JP2003095584A - タワークレーンの安全装置 - Google Patents

タワークレーンの安全装置

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JP2003095584A
JP2003095584A JP2001293616A JP2001293616A JP2003095584A JP 2003095584 A JP2003095584 A JP 2003095584A JP 2001293616 A JP2001293616 A JP 2001293616A JP 2001293616 A JP2001293616 A JP 2001293616A JP 2003095584 A JP2003095584 A JP 2003095584A
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hoisting
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Kenju Fujita
健樹 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タワーブームを起伏させる際のロープ支持部
材の破損を防止する。 【解決手段】 ジブ先端部に連結されたペンダントロー
プ8の張力を検出する張力検出器12を設ける。ジブ3
Jとタワーブーム3Bが連結装置20により連結された
状態で、ペンダントロープ8の張力検出値Tが予め定め
た所定の破損防止張力T1を越えると、ブーム起伏ドラ
ム巻下用の電磁切換弁38Aと、ジブ起伏ドラム巻上用
の電磁切換弁38Bにそれぞれ制御信号を出力し、ブー
ム起伏ドラム6の巻下駆動とジブ起伏ドラム5の巻上駆
動を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タワーブームとジ
ブとを備えるタワークレーンの安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】タワークレーンは、タワーブームの先端
部にジブを折り畳み自在に設けてある。通常倒回状態に
あるタワーブームは、ジブをタワーブーム側に折り畳
み、連結装置により、ジブとタワーブームとを一体に固
定した状態で、タワーブームが地面に沿う姿勢で駐機さ
れている。その状態のタワーブームを起立してタワーク
レーンを作業姿勢にするいわゆる段取り作業は、例えば
次のように行われる。すなわち、ブーム起伏ロープを巻
き上げ、タワーブームと一体にジブを起立させる。この
とき、タワーブームの起立に伴いジブ起伏ロープが弛ま
ないように、同時にジブ起伏ロープも巻き取る。タワー
ブームが所定角度まで起立すると、連結装置によるタワ
ーブームとジブとの連結を解除する。次いで、ジブ起伏
ロープの巻き取りによりジブをタワーブームから離反さ
せながら上方に引き起こし、タワークレーンを作業姿勢
とする。
【0003】このような段取り作業において、ジブ起伏
ロープを巻取り過ぎると、ジブ起伏ロープに過大な張力
が作用し、ロープ支持部材等(例えばガイドローラやス
イングレバー)が破損するおそれがある。この問題を回
避するため、例えば特許2733442号公報には、ジ
ブ起伏ロープの張力を検出し、このロープ張力が所定値
を越えるとジブ起伏ロープの巻き取りを自動停止するよ
うにした装置が開示されている。
【0004】ところで、通常、タワークレーンはモーメ
ントリミッタと呼ばれる過負荷防止装置を備えている。
このモーメントリミッタは、ロープ張力などによりジブ
に作用する負荷を演算し、この負荷が予め作業半径に対
応して定めた限界値を越えるとタワーブームおよびジブ
の起伏動作(負荷を増加させるような動作)を停止させ
る。これによりクレーンの転倒が防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載の装置で
は、作業機本体側に張力検出器を設けてジブ起伏ロープ
