JP4268784B2 - 油圧クレーンにおけるオートテンション装置 - Google Patents

油圧クレーンにおけるオートテンション装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば船舶に搭載されてボート等の荷物を海面から吊上げたり降ろしたりする油圧クレーンにおけるオートテンション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大型の船舶に装着されたボート等の重量物を海面から吊上げたり降ろしたりするために油圧クレーンが用いられる。この油圧クレーンには海面の波浪に応じて上下動するボートの動きに追従して油圧ウインチの吊上げ索の張力を自動的に調整するためのオートテンション機能が付与されている。この油圧ウインチの油圧回路は図15に示すように構成されている。この油圧回路において本発明の後述する油圧回路と同様の機能を有する部材について、同一の符号を用いている。
【0003】
油ポンプ32によって油タンク33から汲み上げられた油は正逆回転切り換え用の電磁比例制御弁34及び第1,第2油通路36,37を介して油圧モータ35に供給される。油圧モータ35にはウィンチのドラム22が連結され、フック25を有する吊上げ索23を巻上げたり巻戻したりするようになっている。前記第1油通路36及び第2油通路37の間にはシャトル弁38が設けられ、油圧モータ35の正回転時又は逆回転時に第1電磁弁40を作動させて油圧モータ35のブレーキ機構Bに作動圧を付与して制動を解除するようになっている。又、前記第1油通路36には第1リリーフ通路41が接続され、この第1リリーフ通路41に対し通常の吊上げ動作に用いる高い設定圧の第1リリーフ弁42が接続されている。さらに、第1油通路36には第2リリーフ通路43が接続され、この第2リリーフ通路43に対しオートテンションモードで使用する低い設定圧の第2リリーフ弁44及びモード切換用の第2電磁弁47が接続されている。
【0004】
前記油ポンプ32が作動されて電磁比例制御弁34が油圧モータ35をボートの巻上げ(吊上げ)方向に回転するポートに切り換えられた状態で、第2電磁弁47が作動されて第2リリーフ弁44が作動状態になる。すると、この第2リリーフ弁44によって設定された圧力に基づいて、自動的に吊上げ索23に作用する張力がボートの波浪による上下動に応じて調整される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の油圧クレーンにおけるオートテンション装置は、オートテンション用の第2リリーフ弁44が一つしか設けられていなかったので、次のような問題があった。図6のグラフは横軸に吊上げ索23に作用する張力をとり、縦軸に巻上げと巻下げの速度を示す。このグラフから明らかなように、第2リリーフ弁44によって所定の速度でボートの巻上げが行われている状態で、吊上げ索23に作用する張力が増大すると、張力が130キログラムを過ぎた時点から巻上げ速度が徐々に減少し、365キログラムになるとボートの巻上げが一旦停止される。そして、さらに吊上げ索23に作用する張力が569キログラムに増大してボートの巻下げが開始され、その後、この大きな張力を増大させつつボートの巻下げが行われる。その巻下げ速度も徐々に増大し所定張力以上になった状態で最大速度で巻下げられる。
【0006】
図6のグラフから明らかなように、第2リリーフ弁44のみでは、ボートの巻上げから巻下げに移行する間に油圧モータ35が作動されない、つまりボートの巻上げも巻下げも行われない不感帯域が存在する。この不感帯域は吊上げ索23に作用する張力範囲が569−365=204キログラムという大きな範囲となる。この結果、ボートが巻上げ動作から巻下げ動作に移行する過程において、吊上げ索23に大きな張力変動が生じ、ボートの吊下状態が不安定になり例えば乗船している人に不快感を与えるという問題があった。
【0007】
又、ボートの巻上げ作業中に何らかの理由により吊上げ索23に400〜560キログラムの過大な張力が一時的に作用しても巻下げが行われず、オートテンションの調整に問題があった。
【0008】
さらに、吊上げられるボートの重量が例えば569キログラム以下となった場合には、オートテンション機能が働かないという問題もあった。
