JPH0755833B2 - 紡錘型を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法 - Google Patents

紡錘型を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法

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JPH0755833B2 JP7507387A JP7507387A JPH0755833B2 JP H0755833 B2 JPH0755833 B2 JP H0755833B2 JP 7507387 A JP7507387 A JP 7507387A JP 7507387 A JP7507387 A JP 7507387A JP H0755833 B2 JPH0755833 B2 JP H0755833B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紡錘型を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造
法、詳しくは、粒子が微細、殊に0.3μm以下であっ
て、軸比(長軸:短軸)が5:1以上であり、しかも、粒
度が均斉であって、樹枝状粒子が混在していない紡錘型
を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化が進むにつれ
て、磁気テープ、磁気ディスク等の記録媒体に対する高
性能化の必要性が益々生じてきている。
即ち、高記録密度、高感度特性、高出力特性、及び低ノ
イズ特性等が要求される。
磁気記録媒体に対する上記のような要求を満足させる為
に要求される磁性材料粒子粉末の特性は、粒子が微細で
あり、しかも、高い保磁力と優れた分散性を有すること
である。
即ち、磁気記録媒体の高感度化、高出力化及び低ノイズ
化の為には、磁性粒子粉末が出来るだけ微細であり、し
かも、高い保磁力を有することが必要であり、この事実
は、例えば、株式会社総合技術センター発行「磁性材料
の開発と磁粉の高分散化技術」(1982年)の第310頁の
「磁気テープ性能の向上指向は、高感度化と高出力化そ
れに低ノイズ化にあったから、針状γ‐Fe2O3粒子粉末
の高保磁力化と微粒子化を重点とするものであった。」
なる記載、及び、同資料第312頁の「針状晶γ‐Fe2O3
粒度と磁気テープのノイズには関係があり、粒度が微細
になればノイズは低下することが知られている。」なる
記載からも明らかである。
また、磁気記録媒体の高記録密度の為には、前出「磁性
材料の開発と磁粉の高分散化技術」第312頁の「塗布型
テープにおける高密度記録のための条件は、短波長信号
に対して、低ノイズで高出力特性を保持できることであ
るが、その為には保磁力Hcと残留磁化Brが共に大きいこ
とと塗布膜の厚みがより薄いことが必要である。」なる
記載の通り、磁気記録媒体が高い保磁力Hcと大きな残留
磁化Brを有することが必要であり、その為には磁性粒子
粉末が高い保磁力を有し、ビークル中での分散性、塗膜
中での配向性及び充填性が優れていることが要求され
る。
磁気記録媒体の残留磁化Brは、磁性粒子粉末のビークル
中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性に依存して
おり、これら特性の向上の為には、ビークル中に分散さ
せる磁性粒子粉末の粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混
在していないことが要求される。
また周知のごとく、磁性粒子粉末の保磁力の大きさは、
形状異方性、結晶異方性、歪異方性及び交換異方性のい
ずれか、若しくはそれらの相互作用に依存している。
現在、磁気記録用磁性粒子粉末として使用されている針
状晶マグネタイト粒子粉末、又は、針状晶マグヘマイト
粒子粉末は、その形状に由来する異方性を利用するこ
と、即ち、軸比(長軸:短軸)を大きくすることによっ
て比較的高い保磁力を得ている。
これら既知の針状晶マグネタイト粒子粉末、又は、針状
晶マグヘマイト粒子粉末は、出発原料であるゲータイト
粒子を、水素等還元性ガス中300〜400℃で還元してマグ
ネタイト粒子とし、または次いでこれを、空気中200〜3
00℃で酸化してマグヘマイト粒子とすることにより得ら
れている。
上述した通り、粒子が微細であって、軸比(長軸:短
軸)が大きく、しかも、粒度が均斉であって、樹枝状粒
子が混在していない磁性粒子粉末は、現在、最も要求さ
れているところであり、このような特性を備えた磁性粒
子粉末を得るためには、出発原料であるゲータイト粒子
