JP2000198681A - ウインチの過巻防止装置 - Google Patents

ウインチの過巻防止装置

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JP2000198681A
JP2000198681A JP11292270A JP29227099A JP2000198681A JP 2000198681 A JP2000198681 A JP 2000198681A JP 11292270 A JP11292270 A JP 11292270A JP 29227099 A JP29227099 A JP 29227099A JP 2000198681 A JP2000198681 A JP 2000198681A
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winch
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hook
winch drum
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JP11292270A
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English (en)
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Shinobu Azuma
忍 東
Kazuhisa Ishida
和久 石田
Koji Funato
孝次 船渡
Toshiki Sakai
俊己 堺
Masami Ochiai
正巳 落合
Teruo Igarashi
照夫 五十嵐
Akira Nakayama
中山  晃
Tsutomu Udagawa
勉 宇田川
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】最適なタイミングでフックの巻き上げ過ぎを防
止するウインチの過巻防止装置を提供する。 【解決手段】ドラム41の回転を検出する回転検出器2
1と、基準点H0からのフックFの位置を検出する揚程
計22と、巻上操作を検出する圧力スイッチ24Bと、
フック過巻防止装置の作動を判定するフック過巻スイッ
チ23Bとをコントローラ20に接続する。コントロー
ラ20では、フック速度v1に応じた減速開始位置H1
と減速度とを演算し、電磁比例弁10に制御信号Iを出
力してパイロットポート3Bへのパイロット圧P2を制
御する。これによって、フックFが減速開始位置H1よ
り上方に巻き上げられるとドラム41が減速され、フッ
ク過巻スイッチ23Bがオンされると低速状態からドラ
ム41が停止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーン作業機に
おけるフックなどの吊下物体の巻き上げを停止するウイ
ンチの過巻防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フックの過剰な巻き上げを検出して巻上
ウインチの駆動を停止させるいわゆるフック過巻防止装
置と呼ばれているものに、例えば実用新案登録第255
2639号公報に開示されたものがある。これによる
と、フックが所定量以上巻き上げられるとオンする停止
スイッチをブーム先端部に設け、停止スイッチのオンに
より油圧ポンプからの作動油をアンロードさせる。これ
によって、油圧ポンプから油圧モータへの圧油の供給が
停止され、ウインチの駆動が停止される。
【0003】ところが、近年ウインチは高速で駆動され
る傾向にあり、高速巻上時にフック過巻防止装置が作動
した場合、フックなどの吊下物体はその慣性力によって
跳ね上がり、この跳ね上がりによってブームなどの支持
部材には衝撃荷重が作用し、部品の破損等に至るおそれ
があるとともに、場合によっては吊下物体がブーム先端
に接触する。高速巻上時のフックとブームとの接触を防
止するためには、吊下物体の跳ね上がりを見越して停止
スイッチをブーム先端より下方に配置する必要があり、
この場合には巻上作業の作業範囲が狭められてしまう。
【0004】このような問題を防止するため、上記公報
記載の装置は、停止スイッチの下方にさらに速度規制ス
イッチを設け、速度規制スイッチのオンにより作動油の
通過油路の面積を絞り(固定絞り)、油圧ポンプから油
圧モータへ供給される作動油量を制限する。これによっ
て、ウインチの駆動速度は減速され、その後、停止スイ
ッチのオンによりフック過巻防止装置が作動しても吊下
物体が大きく跳ね上がることなく、フックの巻上は即座
に停止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の装置では、減速開始位置は速度規制スイッチの
取り付け位置によって決定され、また、減速の割合(減
速度)は固定絞りの大きさによって決定されており、巻
上速度の大きさとは無関係である。したがって、高速時
の巻上に合わせて減速開始位置や減速の割合を設定する
と、低速時の巻上の際の減速開始のタイミングが早すぎ
ることとなり、作業効率が悪化する。逆に、低速時の巻
上に合わせて減速開始位置や減速の割合を設定すると、
高速時の巻上の際の減速開始のタイミングが遅すぎるこ
ととなり、前述したような吊下物体の跳ね上がりの問題
が発生する。
【0006】本発明の目的は、作業効率の悪化や吊下物
体の跳ね上がりのない最適なタイミングで吊り荷の巻上
を停止させ得るウインチの過巻防止装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】実施の形態を示す図1、
図5、図6に対応づけて説明する。 (1) 請求項1の発明は、操作レバー7からの指令に
よって巻上/巻下駆動されるウインチドラム41と、ウ
インチドラム41に巻回された巻上ロープ42の巻き取
り/繰り出しにより昇降する吊下物体Fの所定の停止位
置H0までの巻き上げを検出する停止スイッチ23B
と、その停止スイッチ23Bの作動によりウインチドラ
ム41の駆動を停止する停止装置5とを備えたウインチ
の過巻防止装置に適用される。そして、吊下物体Fの巻
上速度vを検出する速度検出手段21と、吊下物体Fが
所定の減速開始位置H1に到達するとウインチドラム4
1の駆動を減速する減速手段10と、速度検出手段21
により検出される吊下物体Fの巻上速度v1に応じてウ
インチドラム41の減速度を演算し、その減速度に応じ
た減速指令Iによって減速手段10の駆動を制御する減