以上の問題が生じるのは、一つの第2リリーフ弁44をボートの巻上げ動作と、巻下げ動作に兼用しているためである。
【0009】
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、ボート等の吊上げ物が波浪により上下してもそれに追従して吊上げ索に作用する張力を自動的に適正に調整することができる油圧クレーンにおけるオートテンション装置を提供することにある。
【0010】
この発明の別の目的は、上記目的に加えて、急激な張力が吊上げ索に作用した場合にオートテンションモードにおいて、リリーフ回路の切り換えを行い張力を適正に調整することができるオートテンション装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、圧油供給源と油圧モータとの間の油通路に該油圧モータの正回転又は逆回転を切り換える正逆切換弁を設けたウインチを有する油圧クレーンにおいて、前記油通路に対し前記ウインチの巻上げ動作時に用いる巻上げ用リリーフ弁を有する巻上げ用リリーフ回路と、ウインチの巻下げ動作時に用いるとともに、前記巻上げ用リリーフ弁の設定圧と異なる設定圧の巻下げ用リリーフ弁を有する巻下げ用リリーフ回路とを接続し、前記リリーフ回路をオートテンションモードで、電磁切換弁を有するリリーフ回路切換手段により択一的に切り換えるようにしたことを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記リリーフ回路切換手段は、前記各リリーフ回路を、前記油圧モータの回転方向判別回路からの信号と、回転速度検出回路からの信号の両信号に基づいて前記電磁切換弁を切り換え動作することにより自動的に切り換えるものであることを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記油通路に対し通常の荷役作業モードで作動されるリリーフ弁を有する通常モード用リリーフ回路が接続され、通常モードとオートテンションモードとを切り換えるモード切換手段を備えていることを要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記モード切換手段は、前記オートテンションモード用の複数のリリーフ回路に設けられた切換弁と、この切換弁の切り換え動作を行う第1電磁弁であることを要旨とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記油通路と油圧モータのブレーキ機構との間には制動解除用の作動圧を付与するパイロット通路が接続され、このパイロット通路には油圧モータの正回転時又は逆回転時に制動を解除するポートに切り換えられるシャトル弁が接続され、前記第1電磁弁が作動されると、パイロット通路から前記切換弁のパイロット圧室に油圧が付与されて通常モードからオートテンションモードに切り換えられるように構成されていることを要旨とする。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項2において、前記リリーフ回路切換手段は、油圧モータの正回転速度又は逆回転速度がその最大値から設定減速値になった場合に制御回路からの切換信号により切り換えられるようになっていることを要旨とする。
【0019】
請求項に記載の発明は、請求項において、前記リリーフ回路切換手段は、回転速度検出信号からの回転速度信号が設定減速値になって、所定時間経過した後に切り換え信号が出力されるようになっていることを要旨とする。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項において、前記リリーフ回路切換手段は、張力の急激な増加を検出する張力増加率検出回路からの張力増加率が設定された増加率を超えたとき前記電磁切換弁に切り換え信号を出力するように構成されていることを要旨とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した油圧クレーンにおけるオートテンション装置の第1実施形態を図1〜図13に従って説明する。
【0022】
最初に、図7に基づいて油圧クレーンの概略構成について説明する。