粉末の粒子サイズが微細であって、軸比(長軸:短軸)
が大きく、しかも、粒度が均斉であって、樹枝状粒子が
混在していないことが必要である。
従来、出発原料であるゲータイト粒子粉末を製造する方
法としては、第一鉄塩溶液に当量以上のアルカリ溶液を
加えて得られる水酸化第一鉄粒子を含む溶液をpH11以上
にて80℃以下の温度で酸素含有ガスを通気して酸化反応
を行うことにより針状ゲータイト粒子を生成させる方
法、及び、第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリとを反応させ
て得られたFeCO3を含む水溶液に酸素含有ガスを通気し
て酸化反応を行うことにより紡錘状を呈したゲータイト
粒子を生成させる方法等が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
粒子が微細であって、軸比(長軸:短軸)が大きく、し
かも、粒度が均斉であって、樹枝状粒子が混在していな
い磁性粒子粉末は、現在、最も要求されているところで
あるが、出発原料であるゲータイト粒子粉末を製造する
前述公知方法のうち前者の方法による場合には、軸比
(長軸:短軸)の大きな針状晶ゲータイト粒子が生成す
るが、樹枝状粒子が混在しており、粒度から言えば、均
斉な粒度を有した粒子とは言い難い。
前述公知方法のうち後者の方法による場合には、軸比
(長軸:短軸)が5:1以上と大きく、また、粒度が均斉
であり、樹枝状粒子が混在しないものであるが、粒子サ
イズが大きく、0.60μm以上の粒子となる。
また、後者の方法において、酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行わせる前のFeCO3を含む水溶液中に、あらか
じめ、水可溶性ケイ酸塩を存在させることにより、紡錘
型を呈したゲータイト粒子の粒子サイズを小さくする方
法も知られているが、この方法による場合には、粒子サ
イズが小さくなると同時に、軸比(長軸:短軸)も小さ
くなり、4:1以下となる。
そこで、粒子が微細であって、軸比(長軸:短軸)が大
きく、しかも、粒度が均斉であって、樹枝状粒子が混在
していないゲータイト粒子粉末を製造する方法の確立が
強く要望されている。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者は、粒子が微細であって、軸比(長軸:短軸)
が大きく、しかも、粒度が均斉であって、樹枝状粒子が
混在していないゲータイト粒子粉末を得るべく種々検討
を重ねた結果、本発明に到達したのである。
即ち、本発明は、第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリとを反
応させて得られたFeCO3を含む水溶液に酸素含有ガスを
通気して該FeCO3を含む水溶液中のFe2+を酸化すること
により紡錘型を呈したゲータイト粒子からなるゲータイ
ト粒子粉末を生成させるにあたり、前記第一鉄塩水溶
液、前記炭酸アルカリ、酸素含有ガスを通気して酸化反
応を行わせる前の前記FeCO3を含む水溶液及び酸素含有
ガスの通気開始後Fe2+の20重量%が酸化される前の前記
FeCO3を含む水溶液のいずれかに、水可溶性錫塩をFeに
対してSn換算で0.1〜10原子%添加しておくことによ
り、Snを含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子を生成
させ、該Snを含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子を
還元性ガス中で加熱還元してSnを含有する紡錘型を呈し
たマグネタイト粒子とするか、又は、更に酸化してSnを
含有する紡錘型を呈したマグヘマイト粒子とすることか
らなる紡錘型を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法であ
る。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、第一鉄塩水溶液
と炭酸アルカリとを反応させて得られたFeCO3を含む水
溶液に酸素含有ガスを通気して該FeCO3を含む水溶液中
のFe2+を酸化することにより紡錘型を呈したゲータイト
粒子からなるゲータイト粒子粉末を生成させるにあた
り、前記第一鉄塩水溶液、前記炭酸アルカリ、酸素含有
ガスを通気して酸化反応を行わせる前のFeCO3を含む水
溶液及び酸素含有ガスの通気開始後Fe2+の20重量%が酸
化される前の前記FeCO3を含む水溶液のいずれかにあら
かじめ、水可溶性錫塩を添加した場合には、粒子が微細
であって、軸比(長軸:短軸)が大きく、しかも、粒度
