JP3068725B2 - タワークレーンの安全装置 - Google Patents

タワークレーンの安全装置

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JP3068725B2
JP3068725B2 JP5061957A JP6195793A JP3068725B2 JP 3068725 B2 JP3068725 B2 JP 3068725B2 JP 5061957 A JP5061957 A JP 5061957A JP 6195793 A JP6195793 A JP 6195793A JP 3068725 B2 JP3068725 B2 JP 3068725B2
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和久 石田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タワークレーンのブー
ム角度が制限値に達した場合に、ジブ起伏モータを一旦
停止させ、その停止の解除を簡易迅速かつ安全に行うタ
ワークレーンの安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6はタワークレーンの起立前の状態を
表す図である。図6において、100はタワークレーン
本体、101はタワークレーンに装着されたタワーブー
ム、102はタワーブーム101の上端に連結されたタ
ワージブであり、このタワージブ102は、起立前には
連結装置103によりタワーブーム101に掛止されて
その回動が禁止されるとともに、スイングレバー104
を介し接地されている。105はブーム起伏ウインチで
あり、このウインチ105のドラムにブーム起伏ロープ
106を巻き取り、タワーブーム101を起立させる。
107はジブ起伏ウインチであり、このウインチ107
のドラムにジブ起伏ロープ108を巻き取り、タワージ
ブ102を起伏させる。109は巻上用ウインチであ
り、このウインチ109のドラムに巻上げロープ110
を巻き取ってフック111の上げ下げを行う。
【0003】図10は従来のタワークレーンの安全装置
を構成する油圧回路図である。図10において、7Aは
タワーブームに取り付けられているタワーバックストッ
プであり、ブーム角度が制限値に達すると、タワーバッ
クストップ7Aのバネ7Bが縮められてロッド7Cがリ
ミットスイッチ7Dに接触し、後述するCPU3Gに信
号が送られる。
【0004】1Bはブーム起伏レバーであり、このレバ
ー1Bを操作することによりブーム用コントロールバル
ブ3Eを流れる油を調節し、ブーム起伏モータ5Aの回
転を制御する。5Bはブーム起伏減速機であり、ブーム
起伏モータ5Aの回転をブーム起伏ドラム5Cに伝達す
る。なお、これらブーム起伏モータ5A、ブーム起伏減
速機5Bおよびブーム起伏ドラム5Cにより、図6に示
したブーム起伏ウインチ105が構成される。1Aはリ
ミットスイッチであり、図示されないロック機構により
ブーム起伏レバー1Bを「中立」位置でロックするとオ
ン状態になる。
【0005】2Bはジブ起伏レバーであり、このレバー
2Bを操作することによりジブ用コントロールバルブ3
Fを流れる油を調節し、ジブ起伏モータ6Aの回転を制
御する。6Bはジブ起伏減速機であり、ジブ起伏モータ
6Aの回転をジブ起伏ドラム6Cに伝達する。なお、こ
れらジブ起伏モータ6A、ジブ起伏減速機6Bおよびジ
ブ起伏ドラム6Cにより、図6に示したジブ起伏ウイン
チ107が構成される。3GはCPUであり、タワーバ
ックストップ7Aのリミットスイッチ7Dからの信号に
より、ブーム起伏モータ5Aと警報装置4の制御を行な
う。3Dは電磁切換弁であり、図6に示したブーム起伏
ロープ106を巻上げるときに圧力がたつ管路側に設け
られ、CPU3Gからの信号により開閉する。
【0006】図6の状態において、操作者がブーム起伏
レバー1Bを操作すると、ブーム起伏ドラム5Cにブー
ム起伏ロープ106が巻き取られてタワーブーム101
が起立し始める。タワーブーム101が起立していくと
図7のように、スイングレバー104とジブ起伏ウイン
チ107との距離が次第に短くなるため、ジブ起伏ロー
プ108にたるみが生じる。このたるみが生じると、ジ
