JP2001048479A - 移動式クレーンのウィンチ装置 - Google Patents

移動式クレーンのウィンチ装置

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JP2001048479A
JP2001048479A JP11223234A JP22323499A JP2001048479A JP 2001048479 A JP2001048479 A JP 2001048479A JP 11223234 A JP11223234 A JP 11223234A JP 22323499 A JP22323499 A JP 22323499A JP 2001048479 A JP2001048479 A JP 2001048479A
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winch
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hydraulic
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Kazuyo Mori
和誉 森
Naoto Kawabuchi
直人 川淵
Kei Miyoshi
圭 三好
Masato Miyoshi
正人 三好
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Tadano Ltd
Original Assignee
Tadano Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動式クレーンのウィンチ装置において、作
動上の安全性と信頼性を確保する。 【解決手段】 張力制御検出手段Pにより張力制御中又
は張力制御が行われる状態であることが検出され、且つ
油圧検出手段Tの検出油圧値が予め設定した設定油圧値
を越える場合には、異常状態判定手段Wによりウィンチ
15の異常信号が出力され、この異常信号を受けて、異
常時作動手段Qが作動することで、ウィンチ15の適正
作動が確保され、ワイヤー13の張力制御時におけるウ
ィンチ装置の作動上の安全性及び信頼性が担保される。
また、ウィンチ15の異常状態を油圧モータ60の作動
に直接関与する状態値である油圧値を監視しそれに基づ
いて判断するものであることから、ウィンチ15の異常
発生時にはこれをより迅速に検知して異常時作動手段Q
を作動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ワイヤーの張力
制御を行うようにした移動式クレーンのウィンチ装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】 移動式クレーン、特にブームの側方に
ジブを横抱き状態で格納し、必要に応じて該ジブを上記
ブームの先端部に張り出すようにした移動式クレーンに
おいては、該ジブの張出・格納作業を自動的に行って張
出・格納作業の簡略化を図るという要請があり、かかる
要請に応える一つの方法として、ジブをブームの側方へ
格納した状態においては勿論のこと、該ジブの張出・格
納作業時中においても、常時、該ジブの先端部からワイ
ヤーにより吊下されるフックを該先端部に係止状態で保
持し、例えばジブの張出・格納作業時毎のワイヤーある
いは過巻検出器等の機器の着脱作業を省略する方法が考
えられる。さらに、一歩進んで、上記の如きジブ張出・
格納作業時のみならず、ブーム作業時、即ち、上記ジブ
をブームの側方に格納したまま該ジブ側に装着されるワ
イヤーとは別のワイヤーを上記ブームの先端部から吊下
しこれに取り付けられたフックによって吊荷作業を行う
作業状態においても、上記ジブの先端部に該ジブ側に装
着されるワイヤーに取り付けられたフックを該ジブの先
端部に係止状態のまま保持することも考えられる。
【0003】このような背景から、ジブ先端部へのフッ
クの係止状態を保持するための具体的技術として、例え
ば特開平8−12269号公報に開示される如く、ジブ
の張出・格納作業時には、該ジブ側に配置されてワイヤ
ーの巻込・繰出を行うウィンチを、該作業中、常時、低
トルクで且つ低速で巻込側に作動させておき、張出・格
納に伴って上記ワイヤーの張力が増大する時には上記ウ
ィンチの巻込力に抗して外力によりワイヤーを引き出す
一方、該張力が減少する時には上記ワイヤーを上記ウィ
ンチによって巻込み、これによって上記ワイヤーにかか
る張力を常時一定に維持し、上記ジブの張出・格納作業
中、継続的に上記フックを係止状態で保持し得るように
したもの知られている。尚、この公知例においては、ブ
ーム作業時におけるフックの係止保持については言及さ
れていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上掲公知例
の如きフック係止保持に伴うワイヤーの張力制御手法に
よれば、以下に述べるような問題点があった。
【0005】即ち、上掲公知例のワイヤーの張力制御に
おいては、(イ)張力制御時における制御系の異常状
態、例えば、ウィンチ駆動用油圧モータへの供給油圧が
低圧側に切り換わっていないとか、ウィンチ制動用のブ
レーキ装置が解放されていない、等の状態を検出する手
段が設けられていないので、制御系の異常発生時にこれ
を検出して異常状態の回避を図ることが難しい、(ロ)
ジブ張出・格納作業が選択されるとその時点から、換
言すれば、実際の張出・格納操作が実行されることを条
件とせずに、ウィンチの低トルク・低速巻き巻き込みが
開始され且つこれが継続される構成であることから、ウ
ィンチの作動において何らかの異常状態が発生したとし
ても、異常状態の回避操作を直ちにとることが難しい、
等の問題があった。
【0006】そこで本願発明は、移動式クレーンのウィ
ンチ装置において、その作動上の安全性と信頼性を確保
することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0008】本願の第1の発明では、油圧ポンプ62か
らの吐出油の方向を切り換える方向切換弁65からウィ
ンチ15を駆動する油圧モータ60へ油圧を供給する油
路124にカウンターバランス弁52を備える一方、上
記油路124における上記油圧モータ60と上記カウン
ターバランス弁52の間から分岐油路126を設けると
ともに該分岐油路126にこれを連通又は連通遮断する
電磁切換弁57を介して低圧リリーフ弁85を接続し、
上記電磁切換弁57を連通状態として上記低圧リリーフ
弁85により上記油圧モータ60への供給油圧を低圧と
することで、上記ウィンチ15から伸びるワイヤー13
に取り付けられたフック9をブーム3又はジブ4の先端
部に係止させたままジブ張出・格納作業又はブーム作業
が行われる場合における上記ワイヤー13の張力制御を
可能とした移動式クレーンのウィンチ装置において、ジ
ブ張出・格納作業又はブーム作業に伴って上記ワイヤー
13の張力制御中又は張力制御が行われる状態であるこ
とを検出する張力制御検出手段Pと、上記油路124に
おける上記油圧モータ60と上記カウンターバランス弁
52との間の油圧を検出する油圧検出手段Tと、上記張
力制御検出手段Pにより張力制御中又は張力制御が行わ
れる状態であることが検出された時において上記油圧検
出手段Tの検出油圧値が予め設定した設定油圧値を越え
る場合に上記ウィンチ15の作動状態が異常状態である
と判断して異常信号を出力する異常状態判定手段Wと、
上記異常状態判定手段Wからの上記異常信号を受けて上
記ウィンチ15の適正作動を確保すべく作動する異常時
作動手段Qとを備えたことを特徴としている。
【0009】本願の第2の発明では、油圧ポンプ62か
らの吐出油の方向を切り換える方向切換弁65からウィ
ンチ15を駆動する油圧モータ60へ油圧を供給する油
路124にカウンターバランス弁52を備える一方、上
記油路124における上記油圧モータ60と上記カウン
ターバランス弁52の間から分岐油路126を設けると
