JPS5953439B2 - カルバ−ト等の移動内型枠装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、トンネルアーチコンクリートやボックスカル
バート、或はバットレスのある擁壁コンクリート等の施
工に用いる内型枠装置に関するものである。

従来この種コンクリート構造物の施工には、一般に手組
み手払いによる型枠或は大型の台車に内型枠を整形、剥
離作業のできるように支保して移動自在とした、いわゆ
るセントル方式の型枠装置が適用されている。

しかし、これら従来の型枠施工では、非能率的で多数の
作業員を要したり、或は型枠装置が極めて複雑化して高
価となり、取扱。

いも容易でないという問題がある。

特に、作業空間の狭い小型のトンネルやカルバート等に
おいては施工が極めて困難であったり、施工が不可能と
なる場合もある。

一例として、ボックスカルバートの内寸法ａが１ｍ程度
のものに対する内型枠として第１図を参照して説明する
と、このように小さなカルバートでは、型枠の支保工の
作業性が非常に悪くなるため、現場では作業不可能なも
のとして型枠施工によらない他の工法の採用を余儀なく
しているのが現状である。

したがって、このような小型のカルバートでも作業が可
能であり、しかも能率的で経済的である型枠施工の実現
が大きな技術上の課題となっていた。

本発明の内型枠装置は、かかる状況に鑑み、従来不可能
とされていた小型カルバートの施工が行ない得ると共に
、大型カルバート等の施工においても利用でき、しかも
、従来より構造が簡単で安価に製作でき、操作が容易で
能率的、経済的な施工の実現を目的としてなされたもの
である。

すなわち、本発明装置は、アーチ形状やコの字形状等の
コンクリート内型枠において、頂部で連結した一対の型
枠の内側下部に、型枠と車輪の相対的位置関係を垂直方
向と水平方向等の２つ以上の異る方向に変えることので
きる走行脚車を装着し、この走行脚車の調節操作により
、型枠の竪型と剥離及び型枠移動が簡単な操作により行
なえると共に、型枠内の作業空間を大きく確保すること
のできる、移動内型枠装置を提供せんとするものである
。

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。

図において、Ａ、 Ａはカルバート等の内型枠を正断面
上２つに分割して形成した一対の型枠で、せき板１，１
にバタ材２，２を適当な間隔で取付けて形成されている
。

そして、これらの型枠Ａ。Ａは互にその頂端部において
ヒンジピン３により結合され、ピン３を軸として第１図
矢印ｄのように開閉動されるようになっている。

そして、一対の各型枠Ａ、Ａの下部には、すでに構築さ
れている下部コンクリートＢ上に、施工するカルバート
の長手方向に沿って敷設された一対のレール５゜５上に
載置される型枠移動用の車輪を備えた走行脚車６が装着
されている。

走行脚車６は、型枠Ａに固定された上下方向に長いボッ
クス７と、く字形に形成された支持脚８とを備えている
。

ボックス７には垂直方向のネジ杆９が回動自在に取付け
られ、このネジ杆９にはコマが螺装され、そのコマに突
設されたピン１２がボックス７に設けられた垂直長孔か
ら突出し、このピン１２にく字形支持脚８の垂直部１０
が固着されていると共に、ピン１２の固着個所より下方
位置の支持脚８からは、振れ止ピン１３がボックス７に
設けられた上下方向に長い案内長孔内に突出して設けら
れている。

したがって、ネジ杆９を回動させれば１、それにより上
下方向に移動するピン１２にともなって支持脚８は矢印
ｅのように上下に移動されることになる。

そしてく字形支持脚８はその下端に横方向に派出する傾
斜部１１を有しており、それは垂直部１０の下端から屈
折して先端部が内側下方に位置するように傾斜して形成
されている。

この傾斜部１１にもネジ杆１４がその長手方向に沿って
回動自在に取付けられ、このネジ杆１４にコマが螺装さ
れ、そのコマに突設されたピン１５が傾斜部に設けられ
た傾斜長孔から突出し、これに車輪４を取付けたブラケ
ット１６が固着されている。

したがって、ネジ杆１４を回動させれば、それにより斜
め方向に移動するピン１５にともなって車輪４は矢印ｆ
のように斜め方向に移動されることになる。

このように、走行脚車６は、型枠Ａを支持するとともに
、型枠Ａと車輪４との相対的位置関係を、垂直方向ｅと
斜め方向ｆ （垂直及び水平方向）との２つの異る方向
に移動調節させることができるのである。