の張力を検出している。しかしながら、この場合の張力
検出値は、ジブ起伏ロープが掛け回されるシーブの摩擦
損失(シーブ効率)やスイングレバーの姿勢変化などの
影響を受けて変化する。したがって、ジブに作用する負
荷を精度よく算出することができず、モーメントリミッ
タを精度よく作動させることができない。
【0006】本発明の目的は、ジブと一体にタワーブー
ムを起伏させる際のロープ支持部材の破損を防止し、か
つ、モーメントリミッタを精度よく作動させることがで
きるタワークレーンの安全装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図面
を参照して説明する。 (1) 請求項1の発明は、ブーム起伏ロープ6aの巻
回されたブーム起伏ドラム6の巻上/巻下駆動により起
伏するタワーブーム3Bと、ジブ起伏ロープ5aの巻回
されたジブ起伏ドラム5の巻上/巻下駆動により起伏す
るジブ3Jと、ジブ起伏ロープ5aとジブ先端部とを接
続するペンダントロープ8,9とを有するタワークレー
ンの安全装置に適用される。そして、ペンダントロープ
8の張力を検出する張力検出器12と、張力検出器12
による検出値Tが所定の破損防止張力T1を越えると、
ブーム起伏ドラム6の巻下駆動およびジブ起伏ドラム5
の巻上駆動を停止する停止手段38A,38Bとを備え
ることにより上述した目的を達成する。 (2)請求項2の発明は、請求項1に記載のタワークレ
ーンの安全装置において、ペンダントロープ8,9に接
続され、ジブ3Jの起伏に応じてタワーブーム先端部で
回動するスイングレバー10を備え、張力検出器12
は、スイングレバー10とジブ先端部の間のペンダント
ロープ張力Tを検出するものである。 (3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載のタ
ワークレーンの安全装置において、ジブ3Jとタワーブ
ーム3Bを一体に起伏動させる段取り運転状態を検出す
る運転状態検出手段27を備え、停止手段38A,38
Bが、運転状態検出手段27により段取り運転状態が検
出され、かつ、張力検出器12による検出値Tが所定の
破損防止張力T1を越えると、ブーム起伏ドラム6の巻
下駆動およびジブ起伏ドラム5の巻上駆動を停止するも
のである。
【0008】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7を参照して本発
明によるタワークレーンの安全装置の実施の形態につい
て説明する。図1は、本実施の形態に係る安全装置を備
えたタワークレーンの構成を示す側面図である。図1に
示すように、タワークレーンは、走行体1と、走行体上
に旋回可能に設けられた旋回体2と、旋回体2に回動可
能に軸支されるタワーブーム3B(以下、ブーム)と、
ブーム3Bの先端部に回動可能に軸支されるジブ3Jと
からなる。図1は、タワークレーンを起立もしくは倒回
する途中のいわゆる段取り状態を示す。段取り状態にお
いて、ジブ3Jはブーム3Bの前面側に連結装置20に
て固定され、両者は一体となって起伏する。
【0010】旋回体2には巻上ドラム4と、ジブ起伏ド
ラム5と、ブーム起伏ドラム6が搭載されている。ブー
ム起伏ドラム6に巻回されたブーム起伏ロープ6aの巻
取りまたは繰り出しにより、ブーム3Bの先端部に連結
された第1のペンダントロープ7を介してブーム3Bが
起伏される。ブーム3Bの先端部にはスイングレバー1
0が回動可能に軸支されている。このスイングレバー1
0の一の頂角は第2のペンダントロープ8を介してジブ
3Jの先端部に連結され、他の頂角は第3のペンダント
ロープ9、ブライドル11を介してジブ起伏ロープ5a
に連結されている。第3のペンダントロープ9はブーム
先端部の背面側に設けられたガイドローラ9Aを経由し
て張設される。このようにジブ3Jはジブ起伏ロープ5
a、第3のペンダントロープ9、第2のペンダントロー
プ8を介して支持されるとともに、これらロープ5a,