ブ起伏ロープ108がジブ起伏ドラム6Cから外れるお
それがあるため、クレーンの操作者はジブ起伏レバー2
Bを巻き取り方向に操作してたるみを取る必要がある。
すなわち、タワーブーム101を起立させている最中に
は、操作者はブーム起伏レバー1Bとジブ起伏レバー2
Bの双方を操作する必要がある。
【0007】図8はタワーブーム101を起立させてい
き、ブーム角度が制限値に達した場合を示す。図10に
基づいて、ブーム角度が制限値に達した場合の従来の安
全装置の動作を説明する。ブーム角度が制限値に達する
と、タワーバックストップ7Aのリミットスイッチ7D
からCPU3Gに信号が送られる。これによってCPU
3Gは電磁切換弁3Dを閉位置に動作させてパイロット
管路を遮断するため、ブーム用コントロールバルブ3E
もメインの油圧回路を遮断し、ブーム起伏モータ5Aが
停止する。また、CPU3Gは警報装置4を鳴動させ
る。その状態で操作者が、ブーム起伏レバー1Bを「中
立」位置でロック機構によりロックすると、CPU3G
は警報装置4の鳴動を停止させる。その後、操作者が連
結装置103をはずしてジブ起伏レバー2Bを操作する
と、ジブ起伏モータ6Aが回転し、ジブ起伏ドラム6C
にジブ起伏ロープ108が巻き取られてタワージブ10
2が起立し始める。タワージブ102を図9に示すよう
な目的の位置まで起立させると、次に操作者は巻上用ウ
インチ109を回転させてフック111の上げ下げを行
う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の安全
装置では、ブーム角度が制限値に達した場合にブーム起
伏モータ5Aのみを自動停止させ、ジブ起伏モータ6A
は停止させていなかった。そのため、ブーム角度が制限
値に達した後、ジブ起伏ロープ108をジブ起伏ドラム
6Cに過度に巻き取ると、タワーフロント全体がジブ起
伏ロープ108によって後方に引かれるおそれがあっ
た。
【0009】本発明の目的は、タワークレーンのブーム
角度が制限値に達した場合に、ブーム起伏モータの停止
だけでなく、ジブ起伏モータの停止も行うことで、ジブ
起伏ロープの過巻のおそれをなくし、また、停止したジ
ブ起伏モータを、簡易迅速かつ確実に動作許容状態にす
るタワークレーンの安全装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】実施例を示す図1に対応
づけて本発明を説明すると、本発明は、ブーム起伏レバ
ー1Bの操作によってタワークレーンのブームを起伏す
るためのブーム駆動手段5と、ジブ起伏レバー2Bの操
作によってタワークレーンのジブを起伏するためのジブ
駆動手段6と、ブーム角度が制限値に達したか否かを検
出するブーム角度検出手段7とを有するタワークレーン
の安全装置に適用される。そして、上述の目的は、ブー
ム起伏レバー1Bが「中立」位置にあるか否かを検出す
るブーム起伏レバー位置検出手段1と、ジブ起伏レバー
が「中立」位置にあるか否かを検出するジブ起伏レバー
位置検出手段2と、ブーム角度が制限値に達するとブー
ム駆動手段5とジブ駆動手段6の双方を停止させ、その
後、ブーム起伏レバー1Bとジブ起伏レバー2Bがとも
に「中立」位置にされると、ジブ駆動手段6を動作許容
状態とする制御手段3とを備えることによって達成され
る。
【0011】
【作用】ブーム角度検出手段7によってブーム角度が制
限値に達したことが検出されると、制御手段3によりブ
ーム駆動手段5とジブ駆動手段6とを停止させる。その
後、ブーム起伏レバー位置検出手段1によってブーム起
伏レバー1Bが「中立」位置にあることが検出され、か
つ、ジブ起伏レバー位置検出部2によってジブ起伏レバ
ー2Bが「中立」位置にあることが検出されると、制御
手段3はジブ駆動手段6を動作許容状態にする。
【0012】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】図1は本発明のタワークレーンの安全装置を
構成する油圧回路図である。なお、図10に示す従来例
の構成と共通する部分については同一符号を付しており
その説明は省略する。2Aは圧力スイッチであり、ジブ
起伏レバー2Bの位置が「中立」か「操作」かによって
オン・オフする。なお、ジブ起伏レバー2Bを「操作」