大型船舶等の所定位置に固定された固定ポスト11には旋回装置12を介して旋回ポスト13が旋回可能に支持されている。この旋回ポスト13の上端部にはインナージブ14が上下方向の傾動可能に装着され、インナーシリンダ15によって傾動されるようになっている。前記インナージブ14の先端部にはアウタージブ16が上下方向の傾動可能に装着され、アウターシリンダ17によって傾動されるようになっている。前記アウタージブ16には伸縮ブーム18が装着され、伸縮用シリンダ19によって伸縮されるようになっている。前記アウタージブ16の基端部には油圧ウインチ21が装着されている。この油圧ウインチ21はドラム22を備え、このドラム22から繰り出される吊上げ索23は伸縮ブーム18先端の滑車24から垂下され、フック25によってボート等の吊上げ物(以下の説明ではボートという)の吊上げを行うようになっている。
【0023】
前記旋回装置12、インナーシリンダ15、アウターシリンダ17、伸縮用シリンダ19、油圧ウインチ21には、油圧クレーンの本体に設けた油圧回路ユニット26から配管27,28,29,31を通して必要な圧油がそれぞれ供給されるようになっている。そして、各種の荷役作業を行うようになっている。
【0024】
次に、図1に基づいて前記油圧ウインチ21の油圧回路について説明する。
圧油供給源としての油ポンプ32は油タンク33からの油を油圧モータ35に第1油通路36及び第2油通路37を介して供給するようになっている。前記第1油通路36及び第2油通路37の油ポンプ32側の端部には正逆切換弁としての電磁比例制御弁34が設けられ、この電磁比例制御弁34のポート切り換えによって油圧モータ35を正回転又は逆回転させるようになっている。前記第1油通路36及び第2油通路37にはシャトル弁38がパイロット通路39a,39bを介して接続されている。このシャトル弁38によって第1油通路36又は第2油通路37から分流した油がパイロット通路39cを通して油圧モータ35のブレーキ機構Bに作動油として供給され、油圧モータ35の正回転又は逆回転時にブレーキ機構Bの制動を解除するようになっている。前記パイロット通路39cにはモード切換手段としての第1電磁弁40が接続され、後述する切換弁48のパイロット圧室にパイロット圧を付与し、切換弁48を通常のウインチの荷役作業モード(通常モード)からオートテンションモードに切り換えるようになっている。
【0025】
前記第1油通路36と第2油通路37の間には第1リリーフ通路41を介して第1リリーフ弁42が接続されている。この実施形態では、前記第1リリーフ通路41と第1リリーフ弁42によって、通常の荷役作業モードで作動される通常モード用リリーフ回路が構成されている。前記第1リリーフ弁42には第2リリーフ通路43を介して第2リリーフ弁44が接続されている。前記第2リリーフ通路43と並列に第3リリーフ通路45を介して第3リリーフ弁46が接続され、第2リリーフ通路43と第3リリーフ通路45の間には第2電磁弁47が接続されている。前記第2リリーフ弁44と第3リリーフ弁46の下流側には前記切換弁48が接続され、前記第1電磁弁40からパイロット圧力が切換弁48に作用すると、第2リリーフ通路43又は第3リリーフ通路45が作動状態に切り換えられる。この実施形態では、前記第2リリーフ通路43、第2リリーフ弁44及び第3リリーフ通路45、第3リリーフ弁46等によりオートテンションモードにおける複数のリリーフ回路が構成されている。又、前記第2電磁弁47は上記両リリーフ回路を切り換えるリリーフ回路切換手段の機能を有している。
【0026】
前記第1油通路36の途中には荷重保持弁51が設けられている。又、荷重保持弁51の下流側であって、第1油通路36と第1リリーフ通路41の接続点より油圧モータ35側には油圧モータ35が強制的に逆回転されたとき流量を制御して異常な逆回転を阻止するための流量制御弁52が接続されている。
【0027】
上述した油圧回路は携帯用制御器53からの指令信号によって制御盤54から動作信号が前記電磁比例制御弁34、第1及び第2電磁弁40,47に供給されるようになっている。この制御盤54の構成について図9を中心に説明する。
【0028】
コンピューターを備えた制御回路61には回転方向判別回路62が接続され、ドラム22に連動したロータリーエンコーダ63からの入力信号に基づいて、ドラム22(油圧モータ35)の回転方向を判別するようになっている。又、制御回路61には回転速度検出回路64が接続され、ロータリーエンコーダ63からの入力信号に基づいて、ドラム22(油圧モータ35)の正回転速度又は逆回転速度を検出するようになっている。前記制御回路61には電磁比例制御弁34、第1電磁弁40及び第2電磁弁47等が接続されている。
