JP3155484B2 - タワークレーンの過巻防止装置 - Google Patents

タワークレーンの過巻防止装置

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JP3155484B2
JP3155484B2 JP02514297A JP2514297A JP3155484B2 JP 3155484 B2 JP3155484 B2 JP 3155484B2 JP 02514297 A JP02514297 A JP 02514297A JP 2514297 A JP2514297 A JP 2514297A JP 3155484 B2 JP3155484 B2 JP 3155484B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタワーブームの過巻
を検出してブーム起伏動作を自動的に停止させるタワー
クレーンの過巻防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クレーン本体に取り付けられたクレーン
ブーム、タワークレーンのタワーブームあるいはタワー
ブームの先端に取り付けられたタワージブなどの起伏動
作は、ブームあるいはジブの先端に取り付けられた起伏
ロープを起伏ドラムに巻き取りあるいは繰り出すことに
より行っている。ブームなどを起伏する際に起伏ロープ
を巻き取り過ぎると、ブームあるいはジブが作業に適し
た角度を超えてしまうため、クレーンやタワークレーン
にはブームなどが予め定められた所定の角度を超えよう
とした場合に、起伏ロープの巻き取りを自動的に停止す
るようにした過巻防止装置が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、起伏ロ
ープ速度は運転者の操作に委ねられているため、起伏ロ
ープの最高速度時に上記過巻防止装置が作動すると荷揺
れが生じることがある。また、過巻防止装置が故障など
により正常に作動しないと、ブームあるいはジブなどの
起伏動作が継続する。一方、タワークレーンの段取作業
時においては、ジブをタワーに抱き込んで連結した格納
状態にてタワーブームを90度まで起立させた後に連結
を解除する。また、作業後に分解するときにおいては、
作業状態からジブをタワーに抱き込んで連結した格納状
態とするためには、タワーを略90度にしてジブ起伏ロ
ープを繰り出していき、ジブがタワーと略平行となる直
前にジブ起伏ウインチをフリーフォール状態としてジブ
を自重により回動してタワーブームへ連結する。通常タ
ワークレーンには、タワーブームが約88度以上に起立
しないように起伏ウインチの過巻防止装置が取り付けら
れているため、段取作業時や分解作業時に過巻防止装置
が作動するとタワーの起伏動作が停止してしまうため、
過巻防止装置を手動にて解除する必要があり段取作業や
分解作業の効率が悪くなる。
【0004】本発明の目的は、過巻防止装置が作動した
際にブームあるいはジブなどが急停止することを防止で
きるとともに、段取作業も効率よく行うことができるタ
ワークレーンの過巻防止装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
〜図3を参照して説明すると、請求項1の発明は、タワ
ー起伏手段4により起伏動するタワー2と、ジブ起伏手
段9により起伏動するジブ5と、タワー2の過巻状態を
検出する過巻検出手段60,61と、過巻検出手段6
0,61の検出結果に基づいてタワー起伏手段4を停止
する停止手段32と、タワー2が過巻状態の前の第1の
角度に達したときに過巻予備状態を検出する予備状態検
出手段32と、タワー2が段取作業にあるか吊荷作業に
あるか否かを判別する判別手段67と、予備状態検出手
段32により過巻予備状態が検出された場合において、
判別手段67により吊荷作業と判別されたときには作業
予備動作を行い、判別手段67により段取作業と判別さ
れたときには段取予備動作を行う予備動作手段32とを
備えたことにより上記目的を達成する。
【0006】請求項2の発明においては、停止手段32
は、吊荷作業時においては、第1の角度から第2の角度
に達したときに第1の過巻停止動作を行うとともに、第
3の角度に達したときに第2の過巻停止動作を行い、段
取作業時においては、第1の角度から第3の角度に達し
たときに第2の過巻停止動作のみを行う。
【0007】請求項3の発明においては、作業予備動作
は、タワー2が第1の角度から第2の角度に達するまで
は、タワー2の起伏角度に応じて減速された速度にてタ
ワー2を起伏し、タワー2が第2の角度に達したときは
第3の角度となるまではタワー起伏手段4によるタワー
起伏速度を最小速度とする動作であり、段取予備動作
は、タワー2が第1の角度から前記第2の角度に達する
までは、タワー2の起伏角度に応じて減速された速度に
てタワー2を起伏し、タワー2が第2の角度に達したと
きは第3の角度となるまではタワー起伏手段4によるタ
ワー起伏速度を最小速度よりも大きい所定の一定値とす
る動作である。
【0008】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明の第1の実施の
形態に係るタワークレーンの概略構成を示す図である。
図1に示すように、第1の実施の形態に係るタワークレ
ーンは、下部走行体と上部旋回体とを備えたクレーン本
体1と、クレーン本体1に俯仰自在に連結されたタワー
ブーム(以下タワーとする)2と、タワー2の上端に取
り付けられたペンダントロープ3aを介して連結された
