JPS5951813B2 - スライドフアスナ−用務歯の成形植付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は横断面ははＹ形等の異形状を成す務歯用線材
から務歯を切断してテープに一定ピッチで取付けてスラ
イドファスナー用ストリンガを製造するスライドファス
ナー用務歯の成形植付装置に関するものである。

従来のこの種の成形植付装置としては出願人は既に特公
昭４６−７０１６号公報記載の「ファスナー用務歯植付
機における務歯成形装置」を開発し特許取得している。

この務歯成形装置は、偏心輪機構によって水平往復動す
る主ラムの前端部に務歯用線材挿通孔を有するシャーリ
ングダイ （カッティングダイ）および゛出出しダイ
（フォーミングダイ）を設けるとともにこの主ラムと共
動する副ラムにシャーリングナイフ（カッティングパン
チ）を取付け、この副ラムに山出しパンチ（フォーミン
グパンチ）が取付けられたパンチホルダーを軸着し、こ
のパンチホルダーが主ラムの移動により作動して務歯の
噛合頭部を成形し、さらに、主ラムの駆動によりサイド
ハンマーを作動させるようにしたものである。

しかしながらこの装置の場合、主ラムの移動は偏心輪機
構からとっているため前端・後端で停止せず、そのため
山出しパンチは主ラムと共動しながら下降する機構とせ
ねばならずその共動機構が複雑となり、さらに山出しパ
ンチは務歯に対して近似直線（円弧）で食い込むため成
形加工精度に多少難点が生じる欠点がある。

また、サイドハンマの作動を主ラムの運動からとってい
るため、務歯の植付とストリンガ−フィードとを主副両
ラムの前進・後退の折返し時において無理な作動を起さ
ないようにしようとそでも前端停止がないため務歯の植
付およびストリンガ−フィードを高速で安定して行なう
ことが困難であった。

即ち、主副ラムの前端停止区間がないため務歯の植付後
主副両ラムが直ちに後退しストリンガ−フィードの不充
分な状態で山出しダイか後退することになるため、植付
られた務歯が山出しダイに引っかかって務歯が斜めに取
付けられるような不都合が生じていた。

また、他の従来技術として知られている米国特許第２７
６３０５１号のファスナーストリンガ製造装置は、メイ
ンラムの駆動を駆動カムとこの駆動カムを両側から挾む
フォローラグとで行ない、その他の駆動は偏心輪機構で
行なっている。

しかしながら、このような装置は、フォーミングパンチ
がメインラムに対して円弧で食い込むため加工精度に問
題がある。

またフォローラグ７Ｓｆ前後で独立していないため、ガ
タを許さないとすれば前端停止、後端停止、運動曲線の
選択に制約が出て高速化には不向きである。

さらに、駆動カムとフォローラグとは滑り接触している
ことからも高速化に不向きである。

また、米国特許第２８０４６７７号のファスナーストリ
ンガ製造装置は、クランク機構により上下動するラムか
らフォーミングパンチの動力と水平往復動ラムの動力と
を取っているが、フォーミングパンチ動力は垂直上下動
であるからよいが、水平方向に移動するラムを上下方向
の動力から取るのはガ゛りやロス力を出やすい。

そのためフォーミングパンチが正確に上下動してもラム
が確実に運動停止しないと務歯用線材の切断成形が不安
定になる。

この発明は以上のような従来の問題点を解消すべく開発
されたもので、その目的は精度良くかつ高速で務歯の成
行植付を行なうことができ、然かも耐久性に優れたスラ
イドファスナー用務歯の成形植付装置を提供することに
ある。

□以下この発明を図示する一実施例に基づいて説明
する。

第２図に示すように装置架台１には第一ラム２がラムガ
イド３を介して水平方向に往復動自在に支持さ：れ、こ
の第一ラム２の前端部には横断面が例えばＹ字形を成す
務歯用異形線材Ｗが挿通する挿通孔４ａを有するカッテ
ィングダイ４および務歯Ｅの噛合頭部成形用のフォーミ
ングダイ５が第一ラム２の前進方向に向かって順に設け
られている。

第一ラム２の前部における上方には架台１・に支持され
たセットプレート６が位置し、このセットプレート６に
はラムガイド７が取付けられている。

ラムガイド７には第３図に示すように案内溝７ａが設け
られ、この案内溝７ａに第二ラム８が第一ラム２の水平
往復動に対し垂直上下動自在に設けられている。

この第二ラム８の前面にはパンチホルダ９を介して務歯
Ｅの噛合頭部成形用のフォーミングパンチ１０および噛
合頭部成形時に務歯Ｅの両脚部を押えるプレッシャーパ
ット１１が取付けられている。

