JPS5951498B2 - 針状晶α−FeOOH粒子粉末の製造法 - Google Patents

針状晶α−FeOOH粒子粉末の製造法

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JPS5951498B2
JPS5951498B2 JP55058515A JP5851580A JPS5951498B2 JP S5951498 B2 JPS5951498 B2 JP S5951498B2 JP 55058515 A JP55058515 A JP 55058515A JP 5851580 A JP5851580 A JP 5851580A JP S5951498 B2 JPS5951498 B2 JP S5951498B2
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啓三 森
嘉郎 奥田
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁気記録用磁性酸化鉄粒子粉末を製造する際
に出発原料として使用される針状晶α−FeOOH粒子
粉末の製造法に関するものであり、反応系における第二
鉄イオンからの針状晶α一FeOOH粒子の生成反応を
防止して、第一鉄塩水溶液からの針状晶α−FeOOH
粒子の生成反応のみを生起させることにより、針状晶を
有し、且つ粒度が均斉であり、また、樹枝状粒子が混在
しない針状晶α−FeOOH粒子粉末を得ることを目的
とする。
近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化が進むにつれて
磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対する高
性能化の必要性が益々生じてきている。
すなわち、高密度記録特性、高出力特性、高感度特性、
周波数特性等の諸特性の向上が要求されている。磁気記
録媒体に対する上記のような要求を満足させる為に適し
た磁性材料の特性は、高い保磁力Hcと大きな飽和磁化
Osとを有することである。
周知の如<、磁性粒子粉末の保磁力の大きさは、形状異
方性、結晶異方性、歪異方性および交換異方性のいずれ
か若しくはそれらの相互作用に依存している。また、磁
気テープ、磁気ディスク等磁気記録媒体の出力特性、感
度特性は、残留磁束密度Brに依存し、残留磁束密度B
rは、磁性粒子粉末のビークル中での分散性、塗膜中で
の配向性及び充填性に依存している。
そして、ビークル中での分散性、塗膜中での配向性及び
充填性を向上させるためには、ビークル中に分散させる
磁性粒子粉末が針状晶を有し、且つ粒度が均斉であり、
また、樹枝状粒子が混在していない事が要求される。
現在、磁気記録用材料として主に針状晶マグネタイト粒
子粉末または、針状晶マグヘマイト粒子粉末が用いられ
ている。
これらは一般に、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを
反応させて得られるFe(0H)。を含むPHII以上
の水溶液を空気酸化し(通常、「湿式反応」と呼ばれて
いる。)て得られる針状晶α−FeOOH粒子を、水素
等還元性ガス中300〜400℃で還元して針状晶マグ
ネタイト粒子とし、または次いでこれを、空気中200
〜300℃で酸化して針状晶マグヘマイト粒子とすJる
ことにより得られている。現在、磁気記録用磁性粒子粉
末として使用されている針状晶マグネタイト粒子粉末、
又は、針状晶マグヘマイト粒子粉末は、その形状に由来
する異方性を最大限利用することにより、比較的高い2
保磁力を得、その配向性を利用して比較的大きな角型(
Br/Bm)を得ているものであるが、更に、針状晶マ
グネタイト粒子粉末並びに針状晶マグヘマイト粒子粉末
の特性をよりすぐれたものとすべく、研究開発がすすめ
られている。
二上述したように、針状晶を有し、且つ、粒度が均斉
であり、また、樹枝状粒子が混在しない針状晶磁性酸化
