JP2001151469A - タワークレーンの起伏装置 - Google Patents

タワークレーンの起伏装置

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JP2001151469A
JP2001151469A JP33666399A JP33666399A JP2001151469A JP 2001151469 A JP2001151469 A JP 2001151469A JP 33666399 A JP33666399 A JP 33666399A JP 33666399 A JP33666399 A JP 33666399A JP 2001151469 A JP2001151469 A JP 2001151469A
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jib
hoisting
boom
tension
lowering
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JP33666399A
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Hideaki Ishihara
英明 石原
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Kobelco Construction Machinery Co Ltd
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Kobelco Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タワーアタッチメント引き起こし又は倒し作
業において、ブーム起伏操作レバー操作のみでジブ起伏
ロープの張力が一定範囲に収まるように制御することに
より、安定性、操作性を確保することができるタワーク
レーンの起伏装置を提供する。 【解決手段】 タワーアタッチメント3の引き起こし又
は倒し作業時に、ジブ起伏ウインチ11の動作をブーム
起伏操作レバー(図略)の操作に連動するように切り換
える電磁弁(図略)と、ジブ起伏ロープ10の張力を検
出するジブ起伏ロープ張力検出器15と、この検出値に
基づいて少なくともジブ13の起伏速度を調整する電磁
比例減圧弁(図略)とを備えたので、同作業時での安定
性、操作性を確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本体に起伏可能に
取り付けられたブームと、このブームの先端に起伏可能
に取り付けられたジブとからなるタワーアタッチメント
を備えたタワークレーンの起伏装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的なタワークレーンでは、本体に起
伏可能に取り付けられたブームと、このブームの先端に
起伏可能に取り付けられたジブとからなるタワーアタッ
チメントを備えているが、このタワーアタッチメントの
引き起こし又は倒し作業においては、ブーム起伏操作レ
バーの操作によりブーム起伏ウインチでブーム起伏ロー
プの巻き上げ又は巻き下げ動作を行うと同時に、ジブ起
伏操作レバーの操作によりジブ起伏ウインチでジブ起伏
ロープの巻き上げ又は巻き下げ動作を行う必要が生じ
る。
【0003】この際、作業者はブーム起伏操作レバーと
ジブ起伏操作レバーとを同時に操作しなければならず、
操作が煩雑である。また、ブーム起伏操作レバーとジブ
起伏操作レバーとを同時に操作したとしても、両ロープ
の掛け回しの違い等によりブームとジブの変化量が必ず
しも予想した通りとはならず、ジブ起伏ロープを張りす
ぎると、タワーアタッチメントの破損に至るおそれがあ
り、逆に弛めすぎると、ジブ起伏ロープが乱巻きするお
それがある。
【0004】このような事態を防止する方法として、例
えば特許公報第2624621号に開示された技術があ
る。この従来技術は、タワーアタッチメントの引き起こ
し又は倒し作業時にブーム起伏操作レバーとジブ起伏操
作レバーとを同時に操作するものではあるが、その際、
ジブ起伏ロープの張力と予め記憶しておいた乱巻き発生
張力又はタワーアタッチメントの破損限界張力とを比較
し、ジブ起伏ロープの張力が乱巻き発生張力以下又はタ
ワーアタッチメントの破損限界張力以上になると、ジブ
起伏ウインチによるジブ起伏ロープの巻き上げ又は巻き
下げ動作、あるいは、ブーム起伏ウインチによるブーム
起伏ロープの巻き上げ又は巻き下げ動作を自動停止する
ように構成している。
【0005】例えば、タワーアタッチメントの引き起こ
し作業中ではブーム起伏ロープとジブ起伏ロープの巻き
上げを行うが、このときにジブ起伏ロープの張力が乱巻
き発生張力に達した場合、すなわちブーム起伏ロープの
巻き上げ速度に対してジブ起伏ロープの巻き上げ速度が
速い場合にはブーム起伏ロープの巻き上げを停止する。
これにより、ジブ起伏ロープの巻き上げのみが行われ、
ジブ起伏ロープの張力が増加して乱巻きを防止する。
【0006】この逆に、同作業中において、ジブ起伏ロ
ープの張力が破損限界張力に達した場合、すなわちブー
ム起伏ロープの巻き上げ速度がジブ起伏ロープの巻き上
げ速度よりも遅い場合には、ジブ起伏ロープの巻き上げ
を停止してジブ起伏ロープの張りすぎを防止する。タワ
ーアタッチメントの倒し作業についても同様であって、
ブーム起伏ロープ、ジブ起伏ロープのうちのいずれか速
度が速い方を停止させる。