さらに、ラムガイド７の下端には第一ラム２の前部にお
ける上面に摺接するようにカッティングパンチ１２か個
宛されている。

フォーミングダイ５の両側には第５図に示すように一対
のサイドパンチ１３が設けられ、これにより噛合頭部Ｃ
が形成された務歯Ｅの脚部り、 Ｌを両側から挾圧し
務歯ＥをテープＴに加締めによって植付ける。

第２図および第５図に示すようにカッティングダイ４の
挿通孔４ａには務歯用異形線材Ｗが線材フィードローラ
１４およびガイドローラ１５によって務歯Ｅの厚さ分だ
け間歇的に供給される。

異形線材Ｗと同様にテープＴは下部から供給されテープ
ガイド１６に案内され、務歯Ｅが取付けられスライドフ
ァスナーストリンガＳとなってストリンガフィードロー
ラ１７およびプレッシャーローラ１８によって間歇的に
引き上げられる。

以上のような各作動部に対して、第一ラム２の後部にお
ける上方には駆動出力軸１９が設けられ、この駆動出力
軸１９には、第一ラム駆動用カム２０、フォーミングパ
ンチ作動用カム２１、サイドパンチ作動用カム２２、ス
トリンガフィード用カム２３および゛線材フィード用カ
ム２４が形成されている。

各カム２０，２１，２２，２３および２４はそれぞれカ
ム従節−構２５． ２６． ２７．２８および２９によ
り各作動部２，１０，１３．１７および１４に接続され
、これら各作動部を作動させる。

第ｉラム２のカム従節機構２５はカム２０に転接す：る
ローラ２５ａであり、このローラ２５ａは第一ラム２の
後部に軸着されるとともに第一ラム２は圧縮ばね３０に
より前進方向に付勢されているため、カム２０が回転す
れば第一ラム２は水平方向に往復動することになる。

さらに、カム２０の形状は第一ラム２が前端位置および
後端位置で所定時間停止するように成形されている。

フォーミングパンチ１０のカム従節機構２６はカム２１
に転接するローラ２６ａと、このローラ２６ａが一端に
軸着されかつ中央部が装置本体に軸着されたレバー２６
ｂと、このレバー２６ｂの他端に取付けられかつ第二ラ
ム８の頭部に当接するピン２６Ｃとレバー２６ｂを復帰
させる圧縮ばね３７とからなる。

また、第二ラム８にはこのラムを上方に付勢する圧縮ば
ね３１が内蔵されており、カム２１によりレバー２６ｂ
が揺動して第二ラム８が下降し、圧縮ばね３１により元
位置に復帰することになる。

サイドパンチ１３のカム従節機構２７は、カム２２に転
接するローラ２７ａと、このローラ２７ａが一端に軸着
され下方に向かって延在するとともに中央部が架台１に
軸着されたレバー２７ｂと、このレバー２７ｂの他端に
中央部が軸着されたリンク２７Ｃと、このリンク２７Ｃ
の先端部を後部に軸着している第三ラム２７ｄと、サイ
ドパンチ１３が上部において当接しておりかつ中央部が
軸着された作動レバー２７ｅとからなる。

第５図に示すように第三ラム２７ｄの先端部における側
面は外方に向かって広がるカム面２７ｆとされるととも
に作動レバー２７ｅの下端部にはカム受け２７ｇが設け
られ、このカム面２７ｆとカム受け２７ｇにより第三ラ
ム２７ｄが後退すれば作動レバー２７ｅが揺動しサイド
パンチ１３を作動させる。

第三ラム２７ｄの元位置への復帰は圧縮ばね３２によっ
て行なわれる。

ストリンガフィード用のカム従節機構２８は、第５図に
示すようにカム２３に転接するローラ２８ａと、このロ
ーラ２８ａが一端に軸着されるとともに他端にもローラ
２８Ｃが軸着されかつ中央部が軸着された第一レバー２
８ｂと、ローラ２８ｅにより下方に揺動しかつ引張りば
ね３３によって上方に付勢された第ニレバー２８ｄとか
らなる。

このような第ニレバー２８ｄの基端には一方向クラッチ
（図示せず）が゛中間部に介設されたストリンガフィー
ドローラ１７の伝達軸３４が接続され、これによりスト
リンガフィードローラ１７は一方向のみに間歇的に回転
しストリンガＳを送ること（ごなる。

線材フィード用のカム従節機構２９は、カム２４に転接
するローラ２９ａと、このローラ２９ａが一端に軸着さ
れたスライダー２９ｂと、このスライダー２９ｂの他端
に取付けられたラチェツＩ・２９Ｃと、このラチェツ）
２９Ｃによって一方向にのみ所定角度づつ間歇回転する
ラチェットホイール２９ｄとからなる。