速制御手段20とを備えることにより上述した目的は達
成される。 (2) 請求項2の発明は、操作レバー7からの指令に
よって巻上/巻下駆動されるウインチドラム41と、ウ
インチドラム41に巻回された巻上ロープ42の巻き取
り/繰り出しにより昇降する吊下物体Fの所定の停止位
置H0までの巻き上げを検出する停止スイッチ23B
と、その停止スイッチ23Bの作動によりウインチドラ
ム41の駆動を停止する停止装置5とを備えたウインチ
の過巻防止装置に適用される。そして、吊下物体Fの巻
上速度vを検出する速度検出手段21と、吊下物体Fの
昇降位置hに応じた信号を出力する位置検出手段22
と、吊下物体Fが所定の減速開始位置H1に到達すると
ウインチドラム41の駆動を減速する減速手段10と、
速度検出手段21により検出される吊下物体Fの巻上速
度v1に応じて減速開始位置H1を演算し、位置検出手
段22から出力される信号により吊下物体Fの減速開始
位置H1への到達が検出されると所定の減速指令Iを出
力して減速手段10の駆動を制御する減速制御手段20
とを備えることにより上述した目的は達成される。 (3) 請求項3の発明は、減速制御手段20が、速度
検出手段21により検出される吊下物体Fの巻上速度v
1に応じてウインチドラム41の減速度も演算し、位置
検出手段22から出力される信号により吊下物体Fの減
速開始位置H1への到達が検出されると減速度に応じた
減速指令Iを出力して減速手段10の駆動を制御するも
のである。 (4) 請求項4の発明は、操作レバー7からの指令に
よって巻上/巻下駆動されるウインチドラム41と、ウ
インチドラム41に巻回された巻上ロープ42の巻き取
り/繰り出しにより昇降する吊下物体Fの所定の停止位
置H0までの巻き上げを検出する停止スイッチ23B
と、その停止スイッチ23Bの作動によりウインチドラ
ム41の駆動を停止する停止装置5とを備えたウインチ
の過巻防止装置に適用される。そして、吊下物体Fが所
定の減速開始位置H1に到達するとウインチドラム41
の駆動を減速する減速手段10と、吊下物体Fが減速開
始位置H1から所定の減速終了位置H2に到達するまで
減速指令Iを出力し、減速終了位置H2から停止位置H
0に到達するまで定速指令I2を出力して減速手段10
の駆動を制御する減速制御手段20とを備えることによ
り上述した目的は達成される。 (5) 請求項5の発明は、図9に示すように、減速手
段1b,2b,Gが、ウインチドラム41を駆動する油圧
モータ2のモータ回転数と相関関係を有する物理量q
1,q2,nを制御し、減速制御手段40は、操作レバー
7が巻下げ駆動されると減速指令Iの出力をリセットす
るものである。 (6) 請求項6の発明は、停止装置5が、ウインチド
ラム41の駆動を停止するネガブレーキ装置を有するも
のである。 (7) 請求項7の発明は、操作レバー7からの指令に
よって巻上/巻下駆動されるウインチドラム41と、ウ
インチドラム41に巻回された巻上ロープ42の巻き取
り/繰り出しにより昇降する吊下物体Fの所定の停止位
置H0までの巻き上げを検出する停止スイッチ23B
と、その停止スイッチ23Bの作動によりウインチドラ
ム41の駆動を停止する停止装置5とを備えたウインチ
の過巻防止装置に適用される。そして、吊下物体Fの昇
降位置hに応じた信号を出力する位置検出手段22と、
ウインチドラム41の駆動を減速する減速手段10と、
位置検出手段22により、予め定めた吊下物体Fの巻上
最高速度vmaxに応じて設定された減速開始位置H1'が
検出されると、所定の減速指令Iを出力して減速手段1
0の駆動を制御する減速制御手段20とを備えることに
より上述した目的は達成される。 (8) 請求項8の発明は、減速制御手段20が、ウイ
ンチドラム41の駆動速度を一定の減速度で減速する減
速指令Iを出力し、ウインチドラム41の所定の停止位
置H0での停止直前の駆動速度が所定の速度v2になる
ように減速開始位置H1'を設定するものである。
【0008】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。 −第1の実施の形態− 図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるウインチの
過巻防止装置の構成を示す油圧回路図である。図1に示
すように、第1の実施の形態に係わる過巻防止装置は、
原動機Mによって駆動される固定容量型のメインポンプ
1と、メインポンプ1から吐出される圧油によって駆動
する固定容量型の油圧モータ2と、メインポンプ1から
油圧モータ2に供給される圧油の流れを制御する方向制
御弁3と、油圧モータ2からの駆動トルクによって巻上
巻下駆動される巻上ウインチ4と、巻上ウインチ4のド
ラム41を制動するブレーキ装置5と、ブレーキ装置5
の駆動を制御する電磁切換弁(以下、単に電磁弁と呼
ぶ)6と、オペレータが巻上ウインチ4の巻上巻下指令
を入力する操作レバー7と、操作レバー7により操作さ
れるパイロット弁8A,8Bと、パイロット弁8A,8B
に圧油を供給するパイロットポンプ9と、パイロット弁
8Bから方向制御弁3のパイロットポート3Bに供給さ
れるパイロット圧P2を制御する電磁比例減圧弁10
(以下、単に電磁比例弁と呼ぶ)と、電磁弁6と電磁比
例弁10にそれぞれ制御信号を出力するコントローラ2
0とを有している。
【0010】ブレーキ装置5は、ドラム41と一体のブ
レーキドラム41aを押圧するブレーキパッド駆動用の
ブレーキシリンダ5aを有し、電磁弁6の切り換えによ
りブレーキシリンダ5aへの圧油の供給が制御される。
電磁弁6はコントローラ20からのオフ信号により位置
(イ)に切り換えられ、オン信号により位置(ロ)に切
り換えられる。電磁弁6が位置(イ)に切り換えられる
と、ブレーキシリンダ5aのロッド側油室はタンクに連
通され、シリンダ5aはブレーキシリンダ5aに設けら
れたバネの付勢力により伸長される。これによって、ブ
レーキパッドを介してブレーキドラム41aに制動力が
作用し、ブレーキ作動状態とされる。電磁弁6が位置
(ロ)に切り換えられると、パイロットポンプ9からブ
レーキシリンダ5aのロッド側油室に圧油が供給されて
シリンダ5aが縮退され、ブレーキパッドがブレーキド
ラム41aから離れてブレーキ解除状態とされる。
【0011】巻上ウインチ4のドラム41には巻上ロー
プ42が巻回され、巻上ロープ42は、ブームBMの先
端に設けられたポイントシーブ43を介してフックFに
接続されている。油圧モータ2の駆動トルクは減速機1