【0029】
前記携帯用制御器53に設けられたスイッチボックス71には、図8に示すようにオートテンションスイッチ72が設けられ、その左右両側部には水切り巻上げスイッチ73及び停止スイッチ74が設けられている。スイッチボックス71には符号は付していないが各種のスイッチやランプ等が設けられている。
【0030】
次に、前記のように構成した油圧クレーンについて、その動作を説明する。
図1はウインチの油圧回路が起動状態に保持され、電磁比例制御弁34が停止ポートに保持された状態を示す。この状態においては、シャトル弁38が停止状態に保持され、切換弁48が第2リリーフ弁44及び第3リリーフ弁46を不作動状態に保持するポートに切り換えられている。さらに、第1電磁弁40と第2電磁弁47が非励磁となっている。
【0031】
この状態において電磁比例制御弁34が油圧モータ35を正回転させるポートに切り換えられると、油圧回路は図2に示すように、油圧モータ35の正回転状態となる。即ち、前記第1油通路36からの油が油圧モータ35に供給され第2油通路37から油タンク33へ戻される。パイロット通路39aからシャトル弁38に供給されたパイロット圧によってシャトル弁38が左側の連通ポートに切り換えられ、パイロット通路39cからブレーキ機構Bへ解除用の油圧が供給されるので、ブレーキ機構Bが解除される。この状態では第1リリーフ弁42によって設定された圧力(例えば30MPa)に基づいて、巻上げ張力が例えば最大で3〜5トンというように設定され、ボートは上昇(巻上げ)される。
【0032】
図3は携帯用制御器53からの切換信号によって電磁比例制御弁34が逆回転ポートに切り換えられた状態を示す。この状態においては、正回転時と逆にシャトル弁38が右側の連結ポートに切り換えられ、第2油通路37から圧油が油圧モータ35に供給され、ドラム22が逆回転され、ボートは下降(巻下げ)される。
【0033】
図4は大きな波のうねりのある海面において、油圧ウインチ21が巻上げ状態で、オートテンションモードに切り換えられた状態を示す。この状態においては、第1電磁弁40が励磁され、第2電磁弁47が消磁され、シャトル弁38からの油圧がパイロット通路39dを通して切換弁48のパイロット圧室に作用し、第2リリーフ弁44が作動するポートに切り換えられた状態を示す。この状態においては第1リリーフ弁42の設定圧よりもさらに低い設定圧(例えば3MPa)の第2リリーフ弁44が優先して作動する。従って、波浪に応じて上動されるボートの重量に応じて適正な張力によりボートの巻上げ動作が行われる。
【0034】
図5は油圧ウインチ21が巻下げ状態に切り換えられたオートテンションモードを示す。この状態においては、第2電磁弁47が励磁されて、第2リリーフ通路43が無効に、かつ第3リリーフ通路45及び第3リリーフ弁46が作動する状態となっている。この状態においては、第2リリーフ弁44の設定圧よりもさらに低い設定圧(例えば1.0〜1.5MPa)の第3リリーフ弁46が優先して作動する。従って、波浪に応じて下動され、かつ大きな張力を必要としない巻下げ動作のときに適正な張力でボートの巻下げ動作が行われる。
【0035】
図6は巻上げ状態又は巻下げ状態において、第2リリーフ弁44と第3リリーフ弁46を用いた場合の吊上げ索23に作用する張力の状態を示す。第2リリーフ弁44については従来の技術の項で説明した通り、それ単体では不感帯領域がある。又、第3リリーフ弁46単体でも第2リリーフ弁44と同様に不感帯領域が存在する。従って、ウインチの巻上げモードと巻下げモードとの間で、ウインチが作動しない不感帯領域を極力少なくするように、第2リリーフ弁44と第3リリーフ弁46を適時に切り換えて使用することにより不感帯領域を小さくしたり無くしたりすことができる。そして、波浪に応じて上下動するボートに追従して吊上げ索23に作用する張力を適正張力に自動的にコントロールすることが可能となる。
【0036】
以上の動作を参照しながら実際にオートテンション動作が波浪のある状態でどのようにして行われるかを、図10〜図13に基づいて説明する。