【0007】その後、ジブ起伏ロープの張力が乱巻き発
生張力よりも十分に大きい値となるか又はタワーアタッ
チメントの破損限界張力よりも十分に小さい値になれ
ば、上記停止状態を解除して再びブーム起伏ロープとジ
ブ起伏ロープの巻き上げ又は巻き下げを開始する。従来
技術では、その繰り返しによりジブ起伏ロープの張力を
一定範囲に保って、タワーアタッチメントの引き起こし
又は倒し作業を行うものとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、ジブ起伏ロープの張力が予め記憶している張力値
(破損限界張力又は乱巻き発生張力の値)を超えた場合
にはブーム起伏ロープ又はジブ起伏ロープの巻き上げ又
は巻き下げを自動停止させているが、このような動作が
好ましくない場合がある。例えば、タワーアタッチメン
トを倒す作業の場合、ブーム起伏ロープを巻き下げてい
くにしたがい、ジブ起伏ロープが張ってくるため、ジブ
起伏ロープの巻き下げ操作が必要であるが、この操作を
忘れた場合にはブーム起伏ロープの巻き下げが自動停止
する。ブームの角度が比較的大きい時ではその影響は少
ないが、長尺ブームでかつブーム角度が小さい時、すな
わち安定度にあまり余裕がないときに突然ブーム起伏ロ
ープの巻き下げを停止することは安定性を損なうおそれ
があるので好ましくない。
【0009】また、ジブ起伏ロープの張力が予め記憶し
ている張力値を超える度にブーム起伏ロープ又はジブ起
伏ロープの巻き上げ又は巻き下げを自動停止するので
は、作業が中断されるので、作業効率を著しく低下させ
ることになる。一方、作業の連続性を保つために、作業
者が自動停止を効かせないようにして作業を続けようと
すれば、その作業者自身がブーム起伏操作レバーとジブ
起伏操作レバーとを用いて最適なジブ起伏ロープの張力
内に収まるようにジブ起伏ロープの巻き取り又は繰り出
し量を操作しなければならず、結果としてこの装置がな
い場合と同様に気をつけなければならない。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、タワーアタッチメント引き起こし又は倒し作業にお
いて、ブーム起伏操作レバー操作のみでジブ起伏ロープ
の張力が一定範囲に収まるように制御することにより、
安定性、操作性を確保することができるタワークレーン
の起伏装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、本
体に起伏可能に取り付けられたブームと、このブームの
先端に起伏可能に取り付けられたジブとからなるタワー
アタッチメントを備え、ブーム起伏操作レバーの操作に
よりブーム起伏ウインチで起伏ロープを巻上・巻下する
ことによってブームの起伏動作を行うとともに、ジブ起
伏操作レバーの操作によりジブ起伏ウインチでジブ起伏
ロープを巻上・巻下することによってジブの起伏動作を
行うように構成したタワークレーンの起伏装置におい
て、タワーアタッチメントの引き起こし又は倒し作業時
におけるジブ起伏ロープの張力とジブ起伏ウインチの巻
上・巻下速度との関係を記憶する記憶手段と、ジブ起伏
ロープの張力を検出する張力検出手段と、上記作業時に
ジブ起伏ウインチの動作をブーム起伏操作レバーの操作
に連動するように切り換える動作切換手段と、この切り
換え後のブーム起伏操作レバーの操作により両ウインチ
を動作させる際に、上記検出された張力と上記記憶され
た関係とに基づいてジブ起伏ウインチの動作を規制する
制御手段を備えたことを特徴とするタワークレーンの起
伏装置として構成されている。
【0012】この構成によれば、タワーアタッチメント
の引き起こし又は倒し作業時にジブ起伏ウインチの動作
がブーム起伏操作レバーの操作に連動するように切り換
えられるので、ブーム起伏操作レバーのみの操作によ
り、ブーム起伏、ジブ起伏の両ウインチを同時に駆動す
ることができるようになる。また、上記作業時における
ジブ起伏ロープの張力とジブ起伏ウインチの巻上・巻下
速度との関係が記憶され、ジブ起伏ロープの張力が検出
され、上記切り換え後のブーム起伏操作レバーの操作に
より両ウインチを動作させる際に、上記検出された張力
と上記記憶された関係とに基づいてジブ起伏ウインチの
動作が規制されるので、作業者はジブ起伏ロープの張り
具合を見ながらブーム、ジブの複合操作をする必要がな
くなり、この操作上の負担軽減により操作性が向上す
る。また、従来技術のように、長尺ブームでかつブーム
角度が小さい時、すなわち安定度にあまり余裕がないと
きに突然ブーム起伏ロープの巻き下げを停止することが
ないので、安定性にも優れる。さらに、作業が中断され
ないので、作業効率を向上させることができる。
【0013】さらに、タワーアタッチメントの引き起こ
し又は倒し作業時であることを検出するための作業検出
手段を備え、動作切換手段は、この検出された作業情報
に基づいて上記切り換えを行うこととすれば(請求項
2)、タワーアタッチメントの引き起こし又は倒し作業
時が自動認識され、ジブ起伏ウインチの動作をブーム起
伏操作レバーの操作に連動するように自動的に切り換え
ることができる。
【0014】さらに、タワーアタッチメントの引き起こ
し又は倒し作業時を設定するための作業設定手段を備
え、動作切換手段は、この設定された作業情報に基づい
て上記切り換えを行うこととすれば(請求項3)、ジブ
起伏ウインチの動作をブーム起伏操作レバーの操作に連
動するように作業者自身によって確実に切り換えること
ができる。
【0015】例えば、作業情報は、ブーム角度情報、ジ
ブ角度情報及びブームとジブとの係止情報のうちの少な