1を介して巻上ウインチ4に伝達され、巻上ウインチ4
が巻上巻下げ駆動されると、巻上ロープ42はドラム4
1により巻き取りあるいは繰り出されてフックFが昇降
する。ドラム41の近傍にはドラム41の回転量θを検
出するロータリエンコーダなどの回転検出器21が設け
られ、また、図示しない運転室にはフックFの位置を検
出する揚程計22が設けられている。揚程計22は予め
設定された基準点でゼロリセットし、回転検出器21か
らの信号をカウントすることで基準点からのフック位置
を検出する。フックFの上方には、巻上ロープ42の巻
き過ぎによりブームBMから吊り下げられたおもり23
Aが持ち上げられるとオフするフック過巻スイッチ23
Bが設けられている。フック過巻スイッチ23Bがオフ
するとフック過巻装置が作動し、後述するように巻上ウ
インチ4の駆動が停止される。パイロット弁8Aと方向
制御弁3のパイロットポート3Aの間、およびパイロッ
ト弁8Bと電磁比例弁10の間にはそれぞれ圧力スイッ
チ24A,24Bが設けられ、圧力スイッチ24A,24
Bはパイロット弁8A,8Bからのわずかなパイロット
圧によってもオンするように感度が設定されている。す
なわち、圧力スイッチ24A,24Bにより操作レバー
7の操作の有無が検出される。原動機Mには原動機回転
数nを検出する回転数センサ25が設けられている。な
お、巻上ウインチ4には、操作レバー7の操作に連動し
て接続/解除されるクラッチ装置やペダル操作によって
作動/解除されるブレーキ装置が設置されるが、これら
の図示は省略する。
【0012】回転検出器21と、揚程計22と、フック
過巻スイッチ23Bと、圧力スイッチ24A,24B
と、回転数センサ25とは、それぞれコントローラ20
に接続されている。コントローラ20は、これらの各検
出器21,22,25やスイッチ23B,24A,24Bか
らの信号を取り込んで後述するような処理を実行し、電
磁弁6にオン/オフ信号を出力するとともに、電磁比例
弁10に制御信号Iを出力する。制御信号Iと電磁比例
弁10の2次圧P2との関係は図2に示すとおりであ
る。図2に示すように、制御信号I=Imaxのときは電
磁比例弁10の2次圧P2は最大(=P1)となり、こ
の状態では操作レバー7の操作量に応じたパイロット弁
8Bからの1次圧P1が、減圧されることなく方向制御
弁3のパイロットポート3Bにそのまま供給される。ま
た、制御信号I=0のときは電磁比例弁10の2次圧P
2=0となり、この状態では操作レバー7を巻上操作し
ても切換弁3のパイロットポート3Bにパイロット圧油
は供給されない。
【0013】本実施の形態は、図3(a),(b)に示
すように、おもり23Aの位置(以下、これをフック過
巻作動位置と呼ぶ)を基準位置H0として設定される減
速開始位置H1から減速終了位置H2の区間でフックF
の巻上速度vをv1からv2に減速制御し、減速終了位
置H2からフック過巻作動位置H0の区間でフックの巻
上速度vを定速制御(=v2)し、さらにフックFがフ
ック過巻作動位置H0に到達するとフックFの巻上を停
止することを特徴とする。このような制御は、以下に述
べるようにコントローラ20での処理によって行われ
る。
【0014】図4は、コントローラ20で実行される処
理を説明するためのフローチャートである。このフロー
チャートは例えばエンジンキースイッチ(不図示)のオ
ンによってスタートする。まず、ステップS1で圧力ス
イッチ24Bがオンか否か、すなわち操作レバー7が巻
上操作されているか否かを判定する。ステップS1が肯
定されるとステップS2に進み、回転検出器21からの
検出値θを読み込んでフック速度vを演算する。ドラム
41に巻回されるロープ42の巻層とフックFに掛け回
されるロープ42の掛け数を無視すると、フック速度v
は次式(I)で算出される。
【数1】 v=r・θv (I) ただし、θv:ドラム角速度(ドラム回転量θの時間微
分)、 r:ドラム半径 次いで、ステップS3で揚程計22を用いてフック位置
hを検出する。揚程計22を用いる場合には、基準点を
設定するためのリセット作業が予め必要であり、本実施
の形態ではフック過巻作動位置H0を基準点とする。こ
れによって、揚程計22ではフック過巻作動位置H0か
らの距離hが算出される。続いて、ステップS4でフッ
ク過巻スイッチ23Bがオンか否かを判定する。ステッ
プS4が否定されるとステップS5に進み、フック位置
hが図3に示した減速開始位置H1以上か否か、すなわ
ちフックFが減速開始位置H1より下方にあるか否かを
判定する。ステップS5が肯定されるとステップS6に
進み、電磁比例弁10に制御信号I=Imaxを出力し、
次いでステップS7で電磁弁6にオン信号を出力してリ
ターンする。
【0015】ステップS5が否定されるとステップS8
に進み、後述するように電磁比例弁10に出力される制
御信号Iを演算し、次いでステップS9でその信号Iを
出力してリターンする。また、ステップS4が肯定され
るとステップS10に進み、電磁比例弁10に制御信号
I=0を出力し、次いでステップS11で電磁弁6にオ
フ信号を出力してリターンする。一方、ステップS1が
否定されるとステップS12に進み、圧力スイッチ24
Aがオンか否か、すなわち操作レバー7が巻下げ操作さ
れているか否かを判定する。ステップS12が肯定され
るとステップS7に進み、否定されるとステップS11
に進む。
【0016】ここで、ステップS8において演算される
制御信号Iについて説明するが、その前提として、操作
レバー7はフルに巻上操作されているものとする。フッ
ク速度vはモータ回転数の増加関数であり、モータ回転
数は油圧モータ2へ供給される圧油量の増加関数であ
る。油圧モータ2へ供給される圧油量は、油圧ポンプ1
からの吐出量と制御弁3をストロークさせるパイロット
圧P2とによって決定され、油圧ポンプ1からの吐出量
と制御弁3のパイロット圧P2は、それぞれ原動機回転
数nと電磁比例弁10の減圧度によって決定される。結
局、フック速度vは原動機回転数nと電磁比例弁10の
減圧度とによって決定され、したがって、ステップS8
では、回転数センサ25からの信号nを読み込み、フッ
ク速度vが予め与えられた図5の特性に従って減速する
ように、フック位置hに応じた制御信号Iを演算し、ス
テップS9でその制御信号Iを出力して減圧度を制御す
る。なお、図5のフック速度vに対応する制御信号Iは
例えば図6に示すようになる。図5,図6に示すよう
に、ステップS5の減速開始位置H1',H1''は減速開