が均斉であって、樹枝状粒子が混在していないゲータイ
ト粒子粉末が得られる点である。
水可溶性錫塩の添加量が多くなる程、紡錘型を呈したゲ
ータイト粒子の粒度が小さくなる傾向にあることから、
水可溶性錫塩の添加量を変えることによって、紡錘型を
呈したゲータイト粒子の粒度を制御している。
次に、本発明方法実施にあたっての諸条件について述べ
る。
本発明において使用される第一鉄塩水溶液としては、硫
酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等がある。
本発明において使用される炭酸アルカリとしては、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムを単独
で、又は、これらと炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、炭酸水素アンモニウム等の炭酸水素アルカリとを
併用して使用することができる。
本発明における反応温度は、40〜80℃である。
40℃未満である場合には、紡錘型を呈したゲータイト粒
子を得ることができない。
80℃を越える場合には、粒状Fe3O4が混在してくる。
本発明におけるpHは、7〜11である。
7未満、又は11を越える場合には、紡錘型を呈したゲー
タイト粒子を得ることができない。
本発明における酸化手段は、酸素含有ガス(例えば空
気)を液中に通気することにより行う。
本発明において使用される水可溶性錫塩としては、硫酸
錫、塩化錫等がある。
本発明における水可溶性錫塩は、生成する紡錘型を呈し
たゲータイト粒子の粒子サイズ及び軸比(長軸:短軸)
に関与するものであり、従って、FeCO3水溶液中におけ
るFe2+の20重量%が酸化される前に存在させておくこと
が必要であり、第一鉄塩水溶液、炭酸アルカリ、酸素含
有ガスを通気して酸化反応を行わせる前のFeCO3を含む
水溶液及び酸素含有ガスの通気開始後Fe2+の20重量%が
酸化される前のFeCO3を含む水溶液のいずれかに添加す
ることができる。
本発明における水可溶性錫塩の添加量は、Feに対してSn
換算で0.1〜10原子%である。
0.1原子%未満である場合には、目的とする紡錘型を呈
してゲータイト粒子を得ることができない。
本発明において得られる紡錘型を呈したゲータイト粒子
は、水可溶性錫塩の添加量の増加に伴って、大きな軸比
(長軸:短軸)を保持しながら、粒子の粒子サイズは小
さくなる傾向にある。
10原子%を越える場合には、生成する紡錘型を呈したゲ
ータイト粒子からなる粉末中に不定形粒子が混在し、ま
た、生成したゲータイト粒子を還元、又は、更に酸化す
ることにより得られる磁性酸化鉄粒子粉末の飽和磁化が
低下する為好ましくない。
紡錘型を呈したゲータイト粒子またはマグヘマイト粒子
の粒度及び飽和磁化を考慮した場合、0.1〜3.0原子%が
好ましい。
本発明における出発原料粒子としては、生成したSnを含
有する紡錘型を呈したゲータイト粒子はもちろん、該ゲ
ータイト粒子を常法により加熱脱水して得られたSnを含
有する紡錘型を呈したヘマタイト粒子、前記ゲータイト
粒子を常法により非還元性雰囲気中270〜800℃の温度範
囲で加熱処理することによって得られた高密度化された
Snを含有する紡錘型を呈したヘマタイト粒子のいずれを
も使用することができる。
本発明における還元性ガス中における加熱還元処理及び
酸化処理は常法により行うことができる。
また、出発原料粒子は、加熱還元処理に先立って周知の
方法によりSi、Al、P化合物等の焼結防止効果を有する
物質によってあらかじめ被覆処理して粒子及び粒子相互
間の焼結を防止することにより、出発原料粒子の粒子形
状及び軸比(長軸:短軸)を保持継承することが容易と
なる。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明する。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の軸比(長
軸:短軸)、長軸は、いずれも電子顕微鏡写真から測定
した数値の平均値で示した。
また、磁気測定は、振動試料磁力計VSM P−1型(東英
工業製)を使用し、測定磁場5KOeで測定した。
〈紡錘型を呈したゲータイト粒子粉末の生成〉 実施例1〜12、比較例1; 実施例1 Feに対しSn換算で1.0原子%を含むようにSnSO432.2gを
添加して得られたFe2+0.75mol/lを含む硫酸第一鉄水溶
液20lを、あらかじめ、反応器中に準備された1.00mol/l
のNa2CO3水溶液30lに加え、pH9.9、温度55℃においてSn
を含有するFeCO3の生成を行った。
上記Snを含有するFeCO3を含む水溶液に温度55℃におい