位置にした場合の圧力スイッチ2Aの状態をオン状態と
し、「中立」位置にした場合をオフ状態とする。3Aは
ラッチリレーであり、リミットスイッチ1Aと圧力スイ
ッチ2Aの状態によってセットかリセットかのいずれか
の状態が選択され、その状態を示すBHL信号を後述す
るCPU3Bに出力する。なお、ラッチリレー3Aがセ
ット状態のときに出力されるBHL信号をオン状態とす
る。CPU3Bは、ブーム角度とBHL信号とによっ
て、警報装置4の制御とブーム起伏モータ5Aおよびジ
ブ起伏モータ6Aの制御を行う。3Cは電磁切換弁であ
り、図6に示したジブ起伏ロープ108を巻上げるとき
に圧力がたつ管路側に設けられ、CPU3Bからの信号
により開閉する。
【0014】図2はラッチリレー3Aの回路図であり、
クレーンの起立開始直後の状態を示している。このとき
BHL信号はオフ状態に設定されている。タワーブーム
101を起立させてブーム起伏レバー1Bを「中立」位
置でロックさせると、リミットスイッチ1Aがオン状態
になる。この状態で、ジブ起伏レバー2Bを「中立」位
置にすると、圧力スイッチ2Aはオフ状態になるため、
ラッチリレー3Aはセット状態になり、それによりBH
L信号はオン状態になる。なお、図3のように、BHL
信号がオフ状態からオン状態になるのは、リミットスイ
ッチ1Aがオン状態で圧力スイッチ2Aがオフ状態のと
きのみである。BHL信号は一度オン状態になると、リ
ミットスイッチ1Aがオン状態であれば、圧力スイッチ
2Aの状態にかかわらず、図4のようにオン状態を保持
する。一方、リミットスイッチ1Aがオフ状態であれ
ば、圧力スイッチ2Aの状態にかかわらずBHL信号は
オフ状態を保持する。
【0015】図1にしたがって本発明の動作を説明す
る。ブームを起立させていきブーム角度が制限値に達す
ると、リミットスイッチ7DからCPU3Bに信号が送
出される。これによってCPU3Bは電磁切換弁3Cと
電磁切換弁3Dを閉位置に動作させるため、ブーム用コ
ントロールバルブ3Eとジブ用コントロールバルブ3F
もメインの油圧回路を遮断し、ブーム起伏モータ5Aと
ジブ起伏モータ6Aが停止する。また、CPU3Bは警
報装置4を鳴動させる。その状態で操作者が、ブーム起
伏レバー1Bを「中立」位置でロック機構によりロック
し、かつ、ジブ起伏レバー2Bを「中立」位置にする
と、ラッチリレー3AからCPU3Bに送出されるBH
L信号はオン状態になる。それによってCPU3Bは電
磁切換弁3Cを開位置に動作させるため、その後に操作
者がジブ起伏レバー2Bを「操作」位置にするとジブ起
伏モータ6Aは回転を開始する。また、CPU3Bは警
報装置4の鳴動を停止させる。
【0016】図5はCPU3Bの動作を示すフローチャ
ートであり、以上の動作はこのフローチャートに従って
行なわれる。電源を投入するとステップS1に進み、電
磁切換弁3Cと電磁切換弁3Dを開位置に動作させてブ
ーム起伏モータ5Aとジブ起伏モータ6Aを動作許容状
態にする。したがって、操作者がブーム起伏レバー1B
あるいはジブ起伏レバー2Bを操作すると、ブーム起伏
ドラム5Cまたはジブ起伏ドラム6Cは回転を開始す
る。ステップS2ではブーム角度が制限値に達したか否
かをリミットスイッチ7Dからの信号により検出し、制
限値に達していたらステップS3に進む。ステップS3
では、電磁切換弁3Cと電磁切換弁3Dを閉じてブーム
起伏モータ5Aとジブ起伏モータ6Aを停止させ、ま
た、警報装置4を鳴動させてステップS5に進む。ステ
ップS5ではBHL信号がオン状態か否かを検出する。
オン状態でなければステップS2に戻る。オン状態なら
ステップS6に進み、電磁切換弁3Cを開位置に動作さ
せてジブ起伏モータ6Aを動作許容状態にし、また、警
報装置4の鳴動を停止させる。一方、ステップS2でブ
ーム角度が制限値に達していなかったらステップS4に
進み、電磁切換弁3Cと電磁切換弁3Dを開位置に切換
える。これにより、ブーム起伏モータ5Aとジブ起伏モ
ータ6Aを動作許容状態にし、警報の鳴動を停止させ、
ステップS2に戻る。
【0017】このように構成した実施例にあっては、リ
ミットスイッチ1Aがブーム起伏レバー位置検出手段1
に、圧力スイッチ2Aがジブ起伏レバー位置検出手段2