ともに該分岐油路126にこれを連通又は連通遮断する
電磁切換弁57を介して低圧リリーフ弁85を接続し、
さらに上記ウィンチ15はブレーキ解放用油路125を
介して供給される油圧を受けて作動する油圧シリンダに
より解放操作されるブレーキ装置59を備え、上記ブレ
ーキ装置が解放されると同時に上記電磁切換弁57を連
通状態として上記低圧リリーフ弁85により上記油圧モ
ータ60への供給油圧を低圧とすることで、上記ウィン
チ15から延びるワイヤー13に取り付けられたフック
9をブーム3又はジブ4の先端部に係止させたままジブ
張出・格納作業又はブーム作業が行われる場合における
上記ワイヤー13の張力制御を可能とした移動式クレー
ンのウィンチ装置において、ジブ張出・格納作業又はブ
ーム作業に伴って上記ワイヤー13の張力制御中又は張
力制御が行われる状態であることを検出する張力制御検
出手段Pと、ジブ張出・格納作業又はブーム作業に伴っ
て上記ワイヤー13の張力制御中又は張力制御が行われ
る状態であることを検出する張力制御検出手段Pと、上
記ブレーキ装置59の解放状態を検出してブレーキ解放
信号を出力するブレーキ解放検出手段Sと、上記張力制
御検出手段Pにより張力制御中又は張力制御が行われる
状態であることが検出された時において上記ブレーキ解
放検出手段Sからのブレーキ解放信号が入力されていな
い場合に上記ウィンチ15の作動状態が異常状態である
と判断して異常信号を出力する異常状態判定手段Wと、
上記異常状態判定手段Wからの上記異常信号を受けて上
記ウィンチ15の適正作動を確保すべく作動する異常時
作動手段Qとを備えたことを特徴としている。
【0010】本願の第3の発明では、上記第1又は第2
の発明にかかる移動式クレーンのウィンチ装置におい
て、上記異常時作動手段Qを、所定の警報を発する警報
手段37と、クレーンの作動を停止させるクレーン作動
停止手段36の少なくともいずれか一方を備えて構成し
たことを特徴としている。
【0011】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0012】 本願の第1の発明にかかる移動式クレ
ーンのウィンチ装置によれば、上記張力制御検出手段P
により張力制御中又は張力制御が行われる状態であるこ
とが検出された時において上記油圧検出手段Tの検出油
圧値が予め設定した設定油圧値を越える場合には、上記
異常状態判定手段Wにより上記ウィンチ15の作動状態
が異常状態であると判断され異常信号が出力される。そ
して、この異常信号を受けて、上記異常時作動手段Qが
作動することで、上記ウィンチ15の適正作動が確保さ
れ、これにより、上記ワイヤー13の張力制御時におけ
るウィンチ装置の作動上の安全性及び信頼性が担保され
ることになる。
【0013】また、この場合、上記ウィンチ15の異常
状態を上記油圧モータ60と上記カウンターバランス弁
52の間の油圧、即ち、該油圧モータ60の作動に直接
関与する状態値を監視しそれに基づいて判断するもので
あることから、上記ウィンチ15の作動状態の異常発生
時にはこれをより迅速に検知して上記異常時作動手段Q
を作動させて異常回避措置を講じることができ、例えば
異常回避措置の遅れによるウィンチ15の損傷等の発生
をより確実に防止することができ、それだけ上記効果の
更なる向上が期待できる。
【0014】 本願の第2の発明では、上記張力制御
検出手段Pにより張力制御中又は張力制御が行われる状
態であることが検出された時において上記ブレーキ解放
検出手段Sからのブレーキ解放信号が入力されていない
場合には、上記異常状態判定手段Wから上記異常信号が
出力され、この異常信号を受けて上記異常時作動手段Q
が作動し、上記ウィンチ15の適正作動が確保され、こ
れにより、上記ワイヤー13の張力制御時におけるウィ
ンチ装置の作動上の安全性及び信頼性が担保されること
になる。
【0015】また、この場合、上記ブレーキ解放検出手
段Sによるブレーキ解放状態の検出方法としては、例え
ば上記ブレーキ解放用油路125を介して上記油圧シリ
ンダに供給される油圧に基づきこれが所定油圧値以上で
ある場合にブレーキ解放状態として検出する方法とか、
該油圧シリンダの作動量を機械的あるいは電気的に検出
しこれがブレーキ解放作動量以上である場合にブレーキ
解放状態として検出する方法等が考えられるが、これら
何れの場合にあってもブレーキ解放作動に直接関与する
状態値を監視しそれに基づいて判断するものであること
から、上記ウィンチ15の作動状態の異常発生時にはこ
れをより迅速に検知して上記異常時作動手段Qを作動さ
せて異常回避措置を講じることができ、例えば異常回避
措置の遅れによるウィンチ15の損傷等の発生をより確
実に防止することができ、それだけ上記効果の更なる向
上が期待できる。
【0016】 本願の第3の発明では、上記第1又は
第2の発明にかかる移動式クレーンのウィンチ装置にお
いて、上記異常時作動手段Qを、所定の警報を発する警
報手段37と、クレーンの作動を停止させるクレーン作
動停止手段36の少なくともいずれか一方を備えて構成
しているので、上記異常時作動手段Qを上記警報手段3
7で構成した場合には、オペレータは該警報手段37か
らの視覚的、聴覚的あるいは触覚的な警報を五感により
感知することで、張力制御を伴うジブ張出・格納作業等
のクレーン操作を直ちに停止することができ、また異常
時作動手段Qを上記クレーン作動停止手段36で構成し
た場合にはオペレータによるクレーン操作にも拘わらず
張力制御を伴うジブ張出・格納作業等のクレーンの作動
が強制的に停止されることから、これら何れの場合にあ
っても、上記ワイヤー13の張力制御時におけるウィン
チ装置の作動上の安全性及び信頼性の確保がより一層確
実ならしめられる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を好適な実施形態
に基づいて具体的に説明する。
【0018】図1及び図2には、本願発明に係るウィン
チ装置を備えた移動式クレーンZ(格納姿勢)を示して
いる。
【0019】この移動式クレーンZは、車両1上に旋回
可能に搭載された旋回台2に、次述のブーム3をブーム
枢支軸10を介して起伏自在に取り付けるとともに、次
述のジブ4を上記ブーム3の先端部に張り出し又は該ブ
ーム3の側方に横抱き状態で格納可能に設けている。
【0020】上記ブーム3は、基端ブーム3Aと中間ブ
ーム3Bと先端ブーム3Cとを備えた三段伸縮式ブーム
であって、該先端ブーム3Cの先端にはブームヘッド3
Dが設けられている。そして、このブーム3は、内蔵の
伸縮式油圧シリンダとこれに連動する伸縮用ワイヤー
(図示省略)とによって伸縮駆動されるとともに、上記
旋回台2との間に配置した起伏用油圧シリンダ6によっ
て起伏駆動される。また、上記ブームヘッド3Dの前端
側には、連結ピン19,19(図1参照)が自動的に挿
脱される左右及び上下一対のブーム側ピン受孔17,1
7,・・が設けられている。
【0021】尚、上記旋回台2側には、上記ブーム3の
基端部、即ち、基端ブーム3Aの基端部3Aaの後方に
位置するようにして左右一対の基端側シーブ23,24
が設けられている。そして、これら各基端側シーブ2
3,24のうち、一方の基端側シーブ23には上記旋回
台2側に配置されたメインウィンチ14から引き出され
たメインワイヤー12が、また他方の基端側シーブ24
にはサブウィンチ15(特許請求の範囲中の「ウィン
チ」に該当する)から引き出されたサブワイヤー13
(特許請求の範囲中の「ワイヤー」に該当する)が、そ
れぞれ掛け回される。また、上記基端ブーム3Aの先端
部3Ab寄りの上面には、それぞれ上記左右一対の基端
側シーブ23,24に対応するようにして左右一対のガ
イドシーブ25,26が配置されている。さらに、上記
ブームヘッド3Dの上面寄り位置には、先端側シーブ2
7が設けられており、該先端側シーブ27を介してブー
ム下方へ引き出された上記メインワイヤー12にはメイ
ンフック8が取り付けられている。
