JPS601033Y2 - 船舶のアウトドライブユニツトのチルトロツク解除装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として小形船舶に装備されたアウトドライ
ブユニットを、船体に対しチルトアップせしめる際、ア
ウトドライブユニットと船体とを掛止しているチルトロ
ックを解除する操作を、ワンタッチにより容易に行なわ
しめることを特徴とした、船舶のアウトドライブユニッ
トのチルトロック解除装置に関するものである。

従来、小形船舶の船外後尾に装着せしめられるアウトド
ライブユニットは、船内に塔載された内燃機関の出力を
５、動力軸からユニバーサルジヨイント等を介してプロ
ペラに伝達せしめるものであるが、その船舶の停船時や
浅瀬における停留時には、そのアウトドライブユニット
の上部後端に固定されたＵ字形のチルト取手により、ア
ウトドライブユニットを引きあげ、アウトドライブユニ
ットをチルトアップせしめている。

しかしながら、この場合、その船舶の走行時にアウトド
ライブユニットが自然にチルトアップすることを防止す
るために、船体とアウトドライブユニットとを掛止せし
めるチルトロックが装着されており、そのチルトロック
を解除する操作は簡単ではなく、手間及び時間を要する
という欠点があった。

そこで本考案は、前記従来の欠点を解消するため、アウ
トドライブユニットを、船体に対してチルトアップせし
める際、アウトドライブ６ニツトと船体とを掛止してい
るチルトロック装置の解除を、ワンタッチにより容易に
行なわしめることを目的としたものである。

即ち、本考案は、船体に対しチルトアップならびにチル
トダウン可能に支持されたアウトドライブユニットにお
いて、船体部材１及びアウトドライブユニット６の部材
間を掛止せるチルトロックを解除せしめるリリースアー
ム１６を、アウトドライブユニット６に回転自在に軸着
せしめ、該リリースアーム１６の一端を、チルト取手１
１の固定シャフト１７の軸端に回転可能に軸着され、か
つその一方の端部の押付部１８ａが該チルト取手１１の
上方に位置するリリースレバー１８の他方の端部リンク
部材１９を介して連結すると共に、該リリースアーム１
６の他端を、船体部材１側のロックピン２１に掛止可能
なチルトロック１２を一端に有し、かつアウトドライブ
ユニット６側に回転可能に軸着されたアスターンレバー
１４の他端に接・離自在に当接せしめ、アウトドライブ
ユニットのチルトロックを手動により解除しうるように
した船舶のアウトドライブユニットのチルトロック解除
装置から構成される。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

まず、第１図に示す本考案の実埠例においては、船体部
材１すなわち船体トランサム１の後尾に取付ポル、トに
より固設せしめたトランサムプレート２の左右２個のア
ーム３番、二対し、□それぞれピン５を支点として軸支
されたスウイベルフオーク４及びすの軸を介して、上下
及び左：右に対し傾動可能に保持されたアウトドライブ
ユニット６は、船体トランサム１内に塔載された図枦さ
れていない内燃機関の出力を、動力軸７から蛇腹状チュ
ーブ８内に内蔵された図示されていないユニバーサルジ
、ヨイント及びアッパギヤケース、９内に内蔵された図
示されていない正逆転用ギヤ、クラッチシャフト及び・
ドライブシャフト等を介して、プロペラに伝達せ・しめ
ている。

さらに、船舶の停船時等において、アウトドライブユニ
ット６をチルトアップせしめる際には、アウトドライブ
ユニットのふた部材１０の後端に設けられたチルト取手
１１により１．・アウトドライブユニット６をスウイベ
ルフオ＝り４を介し、ピン５を支点として矢印Ｕのごと
くチルトアップしており、またその船舶を再度走行せし
める際には、アウトドライブユニット６を矢印り方向に
、所定位置までチルトダウンせしめている。

そこで本考案の実施例においては、アウトドライブユニ
ット６を、矢印り方向にチルトダウンした状態で、船体
トランサム１に対し掛止せしめるチルトロック１２が、
スウイベルフオーク４め軸１３により回動可能に軸着さ
れたアスターンレバー１４の船体トランサム１側に形成
されており、そのチルトロック１２はロックピン２１に
掛止される。

また、アスターンレバー１４におけるチルトロック１２
を猛威した側と反対側の端部と、スウイベルフオーク４
の上部との間にはコイルばね１５が上方に付勢されるよ
うに張架されているので、アスターンレバー１４のチル
トロック１２は、通常スウイベルフオーク４を介してア
ウトドライブユニット６を船体トランサム１に対し掛止
した状態となっている。

次に、第１図及び第２図のごとく、アウトドライブユニ
ット６のアッパギヤケース９の側部にリリースアーム１
６を回動可能に軸着せしめると共に、ふた部材１０の後
端に設けられたチルト取手１１の固定シャフト１７の端
部に回動可能にリリースレバー１８を軸着せしめ、上記
リリースアーム１６の一端とリリースレバー１８の一端
とをリンク部材１９により連結し、連動せしめている。