始時のフック速度v1',v1''(原動機回転数n1,n
2)に応じた値とし、減速終了位置H2における速度v
2はフック速度v1',v1''に拘わらず一定とする。ま
た、減速開始位置H1',H1''から減速終了位置H2の
区間における各特性の傾き(減速度dv/dh)は減速
開始時のフック速度v1',v1''に拘わらず一定とし、
減速終了位置H2以降の速度v2は一定とする。なお、
減速終了位置H2におけるフック速度v2は、フック停
止時のショックがなるべく小さくなるように低速に設定
し、また、減速終了位置H2から停止位置H0までの距
離は、各検出器21〜24の誤差や組立上の誤差などを
吸収するような値に設定する。
【0017】次に、本実施の形態の動作をより具体的に
説明する。 (1)フック位置z>減速開始位置H1のとき フックFの巻上作業を行うため操作レバー7をフルに巻
上げ操作すると、パイロット弁8Bが最大に駆動され
る。このとき、フックFが減速開始位置H1より下方に
あれば、前述したステップS6の処理により電磁比例弁
10は位置(ロ)に切り換えられ、この状態で電磁比例
弁10は単なる開放弁として機能するとともに、ステッ
プS7の処理により電磁弁6は位置(ロ)に切り換えら
れる。電磁比例弁10が位置(ロ)に切り換えられる
と、パイロット弁8Bからの圧油P1は、電磁比例弁1
0を介して制御弁3のパイロットポート3Bに供給さ
れ、制御弁3は位置(B)側に切り換えられる。メイン
ポンプ1からは原動機回転数nに応じた圧油が吐出さ
れ、制御弁3が位置(B)側に切り換えられると、その
圧油は制御弁3を介して油圧モータ2に供給され、油圧
モータ2は原動機回転数nに応じた速度で巻上方向に駆
動される。また、電磁弁6が位置(ロ)に切り換えられ
ると、油圧源9からの圧油は電磁弁6を介してブレーキ
シリンダ5aのロッド側油室に供給され、ブレーキ装置
5は解除される。これによって、ウインチドラム41は
巻上方向に駆動され、巻上ロープ42を巻き取ってフッ
クFが上昇する。
【0018】(2)減速開始位置H1≧フック位置zの
とき フックFが減速開始位置H1に達すると、電磁比例弁1
0に出力される制御信号Iは図6の特性に従って徐々に
小さくなり(図4のステップS8,ステップS9)、電
磁比例弁10は位置(イ)側に切り換えられて、パイロ
ットポート3Bへ供給される2次圧P2は徐々に小さく
なる。これによって、操作レバー7がフルに巻上操作さ
れているにも拘わらず制御弁3は位置(B)側から中立
位置側へと駆動され、ウインチ4は減速させられる。フ
ックFが減速終了位置H2に到達すると、電磁比例弁1
0に出力される制御信号Iは原動機回転数nに応じた値
(図6のI2',I2'')に保持され、油圧モータ2へ供
給される圧油量は一定となってウインチは定速(図5の
v2)で駆動される。フックFがフック過巻作動位置H
0に到達すると、過巻スイッチ23Bがオンされて電磁
比例弁10は位置(イ)に切り換えられ(図4のステッ
プS10)、制御弁3のパイロットポート3Bへの圧油
の供給が停止されるとともに、電磁弁6は位置(イ)に
切り換えられ(図4のステップS11)、ブレーキシリ
ンダ5aへの圧油の供給が停止される。これによって、
制御弁3は中立位置に切り換えられ油圧モータ2の駆動
が停止されるとともに、ネガブレーキ5が作動しウイン
チドラム41の駆動は停止される。
【0019】フックFが減速開始位置H1より上方にあ
り、フック速度vが減速されている状態、あるいはフッ
ク過巻装置が作動している状態から操作レバー7が巻下
げ操作されると、パイロット弁8Aが駆動され、パイロ
ット弁8Aからの圧油は制御弁3のパイロットポート3
Aに供給されて制御弁は位置(A)側に切り換えられ
る。制御弁が位置(A)側に切り換えられると、メイン
ポンプ1からの圧油は制御弁3を介して油圧モータ2に
供給され、油圧モータ2が巻下げ方向に駆動される。ま
た、電磁弁6は位置(ロ)に切り換えられ(図4のステ
ップS7)、ブレーキ装置5の作動が解除される。これ
によって、巻下げ操作時にはウインチドラム41は巻下
方向に駆動され、吊り荷が巻下げられる。
【0020】このように第1の実施の形態では、減速開
始位置H1から減速終了位置H2の区間でパイロット圧
P2を減少させてフックFの巻上を減速し、フック過巻
作動位置H0においてウインチ4の駆動を停止するよう
にしたので、吊下物体の跳ね上がり等のない最適なタイ
ミングでフックFの巻上を停止することができる。この
場合、フック速度v1が大きいとしてもフック過巻作動
位置H0を下方にずらす必要がないので、十分な作業範
囲を確保することができる。また、フック速度v1に応
じて減速開始位置H1を変更するようにしたので、急ブ
レーキ等のおそれのない安定した状態でウインチ4を減
速させることができる。さらに、位置H2〜H0間で低
速状態を保持してからフック過巻装置を作動させるよう
にしたので、検出器21〜24の誤差や組立上の誤差等
の影響を受けずに安定した状態でウインチ4を停止させ
ることができる。さらにまた、巻下げ時にはフック速度
vを減速しないようにしたので、効率よく作業を行うこ
とができる。
【0021】−第2の実施の形態− 図7は、本発明の第2の実施の形態に係わるウインチの
過巻防止装置の構成を示す油圧回路図であり、図8は、
図7の油圧回路図におけるコントローラ30での処理を
説明するためのフローチャートである。なお、図7、図
8において第1の実施の形態で用いた図1、図4と同一
の箇所には同一の符号を付し、以下ではその相違点を主
に説明する。
【0022】図7においては、電磁弁6の代わりに油圧
パイロット切換弁31が設けられ、また、圧力スイッチ
24A,24Bが省略されている。油圧パイロット切換
弁31はシャトル弁32を介して供給されるパイロット
弁8A,8Bからのわずかなパイロット圧によって位置
(イ)から位置(ロ)に切り換えられるようになってい
る。したがって、操作レバー7が巻下げ操作され、ある
いは電磁比例弁10が位置(ロ)側に切り換えられてい
る状態で操作レバー7が巻上操作されると、油圧パイロ
ット切換弁31は位置(ロ)に切り換えられ、パイロッ
トポンプ9からの圧油はブレーキシリンダ5aに供給さ
れてブレーキ装置5が解除される。
【0023】第2の実施の形態では、圧力スイッチ24
A,24Bおよび電磁弁6が不要なため、図8に示すよ
うに、コントローラ30でのステップS1,ステップS
7,ステップS11,ステップS12の各処理は不要であ
り、図4に示したものに比べて制御が簡略化されてい