に、ラッチリレー3A、CPU3B、電磁切換弁3C、
電磁切換弁3D、ブーム用コントロールバルブ3Eおよ
びジブ用コントロール用バルブ3Fが制御手段3に、ブ
ーム起伏モータ5A、ブーム減速機5Bおよびブーム起
伏ドラム5Cがブーム駆動手段5に、ジブ起伏モータ6
A、ジブ減速機6Bおよびジブ起伏ドラム6Cがジブ駆
動手段6に、リミットスイッチ7Dがブーム角度検出手
段7にそれぞれ対応する。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、タワークレーンのブーム角度が制限値に達した場
合に、ブーム起伏モータの停止だけでなく、ジブ起伏モ
ータの停止も行うようにしたので、ジブ起伏ロープがジ
ブ起伏ドラムに過度に巻き取られるおそれを防止するこ
とができる。また、スイッチの切換えだけでブーム起伏
モータおよびジブ起伏モータの制御と警報装置の制御を
行うようにしたので、簡単な構成で本発明を実現するこ
とができ、また、切換え制御を迅速に行うことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタワークレーンの安全装置の実施
例の油圧回路図である。
【図2】図1に示すラッチリレーの回路図である。
【図3】BHL信号がオン状態になる前のBHL信号の
出力論理図である。
【図4】BHL信号がオン状態になった後のBHL信号
の出力論理図である。
【図5】実施例のCPUの動作を示すフローチャートで
ある。
【図6】タワークレーンの起立開始前の外観図である。
【図7】タワークレーンのブーム起立の様子を示す外観
図である。
【図8】タワークレーンのブーム角度が制限値に達した
状態を示す外観図である。
【図9】タワークレーンの使用状態を示す外観図であ
る。
【図10】従来のタワークレーンの安全装置の油圧回路
図である。
【符号の説明】
1A リミットスイッチ 1B ブーム起伏レバー 2A 圧力スイッチ 2B ジブ起伏レバー 3A ラッチリレー 3B CPU 3C 電磁切換弁 3D 電磁切換弁 3E ブーム用コントロールバルブ 3F ジブ用コントロールバルブ 4 警報装置 5A ブーム起伏モータ 5B ブーム起伏減速機 5C ブーム起伏ドラム 6A ジブ起伏ドラム 6B ジブ起伏減速機 6C ジブ起伏ドラム 7A タワーバックストップ 7B バネ 7C ロッド 7D リミットスイッチ 8 メイン用油圧ポンプ 9 パイロット用油圧ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 23/70,27/88,27/90

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブーム起伏レバーの操作によってタワー
    クレーンのブームを起伏するためのブーム駆動手段と、
    ジブ起伏レバーの操作によってタワークレーンのジブを
    起伏するためのジブ駆動手段と、ブーム角度が制限値に
    達したか否かを検出するブーム角度検出手段とを有する
    タワークレーンの安全装置において、 前記ブーム起伏レバーが「中立」位置にあるか否かを検
    出するブーム起伏レバー位置検出手段と、 前記ジブ起伏レバーが「中立」位置にあるか否かを検出
    するジブ起伏レバー位置検出手段と、 ブーム角度が制限値に達したことが前記ブーム角度検出
    手段によって検出されると、前記ブーム駆動手段と前記
    ジブ駆動手段をともに停止させ、その後に、前記ブーム
    起伏レバーが「中立」位置にあることが前記ブーム起伏
    レバー位置検出手段で検出され、かつ、前記ジブ起伏レ
    バーが「中立」位置にあることが前記ジブ起伏レバー位
    置検出手段で検出されると、前記ジブ駆動手段を動作許
    容状態にする制御手段とを備えることを特徴とするタワ
    ークレーンの安全装置。
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CN103640976B (zh) * 2013-11-19 2015-07-22 中联重科股份有限公司 塔机起升安全控制方法、装置、系统及塔机

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