ブーム起伏ロープ3の巻き取りまたは繰り出しを行って
タワー2を起伏させるブーム起伏ドラム4と、タワー2
の上端に俯仰自在に連結されたタワージブ(以下ジブと
する)5とを有する。タワー2の上端にはスイングレバ
ー7が設けられている。スイングレバー7は3本の部材
を三角形状に組み合わせて概略構成され、三つの頂点の
一つがタワー2の上端に回動自在に連結され、他の二つ
の頂点がジブペンダントロープ6a,8にそれぞれ連結
されている。ジブペンダントロープ8の上端はジブ5の
上端に連結されている。ペンダントロープ6aの他端は
ジブ起伏ロープ6と連結され、ジブ起伏用補巻ドラム9
により、ジブ起伏ロープ6の巻き取りおよび繰り出しを
行ってタワージブ5を起伏させる。フック10の昇降は
巻上用主巻ドラム12により巻上ロープ11を巻き取り
および繰り出して行われる。
【0010】図2はタワー起伏ドラム4を駆動する油圧
回路を示す図である。図2に示すように、起伏ドラム4
を駆動する油圧回路は、レギュレータ28Bにより傾転
角が制御されるメインポンプ21Bおよびパイロットポ
ンプ22Aと、メインポンプ21Bから供給される圧油
により回転する起伏モータ43と、メインポンプ21B
から起伏モータ43への圧油を切り換えるコントロール
バルブ44と、パイロットポンプ22Aからコントロー
ルバルブ44のパイロット室44a,44bへ供給され
る圧油の圧力を制御して、コントロールバルブ44の切
り換えを行う操作レバー45と、操作レバー45の切り
換えにより、コントロールバルブ44のパイロット室4
4a,44bへ供給される圧油の圧力を制御するパイロ
ット弁45a,45bと、パイロット弁45a,45b
からパイロット室44a,44bへ向かう管路にそれぞ
れ設けられて、パイロット弁45a,45bからのパイ
ロット圧をさらに調節する第1および第2の比例減圧弁
46,47とからなる。また、比例減圧弁47とパイロ
ット弁45bとの間の管路には、圧力検出器51が設け
られている。これら第1および第2の比例減圧弁46,
47はコントローラ32により後述するようにしてその
駆動が制御されるが、図示しないメイン電源スイッチの
オンにより全開位置であるa位置に切り換えられるもの
である。
【0011】メインポンプ21Bは可変容量型の油圧ポ
ンプであり、その傾転角をレギュレータ28Bにより変
更することによって、吐出される圧油の量が変更され
る。エンジン20Aはエンジン停止装置29に接続され
ており、後述するようにしてその駆動が停止される。エ
ンジン停止装置29には停止したエンジン20Aを再度
駆動させるためのリセットスイッチ33が接続されてい
る。タワー2にはそのタワー角度θ1に応じた角度信号
を出力する角度検出器34と、同様にタワー角度θ1が
所定の角度(本実施の形態においては88度と90度)
になったことを検出するためのマイクロスイッチ60,
61とが取り付けられている。また、ジブ5には、ジブ
5がタワー2に抱き込まれていることを検出するリミッ
トスイッチあるいは非接触のセンサからなるジブ抱き込
み検出器67が取り付けられている。ここで、タワー角
度θ1とはタワー2の中心線が水平接地面に対してなす
角度のことをいう。また、起伏ロープ3には起伏力検出
器65が取り付けられており、この起伏力検出器65の
出力は荷重検出機能を備えたモーメントリミッタ(M/
L)66に入力される。比例減圧弁46,47、レギュ
レータ28B、エンジン停止装置29、角度検出器3
4、圧力検出器51、マイクロスイッチ60,61およ
びモーメントリミッタ66はコントローラ32に接続さ
れており、このコントローラ32により後述するように
してその駆動が制御され、あるいはコントローラ32に
信号を入力する。コントローラ32には、後述するよう
にして音声警報を発する警報器70が取り付けられてい
る。なお、起伏モータ43の回転は減速機49を介して
起伏ドラム4に伝達される。
【0012】タワー2を起立させるためには、操作レバ
ー45を上側に操作する。操作レバー45が操作される
と、コントローラ32により予め全開位置であるa位置
に切り換えられている比例減圧弁47を通って、パイロ
ット弁45bにより調節された圧力の圧油がコントロー
ルバルブ44のパイロット室44bに供給されて、コン
トロールバルブ44がb位置に切り換えられる。これに
よりメインポンプ21Bからの圧油がコントロールバル
ブ44を経て起伏モータ43に供給され、起伏ドラム4
が起伏ロープ3を巻き取る方向に回転する。一方、タワ
ー2を倒すためには、操作レバー45を下側に操作す
る。操作レバー45が操作されると、比例減圧弁47と
同様にコントローラ32により予めa位置に切り換えら
れている比例減圧弁46を通って、パイロット弁45a
により調節された圧力の圧油がコントロールバルブ44
のパイロット室44aに供給されて、コントロールバル
ブ44がa位置に切り換えられる。そしてメインポンプ
21Bからの圧油がコントロールバルブ44を経て起伏
モータ43に供給され、起伏ドラム4が起伏ロープ3を
繰り出す方向に回転する。
【0013】図3はジブ起伏用補巻ドラム9を駆動する
油圧回路を示す図である。なお、図3において図2に示
す符号と同一のものはタワー起伏用油圧回路と兼用して
使用するものであり、異なる符号のものがジブ起伏用油
圧回路に用いられるものである。図3に示すように、補
巻ドラム9を駆動する油圧回路は、クレーンのエンジン
20Aの出力軸(不図示)に接続され、エンジン20A
の駆動により駆動されるメインポンプ21Aおよびパイ
