JPS5922900Y2 - スライドフアスナ−の止金取付機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスライドファスナーの製造工程において、平角
線を切断成形して止金具を成形すると同時にファスナー
チェーンのエレメント上端部または下端部に締着する止
金取付機に関し、特に平角線の送り装置に新規な改良を
施した止金取付機を提供するものである。

この種の止金取付機としては特公昭４２−１６８３５号
に開示されているものが知られている。

ところがこの従来装置は平角線の送り装置としてカッタ
シャフトの上下運動を送り装置の揺動レバーの揺動運動
に変換して送りを行なっているため揺動レバーの揺動範
囲を大きく取れず、そのため平角線の送りストロークを
大きくできず、したがって大型のスライドファスナーに
は使用困難であった。

本考案は送り装置の揺動レバーを、駆動軸から歯車を介
して回転せしめられるカムによって揺動させるようにし
て、送リス１〜ロークを大きく取れるようにしたスライ
ドファスナーの止金取付機を提供することを目的とする
。

以下、図面に示す実施例に基いて本考案を詳述する。

第１図および第２図において、１はフレーム２の上部に
軸受３を介して横架された駆動軸で、この駆動軸１の後
端には一回転クラッチ４を介して■プーリ５が連結され
、前端には駆動歯車６が固定されている。

駆動歯車６の前面には、偏心位置にクランクピン７が突
設されている。

このクランクピン７には、前後二枚のクランクリンク８
．９が回転自在に枢支されている。

後部側のクランクリンク８の下端部にはピン１０が枢支
され、このピン１０にパンチシャフト１２か′固定され
ている。

前部側のクランクリンク９の上端にはピン１１が枢支さ
れ、このピン１１にカッタシャフト１３が固定されてい
る。

パンチシャフト１２とカッタシャフト１３は、相互に摺
動可能に重ね合され、フレーム２に縦方向に形成された
摺動孔１４に摺動自在に挿入されている。

カッタシャフト１３の下端部には、カッタ１５がねじ１
６を介して固定されている。

カッタ１５は第３図イに示すように、上下方向に貫通し
、かつ、後部側に開口した切欠溝１５ ａを有しており
、また上端が平担面１５ ｂに形成されているのに対し
、下端が左右方向の端部側が下方で中心側はど切欠溝１
５ａの上方に向かう下床がりの傾斜面１５ Ｃ，１５Ｃ
に形成されている。

また、カッタ１５は、左右方向の一側面（第１図におい
て平角線Ｗの供給側）にＷ字状に切欠された刃部１５ｄ
を有しているとともに、刃部１５ｄと反対側の側面に外
方に突出する突出部１５ｅを有しており、前記突出部１
５ｅの下面が、前部側が下方となる前部がりに傾斜する
カム面２５となっている。

このように形成されたカッタ１５の切欠溝１５ ａには
、パンチ１７が上方から嵌入される。

パンチ１７は、下端面が上方に湾曲した弧状面１７ａに
形成され、上端部に左右方向に突出する係止突部１７ｂ
を有している。

パンチ１７は、第１図、第２図に示すように、下端がカ
ッタ１５の傾斜面１５ Ｃ，１５Ｃの外方両端縁よりも
下方に突出している。

カッタ１５の側方（第１図左方）に位置して案内孔１８
を有するダイブロック１９がフレーム２に固定されてい
る。

このフレーム２の下端には、パンチ１７の下方に相対向
したベンダ２０を一体に備えたストッパ部材２１が、ガ
イド金具２２を介して摺動自在に支持されている。

こおス）ヘツパ部材２１の側部（第１図右側部）には、
第３図口に示すように、ストッパ片２３が一体に設けら
れ、このストッパ片２３の−Ｌ部にカム面２４が形成さ
れている。

このカム面２４は、前記カッタ１５の一側面に形成され
たカム面２５に相対向する傾斜面となっている。

ストッパ部材２１は、圧縮ばね２６によって前方に付勢
されており、後端の係止突起２７がフレームに固着され
た係止板２８に係止している。

２９は、カッタ１５およびパンチ１７の下方に位置して
基台３０に固定されたセツティングダイで゛、その上面
には出没自在のチェーンストッパ３１が設けられ、後部
にはチェーンガイド３２が取付けられている。