【0022】上記ジブ4は、基端ジブ4Aと中間ジブ4
Bと先端ジブ4Cとを備えた三段伸縮式ジブであって、
内蔵の伸縮用油圧シリンダとこれに連動する伸縮用ワイ
ヤー(図示省略)とによって伸縮駆動される。また、こ
のジブ4の基端部、即ち、上記基端ジブ4Aの基端部4
Aaは、ジブ枢支軸20を介して次述のジブ基台5の先
端部にチルト可能に連結され、且つ該ジブ基台5との間
に配置したチルト用油圧シリンダ7によってチルト駆動
される。さらに、上記基端ジブ4Aの先端部4Abの上
面側にはガイドシーブ29が設けられる一方、上記ジブ
ヘッド4Dの上端部には先端側シーブ30が設けられて
いる。また、このジブヘッド4Dの下端部には、枢支ピ
ン32を介してフック係止用アーム22が揺動可能に取
り付けられており、該フック係止用アーム22には上記
サブワイヤー13に取り付けられたサブフック9が係止
可能とされる(図2には、上記サブフック9の係止状態
を示している)。
【0023】上記ジブ基台5は、上記ジブ4の上記ブー
ム3側への取付部材となるものであって、上述のよう
に、その先端部に上記ジブ枢支軸20を介して上記ジブ
4がチルト可能に連結されるとともに、その下端部には
上記チルト用油圧シリンダ7の一端が連結されている。
【0024】また、このジブ基台5の基端部には、上記
ブーム3側の各ブーム側ピン受孔17,17,・・に重
合可能なる如くして左右及び上下一対のジブ側ピン受孔
18,18,・・が設けられている。従って、上記ジブ
基台5は、図2に示すように、上記ブーム3側の一方の
ブーム側ピン受孔17,17と該ジブ基台5側の一方の
ジブ側ピン受孔18,18とを重合させ且つここに上記
連結ピン19を嵌挿配置することで該連結ピン19を中
心として回動可能とされ、同図に示すようにその先端部
をブーム基端側に向けた「格納姿勢」と、該連結ピン1
9を中心としてブーム前方側へ振り出された「張出姿
勢」(図7を参照)との間で姿勢変更可能とされる。そ
して、この「張出姿勢」においては、上記ブーム3側の
他方のブーム側ピン受孔17,17と上記ジブ基台5側
の他方のジブ側ピン受孔18,18とに上記連結ピン1
9が嵌挿されることで該ジブ基台5は上記ブーム3側に
固定される。
【0025】尚、上記ジブ基台5と上記ジブ4とは上述
のように常時連結状態とされているため、該ジブ基台5
の「格納姿勢」と「張出姿勢」は、それぞれ上記ジブ4
の「格納姿勢」と「張出姿勢」に相当することになる。
また、この「格納姿勢」と「張出姿勢」との間における
姿勢変更は、上記ジブ基台5と上記ブームヘッド3Dと
の間に配置したスイング用油圧シリンダ16の伸縮動に
よって行われる。
【0026】さらに、上記ジブ基台5の一方のジブ側ピ
ン受孔18近傍の上方位置には、その回転軸線を該ジブ
基台5の回動面に略直交する方向に向けて配置した折返
水平シーブ28が設けられている。また、上記ジブ基台
5の先端部の上面側には中間シーブ31が設けられてい
る。
【0027】尚、図1及び図2において、符号11は上
記旋回台2側に配置されたキャビン、21は上記ジブ4
を「格納姿勢」において上記ブーム3側に固定するため
のジブ固定具である。
【0028】以上が上記移動式クレーンZの全体構成で
ある。
【0029】ところで、この移動式クレーンZにおいて
は、上記メインワイヤー12とサブワイヤー13のう
ち、該メインワイヤー12はこれを上記メインウィンチ
14から引き出した後、上記基端側シーブ23→ガイド
シーブ25→先端側シーブ27を介して上記ブーム3の
ブームヘッド3Dから下方へ取り出し、これに上記メイ
ンフック8を取り付けており、ブーム作業時にはこのメ
インワイヤー12及びメインフック8を用いて作業が行
われるとともに、移動式クレーンZの非作業時姿勢(例
えば走行移動姿勢。図1の姿勢)においては、上記メイ
ンフック8を車両1側に固定するようになっている。
【0030】一方、上記サブワイヤー13は、図7に示
すように、上記ジブ4を上記ブーム3のブームヘッド3
Dから前方にへ張り出した「張出姿勢」においては勿論
のこと、図1及び図8に示すように、該ジブ4を上記ブ
ーム3の側方へ格納した「格納姿勢」においても、上記
サブウィンチ15から上記ジブ4のジブヘッド4D側ま
で引き出されるが、その経路は「格納姿勢」と「張出姿
勢」とでは若干異なっている。即ち、「格納姿勢」にお
いては、図1に示すように、上記サブワイヤー13は、
上記サブウィンチ15から引き出された後、基端側シー
ブ24→ガイドシーブ26→折返水平シーブ28→ガイ
ドシーブ29→先端側シーブ30を経て、上記ジブヘッ
ド4Dから下方へ取り出される。これに対して、「張出
姿勢」においては、上記サブワイヤー13は、図7に示
すように、上記サブウィンチ15から引き出された後、
基端側シーブ24→ガイドシーブ26→中間シーブ31
→ガイドシーブ29→先端側シーブ30を経て、上記ジ
ブヘッド4Dから下方へ取り出される。
【0031】さらに、この実施形態の移動式クレーンZ
においては、図7に示すように、上記ブーム3の先端部
に上記ジブ4を張出装着し、該ジブ4の先端部から上記
サブワイヤー13を引き出し、これに取り付けられた上
記サブフック9を使用して吊荷作業を行う「ジブ作業」
と、図8に示すように、上記ジブ4を上記ブーム3の側
方に格納した状態のまま、上記ブーム3の先端部から引
き出された上記メインワイヤー12に取り付けた上記メ
インフック8を使用して吊荷作業を行う「ブーム作業」
と、の二つの作業形態を選択し得るようになっている。
【0032】そして、この実施形態のものにおいては、
上記サブワイヤー13に取り付けられた上記サブフック
9は、ジブ作業時以外の全てのクレーン状態、即ち、上
記移動式クレーンZの「非作業時」と「ブーム作業時」
とにおける「格納姿勢設定時」と、「ジブ張出・格納作
業時」の全作業工程において、上記サブワイヤー13の
先端に取り付けられた上記サブフック9を上記フック係
止用アーム22を介して上記ジブヘッド4D側に係止し
且つこれを維持するようにしている。
【0033】ここで、このサブフック9の「係止状態」
とは、図1に示すように、上記サブウィンチ15によっ
て上記サブワイヤー13を巻き込んでこれを過巻状態と
し、該サブワイヤー13の張力によって上記サブフック
9を上記フック係止用アーム22と一体的に回動させて
これを上記ジブ4の下面側に格納保持した状態である。
従って、このサブフック9の「係止状態」を「ブーム作
業時」と「ジブ張出・格納作業時」の双方において継続
的に維持するためには、上記サブワイヤー13の張力を
常時所定張力に保持することが必要となる。
【0034】ところが、例えば、上記移動式クレーンZ
の非作業時における「格納姿勢」において上記サブワイ
ヤー13の張力調整によって上記サブフック9を「係止
状態」に設定したとしても、このサブワイヤー13の張
力は、「ブーム作業時」における上記ブーム3側の操
作、及び「ジブ張出・格納作業時」における上記ブーム
3及びジブ4の操作に伴って変化するものであるため、
係る各操作に拘わらず上記サブワイヤー13の張力を一
定に維持して上記サブフック9の「係止状態」を保持す
るには、上記サブウィンチ15の作動制御による上記サ
ブワイヤー13の張力制御を行うことが必要となる。
【0035】本願発明は、かかる観点から、「ブーム作
業時」及び「ジブ張出・格納作業時」の双方において、
上記サブフック9の「係止状態」を維持すべく上記サブ
ワイヤー13の張力制御を行うようにしており、これを
実現するために、後述する如き種々の構成を採用してい
る。
【0036】ここで、上記サブフック9が「係止状態」
に設定されている状態下において、上記サブワイヤー1
3の張力の増大又は減少変化につながる操作について説
明すると次の通りである。
【0037】先ず、「ブーム作業時」における操作であ
るが、この「ブーム作業時」には、図8に示すように、
上記ジブ4を上記ブーム3の側方へ格納したまま、上記
ブーム3を伸縮及び起伏させるとともに上記メインウィ