図10において、ステップS1で、遠隔制御開始状態になった後、ステップS2で携帯用制御器53のオートテンションスイッチ72がONされると、ステップS3で電磁比例制御弁34が正回転ポートに切り換えられるとともに第1電磁弁40が励磁される。この状態で、ステップS5に示すようにオートテンションモードに切換られる。このモードは前述した図4に示す状態と同じである。ここで、前記オートテンションスイッチ72を操作するタイミングについて説明すると、図11に示すように波浪の谷間にボートが移動された最下位置から若干ボートが上昇した作動タイミング許容範囲内で行われる。
【0037】
図10のフローチャートにおいて、ステップS5の後にステップS6で回転方向判別回路62とロータリーエンコーダ63と回転速度検出回路64によってドラム22の回転方向と正回転速度又は逆回転速度が検出される。この信号に基づいて、ステップS7で波浪状態が検出され、波浪(ボート)が上昇していると判断された場合にはステップS8で第2リリーフ弁44が作動状態に保持され、第3リリーフ弁46が停止状態に保持される。次のステップS9でオートテンション巻上げが継続して行われる。その後、ステップS10で実際の巻上げ(正回転)速度が最大巻上げ速度(最大値)の五分の一の設定減速値以下に減速されたか否かが制御回路61によって判断され、YESの場合にはステップS11において第2リリーフ弁44が停止され、かつ第3リリーフ弁46が作動状態に切り換えられる。このため、ステップS12においてオートテンション巻下げが行われる。さらに、巻下げ動作が継続され、ステップS13において、その巻下げ(逆回転)速度が最大巻下げ速度(最大値)の五分の一の設定減速値以下になったとき、ステップS14においてオートテンション巻上げに切り換えられる。その後、作業者が目視によりボートがうねりの最大高さ位置に持ち上げられたときにステップS15で水切り巻上げスイッチ73をオンしてボートの水切り巻上げを行う。水切り巻上げスイッチ73の操作の直後にステップS16でオートテンションスイッチ72をオフし、ステップS17で図2に示す通常の巻上げ動作に移行しボートを海面から吊上げて、船舶上に移動する。
【0038】
なお、ステップS7で波浪(ボート)が下降していると判断された場合にはステップS11に移行する。前記ステップS14でステップS15に移行しない場合には、ステップS7に戻る。
【0039】
図12は前述した海面のうねりと第2リリーフ弁44と第3リリーフ弁46の切り換えタイミングを示すグラフである。又、図13は水切り巻上げスイッチ73の操作タイミングを示すグラフである。水切り巻上げスイッチ73がONされると電磁比例制御弁34が停止ポートに切り換えられる。この動作と同期してタイマーが作動し、所定時間が経過すると、電磁比例制御弁34が巻上げポートに切り換えられ、ボートが巻上げられる。
【0040】
上記実施形態の油圧クレーンにおけるオートテンション装置によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)上記実施形態では、オートテンション用のリリーフ弁を第2リリーフ弁44と第3リリーフ弁46により選択可能にしたので、ウインチの巻上げ動作に適した第2リリーフ弁44と、巻下げ動作に適した第3リリーフ弁46とを交互に選択して用いることができる。このため、従来のように1つの第2リリーフ弁44を用いる構成と比較して、吊上げ索23に作用する張力の不感帯域を無くして、巻上げ時の張力と巻下げ時の張力を適正に調整することができる。従って、ボートの海面からの巻上げ又は巻下げ動作途中において吊上げ索23に作用する張力が適正な張力に保たれるので、適正なオートテンション特性が得られ、吊上げ索23の耐久性を向上することも可能である。
【0041】
さらに、ボート等の吊上げ物の重量が変化してもそれに適した第2リリーフ弁44又は第3リリーフ弁46を選択し、吊上げ索23に作用する張力を適正に調整することができる。
【0042】
(2)上記実施形態では、回転方向判別回路62と回転速度検出回路64の回転方向と正回転速度又は逆回転速度との信号に基づいてうねりが上昇から下降に、又は下降から上昇に変化する時期を判定する。これに基づいて第2リリーフ弁44と第3リリーフ弁46を自動的に切り換えるようにしたので、ボートが上昇したり下降したりする状態を見定めて作業者が切換操作しなくても済むという利点がある。