鉄粒子粉末は、現在、最も要求されているところであり
、このような特性を備えた磁性酸化鉄粒子粉末を得るた
めには、出発原料であるこ針状晶α−FeOOH粒子が
針状晶を有し、且つ、粒度が均斉であり、また樹枝状粒
子が混在しないことが必要である。従来、PHII以上
のアルカリ領域で針状晶α一FeOOH粒子を製造する
方法として最も代表的なこ公知方法は、第一鉄塩溶液に
当量以上のアルカリ水溶液を加えて得られるFe(0H
)。
を含む水溶液をPHII以上にて80℃以下の温度で酸
化反応を行うことにより、針状晶α−FeOOH粒子を
得るものである。この方法により得られた針状晶α−I
FeOOH粒子粉末は、長さ0.5〜1.5μ程度の針
状形態を呈した粒子であるが、樹枝状粒子が混在してお
り、また、粒度から言えば、均斉な粒度を有した粒子で
あるとは言い難い。このように、粒度が不均斉であり、
また、樹枝状粒子が混在している針状晶α−FeOOH
粒子が生成する原因について以下に考察する。
針状晶α−FeOOH粒子を生成する際に用いられる第
一鉄塩水溶液は、一般に少量の第二鉄イオンを含有する
ものである。
即ち、当業界において、第一鉄塩水溶液原料としては鉄
綱の酸洗工程、チタン白製造工程から副生される硫酸第
一鉄及び塩化第一鉄等が用いられているが、これらは不
純物として第二鉄イオンを含有しており、また、第一鉄
塩水溶液は、空気中の酸素等により酸化されると液中に
第二鉄イオンが生成する。
上述したことは例えば、特公昭43−24770号公報
の次のような記載からも明らかである。
「酸洗廃液は、通常、鉄を第一鉄イオンの形で含有する
と判断されるが、実際には第二鉄イオンを含有するもの
が多く存在する。
また酸洗廃液の類似液例えば鉄分の一部が塩類結晶とし
て除去された酸洗廃液、工業ガス中のアンモニアの吸収
のために使用された酸洗廃液、鉱石の還元焼成物中の鉄
分の抽出のために使用された硫酸あるいは塩酸、工業用
硫酸第一鉄を水に溶解したものなどでそれぞれの処理あ
るいは貯蔵中に酸化されて第二鉄イオンを含有するに至
つたものも多い。」上述したように第二鉄イオンを含有
する第一鉄塩水溶液を用いて針状晶α−FeOOH粒子
を製造した場合には、二つの異なつた反応、即ち、第一
鉄塩水溶液からの針状晶α−FeOOH粒子の生成反応
と第二鉄イオンからの針状晶α−FeOOH粒子の生成
反応が同時に生起し、その結果、粒度が不均斉であり、
また、樹枝状粒子が混在している針状晶α−FeOOH
粒子が得られるものと考えられる。第一鉄塩水溶液から
の針状晶α−FeOOH粒子の生成反応過程は第一鉄塩
水溶液とアルカリ水溶液とが反応してFe(0H)。を
生成し、該Fe(0H),が酸化されて針状晶α−Fe
OOH粒子が生成するものである。一方、第二鉄イオン
からの針状晶α−FeOOH粒子の生成反応過程は、第
二鉄イオンがアルカリと反応すると同時に針状晶α−F
eOOH粒子が生成するものである。
この事実は、例えば、「電気化学および工業物理化学(
電気化学協会発行)37巻第5号 1969年の第33
3頁に次のように記載されている。
「第二鉄塩溶液に当量以下、アルカリを加えた場合は、
・・・・・・。当量以上にアルカリを加えた場合は主と
してα−FeOOHが生じる。第一鉄塩にアルカリを加
えれば、主としてFe(0H)2のコロイドを生じる」
。上述した粒度が不均斉であり、また、樹枝状粒子が混
在している針状晶α−FeOOH粒子を還元、酸化して
得られた針状晶マグネタイト粒子又は針状晶マグヘマイ
ト粒子もまた粒度が不均斉であり、また、樹枝状粒子が
混在したものとなる。
このような磁性酸化鉄粒子粉末を用いて磁気記録媒体を
製造した場合には、ビークル中の分散性、塗膜中での配
向性及び充填性が悪く、従つて、残留磁束密度(Br)
が低下することになる。本発明者は、上述した従来技術
に鑑み、針状晶を有し、且つ粒度が均斉であり、また、
樹枝状粒子が混在しない針状晶α−FeOOH粒子粉末