ンチ14による上記メインワイヤー12の巻き込み・繰
り出しとによって、該ブーム3のブームヘッド3Dから
該メインワイヤー12を介して吊下されたメインフック
8を用いて吊荷作業を行う場合である。尚、この場合、
上記ジブ4は上記ブーム3から切り離されて上記基端ブ
ーム3A側に保持されている。
【0038】従って、この「ブーム作業時」の各操作の
うち、上記ブーム3の起仰操作及びメインウィンチ14
の巻下操作による吊荷を地面にあずける操作は上記サブ
ワイヤー13の張力減少として表れる。一方、上記ブー
ム3の倒伏操作と、上記メインウィンチ14の巻き込み
操作による吊荷の地切り時の該ブーム3の撓み変形と
は、上記サブワイヤー13の張力増大変化として表れ
る。
【0039】これに対して、「ジブ張出・格納作業時」
の操作と上記サブワイヤー13の張力変化との関係は次
の通りである。
【0040】即ち、図1に示す非作業時姿勢から上記ジ
ブ4の張出を行う場合には、先ず、この姿勢で、上記連
結ピン19によって上記ジブ基台5を上記ブーム3のブ
ームヘッド3D側に連結する。しかる後、上記ブーム3
を適度に起仰させるとともに、これを所定量だけ伸長さ
せて該ブーム3の下方側に上記ジブ4の下方振り出し用
スペースを確保する。次に、上記チルト用油圧シリンダ
7を縮小させて上記ジブ4を下方へ振り出し、さらに上
記スイング用油圧シリンダ16によって上記ジブ基台5
を上記ジブ4と一体的に上記ブーム3の側方から前方へ
反転させる。次に、上記チルト用油圧シリンダ7を伸長
させて上記ジブ4を上記ジブ基台5に対して上方へチル
トさせ、これを上記ブーム3の前方側へ張り出す。これ
で上記ジブ4の張出作業が完了する。
【0041】そして、この張出作業においては、ブーム
3の起仰とジブ4の反転と上方チルトの各工程では上記
サブワイヤー13の張力は減少方向となる。これに対し
て、クレーン作動停止手段36の伸長とジブ4の下方振
り出しの各工程では上記サブワイヤー13の張力は増大
方向となる。尚、上記ジブ4の格納作業は、上記張出作
業と逆の作業手順にて行われるものであり、上記サブワ
イヤー13の張力の変化方向も上記場合とは逆となる。
即ち、「ジブ張出・格納作業時」においては、その一連
の作業工程の途中で上記サブワイヤー13の張力は減少
側と増大側とに変化するものである。
【0042】このように、上記「ブーム作業」及び「ジ
ブ張出・格納作業」の各操作に伴って上記サブワイヤー
13の張力は増大方向あるいは減少方向に変化するた
め、かかる張力変化に拘わらず、該張力を常時適正に維
持して上記サブフック9の「係止状態」を常時維持する
ためには、該各操作に基づく張力変化に対応した張力制
御、即ち、上記サブウィンチ15の作動制御が必要とな
るものである。
【0043】そして、このサブウィンチ15の作動制御
による上記サブワイヤー13の張力制御は、後述するよ
うに油圧系の制御によって実現されるものであるが、そ
の張力制御中において上記サブウィンチ15の作動に異
常が生じると、場合によっては上記サブワイヤー13の
張力が過大となって上記サブウィンチ15の損傷に至
る、等の問題が生じることは既述の通りである。そのた
め、この実施形態のものにおいては、このサブウィンチ
15の「作動上の異常状態」を迅速且つ的確に検出判断
して所要の対応措置を講じ得るようにすることを最大の
特徴としている。
【0044】以下、上記サブフック9の「係止状態」を
維持するための上記サブウィンチ15の作動制御ととも
に、該サブウィンチ15の異常状態発生時における異常
回避制御について説明する。
【0045】先ず、図3には、上記サブウィンチ15の
異常状態の回避制御を行うための制御系の機能ブロック
図を示しており、この実施形態における制御系は、張力
制御検出手段Pとブレーキ解放検出手段Sと油圧検出手
段Tと異常状態判定手段W及び異常時作動手段Qとで構
成される。
【0046】上記張力制御検出手段Pは、現在、張力制
御中(又は張力制御が行われる状態)か否かを検出し、
その検出信号を後述の異常状態判定手段Wへ出力する。
この張力制御検出手段Pは、上記サブウィンチ15の異
常状態は張力制御中において発生するものであって、そ
の回避制御も張力制御中に行われるものであることから
設けられたものである。具体的には、ブーム起伏角セン
サとかブーム長さセンサ等のブーム状態検出器、ジブ長
さセンサとかジブチルト角センサ等のジブ状態検出器、
及び操作検出等の各種検出器の検出情報に基づいて現
在、張力制御中か、あるいは張力制御を行うべき状態に
達したか否かを検出するものである。
【0047】上記ブレーキ解放検出手段Sは、上記サブ
ウィンチ15に備えられた後述のブレーキ装置59(図
4を参照)が解放されていることを検出してその検出信
号を後述の異常状態判定手段Wに出力するものである。
このブレーキ解放検出手段Sは、張力制御が行われる場
合には上記サブウィンチ15は巻き込み側あるいは繰り
出し側に回転するものであり、その作動が許容される前
提として、上記ブレーキ装置59が解放状態にあって上
記サブウィンチ15が回転可能であることが要求される
ことから設けられたものである。尚、この実施形態にお
いては、図4の油圧回路においてブレーキ解放用油路1
25に設けられた圧力スイッチ88がこれに該当し、該
ブレーキ解放用油路125の油圧が所定油圧値以上に達
した時にON作動してブレーキ装置59の解放信号を出
力するが、他の実施形態においてはこの圧力スイッチ8
8に代えて、例えば上記ブレーキ装置59を構成する油
圧シリンダの作動量を機械的あるいは電気的に検出する
作動量検出器でこれを構成することもできる。
【0048】上記油圧検出手段Tは、上記サブウィンチ
15を駆動する油圧モータ60(図4参照)に供給され
る油圧値が、予め設定した設定油圧値以下であるかどう
かを検出してその検出信号を後述の異常状態判定手段W
に出力する。この油圧検出手段Tは、後述のように、張
力制御においては上記サブワイヤー13を上記サブウィ
ンチ15によって低トルクで且つ低速で巻き込むことを
基本とするものであり、この低トルクでの巻き込みを実
現するには上記油圧モータ60の油圧値を低圧に保持す
ることが必要であり、従って、張力制御中に上記油圧値
が実際に低圧となっているかどうかをを判定する必要が
あり、このために設けられたものである。尚、この実施
形態においては、図4の油圧回路における分岐油路12
6に設けた圧力スイッチ56がこれに該当する。
【0049】上記異常状態判定手段Wは、上記張力制御
検出手段Pとブレーキ解放検出手段Sと油圧検出手段T
のそれぞれからの信号を受けて、現在、上記サブウィン
チ15の作動状態が異常状態かどうかを判断し、異常状
態と判断される場合には異常状態信号を次述の異常時作
動手段Qに出力するものである。具体的には、張力制御
中においてブレーキ解放信号が入力されていないとき
(即ち、ブレーキ装置59によって上記サブウィンチ1
5の回転が阻止されている状態)、又は張力制御中にお
いて上記油圧モータ60に供給される油圧値が設定油圧
値以下でないとき(即ち、上記油圧モータ60が高トル
ク運転されている状態)、又はこれら両者が同時に発生
している時に、上記サブウィンチ15の「異常状態発
生」と判断して異常状態信号を出力するものである。
尚、この異常状態判定手段Wは、図4の油圧回路には図
示していないが、油圧回路中における各電磁切換弁の作
動制御を行うコントローラ(図示省略)がこれに該当す
る。
【0050】上記異常時作動手段Qは、上記異常状態判
定手段Wからの異常状態信号を受けて作動し、上記サブ
ウィンチ15の適正な作動を確保せしめるためのもので
あって、この実施形態においては図4の油圧回路におけ
る電磁切換弁70がこれに該当する(実際の作動は後述
する)が、この他に上記異常状態信号を受けて所定の警
報を発する警報機器でこれを構成することもできる。但
し、この場合には、この警報機器からの警報を感知した
オペレータが異常状態回避のための適正な操作を行うこ