くとも1つを含むものであればよい(請求項4)。
【0016】さらに、上記切り換え後に、ジブ起伏操作
レバーが操作された場合には、このジブ起伏操作レバー
の操作によりジブ起伏ウインチを動作させる優先操作手
段を備えれば(請求項5)、異常時にジブ起伏ロープの
巻き上げ又は巻き下げ速度が狙い通りでなくなり、ジブ
起伏ロープが張りすぎ又は弛みすぎた場合において、ジ
ブ起伏操作レバーの操作を優先させることにより緊急的
にそのような事態を回避することができる。
【0017】例えば、優先操作手段は、ジブ起伏操作レ
バーの操作を検出する操作検出手段と、この検出された
操作情報により、動作切換手段によるジブ起伏ウインチ
の動作を切り換え前の状態に戻す動作戻し手段とからな
るものとすればよい(請求項6)。
【0018】ところで、ジブ起伏ロープの巻き下げ速度
に対し、ブーム起伏ロープの巻き下げ速度が速い場合、
ジブ起伏ロープの巻き下げ速度を最大にしてもジブ起伏
ロープは張り気味となる。この場合、制御手段は、上記
切り換え後のブーム起伏操作レバーの操作によりブーム
起伏ウインチの動作をも規制することとすれば(請求項
7)、ブーム起伏ロープの巻き下げ速度を減速してジブ
起伏ロープの張力を常に適正値に保つことができるの
で、ジブ起伏ロープの乱巻きやタワーアタッチメントの
破損を確実に防止できる。
【0019】さらに、上記張力検出手段により検出され
るジブ起伏ロープの張力の値を表示する張力表示手段を
備えれば(請求項8)、作業者が常にジブ起伏ロープの
張り具合を確認することができる。
【0020】さらに、上記張力検出手段により検出され
るジブ起伏ロープの張力の値が所定値を超えたときに警
報を発する警報手段を備えれば(請求項9)、ジブ起伏
ロープが万一張りすぎ、又は弛みすぎた場合に作業者は
そのことを迅速に知り対処が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
のいくつかの実施形態について説明する。
【0022】(実施形態1)図1は実施形態1に係るタ
ワークレーンの全体構成を示す側面図である。同図にお
いて、1はタワークレーンの下部走行体、2は上部旋回
体、3は上部旋回体2の前部に装着されたタワーアタッ
チメントである。
【0023】下部走行体1は、いずれも片面のみ図示す
る左右のクローラフレーム4及びクローラ5からなり、
両側クローラ5が個別に回転駆動されて走行する。
【0024】上部旋回体2は、旋回フレーム6、キャビ
ン7等からなり、旋回フレーム6に、ブーム起伏ロープ
8を巻上・巻下するためのブーム起伏ウインチ9と、ジ
ブ起伏ロープ10を巻上・巻下するためのジブ起伏ウイ
ンチ11とが搭載されている。
【0025】タワーアタッチメント3は、旋回フレーム
6の前部に起伏可能に取り付けられたブーム12と、ブ
ーム12の先端に起伏可能に取り付けられたジブ13と
からなり、その付属品として、タワーアタッチメントの
引き起こし又は倒し時にブーム12にジブ13を係止し
て両者を一体化するためのラッチ部14と、ジブ起伏ロ
ープ10の張力を検出する張力検出器(張力検出手段に
相当)15と、ジブ角度を検出するジブ角度検出器(作
業検出手段に相当)16と、ラッチ部14の係止状態を
検出するラッチかかり検出器(作業検出手段に相当)1
7とを有する。張力検出器15としては例えば歪ゲージ
式ロードセルを使用し、ジブ角度検出器16としては例
えばポテンショを使用し、ラッチかかり検出器17とし
ては例えばマイクロスイッチを使用することができる。
【0026】一般的なタワークレーンでは、ブーム12
の先端部に取り付けられたジブ13は折り畳み自在であ
って、タワークレーンを運搬する際には、まずブーム起
伏ロープ8をブーム起伏ウインチ9によって巻き上げ
て、ブーム12を起立状態にし、ジブ起伏ロープ10を
ジブ起伏ウインチ11によって巻き下げてジブ13を前
方へ倒しながらブーム12の前側へ折り畳み、折り畳ん
だジブ13をラッチ部14によってブーム12に係止し
て一体化する。しかる後、ブーム起伏ロープ8をブーム
起伏ウインチ9によって巻き下げて、ジブ13と一体に
なったブーム12を旋回フレーム6の前方に倒していく
が、このときブーム起伏ウインチ9の、巻き下げと同時
に、ジブ起伏ロープ10をジブ起伏ウインチ11から繰
り出して巻き下げていく。そして、タワーアタッチメン
ト3が倒し状態となったタワークレーンをトレーラ等で
運搬する。
【0027】運搬されてきたタワークレーンを現場で使
用する際には、ブーム起伏ロープ8をブーム起伏ウイン
チ9によって巻き上げてジブ13と一体となったブーム
12を一旦起立状態にする。このとき、ブーム起伏ロー
プ8をブーム起伏ウインチ9により巻き上げると同時
に、ジブ起伏ロープ10が弛まないようにジブ起伏ロー
プ10もジブ起伏ウインチ11によって巻き上げる。し
かる後、ラッチ部14の係止を解除し、ジブ起伏ロープ
10をジブ起伏ウインチ11によって巻き上げてジブ1
3をブーム12から離反させながら上方へ引き起こし、
ジブ13をブーム12の先端部から略水平状態にする。
【0028】そして、ブーム12はブーム起伏ロープ8
を介してブーム起伏ウインチ9によって巻き上げ又は巻
き下げられ、ジブ13はジブ起伏ロープ10を介してジ
ブ起伏ウインチ11によって巻き上げ又は巻き下げられ
るようになっている。
【0029】本実施形態1では、このようなタワークレ
ーンにおいて、後に詳述する図2,図4に示すように、
タワーアタッチメント3の引き起こし又は倒し作業時に