ロットポンプ22Aと、メインポンプ21Aから供給さ
れる圧油により回転する補巻モータ23と、メインポン
プ21Aから補巻モータ23への圧油を切り換えるコン
トロールバルブ24と、パイロットポンプ22Aからコ
ントロールバルブ24のパイロット室24a,24bへ
供給される圧油の圧力を制御して、コントロールバルブ
24の切り換えを行う操作レバー25と、操作レバー2
5の切り換えにより、コントロールバルブ24のパイロ
ット室24a,24bへ供給される圧油の圧力を制御す
るパイロット弁25a,25bと、パイロット弁25
a,25bからパイロット室24a,24bへ向かう管
路にそれぞれ設けられて、パイロット弁25a,25b
からのパイロット圧をさらに調節する第3および第4の
比例減圧弁26,27とからなる。これら第3および第
4の比例減圧弁26,27はコントローラ32により後
述するようにしてその駆動が制御されるが、図示しない
メイン電源スイッチのオンにより全開位置であるa位置
に切り換えられるものである。なお、補巻モータ23の
回転は減速機39を介して補巻ドラム9に伝達される。
また、ジブ5にはそのジブ角度θ2に応じた角度信号を
出力する角度検出器30と、同様にジブ角度θ2が所定
の角度になったことを検出するためのマイクロスイッチ
31とが取り付けられている。ここで、ジブ角度θ2と
はジブ5の中心線が水平接地面に対してなす角度のこと
をいう。
【0014】ジブ5を起立させるためには、操作レバー
25を上側に操作する。操作レバー25が操作される
と、コントローラ32により予め全開位置であるa位置
に切り換えられている比例減圧弁27を通って、パイロ
ット弁25bにより調節された圧力の圧油がコントロー
ルバルブ24のパイロット室24bに供給されて、コン
トロールバルブ24がb位置に切り換えられる。これに
よりメインポンプ21Aからの圧油がコントロールバル
ブ24を経て補巻モータ23に供給され、補巻ドラム9
が起伏ロープ6を巻き取る方向に回転する。一方、ジブ
5を倒すためには、操作レバー25を下側に操作する。
操作レバー25が操作されると、比例減圧弁27と同様
にコントローラ32により予めa位置に切り換えられて
いる比例減圧弁26を通って、パイロット弁25aによ
り調節された圧力の圧油がコントロールバルブ24のパ
イロット室24aに供給されて、コントロールバルブ2
4がa位置に切り換えられる。そしてメインポンプ21
Aからの圧油がコントロールバルブ24を経て補巻モー
タ23に供給され、補巻ドラム9が起伏ロープ6を繰り
出す方向に回転する。
【0015】次いで、本実施の形態の動作について説明
する。図4〜図7はタワー2の起立時にコントローラ3
2において行われる処理を説明するためのフローチャー
ト、図8は起伏ドラム4の回転速度、すなわち起伏ロー
プ3の巻き取り速度とタワー2の起伏角度θ1との関係
を示すグラフである。なお、本実施の形態においては、
タワー角度θ1が85度となった位置を起伏ロープ3の
過巻予備位置、タワー角度θ1が88度となった位置を
第1の過巻位置、タワー角度θ1が90度となった位置
を第2の過巻位置とする。ここで、タワー2の起立動作
を行う場合の作業形態としては、組立時と分解時の段取
作業および通常の吊荷作業とがあり、吊荷作業について
は、モーメントリミッタ66を作動させた状態および解
除した状態とがある。さらに、吊荷作業においては、吊
荷を吊り下げた有負荷作業と吊荷を吊り下げない無負荷
作業とがあり、それぞれの場合について動作が異なるも
のである。このようなタワー2の作業状態を表1に示
す。
【表1】 以下、表1に示す作業形態に応じて本実施の形態の動作
を説明する。
【0016】(1)段取作業 まず、組立時の段取作業の動作について説明する。ここ
で、段取作業とは、図9(a)に示すように、ジブ5を
タワー2に抱き込んだ格納状態から、作業状態とするた
めに、ジブ5を抱き込んだ状態にて起伏ロープ3を巻き
取ってタワー2を起立させる作業(図9(b)参照)の
ことをいう。なお、本実施の形態においては、操作レバ
ー45を中立位置に戻すと、コントロールバルブ44が
必ず中立位置に移動して起伏ドラム4の回転が停止する
ものとする。まず、操作レバー45を上側に操作して起
伏ロープ3を巻き取り、タワー2を起立させる動作を行
う。そしてステップS1において、角度検出器34およ
びマイクロスイッチ60,61からの信号に基づいて、
タワー角度θ1が85度となったか否か、すなわち予備
過巻状態となったか否かの判断がなされる。ステップS
1が否定された場合は、ステップS2において操作レバ
ー45が戻されてタワー2の巻上指令が入力されていな
いか否かが判断される。ステップS2が肯定されると、
タワー2の起立動作は終了しているためこの処理を終了
し、ステップS2が否定されると、ステップS1へ戻り
タワー巻上を続行する。この状態における起伏ロープ3
の巻き取り速度は図8の通常速度域となる。
【0017】ステップS1が肯定されると、ステップS
3において、ジブ抱き込み検出器67の信号に基づい
て、ジブ5がタワー2に抱き込まれているか否かが判断
される。段取作業においては、ジブ5はタワー2に抱き
込まれているため、ステップS3は肯定される。ステッ
プS3が肯定されると、ステップS5において警報器7
0より「まもなく88度過巻です。」という音声警報が
発せられる。一方、ステップS3が否定された場合は、
ステップS4において警報器70より「タワー角度85
度以上です。ゆっくりとタワーを起伏してください。」