とで目的が達せられる。
【0051】次に、図4を参照して、上記サブウィンチ
15の作動を中心とする油圧回路の構成について説明す
る。
【0052】同図において、符号61はパイロット油圧
供給用の油圧ポンプであり、該油圧ポンプ61からの油
圧(即ち、パイロット油圧)は、油路111を介して旋
回操作弁74と伸縮操作弁75及び自動巻込用の電磁切
換弁72とにそれぞれ供給されるとともに、油路112
を介してサブウィンチ操作弁76とメインウィンチ操作
弁77と起伏操作弁78とにそれぞれ供給される。
【0053】上記伸縮操作弁75は、図示しない切換機
構の操作によって、上記ブーム3と上記ジブ4の双方の
伸縮操作を選択的に行うように構成され、その伸び側油
路130と縮み側油路131にはそれぞれ圧力スイッチ
91,92が設けられるとともに、該各油路130,1
31の双方にはシャトル弁83を介して油路122が接
続されている。
【0054】また、上記起伏操作弁78は、電磁切換弁
79の外、図示しない切換機構の各操作によって、上記
ブーム3の起伏と上記ジブ4のチルトの各操作を選択的
に行うように構成され、その倒伏側(及び下方チルト
側)油路132と起仰側(及び上方チルト側)油路13
3にはそれぞれ圧力スイッチ97,98が設けられると
ともに、該倒伏側(及び下方チルト側)油路138から
は油路134が分岐されている。そして、この油路13
4と上記油路122とは、シャトル弁82を介して油路
油路121に選択的に接続され、ブレーキ解放用の電磁
切換弁73へパイロット油圧を供給し得るようになって
いる。
【0055】また、上記電磁切換弁73は、油路116
を介してシャトル弁80に接続されている。一方、後述
のサブウィンチ15用の方向切換弁65の排出側の各油
路123,124から分岐されシャトル弁68を介して
延びる油路135も上記シャトル弁80に接続されてい
る。従って、上記油路116側からのパイロット油圧と
上記油路135からのパイロット油圧とは、選択的に油
路120を介して切換弁84のパイロットポートに供給
され、該切換弁84をON作動させる。
【0056】尚、この切換弁84は、上記パイロット油
圧を受けて作動し、ブレーキ解放油圧供給用の油圧ポン
プ63からの油圧をブレーキ解放用油路125を介して
サブウィンチ15のブレーキ装置59の解放油室に供給
して該ブレーキ装置59を解放し該サブウィンチ15の
回転を可能とする。この場合、上記ブレーキ装置59が
解放されていることの検出は、ブレーキ解放用油路12
5に設けた圧力スイッチ88によって行われる。従っ
て、この圧力スイッチ88は、図3の「ブレーキ解放検
出手段S」を構成することになる。
【0057】尚、上記メインウィンチ操作弁77の各油
路136,137にも、それぞれ圧力スイッチ95,9
6が備えられており、これら各圧力スイッチ95,96
と、上記起伏操作弁78側に設けられた上記各圧力スイ
ッチ97,98、及び上記伸縮操作弁75側に設けられ
た上記各圧力スイッチ91,92は、その「ON−OF
F」によって上記サブワイヤー13の張力が増大変化す
る側の操作か、それとも減少変化する側の操作かを検出
する機能をもつものである。
【0058】一方、図4において、符号62はウィンチ
駆動油圧供給用の油圧ポンプであり、この油圧ポンプ6
2からの油圧は、切換弁66を介して油路141により
上記方向切換弁65のポンプポートに接続されている。
この方向切換弁65は、パイロット油圧式の三位置切換
弁で構成されるとともに、油路123,124を介し
て、上記サブウィンチ15を駆動する油圧モータ60の
巻込側ポート及び繰出側ポートに接続されている。そし
て、上記方向切換弁65が位置「a」に設定された時に
は油路123を介して油圧モータ60の繰出側ポート
に、また位置「c」に設定された時には油路124を介
して該油圧モータ60の巻込側ポートに、それぞれ油圧
が供給される。
【0059】また、上記油路123と油路124との間
には、リリーフ弁53と逆止弁54とで構成されるカウ
ンターバランス弁52が介設されるとともに、該カウン
ターバランス弁52と上記油圧モータ60との間にはリ
リーフ弁55が配置されている。さらに、上記油路12
4の上記油圧モータ60と上記カウンターバランス弁5
2との中間位置からは電磁切換弁57を介在させた分岐
油路126が分岐されるとともに、上記油路123から
は分岐油路127が分岐されている。そして、この分岐
油路126と分岐油路127との間には、二つのリリー
フ弁85A,85Bが並列に配置されるとともに、これ
ら両リリーフ弁85A,85Bの中間位置には電磁切換
弁87が介在されている。尚、この二つのリリーフ弁8
5A,85Bで特許請求の範囲中の「低圧リリーフ弁8
5」が構成されており、しかもこれら両者間においては
リリーフ弁85Aの方がリリーフ弁85Bよりもその設
定圧が高目に設定されている。また、上記各リリーフ弁
85A,85Bの何れかが作動して上記油圧モータ60
へ供給される作動油圧が低圧とされていることは、分岐
油路126に設けた圧力スイッチ56によって検出され
る。従って、この圧力スイッチ56は、図3の「油圧検
出手段T」を構成することになる。
【0060】一方、上記油圧ポンプ62からの上記油路
141に設けたリリーフ弁67のベントポートから延び
る油路129と、起伏側のメインリリーフ弁(図示省
略)のベントポートから延びる油路128は、電磁切換
弁70を介して低圧リリーフ弁71に接続されている。
そして、この電磁切換弁70が位置「a」に設定された
時には、上記油圧ポンプ62から旋回以外の作動にかか
る各油圧アクチュエータへの供給油圧が低圧(即ち、上
記低圧リリーフ弁71の設定圧)に設定される。また、
上記電磁切換弁70が位置「b」に設定された時には、
旋回以外の作動にかかる油圧アクチュエータへの上記油
圧ポンプ62からの油圧供給が停止される従って、この
電磁切換弁70は、これが位置「b」に設定されること
で図3における「異常時作動手段Q」を構成することに
なる。さらに、上記電磁切換弁70が位置「c」に設定
された時には、旋回を含む全ての油圧アクチュエータへ
の上記油圧ポンプ62から供給油圧が高圧に設定され、
所要のクレーン作業が可能な状態とされる。
【0061】以上が、油圧回路の説明である。
【0062】ところで、この実施形態のものにおいて
は、上述のように、「ジブ張出・格納作業時」と「ブー
ム作業時」の双方において上記サブワイヤー13の張力
調整を行うことでこれら両作業時を通して上記サブフッ
ク9の「係止状態」を維持するようにしている。そし
て、この場合の制御の基本思想としては、後述するよう
に、「ジブ張出・格納作業時」と「ブーム作業時」とで
は異なった制御方法を採用し、さらに「ジブ張出・格納
作業時」においては上記サブワイヤー13の張力が増大
する場合と減少する場合とでは異なった制御方法を採用
している。具体的には、次の通りである。
【0063】「ジブ張出・格納作業時」で且つ張力増大
方向の操作がなされる時には、上記方向切換弁65の操
作を伴わずに、上記サブワイヤー13に適正な所定張力
を負荷しつつ外力による該サブワイヤー13の引き出し
を許容し、上記サブフック9の「係止状態」を維持す
る。
【0064】「ジブ張出・格納作業時」で且つ張力減少
方向の操作がなされる時には、上記サブウィンチ15を
低トルク・低速で巻き込むことで、上記サブワイヤー1
3の張力を適正に維持し、これによって上記サブフック
9の「係止状態」を維持する。
【0065】「ブーム作業時」には、上記サブワイヤー
13の張力が変化する操作状態かどうかのみによって
(換言すれば、該サブワイヤー13の張力が増大する方
向であっても減少する方向であっても、これが変化する
状態である限り一律に)、上記サブウィンチ15を低ト
ルク・低速で巻き込み方向に作動させ、これによって上
記サブフック9の「係止状態」を維持する。
【0066】そして、これら各作業時におけるサブウィ
ンチ15の作動制御は、上記サブワイヤー13の張力が