ジブ起伏ウインチ11の動作をブーム起伏操作レバー2
2の操作に連動するように切り換える電磁弁(動作切換
手段に相当)31,32と、上記作業時におけるジブ起
伏ロープ10の張力とジブ起伏ウインチ11の出力との
関係を記憶するメモリ(記憶手段に相当)36と、ジブ
起伏ロープ10の張力を検出するジブ起伏ロープ張力検
出器15と、上記切り換え後のブーム起伏操作レバー2
2の操作により両ウインチ9,11を動作させる際に、
上記検出された張力と上記記憶された関係とに基づいて
ジブ起伏ウインチ11の動作を規制する電磁比例減圧弁
(制御手段に相当)34,35と、これらの動作を制御
するコントローラ30とを備えている。
【0030】図2は本実施形態1に係るタワークレーン
の制御系を示す電気・油圧回路図である。上記したブー
ム起伏ウインチ9は、同図に示すように、ブーム起伏モ
ータ21によって回転駆動される。通常、このブーム起
伏モータ21はブーム起伏操作レバー22によりスプー
ルを切り換えることのできるメインコントロールバルブ
23を介し、メインポンプ24からの圧油によって回転
するようになっている。上記したジブ起伏ウインチ11
についても、同様に、ジブ起伏モータ25によって回転
駆動される。通常、このジブ起伏モータ25はジブ起伏
操作レバー26によりスプールを切り換えることのでき
るメインコントロールバルブ27を介し、メインポンプ
28からの圧油によって回転するようになっている。
【0031】本実施形態1では、コントローラ30から
出力される信号により、ブーム起伏操作レバー22の操
作圧力をブーム12側のメインコントロールバルブ23
のみならず、ジブ13側のメインコントロールバルブ2
7へも供給することができるようにその油圧回路を切り
換える電磁弁31,32を設けている。これによって、
ブーム12の巻き上げ操作を行った場合は、メインコン
トロールバルブ23のスプールを巻き上げ側に切り換え
てブーム起伏モータ21を巻き上げ側に回転させるとと
もに、電磁弁31を介してメインコントロールバルブ2
7のスプールを巻き上げ側に切り換えてジブ起伏モータ
25を巻き上げ側に回転させる。一方、ブーム12の巻
き下げ操作を行った場合は、メインコントロールバルブ
23のスプールを巻き下げ側に切り換えてブーム起伏モ
ータ21を巻き下げ側に回転させるとともに、電磁弁3
2を介してメインコントロールバルブ27のスプールを
巻き下げ側に切り換えてジブ起伏モータ25を巻き下げ
側に回転させる。
【0032】コントローラ30は、タワーアタッチメン
ト3の引き起こし又は倒し作業である場合に電磁弁3
1,32へ出力するが、その判断にはジブ角度検出器1
6からの入力値や、ラッチかかり検出器17からの入力
値により、タワーアタッチメント3が引き起こし又は倒
し作業状態(ジブ格納状態)であることを検出すると同
時に、作業者が任意に切り換えられる切換スイッチ(作
業設定手段に相当)33等の状態を加味し、より確実に
認識できるような構成としている。なお、前述したよう
なブーム角度検出器を設けてその検出値を考慮してもよ
く、その場合には作業状態をさらに確実に認識できるよ
うになる。また、油圧回路の適所にはチェック弁41〜
44を設けて逆流を防止することにより、上記油圧回路
の確実な動作が行われるようにしている。
【0033】以上の構成により、ブーム起伏操作レバー
22のみで両ウインチ9,11を駆動することが可能と
なるが、実際には両ロープ8,10の掛け回しの違い
や、ポンプやバルブ等の特性の違いによりブーム12と
ジブ13の変化量が同一となることは希であり、この状
態ではジブ起伏ロープ10は張りすぎとなるか、或いは
弛みすぎとなるかのいずれかとなる可能性が高い。した
がって、ジブ13側のパイロットラインにコントローラ
30からの指令により、パイロット圧を加減する電磁比
例減圧弁34,35を設けることとした。
【0034】電磁比例減圧弁34,35への出力はジブ
起伏モータ25の速度、ひいてはジブ起伏ウインチ11
の巻上・巻下速度を決定づけるものであり、この出力は
ジブ起伏ロープ張力検出器15からの検出値に対して、
予めコントローラ30内のメモリ36に記憶してあるテ
ーブルに基づいて行われる。そのテーブルについては、
それぞれの機械の特性に沿った形とすればよいが、おお
むね図3に示したような形となり、メモリ36はこのテ
ーブル等を記憶するのに十分な記憶容量を有する。
【0035】すなわち、同図においては、ジブ起伏ロー
プ10の張力Tを横軸に、またジブ起伏ウインチ11の
巻上・巻下速度を規制する電磁比例減圧弁34,35へ
の出力電流Iを縦軸に取っている。そして、タワーアタ
ッチメント3の引き起こし作業時はジブ13は巻き上げ
動作であり、張力Tが増加するにしたがって出力電流I
を減少させて巻き上げ速度を落とすようにしている。一
方、タワーアタッチメント3の倒し作業時はジブ13は
巻き下げ動作であり、張力Tが減少するにしたがって出
力電流Iを減少させて巻き下げ速度を落とすようにして
いる。
【0036】また、本制御中に、なんらかの理由により
狙い通りの結果が得られず、ジブ起伏ロープ10の張力
が張りすぎ、又は弛みすぎとなった場合のために、ジブ
起伏操作レバー26の操作を検出するジブ巻き上げ操作
検出器(操作検出手段に相当)37,38を設けた。ジ
ブ巻き上げ操作検出器37,38としては、例えば圧力
スイッチを使用する。これらにより、ジブ起伏操作レバ
ー26によって操作が行われた場合には、電磁弁(ここ
では、動作戻し手段に相当)31,32への出力を中止
し、電磁比例減圧弁34,35への出力を全開状態と