9,8はブライドル11、ガイドローラ9a、スイング
レバー10などのロープ支持部材によって支持される。
【0011】ジブ起伏ドラム5に巻回されたジブ起伏ロ
ープ5aの巻取りまたは繰り出しにより、第3のペンダ
ントロープ9を介してスイングレバー10が回動され
る。このスイングレバー10の回動に伴い、第2のペン
ダントロープ8に張力が作用する。第2のペンダントロ
ープ8の一端部にはロードセルなどの張力検出器12が
装着され、この張力検出器12により第2のペンダント
ロープ8の張力が検出される。張力検出器12からの信
号は旋回体2に搭載されたモーメントリミッタMLに取
り込まれる。モーメントリミッタMLでは、図示しない
ブーム角度計およびジブ角度計からの検出値により作業
半径を演算するとともに、ペンダントロープ8の張力検
出値Tがその作業半径において予め定めた限界張力T0
に達すると、起伏ドラム5,6の巻下駆動と巻上ドラム
4の巻上駆動をそれぞれ禁止する。これによりクレーン
に作用する負荷が制限され、クレーンの転倒が防止され
る。なお、モーメントリミッタMLの過負荷防止機能は
周知のものであり、その詳細な説明は省略する。
【0012】上述した過負荷防止機能に加え本実施の形
態のモーメントリミッタMLでは、ペンダントロープ8
の張力検出値Tが所定の破損防止張力T1より小さいか
否かを判定し、張力検出値Tが破損防止張力T1に達す
ると後述する図4のスイッチ41にオン信号を出力し、
スイッチ41を閉じる。なお、破損防止張力T1は、ガ
イドローラ9Aやスイングレバー10の強度を考慮し、
それらの破損を防止する値に設定される。
【0013】図2は連結装置20の拡大図である。連結
装置20は、ブーム3Bに固設されたブラケット21に
ピン22を介して回動可能に支持されるフック23と、
フック23に係合するようにジブ3Jに固設されるホル
ダ24とを有する。フック23とブラケット21はばね
25で連結され、図2(a)に示すようにばね25の付
勢力によりフック23とホルダ24は係合する。フック
23には解除ロープ26が連結され、図2(b)に示す
ように解除ロープ26が引っ張られるとばね25の付勢
力に抗してフック23とホルダ24との係合が解除され
る。フック23にはリミットスイッチ27が装着され、
フック23がホルダ24に係合されるとリミットスイッ
チ27はホルダ24に当接し、スイッチ27がオンす
る。
【0014】図3は、本実施の形態に係わる安全装置を
搭載するタワークレーンの油圧回路図である。図3に示
すように油圧回路は、メインポンプ31A,31Bと、
メインポンプ31A,31Bから供給される圧油により
回転する油圧モータ32A,32Bと、これらの油圧モ
ータ32A,32Bによってそれぞれ駆動されるブーム
起伏ドラム6およびジブ起伏ドラム5と、メインポンプ
31A,31Bから油圧モータ32A,32Bへの圧油の
流れをそれぞれ制御する制御弁33A,33Bと、これ
らの制御弁33A,33Bを駆動するためにそれぞれ操
作される操作レバー34A,34Bと、操作レバー34
A,34Bの操作量に応じて駆動されるパイロット弁3
5a,35b,36a,36bと、パイロット弁35a,3
5b,36a,36bに圧油を供給するパイロット油圧源
37と、パイロット弁35bと制御弁33Aのパイロッ
トポートの間、およびパイロット弁36aと制御弁33
Bのパイロットポートの間にそれぞれ介装された電磁切
換弁38A,38Bとを有する。
【0015】図4は、本実施の形態に係わる安全装置の
構成を示す電気回路図である。この電気回路にはリレー
RY1〜RY3が設けられている。リレーRY1はリミ
ットスイッチ27に接続され、リレーRY2はリレーR
Y1,RY2の接点a1,a2にそれぞれ接続され、リレ
ーRY3はモーメントリミッタMLのスイッチ41に接
続されている。リレーRY2の接点a2は電磁切換弁3
8A,38Bのソレノイド38a,38bにそれぞれ接続
されている。
【0016】リミットスイッ27がオン、すなわちフッ