カッタ１５およびパンチ１７の側方（第１図左方）には
、平角線送り装置Ａの揺動アーム３３が軸３４を介して
フレーム２に枢支されている。

駆動軸１の駆動歯車６に噛み合う従動歯車３５は、フレ
ーム２に軸受３６を介して支持された軸３７に固定され
ている（第４図参照）。

この従動歯車３５の前部にはカム３８が一体に設けられ
、このカム３８は揺動アーム３３に設けたカムローラ３
９に接触している。

揺動アーム３３は、引張りばね４０によってフレーム２
の方向に付勢されている。

４１は揺動アーム３３の揺動範囲を調節する調節ねしで
ある。

揺動アーム３３の下端には、平角線送り用クランプ装置
４２が設けられている。

このクランプ装置４２は、揺動アーム３３の下端に枢支
され、巻ばム４３によって反時計方向に付勢されたグリ
ッパ４４と、ポル１へ４５および長孔４６を介して上下
方向調節可能に揺動アーム３３に固定されたガイド片４
７とからなり、このガイド片４７の下端の案内面４７′
とグツツバ４４の突起４４′との間で平角線Ｗをクラン
プするようになっている。

送り用クランプ装置４２の側方には、逆止用クランプ装
置４８が設けられている。

この逆止用クランプ装置４８は、基台３０に固定されて
いるブラケツ１−４９に支持片５０を介して枢支され、
巻ばね５１によって反時計方向に付勢されたグリッパ５
２と、ポルｌ〜５３および長孔５４を介して上下方向調
節可能にブラケット４９に固定されたガイド片５５とか
らなる。

次に上記装置の動作を第５図ないし第８図に基いて説明
する。

■プーリ５は、モータ（図示せず）によって常時回転し
ており、起動スイッチ（図示せず）をオンにすると、一
回転クラッチ４が入り駆動軸１が一回転する。

これに伴ってクランプピン７、クランクリンク８，９、
クラン・クピン１０．１１か゛第６図のごとき運動軌跡
を通って移動し、パンチシャフト１２およびカッタシャ
フト１３が夫々違った速度で上下方向に全く同時に往復
動する。

すなわち、駆動軸１の回転停止時においては、クランプ
ピン７が第６図に示すごとく最上昇点Ｍ１にあり、パン
チシャフト１２および゛カッタシャツＩ・１３のピン１
０、１１は、各々Ｐ、、Ｃ，に位置している。

この時、カッタ１５はパンチ１７の係止突部１７ ｂの
下面を平担面１５ｂで係止することによりパンチ１７を
保持しており、また平角線送り装置Ａから供給された平
角線Ｗはストッパ部材２１のストッパ片２３に当接して
待機状態となっており、パンチ１７は十°端がカッタ１
５の下端よりも下方に突出している（第８図イ）。

この状態から駆動軸１の一回転によって、クランクピン
７はＭ１→Ｍ２→Ｍ３→Ｍ４の順に、ピン１０はＰｌ−
→Ｐ２→Ｐ３→Ｐ４の順に、ピン１１はＣ１→Ｑ→Ｃ３
→Ｃ４の順に各々移動する。

クランクピン７がＭ２に移動すると、ピン１１はＣ１か
らＣ２に、ピン１０はＰｌからＰ２に夫々移動して、カ
ッタシャフト１３とパンチシャフト１２を第６図に示す
ごとくＬと１□の距離だけ下降させる。

この場合の下降距離Ｌ１と１１を比較すると、カッタシ
ャフト１３の下降距離Ｌ１の方かパンチシャフト１２の
下降距離１、よりも遥かに大で゛あるため、カッタシャ
フト１３が大きくト″降する。

カッタシャフト１３の下降途中において、パンチ１７は
、カッタ１５とともに下降するが、パンチ１７の弧状面
１７ａの両端縁が平角線Ｗ七に当接するから、上端か゛
パンチシャフト１２の下面に接するまで゛の開平角線Ｗ
により下降を停止さ比その間カッタ１５のみか゛下降す
る。

（第８図口）。パンチ１７が平角線Ｗにより下降を阻止
されている間に、カッタ１５はさらに下降し、その刃部
１５゜ｄが平角線Ｗに作用して、ダイブロック１９の端
部で平角線Ｗを切断するとともに、切断された平角線を
切欠溝１５ａでベンダ２０に圧接せしめて逆Ｕ字形に新
曲し、止金具Ｓを形成する。

（第８図）＼）。このように止金具Ｓを成形した後、カ
ッタシャフト１３はさらに下降し、カム面２５でスＩ・
ツノＺ部村２１のカム面２４を押し、ストッパ部材２１
を後退させる。