し、ジブ起伏操作レバー26での操作を優先する構成と
した(優先操作手段に相当)。
【0037】図4は本実施形態1の制御系のブロック図
である。同図に示すように、メモリ36を内蔵したコン
トローラ30は、制御の開始を判別する制御開始判別部
30aと、電磁弁31,32及び電磁比例減圧弁34,
35への出力を行う出力電流値演算部30bとからな
り、このうちの制御開始判別部30aは、ジブ角度検出
器16からの信号、ラッチかかり検出器17からの信
号、切換スイッチ33及びジブ巻き上げ操作検出器3
7,ジブ巻き下げ操作検出器38からの信号により本制
御の開始を判断する。また、出力電流値演算部30b
は、オン信号又はオフ信号を電磁弁31,32へ出力
し、ジブ起伏ロープ張力検出器15からの検出値に応じ
て予めメモリ36内に記憶された出力電流値を電磁比例
減圧弁34,35に出力する。制御開始判別部30aと
出力電流値演算部30bは、例えばコントローラ30内
に構築された実行形式のプログラムにより具現化され
る。
【0038】図5は、上記図4に示したコントローラ3
0における各処理を簡単に表したフローチャートであ
る。まず、ジブ角度検出器16から検出値θjを読み込
み、メモリ36内に予め記憶してあるθの値と比較す
る。
【0039】θの値はタワーアタッチメント3の引き起
こし又は倒し作業を判断できる値であるものとする(例
えば−90o)。次に、ラッチかかり検出器17からの
信号によりラッチがかかっていることを判別する。これ
らにより、機械がタワーアタッチメント3の引き起こし
又は倒し作業であることを判断する(ステップS1)。
さらに、切換スイッチ33の入力を読み込み、作業者が
タワーアタッチメント3の引き起こし又は倒し作業を行
う意思を持っていることを判別する(ステップS2)。
当然これらのことはいずれか1つでも判別可能である
し、さらに別の判断(例えば、前述のブーム角度検出器
の入力による判断)を加えてもよい。次に、ジブ13の
巻き上げ又は巻き下げ操作が行われていないことを判断
し(ステップS3)、上記ステップS1〜S3までの条
件がすべてそろえば(ステップS1でYES、ステップ
S2でYES、かつ、ステップS3でNO)、ジブ起伏
側のパイロットラインをブーム起伏操作レバー22で操
作する電磁弁31,32へ出力する(ステップS4)。
【0040】次に、ジブ起伏ロープ張力検出器15から
の入力を読み込み(ステップS5)、予めメモリ36に
記憶している出力電流のマップにより、そのジブ起伏ロ
ープ張力検出値に適した出力を電磁比例減圧弁34,3
5に出力する(ステップS6)。これにより、ジブ起伏
ウインチ11の巻上・巻下速度が規制され、タワーアタ
ッチメント3の引き起こし又は倒し作業が終了するまで
ブーム12及びジブ13の起伏速度が制御される。
【0041】上記ステップS1〜S3においていずれか
1つでも条件を外れれば、電磁弁31,32への出力を
オフとして、電磁比例減圧弁34,35への出力電流を
最大としたパイロットラインを全開状態とする(ステッ
プS7)。これにより、上記ステップS1〜S2におい
て、制御を行う条件がそろわなかったとき、すなわち、
タワーアタッチメント3の引き起こし又は倒し作業でな
い場合と、上記ステップS3においてジブ起伏操作レバ
ー26が意図的に操作された場合とにおいては、ジブ起
伏ウインチ11はジブ起伏操作レバー26によって操作
されることになる。なお、電磁比例減圧弁34,35へ
の出力は、単純にマップとしてメモリ36に記憶してお
く方法もあるが、ジブ起伏ロープ10の張力変化に応じ
てその都度演算し出力してもよい。
【0042】ところで、ジブ起伏ロープ10の巻き下げ
速度に対し、ブーム起伏ロープ8の巻き下げ速度が速い
場合、ジブ起伏ロープ10の巻き下げ速度を最大にして
もジブ起伏ロープ10は張り気味となる。この場合、電
磁比例減圧弁34,35と同様のものをブーム12側の
メインコントロールバルブ23へのパイロットラインに
設け、上記切り換え後のブーム起伏操作レバー22の操
作により、上記したようなジブ起伏ウインチ11の動作
のみならず、ブーム起伏ウインチ9の動作をも規制する
こととすれば、ブーム起伏ロープ8の巻き下げ速度を減
速してジブ起伏ロープ10の張力を常に適正値に保つこ
とができるので、ジブ起伏ロープ10の乱巻きやタワー
アタッチメント3の破損を確実に防止できる。
【0043】また、図2において、ジブ起伏ロープ張力
検出器15により検出されるジブ起伏ロープ10の張力
の値をCRT画面上等に表示する張力表示手段を備えれ
ば、作業者が常にジブ起伏ロープ10の張り具合を確認
でき、さらに、ジブ起伏ロープ張力検出器15により検
出されるジブ起伏ロープ10の張力の値が所定値(上記
乱巻き発生値や破損限界値、或いは、これらに適当な余
裕を持たせた値)を超えたときに警報を発する警報手段
を備えれば、ジブ起伏ロープ10が万一張りすぎ、又は
弛みすぎた場合に作業者はそのことを迅速に知り対処が
可能となる。
【0044】以上により、本実施形態1によれば、タワ
ーアタッチメント3の引き起こし又は倒し作業時に、ジ
ブ起伏ウインチ11の動作がブーム起伏操作レバー22
の操作に連動するように切り換えられるので、ブーム起
伏操作レバー22を操作すると、ブーム起伏、ジブ起伏
の両ウインチ9,11を同時に駆動することができる。
また、ジブ起伏ロープ10の張力が検出され、上記切り
換え後のブーム起伏操作レバー22の操作により、この
検出された張力とメモリ36に記憶された出力テーブル
とに基づいてブーム12及びジブ13の起伏速度が調整