という音声警報が発せられる。次いで、ステップS6に
おいて、起伏ロープ3の巻き取り速度が減速される。こ
の減速処理はコントローラ32がタワー角度θ1を表す
信号に応じて比例減圧弁47をb位置に徐々に移動して
パイロット圧力を低減し、操作レバー45の位置に拘わ
らずコントロールバルブ44を通過する圧油の流量を徐
々に減少させて起伏モータ43の回転速度を低減させる
ことにより行う。操作レバー45がフル操作されていれ
ばパイロット弁45a,45bは最高圧力を出力するの
で、パイロット圧力は第1および第2の比例減圧弁4
6,47に完全に依存するが、ハーフ操作の場合にパイ
ロット弁45a,45bの出力圧が第1および第2の比
例減圧弁46,47の制御圧よりも元々低い場合は、パ
イロット弁45a,45bの出力圧がパイロット室44
a,44bに供給される。すなわち、第1および第2の
比例減圧弁46,47は、エンジン回転数が最高回転
数、ポンプ傾転角が最大のときに起伏モータ43へ流入
する油量が、図8の線図により規定されたタワー起伏速
度を上回らないようなパイロット圧の最高値を制限する
ように駆動される。
【0018】ステップS6において減速処理が開始され
た後、ステップS7において、角度検出器34およびマ
イクロスイッチ60,61からの信号により、タワー角
度θ1が88度となったか否か、すなわち第1の過巻状
態となったか否かの判断がなされる。ステップS7が否
定された場合はステップS8において、操作レバー45
が戻されてタワー巻上指令が入力されていないか否かが
判断される。ステップS8が肯定されると処理を中止す
る。この際、タワー2の起立動作は停止するが、上述し
たように起伏ロープ3の巻き取り速度は減速されている
ため、タワー2が停止しても、停止の衝撃がクレーンに
作用することがなく、タワー2が揺れたりすることがな
くなる。ステップS8が否定されるとステップS7に戻
る。この間における起伏ロープ3の巻き取り速度は図8
の減速域に示すようにタワー角度θ1に応じて徐々に減
速される。
【0019】ステップS7が肯定されると、ステップS
9において、ジブ抱き込み検出器67の信号に基づい
て、ジブ5がタワー2に抱き込まれているか否かが再度
判断される。段取作業においては、ジブ5はタワー2に
抱き込まれているため、ステップS9は肯定される。ス
テップS9が肯定されるとステップS16に進み、タワ
ー巻上速度を一定とする処理を行う。すなわち、比例減
圧弁47をタワー角度θ1が88度となった位置におい
て固定する。この状態における起伏ロープ3の巻き取り
速度は図8の微速域における直線L1で示すものとな
る。次の、ステップS17においては、警報器70によ
り「まもなくタワー過巻です。」という音声警報が発せ
られる。そして図5のへ進む。
【0020】ステップS17において音声警報が発せら
れると、図5のステップS20において、角度検出器3
4およびマイクロスイッチ60,61からの信号によ
り、タワー角度θ1が90度となったか否かの判断がな
される。ステップS20が否定されるとステップS21
において、操作レバー45が戻されてタワー巻上指令が
入力されていないか否かが判断される。ステップS21
が肯定されると処理を中止し、ステップS21が否定さ
れるとステップS20に戻る。ステップS20が肯定さ
れると、ステップS22において、比例減圧弁47を切
り換えるリレーをオフとするとともに、ジブ5の比例減
圧弁27を切り換えるリレーをもオフとし、比例減圧弁
27,47をb位置に切り換える。ここで、ジブ5の比
例減圧弁27をも切り換えるのは、作業者によっては、
段取作業時においてタワー2がある程度の角度まで起立
した状態において、ジブ5とタワー2との連結を解除し
てジブ5の起立動作を開始する場合があるからである。
このようにステップS22において比例減圧弁27,4
7を切り換えるリレーをオフとすると、タワー2および
ジブ5の起立動作が停止する。
【0021】次いで、ステップS23においてタワー2
およびジブ5が実際に停止したか否かが判断される。こ
れは、故障など何らかの原因により比例減圧弁27,4
7が完全にb位置に切り換わらないおそれがあるからで
ある。なお、タワー2が駆動しているか停止しているか
はタワー角度計34の信号に基づいて判断することがで
き、ジブ5についても同様にジブ角度計30の信号に基
づいて判断することができる。ステップS23が否定さ
れると、ステップS27において角度検出器34および
マイクロスイッチ60,61からの信号により、タワー
角度θ1が91度となったか否か、すなわち第2の過巻
状態となったか否かが判断される。ステップS27が否
定された場合は、ステップS28において、操作レバー
45が戻されてタワー巻上指令が入力されていないか否
かが判断される。ステップS28が否定されると、ステ
ップS27に戻り、ステップS27,28の処理を繰り
返す。ステップS28が肯定されると、処理を終了す
る。また、ステップS27が肯定された場合はステップ
S29において、再度タワー2の比例減圧弁47を切り
換えるリレーをオフとするとともに、ジブ5の比例減圧
弁27を切り換えるリレーをもオフとし、タワー2およ
びジブ5の起立動作を停止させるとともに、次のステッ
プS30においてエンジンを停止して処理を終了する。
この際、タワー2の起立動作は停止するが、上述したよ
うに起伏ロープ3の巻き取り速度は減速されているた
め、タワー2が停止しても、停止の衝撃がクレーンに作
用することがなく、タワー2が揺れたりすることがなく
なる。
【0022】一方、ステップS23が肯定された場合
