JPS595038Y2 - クレ−ン車のワイヤ−過巻防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌にクレーンを架装したクレーン車のワイヤ
ー渦巻防止装置に関するものである。

クレーン車の伸縮ブームの先端に吊りフックをワイヤー
で吊下し、このワイヤーをウィンチで巻取り、繰出して
吊りフックの上昇及び下降を行なうクレーン車において
は、ウィンチの巻取り作動あるいはブームの伸長作動に
よって生ずるワイヤーの渦巻状態への接近を感知し、て
ウィンチの巻取り作動及びブームの伸長作動を停止する
ことが行なわれる。

しかしながらブームをブームレストに格納して走行する
ときには、ワイヤーを渦巻状態にして、吊りフックがブ
ームの先端と接するまでワイヤーを巻上げる必要がある
ため、ワイヤー渦巻防止装置に手動の解除スイッチを設
けてワイヤー渦巻防止装置の作動を解除していた。

したがってこの解除スイッチを入れ忘れるとクレーン作
業中にワイヤーの渦巻による事故が発生する危険があり
、またブームの格納状態においてブームを伸長させるこ
とによりワイヤーを切断することがあった。

本考案はこのような事情にかんがみてなされたものであ
り、ブームがブームレストに格納されているか否かを検
出する検出装置を設けて、ブームが格納状態にあるとき
には、ブームの伸長作動を停止し、ワイヤーの過状態に
おいてもウィンチによるワイヤーの巻取り作動が行なえ
るようにすることにより、従来の手動のスイッチの入れ
忘れによる事故の発生及びブーム格納時のブーム伸長に
よるワイヤーの切断を防止することを目的とするもので
ある。

以下、図面により本考案の実施例について説明する。

第１図は本考案を実施するクレーン車のクレーン格納状
態を示す側面図であり、車体１上に取付けられたターン
テーブル２に伸縮シリンダ９により伸縮するブーム３が
枢支され、ブーム３の基端に備えられたウィンチ４によ
り巻取り、繰出されるワイヤー８によってブーム３の先
端に吊りフック５が吊下されている。

７は起伏シリンダ、１３は格納状態においてブーム３が
載置されるブームレストであり、６はアウトリガである
。

ブーム３の先端にはワイヤー８に沿って吊下されたウェ
イト１０と吊りフック５との接触によりワイヤー８の渦
巻状態への接近を感知するワイヤー渦巻感知装置１１が
設けられ、ブームレスト１３にはブーム３が格納されて
いるか否かを検出する検出装置１２が設けられている。

２３は警報器である。

第１図に示す状態において、ウィンチ４を巻取り作動し
てもウィンチ４によってワイヤー８に作用する張力はワ
イヤー８の安全荷重以下であるのでワイヤー８が切断す
ることはないが、伸縮シリンダ９を伸長作動した場合に
はワイヤー８は切断してしまう。

第２図はこのクレーン車の油圧回路の一部を示し、油圧
ポンプ１６から吐出された圧油は方向切換弁１７．１８
にそれぞれ送られ、方向切換弁１７からウィンチ４の油
圧モータ１４に方向切換弁１８からブーム３の伸縮シリ
ンダ９に送られる。

油圧モータ１４の巻上げ側管路には電磁シャットオフ弁
１９が挿入されて電磁シャフトオフ弁１９には逆止弁２
１を備えたバイパス回路が設けられ、伸縮シリンダ９の
伸長側管路には電磁シャットオフ弁２０が挿入されて電
磁シャットオフ弁２０には逆止弁２２を備えたバイパス
回路が設けられている。

したがって電磁シャットオフ弁１９がａ位置にある状態
においては方向切換弁１７の切換によりウィンチ４の巻
取り、繰出し作動が行なわれるが、電磁シャットオフ弁
１９がｂ位置に切換るとウィンチ４の巻取り作動は停止
し、電磁シャットオフ弁２０がａ位置にある状態におい
ては方向切換弁１８の切換によりブーム３の伸長、縮小
作動が行なわれるが、電磁シャットオフ弁２０がｂ位置
に切換るとブーム３の伸長作動は停止する。

第３図は電気回路図であり、ワイヤー渦巻感知装置１１
の非過巻時閑のスイッチ１１′と第１のリレーコイル２
４が直列に連結され、ブームの格納状態を検出する検出
装置１２の非格納時間のスイッチ１２′と第２のリレー
コイル２５が直列に連結されている。