を得るべく、種々検討した結果、本発明に到達したので
ある。即ち、本発明は、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶
液とを反応させて得られたFe(0H)2を含むPHl
l以上の懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化すること
により針状晶α−FeOOH粒子粉末を製造する方法に
おいて、上記アルカリ水溶液にあらかじめFeに対しS
n換算で0.1〜2.0原子%の水可溶性第一錫塩を存
在させておくこと、又は、更に、酸素含有ガスを通気し
て酸化する前に、上記懸濁液にあらかじめFeに対しC
a換算で0.1〜2.0原子%のカルシウム化合物を存
在させておくこと.によりなる針状晶α−FeOOH粒
子粉末の製造法である。
先ず、本発明の完成するに至つた技術的背景及び本発明
の構成について述べる。
本発明者は、従来法によりPHll以上のアルカ.リ領
域で得られた針状晶α−FeOOH粒子の粒度が不均斉
であり、また、樹枝状粒子が混在しているのは、前述し
た通り、第一鉄塩水溶液が第二鉄・イオンを含有してい
る為に、針状晶α−FeOOH粒子粉末の生成に際して
二つの異なつた反応過程を経由することに起因すると考
えた。
そして、本発明者は、第二鉄イオンからの針状晶αFe
OOH粒子粉末の生成を防止すれば、粒度が均斉であり
、また、樹枝状粒子が混在しない針状晶α−FeOOH
粒子粉末を得ることができると考えた。
そこで、本発明者は、生成物α−FeOOH粒子粉末の
針状晶に悪影響を及ぼさず、且つ、第一鉄塩水溶液中の
第二鉄イオンを環元して第一鉄イオンにする方法につい
て種々検討を重ねた結果、第一鉄塩水溶液とアルカリ水
溶液とを反応させて得られたFe(0H)2を含むPH
ll以上の懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化するこ
とにより、針状晶α−FeOOH粒子粉末を製造する方
法において、上記アルカリ水溶液にあらかじめFeに対
しSn換算で0.1〜2.0原子%の水可溶性第一錫塩
を存在させた場合には、第一鉄塩水溶液中の第二鉄イオ
ンを環元して第一鉄イオンとすることができ、従つて、
第二鉄イオンからの針状晶α一FeOOH粒子粉末の生
成を防止することができるのでその結果、粒度が均斉で
、また、樹枝状粒子が混在しない針状晶α−FeOOH
粒子粉末を得ることができるという知見を得た。
アルカリ水溶液中に存在させる水可溶性第一錫塩の作用
効果を以下に説明する。
水可溶性第一錫塩はアルカリ水溶液中で次のように反応
して亜錫酸イオン〔Sn(0H)4〕2−となる。
Sn2++20H−→Sn(0H)2 Sn(0H)2+20H−→〔Sn(0H)4〕この亜
錫酸イオンは強い還元力を有し、第二鉄イオンを含有す
る第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とが反応する際に第
二鉄イオンを第一鉄イオンに還元する。
その結果、第二鉄イオンからの針状晶α FeOOH粒子粉末の生成反応が抑制され、粒度が均斉
であり、また、樹枝状粒子が混在しない針状晶α−Fe
OOH粒子粉末が得られるものと考えられる。
上述した方法により、生成物針状α−FeOOH粒子粉
末の針状晶に悪影響を及ぼすことなく、粒度が均斉であ
り、また、樹枝状粒子が混在しない針状晶α−FeOO
H粒子粉末を得ることができるが更に、本発明者は上記
針状晶α−FeOOH粒子粉末の軸比の向上をはかるべ
く検討を重ねた。
そして、本発明者は前記した粒度を均斉化し、また、樹
枝状粒子の混在を防ぐという水可溶性第一錫塩の特性を
害することなく、軸比の向上をはかることができる金属
イオンについて検討を重ね、多数の異種金属イオンの中
からCaが有効であるという知見を得た。即ち、本発明
者は、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて
得られたFe(0H)。
を含むPHII以上の懸濁液に酸素含有ガスを通気して
酸化することにより、針状晶α−FeOOH粒子粉末を
製造する方法において、上記アルカリ水溶液にあらかじ
めFeに対しSn換算で0.1〜2.0原子%の水可溶
性第一錫塩を存在させ、且つ、酸素含有ガスを通気して
酸化する前に、上記反応水溶液にあらかじめFeに対し
Ca換算で0.1〜2.0原子%のカルシウム化合物を
存在させた場合には、粒度を均斉化し、また、樹枝状粒
子の混在をふせぐという特性を有する水可溶性第一錫塩
と、軸比の向上をはかるという特性を有するカルシウム
化合物の特性−を兼ね備えた針状晶α−FeOOH粒子
を得ることができることを知つたのである。今、本発明
者が行つた数多くの実験例から、その一部を抽出して説
明すれば、次の通りである。
図1は、アルカリ水溶液への水可溶性第一錫塩の存在量
をFeに対しSn換算で0.5原子%と一定にした場合
のCa存在量と針状晶α−FeOOH粒子の軸比(長軸
・短軸)との関係図である。即ち、硫酸第一鉄1・5m
01/l水溶液とFeに対しSn換算で0.5原子%を
含むように硫酸第一錫を存在させて得られた苛性ソーダ
水溶液とを用いて、PH約13のFe(0H)。
を含む懸濁液を得、該懸濁液にFeに対しCa換算で0
.1〜3.0原子%を.含むように塩化カルシウムを存
在させ撹拌混合した後、温度45℃において毎分15旧
の空気を通気して酸化することにより得られた針状晶α
=FeOOH粒子の軸比(長軸・短軸)とCa存在量の
関係を示したものである。図に示されるように、水可溶
性第一錫塩の存在量を一定にした場合、Ca存在量の増
加に伴つて針状晶α−FeOOH粒子の軸比は向上する
傾向を示す。
図2は、Ca存在量と図1の場合と全く同一の反応条件
のもとで生成された針状晶α−FeOOH粒子の長軸と
の関係を示したものである。
図に示されるように、Ca存在量の増加に伴つて針状晶
α−FeOOH粒子は、粒子の長軸方向に成長する傾向
を示している。
図5及び図6は、それぞれ本発明の方法(後述する実施
例7)により得られた針状晶α−FeOOH粒子粉末の
電子顕微鏡写真(X2OOOO)と粒度分布を示したも
のである。
図5及び図6から明らかなように、本発明方法により得
られた針状晶α−FeOOH粒子粉末は、優れた針状晶
を有し、且つ、粒度が均斉であり、また、樹枝状粒子が
混在しないものである。図1,図2,図5及び図6から
れかるように、本発明におけるSnとCaは、その相乗
効果において、針状晶α−FeOOH粒子の粒度の均斉
化をはかり、樹枝状粒子の混在をふせぎ、且つ、粒子を
長軸方向に成長させて軸比を向上させる効果を有するも
のである。次に、本発明方法実施にあたつての諸条件に
ついて述べる。
本発明において使用される第一鉄塩水溶液としては、硫
酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等がある。
本発明において使用される水可溶性第一錫塩としては、
硫酸第一錫、塩化第一錫を使用することができる。
本発明において、水可溶性第一錫塩はアルカリ水溶液中
に存在させなければならない。
これは、水可溶性第一錫塩が、アルカリ水溶液中で溶液
状態であり、且つ、強い還元力を有する亜錫酸イオンと
して存在することにより、アルカリ水溶液と第一鉄塩水
溶液とが反応する際に、第一鉄塩水溶液中の第二鉄イオ
ンを還元するという効果を奏させる為である。
第一鉄塩水溶液中に水可溶性第一錫塩を存在させる場合
には、針状晶α−FeOOH粒子生成に際して使用され
る第一鉄塩水溶液は、高々50℃程度、一般には常温付
近で使用される為、この温度では水可溶性第一錫塩の還
元力は十分ではない。
一方、アルカリ水溶液の場合、この温度付近で十分な還
元力を発揮することは、理論的には未だ明らかでないが
、確認実験の結果、十分な裏付けを得ている。また、水
可溶性第一錫塩を第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを
反応して得られたFe(0H)。を含むPHII以上の
懸濁液を存在させる場合には、この段階では既に第二鉄
イオンからのα−FeOOHを生成反応が生起しており
水可溶性第一錫塩を存在させる意味はない。本発明にお
いて、アルカリ水溶液への水可溶性第一錫塩の存在量は
、Feに対しSn換算で0.1〜2.0原子%である。
水可溶性第一錫塩の存在量が、Feに対しSn換算で0
.1原子%以下である場合には本発明の目的を十分達成
することができず2.0原子%以上である場合には、F
e(0H)2を含む懸濁液の粘度が増し、酸化反応が極
度に抑制されるので粒状のマグネタイト粒子が混入して
くる。得られる針状晶α−FeOOH粒子粉末の粒度、
1軸比を考慮した場合、0.2〜0.8原子%が好まし
い本発明において使用されるカルシウム化合物としては
、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、
水酸化カルシウム、酸化カルシウ1ム、硫酸カルシウム
、炭酸カルシウム等を使用することができるが工業的見
地からすれば水酸化カルシウム、塩化カルシウムが好ま
しい。
本発明におけるカルシウム化合物の存在は、Fe(0H
)2を含む懸濁液中に酸素含有ガスを通1気してα−F
eOOH粒子粉末を生成する前であることが必要であり
、第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液中又は、Fe(0
H)2を含む懸濁液中に存在させることができる。
いずれの場合にも本発明の目的とする効果を得ることが
できる。尚、針状晶α−FeOOH粒子の生成反応は、
針状晶α−FeOOH核粒子の発生と該針状晶αFeO
OH核粒子の成長とからなるものであるが、針状晶α−
FeOOH粒子の軸比は針状晶αFeOOH核粒子の発
生の段階で定まるものであり、従つて、酸素含有ガス通
気開始後、既に、部針状晶α−FeOOH核粒子が生成
している段階で功ルシウム化合物を存在させても意味は
ない。
本発明において、カルシウム化合物の存在量は、Feに
に対しCa換算で0.1〜2.0原子%である。カルシ
ウム化合物の存在量がFeに対し0.1原子%以下であ
る場合には、本発明の目的を十分達成することができな
い。2.0原子%以上である場合も、本発明の目的を達
成することができるが、その効果が顕著でない。
得られる針状晶αFeOOH粒子の軸比、粒度を考慮し
た場合、0.5〜1.5原子%が好ましい。
以上の通りの構成の本発明は、次の通りの効果を奏する
ものである。
即ち、本発明によれば、反応系における第二鉄イオンか
らの針状晶α−FeOOH粒子の生成反応を防止して、
第一鉄塩水溶液からの針状晶α−FeOOH粒子の生成
反応のみを生起させることにより、針状晶を有し、且つ
、粒度が均斉であり、また、樹枝状粒子が混在しない針
状晶α−FeOOH粒子粉末を得ることができる。
このようにして得られた針状晶α−FeOOH粒子粉末
を出発原料とし、加熱還元、酸化して得られた針状晶マ
グネタイト粒子、針状晶マグヘマイト粒子もまた、針状
晶を有し、且つ、粒度が均斉であり、また、樹枝状粒子
が混在していない粒子であるので、現在、最も要求され
ている高出力、高感度、高密度記録用磁性材料として使
用することができる。
また、磁性塗料の製造に際して、上記の針状晶マグネタ
イト粒子粉末または針状晶マグヘマイト粒子粉末を用い
た場合には、ビークルへの分散性が良好であり、塗膜中
での配向性及び充填性が極めてすぐれ、好ましい磁気記
録媒体を得ることができる。次に、実施例並びに比較例
により本発明を説明する。
尚、前出の実験例及び以下の実施例並びに比較例におけ
る粒子の軸比(長軸:短軸)、長軸は、いずれも電子顕
微鏡写真から測定した数値の平均値で示した。
また、粒度分布は、電子顕微鏡写真からの測定結果をヒ
ストグラムで示した。
実施例 1 Fe2++1.5m01/lを含む硫酸第一鉄水溶液1