変化するようなクレーン操作がなされることをその前提
条件とするものである。
【0067】以上のような制御思想上の観点から、上記
各電磁切換弁57,70,72,73,87の作動関係
を各作業時毎にまとめ、これを図5に示している。
【0068】次に、上記サブウィンチ15の作動制御に
よる上記サブワイヤー13の張力制御の実際について、
図4に示す油圧回路図及び図6に示すフローチャートに
基づいてさらに具体的に説明する。
【0069】図6のフローチャートにおいて、制御開始
後、先ず、ステップS1においてブーム3とジブ4の現
在の状態を検出しこれを読み込む。
【0070】次に、ステップS2において、現在、「ブ
ーム作業」あるいは「ジブ張出・格納作業」が行われて
いるかどうか、即ち、現在、張力制御中もしくは張力制
御を行うべき状態かどうかを判定する。ここで、これら
の操作のいずれも行われていないと判断される場合に
は、これが実行されるまで制御を待機する。
【0071】これに対して、上記何れかの作業中と判定
された場合には、ステップS3において、サブフック9
が「係止状態」にあるかどうかを確認する。ここで、サ
ブフック9が「係止状態」にないと判断された場合に
は、該サブフック9を「係止状態」とすべく、上記サブ
ウィンチ15により上記サブワイヤー13を巻き込む
(ステップS11)。尚、この場合のサブウィンチ15
の巻き込み作動は、張力制御とは異なる通常の巻き込み
操作によりなされるものであって、上記サブウィンチ操
作弁76を巻き込み側に操作し、油路114を介してパ
イロット油圧を上記方向切換弁65にかけてこれを位置
「c」に設定することで行われる。
【0072】上記サブフック9が既に「係止状態」にあ
る場合には直ちに、「係止状態」にない場合には上記サ
ブウィンチ15の巻き込み作動によりサブフック9を
「係止状態」とした後に、それぞれステップS4へ移行
し、上記サブワイヤー13の張力制御が開始される。
【0073】このステップS4では、現在の作業がブー
ム作業であるのかどうかが判断される。そして、「ブー
ム作業時」と判断された場合には、次にステップS5に
おいて、現在、上記サブワイヤー13の張力に変化を与
えるようなクレーン操作が行われているか否かを判断
し、該操作が行われていない場合には、これが行われる
まで制御を待機し且つ操作が行われた時点で、また既に
該操作が行われている場合には直ちに、それぞれステッ
プS6へ移行し、上記サブワイヤー13を低トルクで且
つ低速で巻き込ませるべく上記サブウィンチ15を巻き
込み側に作動させる。
【0074】この低トルク・低速巻き込みを、図4の油
圧回路図に基づいて説明すると次の通りである。「ブー
ム作業」で且つ上記サブワイヤー13の張力が変化する
ようなクレーン操作が行われたことが検出されると、そ
の時点で、図5に示すように、電磁切換弁70は位置
「c」に設定されるとともに、電磁切換弁57は「O
N」、、電磁切換弁72は「ON」、電磁切換弁73は
「OFF」、電磁切換弁87は「ON」にそれぞれ設定
される。
【0075】従って、上記油圧ポンプ61からのパイロ
ット油圧は、上記油路111から上記電磁切換弁72→
減圧弁69→油路113→シャトル弁81→油路114
を経て、上記方向切換弁65の位置「c」側に負荷さ
れ、該方向切換弁65は位置「b」から位置「c」に切
り換えられる。一方、上記電磁切換弁70が位置「c」
に設定され、上記低圧リリーフ弁71が無効とされてい
るので、リリーフ弁67は通常の設定圧を保持し、油圧
ポンプ62から上記方向切換弁65に供給される作動油
圧は高圧(即ち、通常のブーム作業が可能な油圧)に維
持される。そして、この高圧の作動油圧は、油路124
→逆止弁54を経て上記油圧モータ60の巻き込み側ポ
ートに供給され、該油圧モータ60によって上記サブウ
ィンチ15が巻き込み側に回転し、上記サブワイヤー1
3に所定の巻込力を付与する。また、上記方向切換弁6
5側から、油路135→油路120を経て上記切換弁8
4にパイロット油圧が負荷され、該切換弁84が「O
N」設定されることで、油圧ポンプ63からの作動油圧
がブレーキ解放用油路125を介してブレーキ装置59
に供給され、該ブレーキ装置59の解放によって上記サ
ブウィンチ15の回転が許容される。
【0076】この場合、上記油圧モータ60に供給され
る油圧は、その元圧は高圧であるが、上記低圧リリーフ
弁85におけるリリーフ弁85Aによって降圧され低圧
となっているので、上記サブウィンチ15の巻込力は小
さく抑えられる。即ち、低トルクでの巻き込みが実現さ
れる。また一方、上記油圧ポンプ61からのパイロット
油圧は、上記減圧弁69において減圧されていることか
ら、上記方向切換弁65の作動量は、通常のサブウィン
チ15操作時のパイロット油圧(即ち、上記油圧ポンプ
61から油路112→サブウィンチ操作弁76を経て負
荷される油圧)が負荷された場合よりも少なく、従って
上記方向切換弁65から上記油圧モータ60への油圧の
供給量が少なく抑えられ、上記サブウィンチ15の巻き
込み速度は低速とされる。これらの結果、上記サブウィ
ンチ15の低トルク・低速巻き込みが実現されるもので
ある。
【0077】従って、クレーン操作に伴って上記サブワ
イヤー13の張力が増大方向へ変化した場合には、該サ
ブワイヤー13は上記サブウィンチ15の巻込力に抗し
て外力(例えば、ブーム3の伸長力)によって引き出さ
れ、その張力が適正に維持されることで上記サブフック
9の「係止状態」が持続される。これとは逆に、上記サ
ブワイヤー13の張力が減少方向へ変化した場合には、
該サブワイヤー13が上記サブウィンチ15によって低
トルク・低速で巻き込まれることでその張力が適正に維
持され、これによって上記サブフック9の「係止状態」
が持続される。即ち、「ブーム作業時」において、例え
上記サブワイヤー13の張力が変化するようなクレーン
操作がなされたとしても、該サブワイヤー13の張力は
常時適正に維持され、上記サブフック9はその「係止状
態」が担保されるものである。
【0078】図6のフローチャートに戻って、上記の如
きサブワイヤー13の張力制御はブーム作業が完了する
まで継続される(ステップS8)が、その途中において
上記サブウィンチ15に異常が生じた場合、即ち、張力
制御中であって上記サブウィンチ15の回転が許容され
るべき状態であるにも拘わらず上記ブレーキ装置59が
解放状態とされていない場合(即ち、上記圧力スイッチ
88からの信号が入力されていない場合)、又は油圧モ
ータ60への供給油圧が低圧に保持されサブワイヤー1
3の低トルク巻き込みがなされていることが必要である
にも拘わらずこれが低圧に設定されていない場合(即
ち、上記圧力スイッチ56から信号が入力されていない
場合)、又はこれら両圧力スイッチ88,56から共に
信号が入力されていない場合には、上記電磁切換弁70
が位置「b」に切り換えられ、ブーム3の旋回動(即
ち、サブワイヤー13の張力に影響のない動作)以外の
全ての動作が停止され、作業上の安全性が確保される
(ステップS7及びステップS10)。即ち、この実施
形態においては、上記電磁切換弁70が図3の「異常時
作動手段Q」に該当する。かかる作動停止によって、例
えば上記サブワイヤー13に過大な張力がかかって上記
サブウィンチ15が損傷するというような事態の発生が
未然に且つ確実に防止され、ウィンチ装置全体の安全性
と信頼性とが確保されるものである。尚、かかる自動停
止以外に、張力制御中において上記両圧力スイッチ8
8,56のいずれか一方、又は双方からの信号の入力が
ない場合に所定の警報を発し、この警報をオペレータが
感知してクレーン操作をその時点で直ちに停止すること
によっても上記と同様の効果が得られる。
【0079】一方、ステップS4において、「ブーム作
業」ではないと判断された場合には、ステップS12へ
移行し、「ジブ張出・格納作業」であるか否かを判断す
る。ここで、「張出・格納作業」と判断された場合には
直ちに、また、「張出・格納作業」でないと判断された