そして第１のリレーコイル２４のＢ接点２７はタイマ２
６と直列に連結され、Ａ接点２８は電磁シャットオフ弁
１９のソレノイド１９′と直列に連結されている。

第２のリレーコイル２５のＡ接点２９はワイヤー渦巻感
知装置スイッチ１１′と並列に連結され、Ｂ接点３０は
電磁シャットオフ弁２ａのソレノイド２０′と直列に連
結されている。

タイマ２６のオンデレーＢ接点３１は第２のリレーコイ
ル２５のＢ接点３０と直列に連結され、Ｂ接点３１とＢ
接点３０の間とＡ接点２８とソレノイド１９′の間が連
結されている。

警報器２３はタイマ２６と並列に連結されている。

次に作用を説明する。

ワイヤー８の渦巻はウィンチ４の巻取り作動によって起
こる場合とブーム３の伸長作動によって起こる場合があ
り、クレーンの作業状態において吊りフック５が渦巻状
態に近づくと、ワイヤー渦巻感知装置１１の非過巻時閉
のスイッチ１１′が開となり、第１のリレーコイル２４
への通電が停止してＢ接点２７が閉となりＡ接点２Ｂが
開となる。

したがってタイマ２６及び警報器２３に通電されて、警
報器２３が鳴り、タイマ２６への通電が一定時間（０，
３〜０．７秒）以上継続するとタイマ２６のオンデレー
Ｂ接点３１は開となり、したがってウェイト１０の振動
等による誤作動は防止され、ソレノイド１９′及びソレ
ノイド２０′への通電が停止し、電磁シャットオフ弁１
９及び電磁シャットオフ弁２０は共にｂ位置に切換り、
ウィンチ４の巻取り作動及びブーム３の伸長作動が停止
してワイヤー８の渦巻を防止する。

次にブーム３がブームレスト１３に載置されて格納状態
になるときには、ブームの格納状態を検出する検出装置
１２のスイッチ１２′が閉となり第２のリレーコイル２
５に通電され、Ｂ接点３０が開となりＡ接点２９が閉と
なる。

したがってソレノイド２０′への通電は停止して電磁シ
ャットオフ弁２０はｂ位置に切換りブーム３の伸長作動
を停止し、第１のリレーコイル２４はワイヤー渦巻感知
装置１１のスイッチ１１′の開閉にかかわらず通電状態
に保持されるのでワイヤー過巻状態においてもソレノイ
ド１９′は通電状態に保持されてウィンチ４の巻取り作
動を行なうことができる。

以上の様に、本考案によればワイヤーを渦巻させる必要
のあるブームの格納状態においてはウィンチの巻取りＧ
こよるワイヤー渦巻は可能となるがブームの伸長は停止
するので、クレーンの作業状態においては確実に作動し
、しかもブーム格納状態においてもワイヤーを切断する
ことの無いワイヤー渦巻防止装置が提供され、クレーン
車の安全性向上に有効である。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示し、第１図はクレーン車の側
面図、第２図は油圧回路図、第３図は電気回路図である
。 １・・・車体、２・・・ターンテーブル、３・・・ブー
ム、４・・・ウィンチ、５・・・吊りフック、６・・・
アウトリガ、７・・・起伏シリンダ、８・・・ワイヤー
９・・・伸縮シリンダ、１０・・・ウェイト、１１・
・・ワイヤー渦巻感知装置、１２・・・検出装置、１３
・・・ブームレスト、１４・・・油圧モータ、１５・・
・リザーバタンク、１６・・・油圧ポンプ、１７゜１Ｂ
・・・方向切換弁、１９．２０−・電磁シャットオフ弁
、２１、２２・・・逆止弁、２３・・・警報器、２４・
・・第１のリレーコイル、２５・・・第２のリレーコイ
ル、２６タイマ、２７゜３０゜ ３１・・・Ｂ接点、２Ｂ、 ２９・・・Ａ接点、３２・
・・バッテリ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブームがブームレストに格納されているか否かを検出す
   る検出装置を設け、ブームがブームレストに格納されて
   いない場合はワイヤーの渦巻状態においてウィンチの巻
   取り作動及びブームの伸長作動が停止し、ブームがブー
   ムレストに格納されている場合はワイヤーの渦巻状態に
   おいてブームの伸長作動のみが停止するようにしたこと
   を特徴とするクレーン車のワイヤー渦巻防止装置。