は、ステップS24においてジブ抱き込み検出器67の
信号に基づいて、ジブ5がタワー2に抱き込まれている
か否かが判断される。これは、上述したように、作業者
によっては段取作業時においてタワー2がある程度の角
度まで起立した状態において、ジブ5とタワー2との連
結を解除してジブ5の起立動作を開始する場合があるか
らである。ステップS24が否定された場合はタワー2
およびジブ5の起立動作は終了しているため処理を終了
し、肯定された場合は、ステップS25においてタワー
2およびジブ5を操作する操作レバー45,25が中立
位置に切り換えられているか否かが判断される。これ
は、段取作業においては後述するようにジブ5の起こし
作業を行う必要があるが、タワー2の起立後にタワー2
の起立動作を停止するとともに、ジブ5が起立動作を行
っている場合はジブ5の起立動作をも停止して作業を安
全に行うためである。とくに、ジブ5を操作する操作レ
バー25はデテント機構により操作位置に固定されるた
め、強制的に中立位置に戻さないと一旦ジブ5が停止し
た後、不所望にジブ起立動作が始まるおそれがあるから
である。
【0023】ステップS25が否定された場合は、ステ
ップS26において、警報器70により「レバーを中立
位置に戻して下さい。」という音声警報が発せられる。
そしてステップS23に戻り、ステップS23〜26の
処理を繰り返す。ステップS25が肯定された場合は、
図6のに示す処理に進む。
【0024】図6に示すように、図5のステップS25
の処理に続いて、ステップS40において、操作レバー
25が操作されて、ジブ巻上指令が入力されているか否
かが判断され、入力されていない場合はステップS40
が肯定されるまでステップS40の処理を繰り返す。ス
テップS40が肯定されると、比例減圧弁27をa位置
に切り換えて補巻モータ23を駆動して起伏ロープ6に
よるジブ5の起立動作を行う。次いで、ステップS41
において、タワー巻上指令が入力されているか否かが判
断される。これは、操作レバー45が誤って操作されて
いるおそれがありそれを確認するためである。ステップ
S41が肯定されると、ステップS42において、タワ
ー2の比例減圧弁47を切り換えるリレーをオフとする
とともに、ジブ5の比例減圧弁27を切り換えるリレー
をもオフとし、ジブ5およびタワー2の起立動作を停止
して処理を終了する。これは、タワー2はすでに90度
に起立した状態にあるため、これ以上タワー2を起立さ
せる必要はないからである。ジブ5は停止させなくても
よいが、タワー2の強制停止に連動してジブ5も停止す
ることが安全上好ましい。ステップS41が否定された
場合は、ステップS43において、ジブ5が過巻状態と
なったか否かが判断される。これは例えばジブ5のタワ
ー2に対する相対角度であるジブ相対角度θ2R(ジブ
角度θ2−タワー角度θ1)が予め定められた所定の値
(例えば13.5度)となったか否かを、角度検出器3
0およびマイクロスイッチ31からの信号に基づいて判
断するものである。ステップS43が否定された場合
は、ジブ5の巻上動作を継続し、ステップS43が肯定
された場合は、ステップS44においてジブ5の比例減
圧弁27を切り換えるリレーをオフとしてジブ5の巻上
動作を停止して処理を終了する。
【0025】(2)吊荷作業(モーメントリミッタ作
業) 次いで、吊荷作業においてモーメントリミッタ66が作
動している場合について説明する。図4のステップS1
〜ステップS3については上述した段取作業と同一であ
るため説明を省略する。吊荷作業においては、ジブ抱き
込み検出器67からは信号は入力されないため、ステッ
プS3が否定され、ステップS4において、警報器70
により「タワー角度85度以上です。ゆっくりとタワー
を起伏してください。」という音声警報が発せられる。
そして上記と同様にステップS6〜ステップS9の処理
を行い、ステップS9が否定されてステップS10にお
いてモーメントリミッタ66がオンされているか否かが
判断される。ここではモーメントリミッタ作業であるた
め、ステップS10は肯定され、ステップS12へ進
む。ステップS12においては、比例減圧弁47のリレ
ーをオフとする処理が行われ比例減圧弁47がb位置に
完全に切り換えられるとともに、ステップS13におい
てレギュレータ28Bを駆動してメインポンプ21Bの
傾転角を調節して圧油の吐出量を最小値に減少させる。
この状態における起伏ロープ3の巻き取り速度は図8の
微速域における直線L2で示すものとなる。すなわち、
タワー角度θ1が88度となった以降のタワー起立速度
は、段取作業時の方(直線L1で示す)が大きいものと
なる。
【0026】次のステップS14においてタワー2が停
止したか否かを角度検出器34からの信号に基づいて判
断する。ここで、比例減圧弁27が完全にb位置に切り
換えられていれば、操作レバー45の位置に拘わらずコ
ントロールバルブ44は中立位置に切り換えられて、メ
インポンプ21Bからの圧油は起伏モータ43には供給
されないため、起伏ロープ3の巻き取りは停止する。こ
の際、上述したように起伏ロープ3の巻き取り速度は減
速されているため、タワー2が停止しても、停止の衝撃
がクレーンに作用することがなく、フック10に吊り下
げた吊荷が揺れたりすることがなくなる。
【0027】タワー2が停止すると、ステップS14が
肯定され、次のステップS15において操作レバー45
が切り換えられてタワー巻上指令が入力されているか否
かが判断される。そしてステップS15が否定された場