3.31をあらかじめ、反応器中に準備されたFeに対
しSn換算で0.25原子%を含むように硫酸第一錫1
1gを存在させた3.75−N(7)NaOH水溶液2
671に加え、PHl3.7、温度45℃においてFe
(0H)2の生成反応を行つた。
上記Fe(0H)2を含む懸濁液に温度45℃において
、毎分1501の空気を12.0時間通気して針状晶α
−FeOOH粒子を生成した。
酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り塩酸酸性に調
整した後、赤血塩溶液を用いてFe2+の青色呈色反応
の有無で判定した。
生成粒子は、常法により、水洗、淵別、乾燥、粉砕した
この針状晶α−FeOOH粒子は、子顕微鏡観察の結果
、平均値で長軸0.40μm、長軸:短軸9:1であり
、粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであつた。
実施例 2〜5 第一鉄水溶液の種類、水可溶性第一錫塩の種類、存在量
を種々変化させた以外は実施例1と同様にして針状晶α
−FeOOH粒子を生成した。
この時の主要製造条件及び特性を表1に示す。実施例2
〜5で得られた針状晶α−FeOOH粒子粉末はいずれ
も電子顕微鏡観察の結果、粒度が均斉であり、また、樹
枝状粒子が混在しないものであつた。実施例2で得られ
た針状晶α−FeOOH粒子粉末の電子顕微鏡写真(X
2OOOO)を図3に、また、粒度分布の測定結果を図
4に示す。
実施例 6 Fe″”1.5m01/lを含む硫酸第一鉄水溶液13
.31をあらかじめ、反応器中に準備されたFeに対し
Sn換算で0.5原子%を含むように硫酸第一錫22g
を存在させた3.75−N(7)NaOH水溶液26.
71に加え、PHl3.5、温度45℃においてFe(
0H)。
の生成反応を行つた。上記Fe(0H)。
を含む懸濁液にFeに対しCa換算で0.3原子%とな
るように塩化カルシウム(CaCl。・ 2H。0)8
.8gを存在させ攪拌混合した後、温度45℃において
毎分15旧の空気を12.5時・間通気して針状晶α−
FeOOH粒子を生成した。
酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り塩酸酸性に調
整した後、赤血塩溶液を用いてFe’゛の青色呈色反応
の有無で判定した。生成粒子は、常法により、水洗、炉
別、乾燥、・粉砕した。
この針状晶α−FeOOH粒子は、電子顕微鏡観察の結
果、平均値で長軸0.50μm、長軸:短軸13:1で
あり、粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであつ
た。
実施例 7 〜14 第一鉄塩水溶液の種類、使用量、NaOH水溶液の濃度
、使用量、水可溶性第一錫塩の種類、存在量、カルシウ
化合物の種類、存在量、存在時期を種々変化させた以外
は実施例6と同様にして針1状晶α−FeOOH粒子を
生成した。
この時の主要製造条件及び特性を表1に示す。
実施例6 〜13で得られた針状晶α−FeOOH粒子
粉末は、いずれも電子顕微鏡観察の結果、優れた針状晶
を有し、且つ、粒度が均斉であり、また、樹枝状粒子が
混在しないものであつた。実施例7で得られた針状晶α
−FeOOH粒子粉末の電子顕微鏡写真(X2OOOO
)を図5に、また、粒度分布の測定結果を図6に示す。
比較例 1 硫酸第一錫を存在させないで、他の諸条件は実施例1と
同様にして針状晶α−FeOOH粒子粉末を生成した。
この時の主要製造条件及び特性を表1に示す。
得られた針状晶α−FeOOH粒子粉末の電子顕微鏡写
真(X2OOOO)を図7に、また、粒度分布の測定結
果を図8に示す。図7及び図8から明らかなように、得
られた針状晶α−FeOOH粒子粉末は、粒度が不均斉
で樹枝状粒子が混在していた。
比較例 2 硫酸第一錫を硫酸第一鉄水溶液に存在させた以外は実施
例1と同様にして針状晶α−FeOOH粒子粉末を生成
した。