されるので、作業者はジブ起伏ロープ10の張り具合を
見ながらブーム12、ジブ13の複合操作をする必要が
なくなり、この操作上の負担軽減により操作性が向上す
る。また、従来技術のように、長尺ブームでかつブーム
角度が小さい時、すなわち安定度にあまり余裕がないと
きに突然ブーム起伏ロープ8の巻き下げを停止すること
がないので、安定性にも優れる。さらに、作業が中断さ
れないので、作業効率を向上させることができる。
【0045】(実施形態2)図6は、実施形態2に係る
タワークレーンの制御系を示す電気・油圧回路図であ
る。なお、説明の便宜上、同図中の上記図2等と共通す
る要素には同一符号を付している。
【0046】本実施形態2では、ジブ13側のメインコ
ントロールバルブ27のスプールの切り換えに、ブーム
起伏操作レバー22からの圧油とジブ起伏操作レバー2
6からの圧油のうちのより高圧の方を選択して用いるよ
うに、ブーム起伏操作レバー22とジブ起伏操作レバー
26の各パイロットラインを連結してメインコントロー
ルバルブ27に導き、その連結部にチェック弁51,5
2を設けている。
【0047】図7は、上記図6に対応するフローチャー
トである。
【0048】本制御を開始する条件を上記実施形態1と
同様とすると(ステップS21〜S22)、タワーアタ
ッチメント3の引き起こし又は倒し作業で制御開始条件
がそろった場合には、コントローラ30はジブ起伏ロー
プ張力検出器15の検出値を読み込み(ステップS2
4)、予めメモリ36に記憶してある出力電流のマップ
から検出値に応じた信号を電磁比例減圧弁34,35に
出力する(ステップS25)。これにより、ブーム起伏
操作レバー22からジブ13側のメインコントロールバ
ルブ27への油路ができ、ジブ起伏操作レバー26が中
立位置の状態においては、ブーム起伏操作レバー22に
よってジブ起伏モータ25を回転させることが可能とな
る。この状態においてジブ起伏操作レバー26を操作し
た場合は、チェック弁51又は52によりブーム起伏操
作レバー22からの圧油とジブ起伏操作レバー26から
の圧油のうちの圧力が高い側でメインコントロールバル
ブ27を切り換えることとなる(動作切換手段,動作戻
し手段,優先操作手段に相当)。したがって、ブーム起
伏操作レバー22にてジブ起伏モータ25を駆動してい
る場合においてもジブ起伏操作レバー26を同方向にそ
れ以上の操作圧が加わる程操作すれば速度を上げること
が可能であり、逆方向に入れればその差圧分だけ減速又
は逆回転させることが可能である。
【0049】タワーアタッチメント3の引き起こし又は
倒し作業で制御開始条件がそろわない場合においては
(ステップS21〜S22)、電磁比例減圧弁34,3
5への出力はオフであるとする(ステップS26)。し
たがって、タワーアタッチメント3の引き起こし又は倒
し作業でない場合は、ジブ起伏操作レバー26の操作に
よりメインコントロールバルブ27を切り換えてジブ起
伏モータ9を回転させる。
【0050】これにより、何らかの事情で狙い通りの制
御が不可能である場合に、ジブ起伏操作レバー26にて
ジブ起伏モータ25を操作することが可能となる。
【0051】以上のように、本実施形態2によれば、上
記実施形態1よりもシンプルな構成で、同様の作用効果
を得ることができる。
【0052】(実施形態3)図8は、実施形態3に係る
タワークレーンの制御系を示す電気・油圧回路図であ
る。なお、説明の便宜上、同図中の上記図2,図6等と
共通する要素には同一符号を付している。
【0053】上記実施形態1,2は、いずれもブーム1
2の変化に対し、ジブ起伏ロープ10の張力変化が少な
い場合に有効である。しかし、あくまでもジブ起伏操作
レバー26によるパイロット圧でジブ13側のメインコ
ントロールバルブ27を切り換えるため、電磁比例減圧
弁34,35を全開にしてもブーム起伏操作レバー22
によるパイロット圧以上の圧力は得られない。したがっ
て、ブーム12の変化量に対しジブ起伏ロープ10の張
力変化が比較的大きいような場合、すなわちブーム12
側とジブ13側のパイロット圧が同じである時にジブ起
伏ロープ10の巻き取り又は繰り出し速度が追いつかな
い場合には有効とはならない。
【0054】本実施形態3は、そのような場合にも有効
な制御系を提供するものであって、図8に示すように、
電磁比例減圧弁34,35におけるパイロット圧を確保
するために、コントロールポンプ20から電磁比例減圧
弁34,35への油路を形成し、この油路中にブーム起
伏操作レバー22の操作圧力に応じてオン/オフ制御さ
れる切換弁61,62を設けている。
【0055】上記図8に対応するフローチャートは、上
記実施形態2におけるもの(図7)と同様であり、上記
実施形態2と同様の制御開始条件がそろった場合に、ジ
ブ起伏ロープ張力検出器15からの張力に応じて電磁比
例減圧弁34,35に出力を行うことは同様であるが、
ここでは、電磁比例減圧弁34,35へ流れる圧油はブ
ーム起伏操作レバー22によるパイロット圧ではなく、
コントロールポンプ20から切換弁61,62を介して
供給される圧油を用いている。このようにして、ブーム
起伏操作レバー22の操作量に関係なく最大圧を加える
ことにより、ジブ起伏モータ25の速度を電磁比例減圧
弁34,35のみで規制することが可能となる。
【0056】なお、コントロールポンプ20から電磁比
例減圧弁34,35の間にブーム起伏操作レバー22の
操作圧で切り換わる切換弁61,62を設けて、ブーム
起伏操作レバー22を操作した時にのみ、コントロール
ポンプ20からの圧油がメインコントロールバルブ27