合は処理を終了し、ステップS15が肯定された場合は
図7のの処理に進む。なお、ステップS15が肯定さ
れる場合とは、作業開始前に第2の過巻防止装置が確実
に作動するか否かをチェックするために、タワー2の過
巻状態を過ぎてもさらにタワー2を起立させて作業を行
いたい場合があるからである。
【0028】図7に示すように、図4のステップS15
が肯定されると、ステップS50においてモーメントリ
ミッタ66がオンされているか否かが判断される。ここ
で、モーメントリミッタ66がオンされているか否かを
再度判断するのは、作業者が事前にモーメントリミッタ
66をオフとしている場合があるからである。ステップ
S50が肯定されると、ステップS51において警報器
70より「モーメントリミッタを解除して下さい。」と
いう音声警報が発せられ、ステップS50に戻る。ここ
で、モーメントリミッタ66をオンとして作業を行って
いる最中にモーメントリミッタ66を解除するのは、第
1の過巻状態を過ぎてもさらにタワー2を起立させたい
場合においては、モーメントリミッタ66が作動すると
作業が中断してしまうためである。ステップS50が否
定されると、ステップS52においてモーメントリミッ
タ66において演算された荷重信号に基づいて負荷があ
るか否かすなわちフック10に吊荷が吊り下げられてい
るか否かが判断される。ステップS52が肯定された場
合は、ステップS53において、警報器70により「吊
荷を降ろして下さい。」という音声警報を発して吊荷を
降ろすよう作業者に促す。そして吊荷が降ろされるまで
ステップS52,53の処理を繰り返す。そして負荷が
ないと判断された場合は、ステップS54において比例
減圧弁47をわずかにb位置に移動してタワー2をゆっ
くりと起立させ、ステップS55において警報器70に
より「まもなくタワー過巻です。」という音声警報を発
して図5に示すの処理へ進む。以降の処理は上記段
取作業の場合と同様であるため、ここでは詳細な説明は
省略する。
【0029】(3)吊荷作業(モーメントリミッタ解
除) 次いで、吊荷作業においてモーメントリミッタが解除さ
れている場合の作業について説明する。図4のステップ
S1〜ステップS10については上述したモーメントリ
ミッタ作業と同一であるため説明を省略する。モーメン
トリミッタ解除作業においてはステップS10が否定さ
れ、ステップS11において、モーメントリミッタ66
において演算された荷重信号に基づいて負荷があるか否
かが判断される。ステップS11が肯定された場合はス
テップS12に進み、上記モーメントリミッタ作業の場
合と同様に、ステップS12からステップS15の処理
を行う。そしてさらに、図7に示す以降の処理につい
ては、モーメントリミッタ解除作業であるためステップ
S50が否定され、さらにステップS11において負荷
があることが肯定されているため、ステップS52が肯
定される。ステップS52が肯定されると、ステップS
52が否定されるまで、ステップS52,53の処理を
繰り返し、ステップS52が否定されると、ステップS
54において、比例減圧弁47をわずかにb位置に移動
してタワー2をゆっくりと起立させ、ステップS55に
おいて警報器70により「まもなくタワー過巻です。」
という音声警報を発して図5に示すの処理へ進む。
以降の処理は上記段取作業の場合と同様であるため、こ
こでは詳細な説明は省略する。
【0030】一方、吊荷がなくステップS11が否定さ
れた場合は、ステップS16へ進み、以降ステップS1
7および図5に示す以降の処理を段取作業の場合と同
様に行って処理を終了する。
【0031】このように、本実施の形態においては、段
取作業時においては、タワー角度θ1が85度となった
ときにタワー起立速度をタワー角度θ1に応じて減速し
(第1の予備動作)、タワー角度θ1が88度となる
と、タワー2の起立動作を停止することなく88度の状
態まで減速された速度により(第2の予備動作:段取予
備動作)タワー起立動作を続行し、吊荷作業時のように
タワーの停止作業やポンプの傾転角を最小とする作業
(第3の予備動作:作業予備動作)を行わないものであ
る。したがって、作業前にタワー2の第2の過巻状態を
検出して起立速度を低減させる制御が正しく機能するか
否かを判断する場合(モーメントリミッタをオフとし無
負荷にてタワー2を起立させる場合、ステップS10,
S11,S16…)において、第1過巻状態を検出して
タワー起立動作が停止したり、段取作業時に起立速度が
非常に微速となることがないため(ステップS9,S1
6…)、効率よく段取作業を行うことができる。
【0032】また、吊荷作業時においては、第1の過巻
状態(θ1=88度)の前に、予備過巻状態(θ1=8
5度)を検出し、予備過巻状態の検出後第1の過巻状態
まではタワー2の起立速度を減速するようにしたため、
第1の過巻状態においてタワー2が停止しても、停止の
衝撃がクレーンに作用することがなくなり、荷揺れを発
生させることなく安定して作業を行うことができる。ま
た、第1の過巻状態においてタワー2が停止しなかった
場合、タワー2を微速にて駆動するようにしたため、こ
の間において、タワー起伏操作レバー45を中立に戻す
ことによりタワー2の駆動を停止することができ、これ
により作業を安全に行うことができる。さらに、第2の
過巻状態(θ1=90度)において比例減圧弁47をb
位置に切り換えてタワー起立動作を停止するようにして
も何らかの原因によりタワー起立動作が停止しない場合
には、第2の過巻状態を越えてタワー角度θ1が91度
となると、エンジン20Aの駆動を停止して、ジブ5お