る。図8に示す処理によって、第2の実施の形態は第1
の実施の形態と同様に動作する。すなわち、操作レバー
7がフルに巻上操作されると、図5に示したのと同様、
原動機回転数nとフック位置hに応じた制御信号Iが電
磁比例弁10に出力され、フック速度vは図6に示した
のと同様に制御される。
【0024】−第3の実施の形態− 図9は、本発明の第3の実施の形態に係わるウインチの
過巻防止装置の構成を示す油圧回路図であり、図10
は、図9の油圧回路図におけるコントローラ40での処
理を説明するためのフローチャートである。なお、図
9、図10において図1、図4と同一の箇所には同一の
符号を付し、以下ではその相違点を主に説明する。図9
においては、電磁比例弁10の代わりにオン/オフ式の
電磁弁44が設けられており、電磁弁44はコントロー
ラ40からのオン信号(I=Imax)によって位置
(ロ)に切り換えられ、オフ信号(I=0)によって位
置(イ)に切り換えられる。また、メインポンプ1aと
油圧モータ2aはともに可変容量式とされており、ポン
プ傾転角(ポンプ容量)を調整するレギュレータ1b
と、モータ傾転角(モータ容量)を調整するレギュレー
タ2bとは、原動機回転数nを調整するガバナGととも
にコントローラ40に接続されている。コントローラ4
0は、回転検出器21と揚程計22とフック過巻スイッ
チ23Bと圧力スイッチ24A,24Bと回転数センサ
25からの信号を取り込んで後述するような処理を実行
し、電磁弁6,44にオン/オフ信号を出力するととも
に、レギュレータ1b,2bおよびガバナGに制御信号
Iを出力する。すなわち、本実施の形態では、操作レバ
ー7がフルに巻上操作されたとき、フック速度vが図5
に示した特性に従って変化するように、電磁弁6,44
のみならずポンプ1a、モータ2aの各傾転角および原
動機回転数nをも制御する。なお、メインポンプ1は、
制御弁45を介し他のアクチュエータ46(例えば走
行、旋回)にも接続されている。
【0025】図10において、ステップS1が肯定され
るとステップS41に進み、電磁弁44にオン信号を出
力してステップS2、ステップS3、ステップS4に順
次進む。ステップS4が肯定されるとステップS42に
進み、電磁弁44にオフ信号を出力し、ステップS11
に進んでリターンする。一方、ステップS4が否定さ
れ、ステップS5が否定されるとステップS50に進
み、ステップS50では後述する減速制御のサブルーチ
ン処理を実行し、リターンする。ステップS5が肯定さ
れるとステップS6,ステップS7に進み、次いでステ
ップS43に進んで、レギュレータ1b,2b,ガバナG
の各指令値をメモリしてリターンする。また、ステップ
S1が否定され、ステップS12が肯定されるとステッ
プS44に進み、ステップS50の減速制御処理をリセ
ットし、ステップS43でメモリされている指令値をレ
ギュレータ1b,2b,ガバナGに出力してステップS7
に進む。
【0026】次に、ステップS50で実行される減速制
御処理を説明する。図11はステップS50の減速制御
のサブルーチン処理を示すフローチャートである。一般
に、モータ容量q2、ポンプ容量q1、原動機回転数n
とモータ回転数Nとの間には次のような相関関係があ
る。
【数2】 q1・n/q2∝N (ll) したがって、操作レバー7をフルに巻上操作した場合で
あっても、ポンプ容量q1、モータ容量q2、原動機回
転数nのいずれかを制御することでモータ回転数Nを減
速制御することができる。本実施の形態においては図1
1に示すように、まず、ステップS51で油圧モータ2
のモータ容量q2が最大q2maxか否かを判定する。ス
テップS51が否定されるとステップS52に進み、フ
ック速度vが図5に示したのと同様な特性となるように
レギュレータ2bに制御信号Iを出力してモータ容量q
2を制御し、リターンする。この場合、フック位置hと
モータ容量q2との関係は図12に示すようになり、フ
ック位置hの上昇に伴いモータ容量q2は増加する。モ
ータ容量q2が最大q2max(図12の点線)になると
ステップS51が肯定されてステップS53に進み、メ
インポンプ1のポンプ容量q1が最小q1minか否かを
判定する。ステップS53が否定されるとステップS5
4に進み、レギュレータ1bに制御信号Iを出力してポ
ンプ容量q1を制御し、リターンする。この場合、フッ
ク位置hとポンプ容量q1との関係は図13に示すよう
になり、フック位置hの上昇に伴いポンプ容量q1は減
少する。ポンプ容量q1が最小q1min(図13の点
線)になるとステップS53が肯定されてステップS5
5に進み、ガバナGに制御信号Iを出力して原動機回転
数nを制御し、リターンする。この場合、フック位置h
と原動機回転数nとの関係は図14に示すようになり、
フック位置hの上昇に伴い原動機回転数nは低下する。
なお、ステップS52でも所望の速度となるように、原
動機回転数n,ポンプ容量q1を加味してモータ容量q
2が決定される。ステップS54,ステップS55も同
様である。
【0027】油圧ポンプ1は他のアクチュエータ46に
も接続されているので、減速制御によって他のアクチュ
エータ46の動作が影響を受けないようにする。そのた
め、本実施の形態ではモータ容量q2の制御を先に行い
(ステップS52)、次いでポンプ容量q1、原動機回
転数Nの制御を行う(ステップS54,ステップS5
5)。なお、操作レバー7の巻下げ時には、ステップS
50の減速制御がリセットされ(ステップS44)、モ
ータ容量q2、ポンプ容量q1、原動機回転数nはそれ
ぞれ減速制御前の値(図12〜図14のq2a,q1a,
na)に制御される。これによって、巻下げ時には減速
制御されることなくフックFを巻下げることができる。
【0028】−第4の実施の形態− 図15は、本発明の第4の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置の構成を示す油圧回路図である。なお、
図1、図9と同一の箇所には同一の符号を付し、その相
違点を主に説明する。図15において、メインポンプ1
と制御弁3の間にはメインポンプ1からの圧油をタンク
にバイパスする電磁比例弁51(流量制御弁)が接続さ
れている。コントローラ50は、回転検出器21と揚程
計22とフック過巻スイッチ23Bと圧力スイッチ24
A,24Bと回転数センサ25からの信号を取り込んで
後述するような処理を実行し、電磁弁6,44にオン/
オフ信号を出力するとともに、電磁比例弁51に制御信
号Iを出力する。電磁比例弁51を通過するバイパス流