に流れるように構成したが、当然ブーム起伏操作レバー
22の操作を電気的に検出し、レバー中立時には電磁比
例減圧弁34,35への出力を中止するようにしてもよ
い。
【0057】以上のように、本実施形態3によれば、ブ
ーム12の変化に対し、ジブ起伏ロープ張力の変化が大
きい場合においても対処可能である。
【0058】
【発明の効果】本発明の請求項1は、本体に起伏可能に
取り付けられたブームと、このブームの先端に起伏可能
に取り付けられたジブとからなるタワーアタッチメント
を備え、ブーム起伏操作レバーの操作によりブーム起伏
ウインチで起伏ロープを巻上・巻下することによってブ
ームの起伏動作を行うとともに、ジブ起伏操作レバーの
操作によりジブ起伏ウインチでジブ起伏ロープを巻上・
巻下することによってジブの起伏動作を行うように構成
したタワークレーンの起伏装置において、タワーアタッ
チメントの引き起こし又は倒し作業時におけるジブ起伏
ロープの張力とジブ起伏ウインチの巻上・巻下速度との
関係を記憶する記憶手段と、ジブ起伏ロープの張力を検
出する張力検出手段と、上記作業時にジブ起伏ウインチ
の動作をブーム起伏操作レバーの操作に連動するように
切り換える動作切換手段と、この切り換え後のブーム起
伏操作レバーの操作により両ウインチを動作させる際
に、上記検出された張力と上記記憶された関係とに基づ
いてジブ起伏ウインチの動作を規制する制御手段を備え
たことを特徴とするタワークレーンの起伏装置として構
成されている。
【0059】この構成によれば、タワーアタッチメント
の引き起こし又は倒し作業時にジブ起伏ウインチの動作
がブーム起伏操作レバーの操作に連動するように切り換
えられるので、ブーム起伏操作レバーのみの操作によ
り、ブーム起伏、ジブ起伏の両ウインチを同時に駆動す
ることができるようになる。また、上記作業時における
ジブ起伏ロープの張力とジブ起伏ウインチの巻上・巻下
速度との関係が記憶され、ジブ起伏ロープの張力が検出
され、上記切り換え後のブーム起伏操作レバーの操作に
より両ウインチを動作させる際に、上記検出された張力
と上記記憶された関係とに基づいてジブ起伏ウインチの
動作が規制されるので、作業者はジブ起伏ロープの張り
具合を見ながらブーム、ジブの複合操作をする必要がな
くなり、この操作上の負担軽減により操作性が向上す
る。また、従来技術のように、長尺ブームでかつブーム
角度が小さい時、すなわち安定度にあまり余裕がないと
きに突然ブーム起伏ロープの巻き下げを停止することが
ないので、安定性にも優れる。さらに、作業が中断され
ないので、作業効率を向上させることができる。
【0060】さらに、タワーアタッチメントの引き起こ
し又は倒し作業時であることを検出するための作業検出
手段を備え、動作切換手段は、この検出された作業情報
に基づいて上記切り換えを行うこととすれば(請求項
2)、タワーアタッチメントの引き起こし又は倒し作業
時が自動認識され、ジブ起伏ウインチの動作をブーム起
伏操作レバーの操作に連動するように自動的に切り換え
ることができる。
【0061】さらに、タワーアタッチメントの引き起こ
し又は倒し作業時を設定するための作業設定手段を備
え、動作切換手段は、この設定された作業情報に基づい
て上記切り換えを行うこととすれば(請求項3)、ジブ
起伏ウインチの動作をブーム起伏操作レバーの操作に連
動するように作業者自身によって確実に切り換えること
ができる。
【0062】さらに、上記切り換え後に、ジブ起伏操作
レバーが操作された場合には、このジブ起伏操作レバー
の操作によりジブ起伏ウインチを動作させる優先操作手
段を備えれば(請求項5)、異常時にジブ起伏ロープの
巻き上げ又は巻き下げ速度が狙い通りでなくなり、ジブ
起伏ロープが張りすぎ又は弛みすぎた場合において、ジ
ブ起伏操作レバーの操作を優先させることにより緊急的
にそのような事態を回避することができる。
【0063】ところで、ジブ起伏ロープの巻き下げ速度
に対し、ブーム起伏ロープの巻き下げ速度が速い場合、
ジブ起伏ロープの巻き下げ速度を最大にしてもジブ起伏
ロープは張り気味となる。この場合、制御手段は、上記
切り換え後のブーム起伏操作レバーの操作によりブーム
起伏ウインチの動作をも規制することとすれば(請求項
7)、ブーム起伏ロープの巻き下げ速度を減速してジブ
起伏ロープの張力を常に適正値に保つことができるの
で、ジブ起伏ロープの乱巻きやタワーアタッチメントの
破損を確実に防止できる。
【0064】さらに、上記張力検出手段により検出され
るジブ起伏ロープの張力の値を表示する張力表示手段を
備えれば(請求項8)、作業者が常にジブ起伏ロープの
張り具合を確認することができる。
【0065】さらに、上記張力検出手段により検出され
るジブ起伏ロープの張力の値が所定値を超えたときに警
報を発する警報手段を備えれば(請求項9)、ジブ起伏
ロープが万一張りすぎ、又は弛みすぎた場合に作業者は
そのことを迅速に知り対処が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タワークレーンの全体構成を示す側面図であ
る。
【図2】実施形態1係るタワークレーンの制御系を示す
電気・油圧回路図である。
【図3】メモリ内に記憶しているテーブルの一例を示す
説明図である。
【図4】タワークレーンの制御系を示すブロック図であ
る。
【図5】上記実施形態1に係るタワークレーンの制御系
の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施形態2係るタワークレーンの制御系を示す