得られた針状晶α−FeOOH粒子粉末は、電子顕微鏡
観察の結果、平均値で長軸0.40μm、長軸:短軸7
:lであり、粒度が不均斉で樹枝状粒子が混在していた
。得られた針状晶α−FeOOH粒子粉末の電子顕微鏡
写真(X2OOOO)を図9に、また、粒度分布の測定
結果を図10に示す。
比較例 3 硫酸第一錫をFe(0H)。
を含む懸濁液に存在させた以外は実施例1と同様にして
針状晶α一FeOOH粒子粉末を生成した。得られた針
状晶α−FeOOH粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果
、平均値で長軸0.45μm、長軸:短軸8:lであり
、粒度が不均斉で樹枝状粒子が混在していた。
得られた針状晶α−FeOOH粒子粉末の電子顕微鏡写
真(X2OOOO)を図11に、また、粒度分布の測定
結果を図12に示す。
比較例 4 Na0H水溶液中に存在させる硫酸第一錫の存在量をF
eに対しSn換算で2.2原子%とした以外は実施例1
と同様にして生成反応を行つた。
得られた粒子粉末は電子顕微鏡観察の結果、針状晶粒子
と粒状粒子が混在していた。
また、X線分析の結果、この粒子粉末はα−FeOOH
とマグネタイトの混合粒子粉末であつた。
【図面の簡単な説明】
図1は、アルカリ水溶液への水可溶性第一錫塩の存在量
をFeに対しSn換算で0.5原子%と一定にした場合
のCa存在量と針状晶α−FeOOH粒子の軸比(長軸
:短軸)との関係図である。 図2はCa存在量と図1の場合と同一の反応条件のもと
で生成された針状晶α−FeOOH粒子の長軸の関係を
示したものである。図3及び図4は、それぞれ、実施例
2で得られた針状晶α−FeOOH粒子粉末の電子顕微
鏡写真(X2OOOO)と粒度分布のヒストグラムを示
したものである。図5及び図6は、それぞれ、実施例7
で得られた針状晶αFeOOH粒子粉末の電子顕微鏡写
真(X2OOOO)と粒度分布のヒストグラムを示した
ものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて得
    られたFe(OH)_2を含むPH11以上の懸濁液に
    酸素含有ガスを通気して酸化することにより針状晶α−
    FeOOH粒子粉末を製造する方法において、上記アル
    カリ水溶液にあらかじめFeに対しSn換算で0.1〜
    2.0原子%の水可溶性第一錫塩を存在させておくこと
    を特徴とする針状晶α−FeOOH粒子粉末の製造法。 2 アルカリ水溶液にあらかじめ存在させる水可溶性第
    一錫塩の存在量がFeに対しSn換算で0.2〜0.8
    原子%である特許請求の範囲第1項記載の針状晶α−F
    eOOH粒子粉末の製造法。 3 第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて得
    られたFe(OH)_2を含むPH11以上の懸濁液に
    酸素含有ガスを通気して酸化することにより針状晶α−
    FeOOH粒子粉末を製造する方法において、上記アル
    カリ水溶液にあらかじめFeに対しSn換算で0.1〜
    2.0原子%の水可溶性第一錫塩を存在させ、且つ、酸
    素含有ガスを通気して酸化する前に、上記懸濁液にあら
    かじめFeに対しCa換算で0.1〜2.0原子%のカ
    ルシウム化合物を存在させておくことを特徴とする針状
    晶α−FeOOH粒子粉末の製造法。 4 アルカリ水溶液にあらかじめ存在させる水可溶性第
    一錫塩の存在量がFeに対しSn換算で0.2〜0.8
    原子%であり、且つ、懸濁液にあらかじめ存在させるカ
    ルシウム化合物の存在量がFeに対しCa換算で0.5
    〜1.5原子%である特許請求の範囲第3項記載の針状
    晶α−FeOOH粒子粉末の製造法。
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