量Qbと制御信号Iとの関係は図16に示すとおりであ
る。図16に示すように、制御信号I=0のとき、電磁
比例弁51は位置(イ)に切り換えられてバイパス流量
Qb=0となり、制御信号I=Imaxのとき、電磁比例
弁51は位置(ロ)に切り換えられてバイパス流量Qb
は最大(=Qbmax)となる。
【0029】図17は、コントローラ50で実行される
処理を説明するためのフローチャートである。なお、図
10と同一の箇所には同一の符号を付し、その相違点を
主に説明する。操作レバー7がフルに巻上操作された状
態で、フックFが減速開始位置H1に達すると、ステッ
プS5が否定されてステップS61に進む。ステップS
61では、図4のステップS8,ステップS9と同様な
処理を実行し、電磁比例弁51に原動機回転数nとフッ
ク位置hとに応じた制御信号Iを出力してリターンす
る。すなわち、フックFの上昇に応じて制御信号Iを徐
々に増大して出力し、バイパス流量Qbを増加させるこ
とで、フック位置hとフック速度vとの関係は図5に示
したのと同様になる。一方、ステップS5が肯定される
とステップS62に進み、電磁比例弁51に制御信号I
=0を出力してバイパス流量Qb=0とし、次いで、ス
テップS7に進んでリターンする。フックFがフック過
巻作動位置H0に到達するとステップS4が肯定されて
ステップS63に進み、電磁比例弁51に制御信号Ima
xを出力し、バイパス流量Qbを最大Qbmaxにする。こ
の状態ではわずかな流量しか制御弁3を通過しないの
で、油圧モータ2の回転は阻止される。操作レバー7が
巻下げ操作されるとステップS12が肯定されてステッ
プS62に進み、電磁比例弁51に制御信号I=0を出
力してバイパス流量Qb=0にする。これによって、レ
バー操作量に応じた速度でフックFを巻下げることがで
きる。
【0030】なお、図15の油圧回路は、図18のよう
に構成することも可能である。図18において、電磁比
例弁51は油圧モータ2の出入口ポートを連通または遮
断するように設けられ、また、メインポンプ1は制御弁
45を介して他のアクチュエータ46にも接続されてい
る。メインポンプ1からの圧油は制御弁45を介してア
クチュエータ46に供給されるとともに、制御弁3を介
して油圧モータ2にも供給されるが、制御弁3を通過し
た圧油の一部は電磁比例弁51Aの弁開度に応じて油圧
モータ2をバイパスし、これによって、油圧モータ2の
回転数が制御される。この場合、電磁比例弁51Aの弁
開度に応じて制御弁3に供給される圧油量が制限される
ことはなく、したがって、他のアクチュエータ46に対
し、速度低下などの影響を与えることはない。
【0031】なお、上記実施の形態におけるフック速度
の減速パターン(減速開始位置H1から減速終了位置H
2の区間における減速特性)は、一例であってこれに限
定されるものではない。すなわち、上記実施の形態で
は、図5に示すようにフック巻上時の減速度を一定とす
るようにしたが、図19に示すようにフック速度v1',
v1''に応じて減速度を変更するようにしてもよい。ま
た、フック速度v1',v1''に応じて減速開始位置H
1',H1''を変更するようにしたが、図20に示すよう
に、巻上速度vに拘わらず減速開始位置H1を一定とす
るようにしてもよい。この場合、フック過巻防止装置用
のおもり23A,スイッチ23Bの下方に減速開始用の
おもり,スイッチを設け、その作動により減速開始を判
定するようにしてもよい。さらにまた、図21に示すよ
うにフック速度に応じて減速終了位置H2を変更するよ
うにしてもよい。
【0032】また、上記実施の形態では、操作レバー7
の操作量を一定(フル操作)と仮定し、原動機回転数n
に応じてフック速度vが変化するものとしたが、操作レ
バー7の操作量を考慮し、操作レバー7の操作量に応じ
てフック速度vが変化するとしてもよい。さらに、上記
実施の形態においては、フック位置zの検出に関し、揚
程計22を用いるようにしたがこれに限らず、他の検出
器(例えばレーザや超音波などの検出器)を用いて、フ
ックFとおもり23Aとの間の距離hを検出するように
してもよい。
【0033】−第5の実施の形態− 第5の実施の形態のウインチの過巻防止装置の構成は、
第1の実施の形態の図1と同じであるので、構成図およ
び各構成要素の説明を省略する。したがって、以下の説
明では構成について図1を参照して説明する。
【0034】第1の実施の形態では、フックFの巻上速
度vを検出し、巻上速度vに応じて減速開始位置H1を
演算し、演算された減速開始位置H1から所定の減速度
で巻上速度vが減速するように電磁比例弁10に出力す
る制御信号Iを制御した。しかし、第5の実施の形態で
は、フック最大速度vmaxに対応した減速開始位置H1'
を予め定めておき、フックFがその位置H1'に到達し
たときに、電磁比例弁10に対し予め定めた減速特性を
発揮するような制御信号IをフックFの実速度vに拘わ
らず出力するようにした。
【0035】すなわち、図22に示すように、フック最
大速度vmaxのときにフック位置H1'から減速を開始
し、フック位置H2で定速度v2となるようなフック速
度特性CVを予め定める。図23には、このようなフッ
ク速度特性CVを実現するために電磁比例弁10へ出力
する制御信号Iの特性CIを示す。第5の実施の形態で
は、フック位置を検出し、その検出値に応じた制御信号
IをフックFの実速度vとは無関係に図23の特性CI
に基づいて演算し、電磁比例弁10へ出力する。これに
より、例えばフック速度がv1''の場合、フック位置が
H1'に到達すると制御信号Iは特性CIに沿って減少
し、それに伴い電磁比例弁10は位置(イ)側に切り換
えられて弁開度も減少するが、フック位置がH1''に到
達するまでは、フックFの実速度vはフック速度特性C
Vにより規定されるフック速度より小さいので、フック
速度v1''は減速されない。フック位置がH1''に到達
して制御信号がI1'になるとはじめて図22の特性C
Vに沿ってフック速度v1''が減速される。
【0036】図24は、第5の実施の形態に係わるウイ
ンチの過巻防止装置を構成するコントローラ20での処
理を説明するためのフローチャートであり、このフロー
チャートに基づいて電磁比例弁10の減圧度が制御され
る。図24に示すように、ステップS71で揚程計22
を用いてフック位置hを検出する。次いで、ステップS
72でフック位置がフック最大速度vmaxに対応した減
速開始位置H1'に到達したか否かを判定し、肯定され