本発明装置は前述のように構成されており、施工場所へ
レール５上を押進して運ばれる。

型枠Ａ、 Ａ間の巾調節は傾斜ネジ杆１４を操作して行
ない、また、型枠Ａの高さを設定するには垂直ネジ杆９
を操作して型枠のスラブの上面１６が所定の高さになる
ように行なう。

この場合、せき板１．１の下部を既に打設されている下
部コンクリ−）Ｈに第１図のように接着させるようにす
る。

このようにして型枠の整形が行えることになる。

なお、レール５，５は既に施工されている下部コンクリ
−）Ｂ上におかれる関係で、レール５，５の高さが正確
に定められないから、垂直方向に型枠位置を調節できる
ことは現場作業において極めて重要な働きとなる。

経験上、この様な働きを有する装置のない型枠は非能率
で、取扱いは極めてやっかいである。

次いで、コンクリートＣを打設し、硬化後型枠を剥離す
るには、傾斜ネジ杆１４，１４を操作して行えばよい。

その場合必要とあれば垂直ネジ杆９．９の操作を併用し
て行うこともあるが、傾斜ネジ杆１４による調節部分が
よく設計された装置なら併用操作の必要はない。

剥離後の型枠の形は第２図に示すように、両型枠Ａ、
Ａがピン３から内方に傾動した状態となる。

その後は適当な方法で型枠をレール５，５上を走行させ
、次のコンクリート打設場所に移動し、前述の作業を繰
返して施工を進めて行くのである。

ところで、本発明型枠装置の小型のトンネルやカルバー
トにおいての作業を検討してみると、第１図において、
カルバートの内寸法ａが１ｍであるとした場合、せき板
１，１を普通用いられるメタルフオームとして５．５ｃ
ｍ厚、バター２，２の厚みを６ｃｍとすれば、作業性を
決定的に支配する型枠内側寸法すは７７ｃｍある。

したがって作業具の作業スペースは得られることになる
。

横バタ−（図面には記入していない）を取付けるスペー
スもある。

少し工夫すればａ＝９０ｃｍでも作業可能である。

以上説明したように、本発明型枠装置は、２分割した内
型枠を互にその頂端部で開閉動自在に結合し、これら型
枠の内側下部に、型枠に対して垂直方向及び斜め方向に
移動調節操作のできる型枠移動用の車輪を設けた走行脚
車を装着させたので、型枠の竪型にあたって必要な型枠
間の巾調節及び型枠の高さの調節は、走行脚車の横方向
調節部分及び垂直方向調節部分のそれぞれ単独な操作で
行うことができ、また、型枠の剥離、脱型についても走
行脚車の横方向調節部分の個別操作だけで行うことがで
き、更に、型枠の移動時に求められる型枠の縮型も、走
行脚車の横方向調節部分及び垂直方向調節部分のいずれ
か一方を操作し或はその両方を個別操作するだけでよく
、したがつて、型枠の竪型、剥離、縮型の各操作が著し
く簡易なものとなり、作業能率が大巾に向上する。

しかも、走行脚車は、横方向と垂直方向との調節が自在
で、カリ車輪を備えたものであるから、構造が簡単で安
価に製作できると共に、小型のものにできるので、型枠
間の作業空間が広く確保でき、従来殆んど不可能とされ
ていた小型カルバートの施工が可能となる等その効果は
甚大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例の移動内型枠装置による施工状
態を示したもので、第１図は型枠竪型時の状態を示す正
断面図、第２図は型枠の剥離状態を示す正断面図である
。 Ａ・・・・・・型枠、Ｂ・・・・・・下部コンクリート
、Ｃ・・・・・・打設コンクリート、１・・・・・・せ
き板、２・・・・・・バフ材、３・・・・・・ピン、４
・・・・・・車輪、５・・・・・・レール、６・・・・
・・走行脚車、７・・・・・・ボックス、８・・・・・
・く字形支持脚、９，１４・・・・・・ネジ杆、１２・
・・・・・ピン、１３・・・・・・振れ止ピン、１６・
・・・・・ブラケット。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １２分割して形成した一対の内型枠を、互にその頂端部
   において開閉動自在に結合し、各内型枠の内側下部には
   上下方向にボックスを固定し、該ボックスにく字形に形
   成された支持脚を上下方向に移動調節自在に設けるとと
   もに該支持脚の横方向部分にその長手方向に沿って車輪
   を移動調節自在に設けた走行脚車を装着したことを特徴
   とする、カルバート等の移動内型枠装置。