場合には「張出・格納作業」が行われるまで制御を待機
し該作業が行われた時点で、それぞれステップS13へ
移行する。
【0080】ステップS13においては、現在の張出・
格納作業が、サブワイヤー13の張力が増大する側(即
ち、張側)の操作が否かを判断する。ここで、張力が増
大する側の操作が行われている場合には、上記サブワイ
ヤー13を外力一定の張力を負荷した状態で引き出さ
せ、これによって該サブワイヤー13に過大な張力を掛
けることなく上記サブフック9の「係止状態」を維持さ
せる。この一定張力の下での上記サブワイヤー13の引
き出し操作を図4の油圧回路図に基づいて説明すると次
の通りである。
【0081】この作業状態では、上述のように、電磁切
換弁70は位置「a」に設定されるとともに、且つ電磁
切換弁57は「ON」,電磁切換弁72は「OFF」,
電磁切換弁73は「ON」,電磁切換弁87は「ON」
にそれぞれ設定される。従って、上記サブワイヤー13
の張力が増大する側の操作、即ち、上記伸縮操作弁75
による上記ブーム3又は上記ジブ4の伸長操作と、上記
起伏操作弁78による上記ブーム3の起仰操作又は上記
ジブ4の下方チルト操作又は上記ジブ4の「張出姿勢」
から「格納姿勢」への反転操作がされると、それに伴っ
て、油路122又は油路134からシャトル弁82側に
供給されるパイロット油圧が油路121→電磁切換弁7
3→油路116→シャトル弁80→油路120を経て上
記切換弁84に供給され、該切換弁84が「ON」設定
される。従って、油圧ポンプ63からの作動油圧がブレ
ーキ解放用油路125を介して上記ブレーキ装置59に
供給され、該ブレーキ装置59は解放され上記サブウィ
ンチ15の回転が許容される。
【0082】一方、上記電磁切換弁72が「OFF」
で、且つ上記サブフック9が「係止状態」で維持してい
る状態であるので上記サブウィンチ操作弁76が操作さ
れることはなく、従って、上記サブウィンチ制御弁ユニ
ット64は位置「b」に固定される。このため、上記油
圧モータ60と上記方向切換弁65とを接続する油路1
23と油路124とは循環路となり、該油圧モータ60
への油圧の供給はされない。しかも、この状態におい
て、上記電磁切換弁57が「ON」で、且つ電磁切換弁
87が「ON」であることから、上記サブウィンチ15
が上記サブワイヤー13にかかる張力によって強制的に
回転されると、それに伴って上記油圧モータ60は、上
記リリーフ弁85Bの設定圧の下で油圧ポンプとして機
能し、そのポンプ抵抗によって上記サブウィンチ15に
所定の回転抵抗を付与する。この結果、上記サブウィン
チ15から引き出されるサブワイヤー13は、この回転
抵抗に対応した所定の張力を維持することになる。従っ
て、サブワイヤー13の張力が増大する方向の操作に伴
って上記サブワイヤー13が所定張力を維持しつつ引き
出されることで、該サブワイヤー13の張力が過大とな
ることなく常時適正に保持され、これにより上記サブフ
ック9の「係止状態」が維持されるものである。即ち、
この作業状態においては、上記方向切換弁65の作動を
伴うことなく、上記サブワイヤー13の張力を増大する
方向の操作に連動して自動的に該サブワイヤー13の張
力制御が行われ、上記サブフック9の「係止状態」が維
持されるものであることから、張力制御がより簡易とな
る。
【0083】図6のフローチャートに戻って、ステップ
S13において、張力が減少する側の操作が行われてい
ると判断された場合には、次にステップS14におい
て、上記サブワイヤー13を低トルクで且つ低速で巻き
込ませるべく上記サブウィンチ15を巻き込み側に作動
させる。
【0084】この「ジブ張出・格納作業時」における上
記サブワイヤー13の低トルク・低速巻き込みを、図4
の油圧回路図に基づいて説明すると次の通りである。
【0085】「ジブ張出・格納作業時」において上記サ
ブワイヤー13の張力が減少する方向の操作が行われた
ことが検出されると、その時点で、図5に示すように、
電磁切換弁70は位置「a」に設定されるとともに、電
磁切換弁57は「ON」、、電磁切換弁72は「O
N」、電磁切換弁73は「OFF」、電磁切換弁87は
「OFF」にそれぞれ設定される。
【0086】従って、上記油圧ポンプ61からのパイロ
ット油圧は、上記油路111から上記電磁切換弁72→
減圧弁69→油路113→シャトル弁81→油路114
を経て、上記方向切換弁65の位置「c」側に負荷さ
れ、該方向切換弁65は位置「b」から位置「c」に切
り換えられる。一方、上記電磁切換弁70が位置「a」
に設定されているので、リリーフ弁67は通常の設定圧
よりも低圧側に設定され、油圧ポンプ62から上記方向
切換弁65に供給される油圧は低圧に維持されている。
そして、この低圧の油圧は油路124→逆止弁54を経
て上記油圧モータ60の巻き込み側ポートに供給され、
該油圧モータ60によって上記サブウィンチ15が巻き
込み側に回転し上記サブワイヤー13に所定の巻込力を
付与する。また、上記方向切換弁65側から、油路13
5→油路120を経て上記切換弁84にパイロット油圧
が負荷され、該切換弁84が「ON」設定されること
で、油圧ポンプ63からの作動油圧がブレーキ解放用油
路125を介してブレーキ装置59に供給され、該ブレ
ーキ装置59の解放によって上記サブウィンチ15の回
転が許容される。
【0087】この場合、上記油圧モータ60に供給され
る油圧は、上記低圧リリーフ弁71によって既に低圧と
されているが、仮にこれが何らかの不都合で低圧とされ
ていなかったとしても、上記低圧リリーフ弁85によっ
てその低圧化が図られるので、上記油圧モータ60に供
給される作動油圧は確実に低圧とされる。従って、上記
サブウィンチ15の巻込力は確実に小さく抑えられ、上
記サブワイヤー13の低トルクでの巻き込みが実現され
る。
【0088】また一方、上記油圧ポンプ61からのパイ
ロット油圧は、上記減圧弁69において減圧されている
ことから、上記方向切換弁65の作動量は、通常のサブ
ウィンチ15操作時のパイロット油圧(即ち、上記油圧
ポンプ61から油路112→サブウィンチ操作弁76を
経て負荷される油圧)が負荷された場合よりも少なく、
従って上記主操作弁65から上記油圧モータ60への油
圧の供給量が少なく抑えられ、上記サブウィンチ15の
巻き込み速度は低速とされる。これらの結果、上記サブ
ウィンチ15の低トルク・低速巻き込みが実現されるも
のである。従って、クレーン操作に伴って上記サブワイ
ヤー13の張力が減少方向へ変化した場合、該サブワイ
ヤー13は上記サブウィンチ15によって低トルクで且
つ低速で巻き込まれることでその張力が適正に維持さ
れ、これによって上記サブフック9の「係止状態」が持
続されることになる。
【0089】再び図6のフローチャートに戻って、ステ
ップS14におけるサブワイヤー13の低トルク・低速
巻き込みと、ステップS15における上記サブワイヤー
13への所定張力の付与作用とは、「ジブ張出・格納作
業」が完了するまで継続される(ステップS16)が、
その途中において上記サブウィンチ15に異常が生じた
場合は、上記「ブーム作業時」における異常発生時と同
様に、上記電磁切換弁70が位置「b」に切り換えら
れ、ブーム3の旋回動(即ち、サブワイヤー13の張力
に影響のない動作)以外の全ての動作が停止され、作業
上の安全性が確保される(ステップS16及びステップ
S10)。
【0090】以上のように、この実施形態のものにおい
ては、上記サブワイヤー13の張力制御による上記サブ
フック9の「係止状態」を、ジブ4の「張出・格納作業
時」のみならず、該ジブ4を格納した状態での「ブーム
作業時」においても維持されるものであり、しかもこの
張力制御中において上記サブウィンチ15の作動状態に
異常が生じた場合には、直ちにこれを検出して異常回避
作動が自動的に行われることで、張力制御中におけるサ
ブウィンチ15の安全で且つ高い信頼性をもつ作動制御
が実現されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかるウィンチ装置を備えた移動式