るとステップS73に進み、否定されるとステップS7
1に戻る。ステップS73では、図23に予め定めた特
性CIによりフック位置に応じた制御信号Iを演算し、
次のステップS74で、その制御信号Iを電磁比例弁1
0に出力し、リターンする。
【0037】このように第5の実施の形態では、フック
最大速度vmaxに対応した減速開始位置H1'を予め定め
ておき、フックFがその位置H1'に到達したときに、
電磁比例弁10に対し予め定めた減速特性を発揮するよ
うな制御信号IをフックFの実速度vに拘わらず出力す
るようにしたので、フック速度を検出して減速開始位置
を算出する必要がなく、応答性が向上でき、構成が簡素
化される。
【0038】以上の実施の形態と請求項との対応におい
て、ブレーキ装置5が停止装置を、回転検出器21が速
度検出手段を、電磁比例弁10,51,51Aとレギュレ
ータ1b,2bとガバナGとがそれぞれ減速手段を、コ
ントローラ20,30,40,50が減速制御手段を、揚
程計22が位置検出手段をそれぞれ構成する。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
発明によれば、吊下物体の巻上速度に応じた減速度でウ
インチドラムを減速し、また、請求項2の発明によれ
ば、吊下物体の巻上速度に応じて減速開始位置を変更す
るようにしたので、巻上速度に応じた最適なタイミング
で吊り荷を停止させることができる。さらに、請求項4
の発明によれば、吊下物体が停止位置に到達する前に減
速指令を終了し、ウインチを定速で駆動させるようにし
たので、停止位置において組立上の誤差等の影響を受け
ない所定の速度からウインチを停止させることができ
る。さらにまた、請求項7の発明によれば、予め定めた
吊下物体の巻上最高速度に応じて設定された減速開始位
置が位置検出手段により検出されると、所定の減速指令
を出力してウインチドラムを減速させるようにしたの
で、吊下物体の巻上速度を検出する必要がなく構成が簡
素化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるウインチの
過巻防止装置の構成を示す油圧回路図。
【図2】本発明の実施の形態に係わる電磁比例弁の制御
特性(制御信号に対する2次圧)を示す図。
【図3】本発明の実施の形態に係わるウインチの過巻防
止装置の各種定数を説明するための図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係わるウインチの
過巻防止装置を構成するコントローラでの処理を説明す
るためのフローチャート。
【図5】本発明の実施の形態に係わるウインチの過巻防
止装置の動作特性(フック位置とフック速度との関係)
を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係わるウインチの過巻防
止装置のフック位置に対して出力される制御信号を示す
図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係わるウインチの
過巻防止装置の構成を示す油圧回路図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係わるウインチの
過巻防止装置を構成するコントローラでの処理を説明す
るためのフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係わるウインチの
過巻防止装置の構成を示す油圧回路図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置を構成するコントローラでの処理を説明
するためのフローチャート。
【図11】図10に示すコントローラでの処理のうち、
減速制御処理を説明するためのフローチャート。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置のフック位置に対するモータ容量の関係
を示す図。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置のフック位置に対するポンプ容量の関係
を示す図。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置のフック位置に対する原動機回転数の関
係を示す図。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置を構成を示す油圧回路図。
【図16】本発明の第4の実施の形態に係わる電磁比例
弁の制御特性(制御信号に対するパイロット流量)を示
す図。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置を構成するコントローラでの処理を説明
するためのフローチャート。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置の他の構成を示す油圧回路図。
【図19】本発明の実施の形態に係わるウインチの過巻
防止装置の他の動作特性(フック位置とフック速度との
関係)を示す図。
【図20】本発明の実施の形態に係わるウインチの過巻
防止装置の別の動作特性(フック位置とフック速度との
関係)を示す図。
【図21】本発明の実施の形態に係わるウインチの過巻
防止装置のさらに別の動作特性(フック位置とフック速
度との関係)を示す図。
【図22】本発明の第5の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置の動作特性(フック位置とフック速度と
の関係)を示す図。
【図23】本発明の第5の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置のフック位置に対して出力される制御信
号を示す図。
【図24】本発明の第5の実施の形態に係わるウインチ
の過巻防止装置を構成するコントローラでの処理を説明
するためのフローチャート。
【符号の説明】