ク23がホルダ24に係合されるとリレーRY1が励磁
され、リレー接点a1が開放される。この状態でモーメ
ントリミッタMLのスイッチ41がオンされるとリレー
RY3が励磁され、リレー接点a3が開放される。これ
によりリレーRY2が消磁され、リレー接点a2が開放さ
れ、ソレノイド38a,38bがそれぞれ消磁される。
【0017】次に、本実施の形態の動作をより具体的に
説明する。タワークレーンを使用するため、倒回状態の
ブーム3Bを起立させる場合には、まず、ブーム3Bと
ジブ3Jを連結装置20により連結する。このとき、リ
レーRY1の励磁によりリレー接点a1が閉じられ、ソ
レノイド38a,38bがそれぞれ励磁されて、電磁切
換弁38A,38Bが図3の位置イに切り換えられる。
次いで、操作レバー34A,34Bを巻上操作する。こ
れにより、制御弁33A,33Bのパイロットポートに
操作レバー34A,34Bの操作量に応じたパイロット
圧が供給され、制御弁33A,33Bがそれぞれ位置イ
側に切り換えられる。この切換によりメインポンプ31
A,31Bからの圧油は油圧モータ32A,32Bに供給
され、油圧モータ32A,32Bがそれぞれ巻上方向に
回転し、ブーム起伏ロープ6aおよびジブ起伏ロープ5
aが巻き取られる。その結果、ブーム3Bとジブ3Jが
起立を開始する。
【0018】このとき、ジブ起伏ロープ5aの巻き取り
速度がブーム起伏ロープ6aの巻き取り速度に比べて遅
すぎると、図5に示すようにジブ起伏ロープ5aが弛緩
して乱巻が発生するおそれがある。そこで、ジブ起伏ロ
ープ5aが弛緩しないように操作レバー34A,34B
の操作量を調整する。なお、パイロット弁35aと制御
弁33Aのパイロットポートの間、およびパイロット弁
36bと制御弁33Bのパイロットポートの間にそれぞ
れ電磁切換弁を設け、張力検出器12による検出値が一
定値以下になると電磁切換弁を切り換え、ブーム起伏ロ
ープ6aの巻き取りおよびジブ起伏ロープ5aの繰り出
しを禁止するようにしてもよい。これによりジブ起伏ロ
ープ5aの乱巻が防止される。
【0019】一方、ジブ起伏ロープ5aの巻き取り速度
がブーム起伏ロープ6aの巻き取り速度に比べて速すぎ
ると、図1に示すように、ジブ起伏ロープ5aが緊張す
る。そして、ジブ起伏ロープ5aの張力Tが破損防止張
力T1に達すると、モーメントリミッタMLのスイッチ
41がオンする。これにより、リレーRY3が励磁、リ
レーRY2が消磁され、リレー接点a2がオフされて、
ソレノイド38a,38bが消磁される。その結果、電
磁切換弁38A,38Bが位置ロにそれぞれ切り換えら
れ、制御弁33Bが中立位置に切り換えられて、ジブ起
伏ロープ5aの巻き取りが禁止される。これにより、ロ
ープ張力Tが所定値T1以下に抑えられ、ブライドル1
1やスイングレバー10等の破損を防止することができ
る。
【0020】図6に示すようにブーム3Bの起立角度が
所定値(例えば88゜)に達すると、操作レバー34
A,34Bの巻上操作を停止し、ブーム起伏ドラム6お
よびジブ起伏ドラム5の駆動を停止する。なお、ブーム
基端部に過巻スイッチを設け、過巻スイッチのオンによ
りドラム5,6の駆動を停止するようにしてもよい。次
いで、解除ロープ26を操作してブーム3Bとジブ3J
との係合を解除し、ジブ起伏用操作レバー34Bを巻上
操作する。これにより図7に示すようにジブ3Jがブー
ム3Bから離反されながら上方へ引き起こされ、クレー
ンは作業姿勢とされる。この場合、ジブ3Jの上方への
回動に伴いスイングレバー10が後方へ回動し、ジブ起
伏ロープ5aの張力が低下して、ペンダントロープ8の
張力が増加する。また、ブライドル11やロープ5a,
9の自重によってもジブ起伏ロープ5aの張力が減少す
る。その結果、作業姿勢においては、ジブ起伏ロープ5
aの張力よりもペンダントロープ8の張力の方が大きく
なる。
【0021】作業姿勢において、巻上ドラム12の駆動
による荷役作業時にペンダントロープ8の張力Tが作業