また、リリースレバー１８のリリースアーム１６との連
結端を船体トランサム１の方向に引張るように、コイル
スプリング２０をふた部材１０とリリースレバー１８の
端部との間に張架せしめている。

このように配置された本考案のチルトロック１２の解除
装置は、常時は第１図の実線に示すごと＜、リリースア
ーム１６のデスターンレバー１４側の端部は引き上げら
れた状態で、アスターンレバー１４とは接触しておらず
、チルトロック１２は掛止状態にある。

そこで、アウトドライブユニット６を矢印Ｕ方向にチル
トアップする時は、片手でチルト取手１１をつかみなが
ら、指または手の平でリリースレバー１８の押付部１８
ａを矢印Ｐ方向に押せば、リンク部材１１９により、リ
リースアーム１６が連動して、アスターンレバー１４の
端部を矢印Ｑ方向に押し下げるので、チルトロック１２
が形成された他端部が矢印Ｒ方向に上がり、チルトロッ
ク１２はロックピン２１から解除されるため、チルト取
手１１を引きあげることができる。

更に、アウトドライブユニット６を矢印り方向にチルト
ダウンすれば、チルトロック１２が自動的に作動し、ア
ウトドライブユニット６を掛止せしめることができる。

本考案の船舶のアウトドライブユニットのチルトロック
解除装置は、上記のように構成されているので、チルト
アップの際のチルトロックの解除を、チルト取手１１を
にぎった片手の指または手の平で、チルト取手１１の上
方の位置するリリースレバー１８の押付部１８ａを押付
けるだけのワンタッチ操作で、リンク部材１９、リリー
スアーム１６を介してアスターンレバー１４を回転させ
ることにより容易に行なうことができ、しかもリリース
レバー１８は、チルトロック解除時にのみ押えるだけで
よく、解除後は離してもよいので、操作が非常に簡単で
あり、またチルトアップの際の時間を短縮することがで
きる。

また、アスターンレパー１４の回転を、リンク部材１９
が一端に連結されたリリースアーム１６の他端をアスタ
ーンレバー１４の端部に当接させて行なうようにしたの
で、てこの原理により、直接アスターンレバー１４を回
転させる場合に比べて小さな力でチルトロック１２８０
ツクピン２１から解除することができ、また小さな力で
解除することができるので、前記操作が極めて簡単であ
るばかりでなく、故障のおそれが殆どない。

また、リンク部材１９は、リリースアーム１６とリリー
スレバー１８との間に最短距離で設けることができるの
で、周辺部品との接触、損傷等のトラブルを生ずるおそ
れがなく、またリリースレバー１８は、その取付箇所と
してチルト取手１１の固定シャフト１７の軸端を利用し
ているので、簡単な構造で、しかも大巾な改造を要する
ことなく、取付けることができる。

しかも、リリースレバー１８は、チルト取手１１をつか
むときに、その上方に位置する押付部１８ａを上から押
付けるだけでよいので、人間工学的にみても有利であり
、手動によるチルトロックの解除を容易にかつ効率よく
行なうことができる。

また、本考案では、チルトロック解除装置により、チル
トロックが完全に解除された状態でアウトドライブユニ
ット６をチルトアップすることができので、チルトアッ
プ荷重を軽減させることができる。

なお、本考案は主として船外機及びアウトドライブユニ
ットを有する小形船舶に対して有効に適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例におけるアウトドライブユニッ
トのチルトロック解除装置要部を示す一部断面の側面図
、第２図は第１図のアウトドライブユニットのふた部材
要部の一部切断の平面図である。 １・・・・・・船体部材（船体トランサム）、４・・・
・・・スウイベルフオーク、６・・・・・・アウトドラ
イブユニット、９・・・・・・アッパギヤケース、１０
・・・・・・ふた部材、１１・・・・・・チルト取手、
１２・・・・・・チルトロック、１４・・・・・・アス
ターンレパ゛−１６・・・・・・リリースアーム、１８
・・・・・・リリースレバー、１８ａ・・・・・・押付
は部、１９・・・・・・リンク部材、２０・・・・・・
コイルスフリング、２１・・・・・田ツクビン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船体に対しチルトアップならひにチルトダウン可能に支
   持されたアウトドライブユニットにおいて、船体部材１
   及びアウトドライブユニット６の部材間を掛止せるチル
   トロックを解除せしめるリリースアーム１６を、アウト
   ドライブユニット６に回動自在に軸着せしめ、該リリー
   スアーム１６の一端を、チルト取手１１の固定シャフト
   １７の軸端に回動可能に軸着され、かつその一方の端部
   の押付部１８ａが該チルト取手１１の上方に位置するリ
   リースレバー１８の他方の端部にリンク部材１９を介し
   て連結すると共に、該リリースアーム１６の他端を、船
   体部材１側のロックピン２１に掛止可能なチルトロック
   １２を一端に有し、かつアウトドライブユニット６側に
   回転可能に軸着されたアスターンレバー１４の他端に接
   ・離自在に当接せしめ、アウトドライブユニットのチル
   トロックを手動により解除しうるようにした船舶のアウ
   トドライブユニットのチルトロック解除装置。