よびタワー2の起立動作を停止するようにしたため、タ
ワー2は91度になったときに確実に停止し、これによ
り一層安定して作業を行うことができる。また、タワー
角度の検出を角度検出器34とマイクロスイッチ60,
61との2つの系統により行っているため、タワー角度
θ1を確実に検出して、タワー2の停止処理を確実に実
行することができる。なお、上述したタワー起立動作の
流れ図を図12に示す。
【0033】次いで、エンジンを再起動させる動作につ
いて説明する。エンジン20Aが停止した後に、再度エ
ンジン20Aを駆動するためにはリセットスイッチ33
をONとする。その後、図10に示すフローチャートに
したがって、まず、ステップS61において、エンジン
20Aが再起動される。次いで、ステップS62におい
て角度検出器34およびマイクロスイッチ60,61の
角度信号が無視される。角度を無視することにより、エ
ンジン20Aの再起動が確実に行われる。そしてステッ
プS63において、レギュレータ28Bを駆動してメイ
ンポンプ21Aの傾転角を上記微速位置に調節し、ステ
ップS64において比例減圧弁46を僅かにa位置から
b位置へ操作する。すなわち、操作レバー45の操作に
より一次圧力が入力されたとき、コントロールバルブ4
4を最小開度だけ駆動する圧力を出力できるようにす
る。操作レバー45を下側に操作すると起伏ドラム4は
微速にて起伏ロープ3を繰り出す方向に回転するため、
タワー2の下げ動作が微速にて行われる。そしてステッ
プS65において、タワー角度θ1が88度(第1の過
巻状態)となったか否かが判断される。
【0034】ステップS65が否定された場合は、タワ
ー2の下げ動作が終了したことがステップS66で判断
されるとこの処理を終了し、ステップS66が否定され
ると、さらにステップS65へ戻ってタワー2の下げ動
作が続行される。タワー角度θ1=88度となってステ
ップS65が肯定されると、ステップS67において、
レギュレータ28Bを駆動してメインポンプ21Aの傾
転角を通常位置に調節し、ステップS68において、タ
ワー角度θ1に応じて比例減圧弁47をa位置に切り換
える。ここで、傾転角の通常位置とは、例えばポンプの
P−Q線図により規定される位置のことをいう。次い
で、ステップS69においてタワー角度θ1が85度
(予備過巻状態)となったか否かが判断される。ステッ
プS69が否定された場合、ステップS70でタワー下
げが終了したと判断されると処理を終了し、ステップS
70が否定されると、ステップS68,69の処理が繰
り返される。これにより、タワー2は徐々に下げ速度を
上昇させながら下げ動作を続けることとなる。ステップ
S69が肯定されると、ステップS71において比例減
圧弁46を完全にa位置に切り換えて処理を終了する。
これにより起伏ドラム4は操作レバー45の操作に依存
した通常速度にて起伏ロープ3の繰り出しを行い、タワ
ー2は通常速度にて下げ動作を続ける。
【0035】なお、ジブ5の起立動作中においても過巻
状態は生じるため、上記タワー2の吊荷作業の場合と同
様に、補巻モータ23の駆動を制御することも可能であ
る。図11は補巻ドラム9の回転速度、すなわち起伏ロ
ープ6の巻き取り速度とジブ相対角度θ2Rとの関係を
示すグラフである。すなわち、ジブ5の起立動作時にお
いて、ジブ相対角度θ2R=18度となるまでは通常の
速度で起立動作を行い、予備過巻状態(θ2R=18
度)となった時点において、それ以降の補巻ドラム9の
巻き取り速度をジブ相対角度θ2Rに依存して減速す
る。その後第1の過巻状態となった時点(θ2=15
度)において、比例減圧弁27をb位置に切り換えてジ
ブ5の起立動作を停止し、停止しなかった場合は、レギ
ュレータ28Aを駆動してメインポンプ21Aの傾転角
を調節して、圧油の吐出量を減少させてジブ5を微速に
て動作させる。そして第2の過巻状態(θ2=13.5
度)となった時点においてエンジン20Aの駆動を停止
して、ジブ5の駆動を停止する。
【0036】これにより、第1の過巻状態においてジブ
5が停止しても、停止の衝撃がクレーンに作用すること
がなくなり、荷揺れを発生させることなく安定して作業
を行うことができる。また、第1の過巻状態においてジ
ブ5が停止しなかった場合においても、さらにジブ5の
速度を低減させてジブ5を微速にて駆動するようにした
ため、この間において、さらに比例減圧弁27をb位置
に切り換えるなどの動作を行ってジブ5の駆動を停止す
ることができ、これにより作業を安全に行うことができ
る。さらに、第2の過巻状態となった場合には、エンジ
ン20Aの駆動を停止して、ジブ5の起立動作を停止す
るようにしたため、ジブがそれ以上起立することがなく
なり、これにより一層安定して作業を行うことができ
る。
【0037】なお、上記実施の形態においては、予備過
巻状態、第1の過巻状態および第2の過巻状態の全てを
検出して、第1〜第3の予備動作を行うようにしている
が、予備過巻状態を検出することなく、すなわち第1の
予備動作を行うことなく第1の過巻状態を検出し、第1
の過巻状態の検出後に、段取作業時は第2の予備動作
を、吊荷作業時は第3の予備動作を行い、その後で第2
の過巻状態を検出するようにしてもよい。
【0038】以上の実施の形態と請求項との対応におい
て、起伏ドラム4がタワー起伏手段を、マイクロスイッ
チ60,61が過巻検出手段を、コントローラ32が停
止手段、予備動作検出手段および予備動作手段を、ジブ
抱き込み検出器67が判別手段を構成する。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