この時、止金具Ｓは、ベンダ２０から離脱するが、カッ
タ１５の切欠溝１５ａ内で外方に拡がろうとする弾発力
により保持されている。

次に、クランクピン７が第６図の中間点Ｍ２から最下点
Ｍ３に達すると、カッタシャフト１３のピン１１はＣ２
からＣ３に、パンチシャフト１２のピン１０はＰ２から
Ｐ３に各々下降する。

この際、第６図に示すように、今度は逆にパンチ１７の
下降距離１２がカッタ１５の下降距離Ｌ２より遥かに大
きくなるため、パンチ１７がカッタ１５の切欠溝１５
ａ内を下降し、カッタ］５の切欠溝１５ａ内に保持され
ている止金ｉ−３をセツティングダイ２９上に載置され
たファスナーチェーンＦに第７図のごとく締着固定する
（第８図１）。

このようにして止金具Ｓの取付けが完了すると、クラン
プピン７は、さらに駆動軸１の回転に伴なってＭ４−９
Ｍ１に、ピン９はＣ４→Ｃ１に、ピン１０はＰ４−→Ｐ
１に夫々移動して待機状態に復帰する。

一方、平角線送り装置Ａは、前記復帰運動中に動作する
。

すなわち、クランクピン７が最下点Ｍ３に達した時点で
、カム３８の長径部分３８′がカムローラ３９を押すこ
とにより、軸３４を中心に、揺動レバー３３は第１図左
方に揺動し、長径部３８′が通過し終ると引張ばｂ４０
によって右方に揺動する。

揺動レバー３３は、左方への揺動時に第５Ａ図のように
ガイド片４７案内面４７′とグリッパ４４の突起４４′
との間で平角線Ｗにすべりを生じながら揺動し、第５Ｂ
図の最左点まで移動する。

続いて揺動レバー３３は右方への揺動時に第５Ｃ図のよ
うに案内面４７′と突起４４′との間で平角線をクラン
プし右方に引き寄せる。

なお、第５Ａ図、第５Ｂ図の状態では、逆止用クランプ
装置４８によって平角線の逆移動が防止されている。

揺動レバー３３の右移動によって送られた平角線Ｗはダ
イブロック１９の案内孔１８を通り、その先端はストッ
パ部材２１のストッパ片２３に当って位置決めされる。

以上で１サイクルの工程が終了し、以下ファスナーチェ
ーンを駆動させて上述の動作をくり返すことにより止金
具Ｓが次々とファスナーチェーンの所定位置に取付けら
れる。

以−ヒのように本考案によれば駆動軸の回転を歯車を介
してカムに伝え、該カムの回転で送り装置の揺動レバー
を揺動させるようにしたので、カムの形状によって揺動
範囲を任意に大きくすることができると共に、駆動軸と
揺動レバー間は歯車が介在するだけであるので両者の間
隔を小さくでき、装置が小型化できる利点がある。

したがって本考案の止金取付機は大型のスライドファス
ナーの止金取付けに有効に利用される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる止金取付機の一実施例を示す一
部切欠側面図、第２図は同上の止金取付機の一部切欠正
面図、第３図イはカッタとパンチの分解斜視図、第３図
口はカッタとストッパの連動関係を示す斜視図、第４図
は第１図のＩＶ−ＩＶ線断面図、第５図は平角線の送り
動作を示す説明図、第６図はリンク機構の作動を示す説
明図、第７図はファスナーチェーンへ下止金具を取付け
る状態を示す斜視図、第８図はリンク機構によるカッタ
とパンチの動作説明図である。 １゛駆動軸、６：駆動歯車、７：クランクピン、８．９
：リンク、１２：パンチシャツｌ〜、１３：カッタシャ
フト、１５：カッタ、１７：パンチ、３５：従動歯車、
３３：揺動レバー、３８：カム、３９：カムロラ、４２
：クランプ装置、Ｗ：平角線、Ａ：平角線送り装置。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）駆動軸の回転をリンク機構を介してカッタおよび
   パンチに伝達して平角線の切断、成形およびファスナー
   チェーンへの締着を行なう止金取付機において、前記駆
   動軸の回転をカムの回転運動に変換し、このカムの回転
   運動を揺動レバーの揺動運動に変換し、揺動レバーに設
   けたクランプ装置によって平角線をクランプして平角線
   を前記カッタおよびパンチ下方に送るようにしたことを
   特徴とするスライドファスナーの止金取付機。
2. （２）駆動軸に、リンク機構を枢支するクランクピンが
   固定された駆動歯車を固定し、この駆動歯車に従動歯車
   を噛み合わせ、この従動歯車にカムを固定してなる実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のスライドファスナーの
   止金取付機。