【0043】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した油圧クレーンにおけるオートテンション装置の第2の実施形態を図14に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の油圧モータ35を可変速油圧モータ35Aに変更し、第2リリーフ弁44、第3リリーフ弁46と同様のリリーフ弁を一組増設した構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0044】
第1リリーフ弁42と切換弁48との間には第4リリーフ通路82、及び第5リリーフ通路84が接続されている。第4リリーフ通路82には第4リリーフ弁83が第5リリーフ通路84には第5リリーフ弁85が接続されている。前記第4及び第5リリーフ通路82,84には第3電磁弁86が接続されている。前記第1電磁弁40には管路87を通して変速機構付きの油圧モータ35Aに速度切り換え用の油圧が供給されるようになっている。
【0045】
この第2の実施形態においては、可変速油圧モータ35Aの回転速度が2段階に切り換えられるとともに、その2段階切り換えに対応してオートテンションに用いる一対のリリーフ弁の切り換えを行うことができる。このため吊上げ対象物の幅広い重量の変化や波浪のうねりの速度に応じて吊上げ速度及びオートテンションを適正に調整することができる。
【0046】
(第3の実施形態)
前記両実施形態では、第2リリーフ弁44と第3リリーフ弁46の切り換えを回転方向判別回路62と回転速度検出回路64からの信号によって行うようにした。この場合には、吊上げ索23に過大な張力が偶発的に作用したとき、前記切り換え動作を行うことができない。これを解決するために、第3の実施形態では張力の急激な増加を検出する張力増加率検出回路を制御回路61に接続する。そして、張力増加率が設定された増加率を超えたとき制御回路61から第2リリーフ弁44と第3リリーフ弁46の切り換えを行うようにしている。
【0047】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記実施形態において、第2電磁弁47による切り換えは巻上げ速度又は巻下げ速度が五分の一以下になってから所定時間が経過したことをタイマにより検出してから行うようにしてもよい。この場合には、ボートの巻上げ速度又は巻下げ速度が一時的に減少した場合のような単なるノイズを拾うことがなく、適正なオートテンション動作を行うことができる。
【0048】
前記可変速油圧モータ35Aを第1の実施形態に適用してもよい。又、この可変速油圧モータ35Aを三段階以上の速度切り換えが可能なものや無段階に切り換えられるものを用いてもよい。
【0049】
○ オートテンションモード機能のみを有する油圧ウインチに具体化してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜に記載の発明は、吊上げ物が波浪により上下してもそれに追従して吊上げ索に作用する張力を適正に調整することができる。
【0051】
請求項2に記載の発明は、オートテンションモードの各リリーフ回路を自動的に切り換えることができる。
請求項3に記載の発明は、通常の荷役作業モードとオートテンションモードに切り換えることができる。
【0052】
請求項4又は5に記載の発明は、モード切換手段を切換弁と第1電磁弁により安価に構成することができる
【0053】
請求項に記載の発明は、油圧モータの正回転速度又は逆回転速度がその最大値から設定減速値になった場合に切換信号が出力されるので、零になってから切り換えるのと比較して、切り換え動作を円滑に行うことができる。
【0055】
請求項に記載の発明は、ノイズにより油圧モータの回転方向が切り換えられるのを防止することができる。
請求項に記載の発明は、急激に張力が増加したときオートテンションモードのリリーフ回路を適正回路に切り換えて張力の調整を適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態における油圧クレーンのウインチの停止状態における油圧回路図。
【図2】 ウインチの通常の巻上げ状態における油圧回路図。
【図3】 ウインチの通常の巻下げ状態における油圧回路図。
【図4】 ウインチのオートテンションモードにおける巻上げ状態の油圧回路図。
