下モールディング５を車体前方に
押圧して、第９図に示すように、前記ヘッドランプ下モ
ールディング５の立壁部外周面１９とラジェータグリル
モールディング４の立壁部内周面２０とを隙間が発生し
ないように重合するものである。

従って、ラジェータグリルモールディング４とヘッドラ
ンプ下モールディング５との間に取付ｉ差により隙間が
発生していた場合であっても、ヘッドランプ下モールデ
ィング５がスプリング２２により押圧されることにより
、上記取付誤差を有効に吸収することができる。

尚、上記各実施例においては、この考案をフロントグリ
ルを例にとり説明したが１、この考案にあってはこれに
限定されるものではなく、各種フィニッシャ−等におけ
る重ね合せ部品相互の連結に対し適宜変更して適用出来
るものである。

本考案のモールディングの取付構造は上述したように、
一方のモールディングの終端部と他方のモールディング
の終端部とをスプリング作用を利用して重合するように
構成したため、モールディングを連結する場合、上記ス
プリングの作用によって相互に接続されたモールディン
グの取付誤差が吸収されるので、終端部を重合させやす
くなり、取付作業性が良くなると共に着脱作業性も良く
することが出来た。

又、スプリングの作用によって、一方のモールディング
の立壁部外周面が他方のモールディングの立壁部内周面
に密に押しつけられるので、該重ね合せ部に隙間が生ず
ることがなくなり、シール性が増すと共に見映えが良く
なるという幾多の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】 第１図はラジェータグリルモールディング及びヘッドラ
ンプ下モールディングの配設関係を示す斜視図、第２図
は従来のモールディングの取付構造を示す斜視図、第３
図は第２図のＡ−Ａ断面図、第４図は第２図のＢ−Ｂ断
面図、第５図は第２図のＣ−Ｃ断面図、第６図は本考案
の第１実施例に係るモールディング取付構造におけるモ
ールディングファスナーの断面図、第７図は第６図のＤ
−Ｄ断面図、第８図は第６図の底面図、第９図はモール
ディング連結部の断面図、第１０図は本考案の第２実施
例に係るモールディングの取付構造を示す平面図、第１
１図は第１０図のＩ−Ｉ断面図である。 ４・・・・・・ラジェータグリルモールディング、１４
・・・・・・終端部、５・・・・・・ヘッドランプ下モ
ールディング、１５・・・・・・終端部、１９・・・・
・・立壁部外周面、２０・・・・・・立壁部内周面、１
７，２２・・・・・・スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方のモールディングの終端部と、他方のモールディン
   グの終端部とを接続し、夫々のモールディングを別個の
   ファスナを介して車体パネルに装着するモールディング
   の取付構造において、上記一方のモールディングは車体
   パネルに固着されると共に上記他方のモールディングは
   、スプリングが設けられたファスナを介して車体パネル
   に装着され、該スプリングの付勢力により上記一方のモ
   ールディングとの接続誤差を吸収することを特徴とする
   モールディングの取付構造。