このようなラチェットホイール２９ｄと線材フィードロ
ーラ１４とは伝達軸３５によって接続され、線材フィー
ドローラ１４は間歇的に線材Ｗを供給することになる。

スライダー２９ｂの元位置復帰は圧縮ばね３６によって
行なわれる。

以上のようなカムの動力伝達機構において、第一ラム２
の運動に対して各作動工程が次表のようなタイミングと
なるように各カム２０． ２１． ２２．２３．２４の
形状および相互位相が設定される。

すなわち、次のような工程によって務歯の成形植付が行
なわれる。

■ 第６図Ａ、 Ｂに示すように第一ラム２の前端停
止において異形線材Ｗの送りを完了し、異形線材Ｗを所
定厚さだけカッティングダイ４」二に突出させる。

この工程の前半において既に務歯Ｅの植付けが完了して
おり、スライドファスナーストリンガＳはこの植付けが
完了し、サイドパンチ１３，１３が務歯脚部り、 Ｌ
から離れると直ちに引き上げが開始され務歯Ｅの噛合頭
部Ｃがフォーミングダイ５から外れた時点から第一ラム
２が後退する。

そのため、植付けられた務歯が、第一ラム２によって後
退作動するフォーミングダイ５に引っかかることはない
。

■ 次に、第７図に示すように第一ラム２が後退して異
形線材Ｗの切断が行なわれる。

この後退の際にストリンガの引上げが完了する。

■ 次いで、第８図Ａに示すように第一ラム２の後端停
止において噛合頭部Ｃが成形される。

第８図Ｂに示すようにこの停止時においてサイドパンチ
１３が作動し始め務歯Ｅを脚部り、 Ｌを介して両側
から挾持している。

■ そして、第９図に示すように第一ラム２の前進途中
からサイドパンチ１３により植付が開始され、然る後筒
−ラム２が前端停止に至り最初の第６図Ａ、 Ｈの工
程に連続する。

次に、第一ラム２の往復動は主仕事の方向をカム２０で
駆動し、戻り方向を復帰ばね３０で行なうことが多いが
、このような方法では高速化するにつれて復帰ばねを強
めていかなければならない。

したがって高速化において復帰ばねを使用しない方法も
ある。

第１０．１１図に示すのは第一ラム２の駆動に復帰ばね
を使用しない方法の一例である。

すなわち、第一ラム駆動用カムを二つのカム３８．３９
とし、これらカム３８，３９に転接するローラ４０．４
１を第一ラム２に設け、カムのどのような回転位置でも
カムとローラ間に隙間ができないように構成されている
。

このような構成であれば２個のローラ３９，４０がそれ
ぞれ独立したカム３７．３８と接触しているので、カム
回転のどの位置でも隙間ができないという条件を守りつ
つ高速性能の良い運動停止曲線とタイミングの割付を実
由に選択できる。

なお、以上は横断面はぼＹ字形の異形線材を使用し普通
の務歯を成形植付けする場合について説明したが、第１
２図、第１３図に示すように隠しファスナについてもサ
イドパンチ１３の形状及びカム等を適宜変更することで
有効に適用できることはいうまでもない。

この発明は以上のような構成からなるので次のような効
果を奏する。

■ 本発明の装置は、各成形加工作動部に与える基本動
力伝達を精度の良い個々のカム機構にしているので、カ
ム機構は他の動力伝達機構例えばクランク機構よりも運
動距離、速度、加速度、タイミング等を大巾な自由度で
選択し得ることからして、仕事（成形加工目的）に合っ
た無駄あるいは無理のないカム形状、タイミングの割り
付けができることとなり、スライドファスナー用務歯の
成形植付は装置として望むところの充分な高速化とバラ
ンスめとれた無理のない装置、即ち耐久性に優れた装置
である。

・また、本装置は上述の如く各成形加工作動部に与える
基本動力伝達を個々のカム機構により行なっており、そ
のカムの運動曲線、タイミング等を大巾に自由に選べる
ためカム、成形型を適宜変更するだけで普通務歯の成形
植付けに変えて例えば隠しスライドファスナーの務歯の
成形植付けも精度よく高速化にできる。

■ 務歯成形素材たる異形線材の切断、成形、植付けの
各工程で最も重要な働きをする第一ラムがリンク、継手
等を介さず、直接メインシャフトたる駆動出力軸のカム
動力を受けて水平往復動する。

特に、異形線材切断後の務歯成形では第一ラムが後端で
確実に停止していないと務歯成形（噛合頭部成形）に悪
影響をおよぼし、フォーミングパンチ、フォーミングダ
イの型寿命を悪くするが、本装置では第一ラムの動力伝
達はリンク、継手等のつなぎを介していないため、動力
伝達経路におけるつなぎ部のガタは現われず、第一ラム
の確実かつ正確な前端停止と後端停止とができると共に
、噛合頭部を成形するフォーミングパンチも前記第一ラ
ムに固着されているフォーミングダイの確実かつ正確な
後端停止時において最も好ましい垂直上下運動で未成形
の務歯に噛合頭部成形を行なうことになるため、務歯の
高速成形が精度よく安定して行ない得る。