電気・油圧回路図である。
【図7】上記実施形態2に係るタワークレーンの制御系
の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施形態3係るタワークレーンの制御系を示す
電気・油圧回路図である。
【符号の説明】
1 下部旋回体 2 上部旋回体 3 タワーアタッチメント 8 ブーム起伏ロープ 9 ブーム起伏ウインチ 10 ジブ起伏ロープ 11 ジブ起伏ウインチ 12 ブーム 13 ジブ 14 ラッチ部 15 ジブ起伏ロープ張力検出器(張力検出手段に相
当) 16 ジブ角度検出器(作業検出手段に相当) 17 ラッチかかり検出器(作業検出手段に相当) 20 コントロールポンプ 21 ブーム起伏モータ 22 ジブ起伏操作レバー 23,27 メインコントロールバルブ 24,28 メインポンプ 25 ジブ起伏モータ 26 ジブ起伏操作レバー 30 コントローラ 31,32 電磁弁(動作切換手段,動作戻し手段,優
先操作手段に相当) 33 切換スイッチ(作業設定手段に相当) 34,35 電磁比例減圧弁(制御手段に相当) 36 メモリ(記憶手段に相当) 37 ジブ巻き上げ操作検出器(優先操作手段,操作検
出手段に相当) 38 ジブ巻き下げ操作検出器(優先操作手段,操作検
出手段に相当) 41〜44 チェック弁 51,52 チェック弁(動作切換手段,動作戻し手
段,優先操作手段に相当) 61,62 切換弁

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体に起伏可能に取り付けられたブーム
    と、このブームの先端に起伏可能に取り付けられたジブ
    とからなるタワーアタッチメントを備え、ブーム起伏操
    作レバーの操作によりブーム起伏ウインチで起伏ロープ
    を巻上・巻下することによってブームの起伏動作を行う
    とともに、ジブ起伏操作レバーの操作によりジブ起伏ウ
    インチでジブ起伏ロープを巻上・巻下することによって
    ジブの起伏動作を行うように構成したタワークレーンの
    起伏装置において、 タワーアタッチメントの引き起こし又は倒し作業時にジ
    ブ起伏ウインチの動作をブーム起伏操作レバーの操作に
    連動するように切り換える動作切換手段と、上記作業時
    におけるジブ起伏ロープの張力とジブ起伏ウインチの巻
    上・巻下速度との関係を記憶する記憶手段と、ジブ起伏
    ロープの張力を検出する張力検出手段と、上記切り換え
    後のブーム起伏操作レバーの操作により両ウインチを動
    作させる際に、上記検出された張力と上記記憶された関
    係とに基づいてジブ起伏ウインチの動作を規制する制御
    手段を備えたことを特徴とするタワークレーンの起伏装
    置。
  2. 【請求項2】 タワーアタッチメントの引き起こし又は
    倒し作業時であることを検出するための作業検出手段を
    備え、動作切換手段は、この検出された作業情報に基づ
    いて上記切り換えを行うことを特徴とする請求項1記載
    のタワークレーンの起伏装置。
  3. 【請求項3】 タワーアタッチメントの引き起こし又は
    倒し作業時を設定するための作業設定手段を備え、動作
    切換手段は、この設定された作業情報に基づいて上記切
    り換えを行うことを特徴とする請求項1又は2記載のタ
    ワークレーンの起伏装置。
  4. 【請求項4】 作業情報は、ブーム角度情報、ジブ角度
    情報及びブームとジブとの係止情報のうちの少なくとも
    1つを含むものであることを特徴とする請求項2又は3
    記載のタワークレーンの起伏装置。
  5. 【請求項5】 上記切り換え後にジブ起伏操作レバーが
    操作された場合には、このジブ起伏操作レバーの操作に
    よりジブ起伏ウインチを動作させる優先操作手段を備え
    たことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタ
    ワークレーンの起伏装置。
  6. 【請求項6】 優先操作手段は、ジブ起伏操作レバーの
    操作情報を検出する操作検出手段と、この検出された操
    作情報により、動作切換手段によるジブ起伏ウインチの
    動作を切り換え前の状態に戻す動作戻し手段とからなる
    ことを特徴とする請求項5記載のタワークレーンの起伏
    装置。
  7. 【請求項7】 制御手段は、上記切り換え後のブーム起
    伏操作レバーの操作により両ウインチを動作させる際
    に、上記検出された張力と上記記憶された関係とに基づ
    いてブーム起伏ウインチの動作をも規制することを特徴
    とする請求項1〜6のいずれかに記載のタワークレーン
    の起伏装置。
  8. 【請求項8】 張力検出手段により検出されるジブ起伏
    ロープの張力の値を表示する張力表示手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のタワーク
    レーンの起伏装置。
  9. 【請求項9】 張力検出手段により検出されるジブ起伏
    ロープの張力の値が所定値を超えたときに警報を発する
    警報手段を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいず
    れかに記載のタワークレーンの起伏装置。
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