半径に対応して予め定めた限界張力T0に達すると、モ
ーメントリミッタMLが作動し、起伏ドラム5,6の巻
下駆動および巻上ドラム4の巻上駆動を停止する。この
場合、ロープ張力が大きいペンダントロープ8の張力T
に基づいてモーメントリミッタMLの作動の要否を判定
するので、モーメントリミッタMLを精度よく作動させ
ることができる。すなわち、風などによりロープ5aが
揺れたときにもペンダントロープ張力Tは安定してお
り、モーメントリミッタの誤作動のおそれは少ない。ま
た、ペンダントロープ8にはジブ起伏ロープ5aのよう
にシーブが設けられていないので、シーブ効率に拘わら
ずモーメントリミッタMLを作動させることができる。
【0022】作業姿勢にあるブーム3Bを倒回させる場
合には、まず、ジブ起伏用操作レバー34Bの巻下げ操
作によってジブ3Jを前方へ倒回し、その後、ジブ3J
とブーム3Bとを連結装置20で連結する。次いで、操
作レバー34A,34Bを同時に巻下操作する。これに
よって、制御弁33A,33Bは位置ロ側に切り換えら
れ、油圧モータ32A,32Bは巻下方向に回転し、ブ
ーム3Bとジブ3Jは一体に倒回する。
【0023】このとき、ジブ起伏ロープ5aの繰り出し
速度が遅すぎると、ジブ起伏ロープ5aが緊張し、ペン
ダントロープ8の張力Tが増加する。ペンダントロープ
張力Tが破損防止張力T1を越えると、前述したのと同
様、モーメントリミッタMLのスイッチ41がオンして
電磁切換弁38A,38Bが位置ロに切り換えられ、ブ
ーム起伏ロープ6aの繰り出しが禁止される。これによ
りペンダントロープ張力Tは所定値T1以下に抑えられ
る。ブーム3Bが完全に倒回すると操作レバー34A,
34Bの操作を停止し、段取り作業を終了する。
【0024】このように本実施の形態によると、第2の
ペンダントロープ8の張力を検出し、この検出値Tが所
定の破損防止張力T1を越えると電磁切換弁38A,38
Bを切り換え、ジブ起伏ロープ5aの巻き取りおよびブ
ーム起伏ロープ6aの繰り出しを禁止するようにした。
これにより、シーブ効率やスイングレバー10の姿勢変
化の影響を受けずにジブ3Jに作用する負荷を精度よく
検出することができるとともに、この検出された負荷に
基づいてブーム3B、ジブ3Jの作動を停止するので、
スイングレバー10やブライドル11などのロープ支持
部材の破損を確実に防止することができる。また、第2
のペンダントロープ8の張力T、すなわちジブ3Jに作
用する負荷に基づいてモーメントリミッタMLを作動さ
せるようにしたので、シーブ効率やスイングレバー10
の姿勢変化の影響を受けずに、モーメントリミッタML
を精度よく作動させることができる。さらに、張力検出
器12をロープ支持部材の破損防止用かつ過負荷防止用
として用いるので、張力検出器12を兼用することがで
き、部品点数を低減することができる。さらにまた、リ
ミットスイッチ27のオン/オフにより作業状態を検出
し、過大なロープ張力の作用するおそれがある段取り作
業時にのみロープ支持部材の破損防止用制御を行うよう
にしたので、効率的である。
【0025】なお、上記実施の形態では、第2のペンダ
ントロープ8の張力を検出するようにしたが、第3のペ
ンダントロープ9の張力を検出してもよい。第3のペン
ダントロープ9の張力を検出する場合もシーブ効率の影
響を受けないため、ジブ起伏ロープ5aの張力を検出す
る場合に比べてモーメントリミッタMLの作動の精度が
向上する。また、上記実施の形態では、スイングレバー
10を用いるようにしたが、ジブマストを用いるように
してもよい。
【0026】以上の実施の形態と請求項との対応におい
て、電磁切換弁38A,38Bが停止手段を、リミット
スイッチ27が運転状態検出手段をそれぞれ構成する。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ペンダントロープの張力を検出し、この検出値が
所定の破損防止張力を越えると、ブーム起伏ドラムの巻