クレーンの側面図である。
【図2】図1に示した移動式クレーンの平面図である。
【図3】本願発明にかかるウィンチ装置のシステムブロ
ック図である。
【図4】本願発明にかかるウィンチ装置における要部油
圧回路図である。
【図5】上記油圧回路における電磁切換弁の作動関係の
説明図である。
【図6】本願発明にかかるウィンチ装置における制御フ
ローチャートである。
【図7】図1に示した移動式クレーンのジブ作業状態図
である。
【図8】図1に示した移動式クレーンのブーム作業状態
図である。
【符号の説明】
1は車両、2は旋回台、3はブーム、4はジブ、5はジ
ブ基台、6は起伏用油圧シリンダ、7はチルト用油圧シ
リンダ、8はメインフック、9はサブフック、10はブ
ーム枢支軸、11はキャビン、12はメインワイヤー、
13はサブワイヤー、14はメインウィンチ、15はサ
ブウィンチ、16はスイング用油圧シリンダ、17はブ
ーム側ピン受孔、18はジブ側ピン受孔、19は連結ピ
ン、20はジブ枢支軸、21はジブ固定具、22はフッ
ク係止用アーム、23は基端側シーブ、24は基端側シ
ーブ、25はガイドシーブ、26はガイドシーブ、27
は先端側シーブ、28は折返水平シーブ、29はガイド
シーブ、30は先端側シーブ、31は中間シーブ、52
はカウンターバランス弁、53はリリーフ弁、54は逆
止弁、55はリリーフ弁、56は圧力スイッチ、57は
電磁切換弁、59はブレーキ装置、60は油圧モータ、
61〜63は油圧ポンプ、65は方向切換弁、66は切
換弁、67はリリーフ弁、68はシャトル弁、69は減
圧弁、70は電磁切換弁、71は第1の低圧リリーフ
弁、72及び73は電磁切換弁、74は旋回操作弁、7
5は伸縮操作弁、76はサブウィンチ操作弁、77はメ
インウィンチ操作弁、78は起伏操作弁、79は電磁切
換弁、80〜83はシャトル弁、84は切換弁、85は
第2の低圧リリーフ弁、87は電磁切換弁、88〜98
は圧力スイッチ、Pは張力制御検出手段、Qは異常時作
動手段、Sはブレーキ解放検出手段、Tは油圧検出手
段、Wは異常状態判定手段、Zは移動式クレーンであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F205 AA06 AC02 BA06 CA03 CB02 DA14 HA10 HB02 HC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプ(62)からの吐出油の方向
    を切り換える方向切換弁(65)からウィンチ(15)
    を駆動する油圧モータ(60)へ油圧を供給する油路
    (124)にカウンターバランス弁(52)を備える一
    方、 上記油路(124)における上記油圧モータ(60)と
    上記カウンターバランス弁(52)の間から分岐油路
    (126)を設けるとともに該分岐油路(126)にこ
    れを連通又は連通遮断する電磁切換弁(57)を介して
    低圧リリーフ弁(85)を接続し、上記電磁切換弁(5
    7)を連通状態として上記低圧リリーフ弁(85)によ
    り上記油圧モータ(60)への供給油圧を低圧とするこ
    とで、上記ウィンチ(15)から伸びるワイヤー(1
    3)に取り付けられたフック(9)をブーム(3)又は
    ジブ(4)の先端部に係止させたままジブ張出・格納作
    業又はブーム作業が行われる場合における上記ワイヤー
    (13)の張力制御を可能とした移動式クレーンのウィ
    ンチ装置であって、 ジブ張出・格納作業又はブーム作業に伴って上記ワイヤ
    ー(13)の張力制御中又は張力制御が行われる状態で
    あることを検出する張力制御検出手段(P)と、 上記油路(124)における上記油圧モータ(60)と
    上記カウンターバランス弁(52)との間の油圧を検出
    する油圧検出手段(T)と、 上記張力制御検出手段(P)により張力制御中又は張力
    制御が行われる状態であることが検出された時において
    上記油圧検出手段(T)の検出油圧値が予め設定した設
    定油圧値を越える場合に上記ウィンチ(15)の作動状
    態が異常状態であると判断して異常信号を出力する異常
    状態判定手段(W)と、 上記異常状態判定手段(W)からの上記異常信号を受け
    て上記ウィンチ(15)の適正作動を確保すべく作動す
    る異常時作動手段(Q)とを備えたことを特徴とする移
    動式クレーンのウィンチ装置。
  2. 【請求項2】 油圧ポンプ(62)からの吐出油の方向
    を切り換える方向切換弁(65)からウィンチ(15)
    を駆動する油圧モータ(60)へ油圧を供給する油路
    (124)にカウンターバランス弁(52)を備える一
    方、 上記油路(124)における上記油圧モータ(60)と
    上記カウンターバランス弁(52)の間から分岐油路
    (126)を設けるとともに該分岐油路(126)にこ
    れを連通又は連通遮断する電磁切換弁(57)を介して
    低圧リリーフ弁(85)を接続し、 さらに上記ウィンチ(15)はブレーキ解放用油路(1
    25)を介して供給される油圧を受けて作動する油圧シ
    リンダにより解放操作されるブレーキ装置(59)を備
    え、 上記ブレーキ装置(59)が解放されると同時に上記電
    磁切換弁(57)を連通状態として上記低圧リリーフ弁
    (85)により上記油圧モータ(60)への供給油圧を
    低圧とすることで、上記ウィンチ(15)から延びるワ
    イヤー(13)に取り付けられたフック(9)をブーム
    (3)又はジブ(4)の先端部に係止させたままジブ張
    出・格納作業又はブーム作業が行われる場合における上
    記ワイヤー(13)の張力制御を可能とした移動式クレ
    ーンのウィンチ装置であって、 ジブ張出・格納作業又はブーム作業に伴って上記ワイヤ
    ー(13)の張力制御中又は張力制御が行われる状態で
    あることを検出する張力制御検出手段(P)と、 上記
    ブレーキ装置(59)の解放状態を検出してブレーキ解
    放信号を出力するブレーキ解放検出手段(S)と、 上記張力制御検出手段(P)により張力制御中又は張力
    制御が行われる状態であることが検出された時において
    上記ブレーキ解放検出手段(S)からのブレーキ解放信
    号が入力されていない場合に上記ウィンチ(15)の作
    動状態が異常状態であると判断して異常信号を出力する
    異常状態判定手段(W)と、 上記異常状態判定手段(W)からの上記異常信号を受け
    て上記ウィンチ(15)の適正作動を確保すべく作動す
    る異常時作動手段(Q)とを備えたことを特徴とする移
    動式クレーンのウィンチ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 上記異常時作動手段(Q)は、所定の警報を発する警報
    手段(37)と、クレーンの作動を停止させるクレーン
    作動停止手段(36)の少なくともいずれか一方を備え
    て構成されることを特徴とする移動式クレーンのウィン
    チ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110329909A (zh) * 2019-07-30 2019-10-15 徐州徐工随车起重机有限公司 一种用于直臂随车起重机的吊称重液压系统
CN111960295A (zh) * 2020-09-09 2020-11-20 区碧莲 一种工业自动化搬运机器人
CN116065581A (zh) * 2023-03-04 2023-05-05 中交一航局第一工程有限公司 一种分布式大型打桩船及打桩作业方法

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