5 ブレーキ装置 7 操作レバー 10 電磁比例弁(減圧弁) 20,30,40,50 コントローラ 21 回転検出器 22 揚程計 23A おもり 23B フック過巻スイッチ 41 ウインチドラム 42 巻上ロープ 44 電磁弁 51,51A 電磁比例弁(流量制御弁) 1b 油圧ポンプのレギュレータ 2b 油圧モータのレギュレータ F フック G ガバナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船渡 孝次 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 堺 俊己 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 落合 正巳 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 五十嵐 照夫 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 中山 晃 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 宇田川 勉 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作レバーからの指令によって巻上/巻
    下駆動されるウインチドラムと、 前記ウインチドラムに巻回された巻上ロープの巻き取り
    /繰り出しにより昇降する吊下物体の所定の停止位置ま
    での巻き上げを検出する停止スイッチと、 その停止スイッチの作動により前記ウインチドラムの駆
    動を停止する停止装置とを備えたウインチの過巻防止装
    置において、 前記吊下物体の巻上速度を検出する速度検出手段と、 前記吊下物体が所定の減速開始位置に到達すると前記ウ
    インチドラムの駆動を減速する減速手段と、 前記速度検出手段により検出される前記吊下物体の巻上
    速度に応じて前記ウインチドラムの減速度を演算し、そ
    の減速度に応じた減速指令によって前記減速手段の駆動
    を制御する減速制御手段とを備えたことを特徴とするウ
    インチの過巻防止装置。
  2. 【請求項2】 操作レバーからの指令によって巻上/巻
    下駆動されるウインチドラムと、 前記ウインチドラムに巻回された巻上ロープの巻き取り
    /繰り出しにより昇降する吊下物体の所定の停止位置ま
    での巻き上げを検出する停止スイッチと、 その停止スイッチの作動により前記ウインチドラムの駆
    動を停止する停止装置とを備えたウインチの過巻防止装
    置において、 前記吊下物体の巻上速度を検出する速度検出手段と、 前記吊下物体の昇降位置に応じた信号を出力する位置検
    出手段と、 前記吊下物体が所定の減速開始位置に到達すると前記ウ
    インチドラムの駆動を減速する減速手段と、 前記速度検出手段により検出される前記吊下物体の巻上
    速度に応じて前記減速開始位置を演算し、前記位置検出
    手段から出力される信号により前記吊下物体の前記減速
    開始位置への到達が検出されると所定の減速指令を出力
    して前記減速手段の駆動を制御する減速制御手段とを備
    えたことを特徴とするウインチの過巻防止装置。
  3. 【請求項3】 前記減速制御手段は、前記速度検出手段
    により検出される前記吊下物体の巻上速度に応じて前記
    ウインチドラムの減速度も演算し、前記位置検出手段か
    ら出力される信号により前記吊下物体の前記減速開始位
    置への到達が検出されると前記減速度に応じた減速指令
    を出力して前記減速手段の駆動を制御することを特徴と
    する請求項2に記載のウインチの過巻防止装置。
  4. 【請求項4】 操作レバーからの指令によって巻上/巻
    下駆動されるウインチドラムと、 前記ウインチドラムに巻回された巻上ロープの巻き取り
    /繰り出しにより昇降する吊下物体の所定の停止位置ま
    での巻き上げを検出する停止スイッチと、 その停止スイッチの作動により前記ウインチドラムの駆
    動を停止する停止装置とを備えたウインチの過巻防止装
    置において、 前記吊下物体が所定の減速開始位置に到達すると前記ウ
    インチドラムの駆動を減速する減速手段と、 前記吊下物体が前記減速開始位置から所定の減速終了位
    置に到達するまで減速指令を出力し、前記減速終了位置
    から前記停止位置に到達するまで定速指令を出力して減
    速手段の駆動を制御する減速制御手段とを備えたことを
    特徴とするウインチの過巻防止装置。
  5. 【請求項5】 前記減速手段は、前記ウインチドラムを
    駆動する油圧モータのモータ回転数と相関関係を有する
    物理量を制御し、前記減速制御手段は、前記操作レバー
    が巻下げ駆動されると前記減速指令の出力をリセットす
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載
    のウインチの過巻防止装置。
  6. 【請求項6】 前記停止装置は、前記ウインチドラムの
    駆動を停止するネガブレーキ装置を有することを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載のウインチの過
    巻防止装置。
  7. 【請求項7】 操作レバーからの指令によって巻上/巻
    下駆動されるウインチドラムと、 前記ウインチドラムに巻回された巻上ロープの巻き取り
    /繰り出しにより昇降する吊下物体の所定の停止位置ま
    での巻き上げを検出する停止スイッチと、 その停止スイッチの作動により前記ウインチドラムの駆
    動を停止する停止装置とを備えたウインチの過巻防止装
    置において、 前記吊下物体の昇降位置に応じた信号を出力する位置検
    出手段と、 前記ウインチドラムの駆動を減速する減速手段と、 前記位置検出手段により、予め定めた前記吊下物体の巻
    上最高速度に応じて設定された減速開始位置が検出され
    ると、所定の減速指令を出力して前記減速手段の駆動を
    制御する減速制御手段とを備えたことを特徴とするウイ
    ンチの過巻防止装置。
  8. 【請求項8】 前記減速制御手段は、前記ウインチドラ
    ムの駆動速度を一定の減速度で減速する減速指令を出力
    し、前記ウインチドラムの前記所定の停止位置での停止
    直前の駆動速度が所定の速度になるように前記減速開始
    位置を設定することを特徴とする請求項7に記載のウイ
    ンチの過巻防止装置。
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JP2015080954A (ja) * 2013-10-21 2015-04-27 カヤバ システム マシナリー株式会社 水中昇降装置
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