【図5】 ウインチのオートテンションモードにおける巻下げ状態の油圧回路図。
【図6】 第2リリーフ弁と第3リリーフ弁の動作を説明するためのグラフ。
【図7】 油圧クレーンの概略構成を示す正面図。
【図8】 スイッチボックスの正面図。
【図9】 制御盤の制御装置の回路図。
【図10】 オートテンション動作を説明するためのフローチャート。
【図11】 オートテンションスイッチの作動タイミングを説明するためのグラフ。
【図12】 第2リリーフ弁と第3リリーフ弁の切り換えタイミングを説明するためのグラフ。
【図13】 水切り巻上げ動作を説明するためのグラフ。
【図14】 第2の実施形態における油圧クレーンのウインチの油圧回路図。
【図15】 従来の油圧クレーンのオートテンション装置の油圧回路図。
【符号の説明】
32…油ポンプ、34…正逆切換弁としての電磁比例制御弁、35…油圧モータ、40…第1電磁弁、42…第1リリーフ弁、43…第2リリーフ通路、44…第2リリーフ弁、45…第3リリーフ通路、46…第3リリーフ弁、47…第2電磁弁、48…切換弁、61…制御回路、62…回転方向判別回路、63…ロータリーエンコーダ、64…回転速度検出回路、82…第4リリーフ通路、83…第4リリーフ弁、84…第5リリーフ通路、86…第3電磁弁。

Claims (8)

  1. 圧油供給源と油圧モータとの間の油通路に該油圧モータの正回転又は逆回転を切り換える正逆切換弁を設けたウインチを有する油圧クレーンにおいて、
    前記油通路に対し前記ウインチの巻上げ動作時に用いる巻上げ用リリーフ弁を有する巻上げ用リリーフ回路と、ウインチの巻下げ動作時に用いるとともに、前記巻上げ用リリーフ弁の設定圧と異なる設定圧の巻下げ用リリーフ弁を有する巻下げ用リリーフ回路とを接続し、前記リリーフ回路をオートテンションモードで、電磁切換弁を有するリリーフ回路切換手段により択一的に切り換えるようにした油圧クレーンにおけるオートテンション装置。
  2. 請求項1において、前記リリーフ回路切換手段は、前記リリーフ回路を、前記油圧モータの回転方向判別回路からの信号と、回転速度検出回路からの信号の両信号に基づいて前記電磁切換弁を切り換え動作することにより自動的に切り換えるものである油圧クレーンにおけるオートテンション装置。
  3. 請求項1又は2において、前記油通路に対し通常の荷役作業モードで作動されるリリーフ弁を有する通常モード用リリーフ回路が接続され、通常モードとオートテンションモードとを切り換えるモード切換手段を備えている油圧クレーンにおけるオートテンション装置。
  4. 請求項3において、前記モード切換手段は、前記オートテンションモード用の複数のリリーフ回路に設けられた切換弁と、この切換弁の切り換え動作を行う第1電磁弁である油圧クレーンにおけるオートテンション装置。
  5. 請求項4において、前記油通路と油圧モータのブレーキ機構との間には制動解除用の作動圧を付与するパイロット通路が接続され、このパイロット通路には油圧モータの正回転時又は逆回転時に制動を解除するポートに切り換えられるシャトル弁が接続され、前記第1電磁弁が作動されると、パイロット通路から前記切換弁のパイロット圧室に油圧が付与されて通常モードからオートテンションモードに切り換えられるように構成されている油圧クレーンにおけるオートテンション装置
  6. 請求項2において、前記リリーフ回路切換手段は、油圧モータの正回転速度又は逆回転速度がその最大値から設定減速値になった場合に制御回路からの切換信号により切り換えられるようになっている油圧クレーンにおけるオートテンション装置。
  7. 請求項6において、前記リリーフ回路切換手段は、回転速度検出信号からの回転速度信号が設定減速値になって、所定時間経過した後に切り換え信号が出力されるようになっている油圧クレーンにおけるオートテンション装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、前記リリーフ回路切換手段は、張力の急激な増加を検出する張力増加率検出回路からの張力増加率が設定された増加率を超えたとき前記電磁切換弁に切り換え信号を出力するように構成されている油圧クレーンにおけるオートテンション装置。
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