また、フォーミングパンチ、フォーミングダイに無理が
かからないため務歯成形型の型寿命を長くできる。

等その効果は極めて顕著である。

【図面の簡単な説明】 第１図はスライドファスナーストリンガ−を示す正面図
、第２図はこの発明に係るスライドファスナー用務歯の
成形植付装置の中央縦断側面図、第３図は第２図のＩＩ
Ｉ−ＩＩＩ線断面図、第４図は第２図の上部カバーを除
いて上方から見た平面図、第５図は第３図の斜視図、第
６図ないし第９図は作動工程順に示した概略工程図で、
第６図Ａ、第７図、第８図Ａ、第９図は縦断面側面図、
第６図Ｂ、第８図Ｂは平面図であり、第１０図、第１１
図は第一ラムの作動機構の第二実施例を示す平面図、断
面図、第１２図、第１３図は隠しファスナーの場合を示
す平面図である。 １・・・・・・装置架台、２・・・・・・第一ラム、３
・・・・・・ラムガイド、４・・・・・・カッティング
ダイ、４ａ・・・・・・務歯用線材挿通孔、５・・・・
・・フォーミングダイ、６・・・・・・セラＩ・プレー
ト、７・・・・・・ラムガイド、７ａ・・・・・・案内
溝、８・・・・・・第二ラム、９・・・・・・パンチホ
ルダ、１０・・・・・］フォーミングパンチ、１１・・
・・・・プレッシャーバット、１２・・・・・・カッテ
ィングパンチ、１３・・・・・・サイドパンチ、１４・
・・・・・線材フィードローラ、１５・・・・・・ガイ
ドローラ、１６・・・・・・テープガイド、１７・・・
・・・ストリンガフィードローラ、１８・・・・・・プ
レッシャーローラ、１９・・・・・・駆動出力軸、２０
・・・・・・第一ラム駆動用カム、２１・・・・・・フ
ォーミングパンチ作動用カム、２２・・・・・・サイド
パンチ作動用カム、２３・・・・・・ストリンカ゛フィ
ード用カム、２４・・・・・・線材フィード用カム、２
５，２６，２７，２８．２９・・・・・・カム従節機構
、２５ａ・・・・・・ローラ、２６ａ・・・・・・ロー
ラ、２６ｂ・・・・・・レバー、２６Ｃ−・・・・・ピ
ン、２７ａ・・・・・・ローラ、２７ｂ・・・・・・レ
バー、２７Ｃ・・・・・・リンク、２７ｄ・・・・・・
第三ラム、２７ｅ・・・・・・作動レバー、２７ｆ・・
・・・・カム面、２７ｇ・・・・・・カム受け、２８ａ
・・・・・・ローラ、２８ｂ・・・・・・第一レバー、
２８Ｃ・・・・・・ローラ、２８ｄ・・・・・・第ニレ
バー、２９ａ・・・・・・ローラ、２９ｂ・・・・・・
スライダー、２９Ｃ・・・・・・ラチェット、２９ｄ・
・・・・・ラチェットホイール、３０，３１，３２，３
３，３６．３７・・・・・・ばね、３４・・・・・・伝
達軸、３５・・・・・・伝達軸、３８．３９・・・・・
・カム、４０，４１・・・・・・ローラ。 ＼

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 往復動自在に架台に支持された第一ラムの前端部に
   務歯用線材挿通孔を有するカッティングダイおよび噛合
   頭部成形用のフォーミングダイを設け、この第一ラム前
   端部における上面にカッティングパンチ、上方に噛合頭
   部成形用のフォーミングパンチ、側方に務歯植付用のサ
   イドパンチを設けてなるスライドファスナー用務歯の成
   形植付装置であって、駆動出力軸に第一ラム駆動用カム
   、フォーミングパンチ作動用カム、サイドパンチ作動用
   カムを設け、この各カムと第一ラム、フォーミングパン
   チ、サイドパンチをそれぞれカム従節機構で接続しフォ
   ーミングパンチとこのパンチのカム従節機構との間には
   第一ラムに対して垂直方向に往復動自在に支持された第
   二ラムを介設し、前記第一ラム駆動用カムの形状を第一
   ラムの往復動の前端位置および後端位置で第一ラムが適
   宜停止するように形成し、前記第一ラムの前端停止直前
   から前端停止中にわたって前記サイドパンチが作動し、
   前記第一ラムの後端停止中に前記フォーミングパンチが
   作動するように各カムの形状および相互位置を設定しで
   あることを特徴とするスライドファスナー用務歯の成形
   植付装置。