て、毎分130lの空気を4.5時間通気してSnを含有するゲ
ータイト粒子を生成した。
酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り塩酸酸性に調
節した後、赤血塩溶液を用いてFe2+の青色呈色反応の有
無で判定した。
生成粒子は、常法により、別、水洗、乾燥、粉砕し
た。
このSnを含有するゲータイト粒子粉末は、図1に示す電
子顕微鏡写真(×30000)から明らかな通り、平均値で
長軸0.23μm、軸比(長軸:短軸)6.9:1の紡錘型を呈
した粒子からなり、粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しな
いものであった。
実施例2〜12 Fe2+水溶液の種類及び濃度、炭酸アルカリの種類及び濃
度、水可溶性Sn塩の種類、添加量及び添加時期、金属イ
オンの種類及び量並びに反応温度を種々変化させた以外
は、実施例1と同様にして紡錘型を呈してゲータイト粒
子を生成した。
この時の主要製造条件及び生成ゲータイト粒子粉末の特
性を表1に示す。
実施例4で得られた紡錘型を呈したゲータイト粒子粉末
の電子顕微鏡写真(×30000)を図2に示す。
比較例1 SnSO4を添加しない以外は、実施例1と同様にしてゲー
タイト粒子粉末を生成した。
得られたゲータイト粒子粉末は、図3に示す電子顕微鏡
写真(×30000)から明らかな通り、平均値で長軸0.67
μm、軸比(長軸:短軸)5.4:1であった。
〈焼結防止剤で被覆された紡錘型を呈したゲータイト粒
子粉末の製造〉 実施例13〜16 比較例2; 実施例13 実施例1で得られたSnを含有する紡錘型を呈したゲータ
イト粒子を別、水洗したペースト3000g(Snを含有す
る紡錘型を呈したゲータイト粒子約1000gに相当す
る。)を60lの水中に懸濁させた。この時の懸濁液のpH
は9.7であった。
次いで上記懸濁液にヘキサメタン酸ナトリウム8gを含む
水溶液300ml(Snを含有する紡錘型を呈したゲータイト
粒子に対しPO3として0.56wt%に相当する。)を添加し
て30分間攪拌した。
次いで上記懸濁液にケイ酸ナトリウム(3号水ガラス)
35g(Snを含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子に対
しSiO2として1.0wt%に相当する。)を添加し60分間攪
拌した後、懸濁液のpHが5.8となるように10%の酢酸を
添加した後、プレスフィフターによりSnを含有する紡錘
型を呈したゲータイト粒子を別、乾燥してP化合物と
Si化合物で被覆されたSnを含有する紡錘型を呈したゲー
タイト粒子粉末を得た。
得られたSnを含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子粉
末の諸特性を表2に示す。
実施例14〜16、比較例2 被処理粒子の種類、リン酸塩の添加量、水可溶性ケイ酸
塩の添加量、調整後のpHを種々変化させた以外は、実施
例13と同様にしてP化合物とSi化合物で被覆された紡錘
型を呈したゲータイト粒子粉末を得た。この時の主要条
件及び特性を表2に示す。
〈焼結防止剤で被覆されたSnを含有する紡錘型を呈した
ヘマタイト粒子粉末の製造〉 実施例17〜20、比較例3; 実施例17 実施例13で得られたP化合物とSi化合物で被覆されたSn
を含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子粉末800gを空
気中700℃で加熱処理して、P化合物とSi化合物で被覆
されたSnを含有する紡錘型を呈したヘマタイト粒子粉末
を得た。
この粒子は、電子顕微鏡観察の結果、平均値で長軸0.22
μm、軸比(長軸:短軸)6.5:1であった。
実施例18〜20、比較例3 P化合物とSi化合物で被覆された紡錘型を呈したゲータ
イト粒子粉末の種類、加熱処理温度及び非還元性雰囲気
を種々変化させた以外は、実施例17と同様にして紡錘型
を呈したヘマタイト粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び特性を表3に示す。
〈紡錘型を呈したマグネタイト粒子粉末の製造〉 実施例21〜25、比較例4; 実施例21 実施例16で得られたSnを含有する紡錘型を呈したゲータ
イト粒子粉末600gを1.0lのレトルト還元容器中に投入
し、駆動回転させながらH2ガスを毎分0.2lの割合で通気
し、還元温度330℃で還元してSnを含有する紡錘型を呈
したマグネタイト粒子粉末を得た。
得られたSnを含有する紡錘型を呈したマグネタイト粒子
粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平均値で長軸0.13μ