発明によれば、タワーの過巻予備状態が検出された場合
において、吊荷作業の場合には作業予備動作を、段取作
業の場合には作業予備動作とは異なる段取予備動作を行
うようにしたため、それぞれの動作内容を、吊荷作業お
よび段取作業に適したものとすることにより、双方の作
業を効率よく行うことができる。
【0040】請求項2の発明によれば、吊荷作業時にお
いては、第1の角度から第2の角度に達したときに第1
の過巻停止動作を行い、第3の角度に達したときにさら
に第2の過巻停止動作を行うようにしたため、タワーの
起伏時における過巻状態を確実に回避することができ
る。また、段取作業時においては、吊荷作業時とは異な
り、第1の角度から第3の角度に達したときにのみ第2
の過巻停止動作を行うようにしたため、段取作業時に第
1の過巻停止動作によって段取作業が一時中断されるこ
とがなくそのため第1の過巻停止動作を解除する操作も
必要がなくなり、これにより段取作業を効率よく行うこ
とができる。
【0041】請求項3の発明によれば、吊荷作業時にお
いては、第1の角度から第2の角度に達するまでタワー
の起伏速度が減速され、さらに第2の角度から第3の角
度に達するまでタワーの起伏速度が最小速度とされるた
め、タワーの起伏動作が停止したときに荷揺れを防止し
て作業を安定して行うことができる。また、段取作業時
においては、第2の角度から第3の角度に達するまで
は、タワーの起伏速度を最小速度よりも大きい所定の一
定値としたため、段取作業時においてタワーの起伏速度
が遅くなって作業性が悪化することを防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タワークレーンの構成を示す側面図
【図2】タワーを起伏する油圧回路の回路図
【図3】ジブを起伏する油圧回路の回路図
【図4】タワーの起立動作のフローチャート(その1)
【図5】タワーの起立動作のフローチャート(その2)
【図6】タワーの起立動作のフローチャート(その3)
【図7】タワーの起立動作のフローチャート(その4)
【図8】タワーの起立速度を示すグラフ
【図9】段取作業を示す図
【図10】タワーの下げ動作のフローチャート
【図11】ジブの起立速度を示すグラフ
【図12】タワー起立動作の流れ図
【符号の説明】
1 クレーン本体 2 タワーブーム 3 ブーム起伏ロープ 4 ブーム起伏ドラム 5 タワージブ 6 ブーム起伏ロープ 3a,6a,8 ペンダントロープ 9 ジブ起伏用補巻ドラム 10 フック 11 巻上ロープ 12 巻上用主巻ドラム 20A エンジン 21A,21B メインポンプ 22A パイロットポンプ 23 補巻モータ 26,27,46,47 比例減圧弁 30,34 角度検出器 31,60,61 マイクロスイッチ 32 コントローラ 43 起伏モータ 66 モーメントリミッタ 67 ジブ抱き込み検出器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 23/88 - 23/94 B66D 1/54

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タワー起伏手段により起伏動するタワー
    と、 ジブ起伏手段により起伏動するジブと、 前記タワーの過巻状態を検出する過巻検出手段と、 該過巻検出手段の検出結果に基づいて前記タワー起伏手
    段を停止する停止手段と、 前記タワーが前記過巻状態の前の第1の角度に達したと
    きに過巻予備状態を検出する予備状態検出手段と、 前記タワーが段取作業にあるか吊荷作業にあるか否かを
    判別する判別手段と、 前記予備状態検出手段により前記過巻予備状態が検出さ
    れた場合において、前記判別手段により前記吊荷作業と
    判別されたときには作業予備動作を行い、前記判別手段
    により段取作業と判別されたときには段取予備動作を行
    う予備動作手段とを備えたことを特徴とするタワークレ
    ーンの過巻防止装置。
  2. 【請求項2】 前記停止手段は、前記吊荷作業時におい
    ては、前記第1の角度から第2の角度に達したときに第
    1の過巻停止動作を行うとともに、第3の角度に達した
    ときに第2の過巻停止動作を行い、 前記段取作業時においては、前記第1の角度から前記第
    3の角度に達したときに前記第2の過巻停止動作のみを
    行うことを特徴とする請求項1記載のタワークレーンの
    過巻防止装置。
  3. 【請求項3】 前記作業予備動作は、前記タワーが前記
    第1の角度から前記第2の角度に達するまでは、該タワ
    ーの起伏角度に応じて減速された速度にて該タワーを起
    伏し、該タワーが前記第2の角度に達したときは前記第
    3の角度となるまでは前記タワー起伏手段によるタワー
    起伏速度を最小速度とする動作であり、 前記段取予備動作は、前記タワーが前記第1の角度から
    前記第2の角度に達するまでは、該タワーの起伏角度に
    応じて減速された速度にて該タワーを起伏し、該タワー
    が前記第2の角度に達したときは前記第3の角度となる
    までは前記タワー起伏手段によるタワー起伏速度を前記
    最小速度よりも大きい所定の一定値とする動作であるこ
    とを特徴とする請求項2記載のタワークレーンの過巻防
    止装置。
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