下駆動およびジブ起伏ドラムの巻上駆動を停止するよう
にした。これにより、シーブ効率やスイングレバーの姿
勢変化等の影響を受けずにジブに作用する負荷を精度よ
く検出することができ、この検出された負荷に基づいて
ブーム、ジブの作動を停止するので、ジブと一体にタワ
ーブームを起伏させる際のロープ支持部材の破損を確実
に防止することができる。また、このペンダントロープ
の張力検出値を用いてモーメントリミッタを作動させれ
ば、シーブ効率やスイングレバーの姿勢変化の影響を受
けずにモーメントリミッタを精度よく作動させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る安全装置が搭載され
たタワークレーンの段取り作業状態の一例を示す側面図
(ジブ起伏ロープが緊張した状態を示す図)。
【図2】本発明の実施の形態に係る安全装置を構成する
連結装置の拡大図。
【図3】本発明の実施の形態に係る安全装置の構成を示
す油圧回路図。
【図4】本発明の実施の形態に係る安全装置の構成を示
す電気回路図。
【図5】本発明の実施の形態に係る安全装置が搭載され
たタワークレーンの段取り作業状態の他の例を示す側面
図(ブーム起伏ロープが緊張した状態を示す図)。
【図6】本発明の実施の形態に係る安全装置が搭載され
たタワークレーンの段取り作業状態のさらに他の例を示
す側面図(ブームが起立した状態を示す図)。
【図7】本発明の実施の形態に係る安全装置が搭載され
たタワークレーンの作業姿勢を示す側面図。
【符号の説明】
3B タワーブーム 3J ジブ 4 巻上ドラム 5 ジブ起伏ド
ラム 6 ブーム起伏ドラム 8 第2のペン
ダントロープ 9 第3のペンダントロープ 10 スイングレ
バー 11 ブライドル 12 張力検出
器 20 連結装置 27 リミット
スイッチ 38A,38B 電磁切換弁 41 スイッチ ML モーメントリミッタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブーム起伏ロープの巻回されたブーム起
    伏ドラムの巻上/巻下駆動により起伏するタワーブーム
    と、 ジブ起伏ロープの巻回されたジブ起伏ドラムの巻上/巻
    下駆動により起伏するジブと、 前記ジブ起伏ロープと前記ジブ先端部とを接続するペン
    ダントロープとを有するタワークレーンの安全装置にお
    いて、 前記ペンダントロープの張力を検出する張力検出器と、 前記張力検出器による検出値が所定の破損防止張力を越
    えると、前記ブーム起伏ドラムの巻下駆動および前記ジ
    ブ起伏ドラムの巻上駆動を停止する停止手段とを備える
    ことを特徴とするタワークレーンの安全装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のタワークレーンの安全
    装置において、 前記ペンダントロープに接続され、前記ジブの起伏に応
    じて前記タワーブーム先端部で回動するスイングレバー
    を備え、 前記張力検出器は、前記スイングレバーと前記ジブ先端
    部の間の前記ペンダントロープ張力を検出することを特
    徴とするタワークレーンの安全装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のタワークレー
    ンの安全装置において、 前記ジブと前記タワーブームを一体に起伏動させる段取
    り運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、 前記停止手段は、前記運転状態検出手段により段取り運
    転状態が検出され、かつ、前記張力検出器による検出値
    が所定の破損防止張力を越えると、前記ブーム起伏ドラ
    ムの巻下駆動および前記ジブ起伏ドラムの巻上駆動を停
    止することを特徴とするタワークレーンの安全装置。
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