m、軸比(長軸:短軸)5.3:1の紡錘型を呈した粒子か
らなり、粒度が均斉で、樹枝状粒子が混在しないもので
あった。
実施例22〜25、比較例4 出発原料の種類、還元温度を種々変化させた以外は、実
施例21と同様にして紡錘型を呈したマグネタイト粒子粉
末を得た。この時の主要製造条件及び粒子粉末の特性を
表4に示す。
実施例22で得られた紡錘型を呈したマグネタイト粒子粉
末の電子顕微鏡写真(×30,000)を図4に示す。
〈紡錘型を呈したマグヘマイト粒子粉末の製造〉 実施例26〜30、比較例5; 実施例26 実施例21で得られた紡錘型を呈したマグネタイト粒子粉
末600gを空気中270℃で30分間酸化してSnを含有する紡
錘型を呈したマグヘマイト粒子粉末を得た。
得られたSnを含有する紡錘型を呈したマグヘマイト粒子
粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平均値で長軸0.13μ
m、軸比(長軸:短軸)5.3:1の紡錘型を呈した粒子か
らなり、粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであ
った。
実施例27〜30、比較例5 紡錘型を呈したマグネタイト粒子粉末の種類を種々変化
させた以外は、実施例26と同様にして紡錘型を呈したマ
グヘマイト粒子粉末を得た。この時の主要製造条件及び
粒子粉末の特性を表5に示す。
実施例27及び比較例5で得られた紡錘型を呈したマグヘ
マイト粒子粉末の電子顕微鏡写真(×30,000)をそれぞ
れ図5、図6に示す。
〔効果〕 本発明における紡錘型を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製
造法によれば、前出実施例に示した通り、粒子が微細、
殊に0.3μm以下であって、軸比(長軸:短軸)が5:1以
上であり、しかも、粒度が均斉であって、樹枝状粒子が
混在していない紡錘型を呈した磁性酸化鉄粒子粉末を得
ることができるので、現在最も要求されている高記録密
度、高感度、高出力、及び低ノイズ用磁性材料粒子粉末
として好適である。
また、本発明における効果は、従来から磁性酸化鉄粒子
の各種特性の向上の為に、出発原料ゲータイト粒子の生
成に際し添加されるCo、Mg、Al、Cr、Zn、Ni等のFe以外
の金属を添加する場合にも有効に働くものである。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図6は、いずれも電子顕微鏡写真(×30,000)
であり、図1乃至図3はそれぞれ実施例1、実施例4及
び比較例1で得られた紡錘型を呈したゲータイト粒子粉
末、図4は実施例22で得られた紡錘型を呈したマグネタ
イト粒子粉末、図5及び図6は実施例27及び比較例5で
得られた紡錘型を呈したマグヘマイト粒子粉末である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 勝巳 広島県広島市佐伯区五日市駅前3丁目9− 10−205 審査官 米田 健志 (56)参考文献 特開 昭50−80999(JP,A) 特公 昭59−32882(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリとを反応さ
    せて得られたFeCO3を含む水溶液に酸素含有ガスを通気
    して該FeCO3を含む水溶液中のFe2+を酸化することによ
    り紡錘型を呈したゲータイト粒子からなるゲータイト粒
    子粉末を生成させるにあたり、前記第一鉄塩水溶液、前
    記炭酸アルカリ、酸素含有ガスを通気して酸化反応を行
    わせる前の前記FeCO3を含む水溶液及び酸素含有ガスの
    通気開始後Fe2+の20重量%が酸化される前の前記FeCO3
    含む水溶液のいずれかに、水可溶性錫塩をFeに対してSn
    換算で0.1〜10原子%添加しておくことにより、Snを含
    有する紡錘型を呈したゲータイト粒子を生成させ、該Sn
    を含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子を還元性ガス
    中で加熱還元してSnを含有する紡錘型を呈したマグネタ
    イト粒子とするか、又は、更に酸化してSnを含有する紡
    錘型を呈したマグヘマイト粒子とすることを特徴とする
    紡錘型を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
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