JPH09278377A - タワークレーン - Google Patents

タワークレーン

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JPH09278377A
JPH09278377A JP9690396A JP9690396A JPH09278377A JP H09278377 A JPH09278377 A JP H09278377A JP 9690396 A JP9690396 A JP 9690396A JP 9690396 A JP9690396 A JP 9690396A JP H09278377 A JPH09278377 A JP H09278377A
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load
hoisting rope
jib
angle
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JP9690396A
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Takeshi Kawamura
毅 河村
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業中でも傾斜角度を調節できるようにした
タワークレーンであっても、ブーム過巻装置が適正に機
能できるようにしたものを提供する。 【解決手段】 作業中もブーム起伏ロープで俯仰操作で
きるブームを備え、ブーム角度検出器13とジブ角度検
出器14とブーム起伏ロープの張力を検出する荷重検出
器15と各検出器13,14,15での検出結果に基づ
いて吊り荷の荷重を演算しその演算結果を定格総荷重と
比較する過負荷防止装置制御部16とを有する過負荷防
止装置を設けたタワークレーンにおいて、ブーム起伏ロ
ープの伸び量に応じてブームの傾斜角度の安全限界が制
限されるように、過負荷防止装置で得られるブーム起伏
ロープの張力等の負荷の値に基づいてブームの傾斜角度
の限界に関する設定値を演算し、その設定値に基づいて
ブーム角度検出器13で検出されたブームの傾斜角度が
安全上許容される傾斜角度であるか否かを判定する手段
を、ブーム過巻装置の構成として過負荷防止装置制御部
16に付設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブームとブームに
揺動可能に取り付けられたジブとを備え、作業中もブー
ムを俯仰操作して傾斜角度を調節できるようにしたタワ
ークレーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設工事等においてタワークレーンと称
するクレーンが用いられている。タワークレーンは、ク
レーン本体に搭載した俯仰操作可能なブームと、このブ
ームの先端に揺動自在に取り付けた俯仰操作可能なジブ
と、このジブの先端に掛け回された巻上げロープとを備
えている。そして、これを使用する場合、通常、ブーム
を略垂直に起立させて固定状態で設置するとともに、ジ
ブを適当な角度で傾斜させて巻上げロープで吊り荷を吊
った後、吊り荷を巻き上げ又は巻き下げつつ、ブームは
固定した状態で、専らジブを俯仰操作することにより吊
り荷の移送作業を行う。本発明は、こうしたブームを作
業中に固定した状態で用いるタワークレーンに対し、作
業の安全性を担保しつつ作業中もブームを俯仰操作でき
るように改良を加えたものである。そこで、このような
タワークレーンの一般的な構造や従来のタワークレーン
の要部の技術内容を図4及び図5に基づいて詳述する。
図4は、従来例及び本発明の実施例の両者のタワークレ
ーンに共通するタワークレーンの一般的な構造例を示す
側面図、図5は、従来のタワークレーンのブーム過巻装
置に関する油圧電気回路図である。
【0003】図4において、1は自走式クレーンのクレ
ーン本体、2はクレーン本体1前部に俯仰可能に取り付
けられたブーム、3はこのブーム2の頂部に揺動自在に
取り付けられたジブ、4はこのジブ3にブーム2やジブ
3の頂部の滑車を介して掛け回された吊り荷を吊るため
の巻上げロープ、5はブーム2の頂部に連結された、ブ
ーム2を起立させ支持するためのブーム起伏ロープ、6
は巻上げロープ4の先端に設けた吊り荷を引っ掛けるた
めのフック、7はクレーン本体1内に設置され巻上げロ
ープ4を巻き取ったり巻き戻したりする巻上げロープウ
インチ、8は同じくクレーン本体1内に設置されブーム
起伏ロープ5を巻き取ったり巻き戻したりするブーム起
伏ウインチである。巻上げロープ4は、巻上げロープウ
インチ7で巻き取ったり巻き戻したりすることにより、
フック6に引っ掛けた吊り荷を上昇下降させる。ブーム
起伏ロープ5は、ブーム起伏ウインチ8で巻き取ったり
巻き戻したりすることにより、ブーム2を起立させて支
持したり倒したりすることができる。ブーム2を起立さ
せる場合には、90°近くの予め設定した所定の対地角
度(水平地面に対して垂直より前傾気味の例えば89°
程度の角度)で起立させる。ブーム2は、通常、ブーム
起伏ロープ5により前傾する方向に対してだけ支持がな
され、後傾する方向に対しては支持が行われていない。
したがって、ブーム2は後傾する方向に起立させると転
倒するため、タワークレーンには、通常、後述のブーム
過巻装置と称するブーム後傾防止用の安全装置が設けら
れている。ブーム起伏ウインチ8は、ブーム2を、作業
に先がけて一旦予め設定された所定の傾斜角度で設置す
ると、作業中は、適宜の安全手段により駆動することが
できないようになっている。したがって、従来の一般的
なタワークレーンでは、作業中は、ブーム2を起伏操作
することができない。
【0004】9は巻上げロープウインチ7及びブーム起
伏ウインチ8とともにクレーン本体1内に設置されたジ
ブ起伏ウインチ、10は3本のレバー10a,10b,
10cで組み立てられ一角部がブーム2の頂部に揺動自
在に取り付けられた三角形のスイングレバー、11はこ
の三角形のスイングレバー10におけるその余の角部の
下方側の部分とジブ起伏ウインチ9とに連結されたジブ
起伏ロープ、12は同じくその余の角部の上方側の部分
とジブ5の頂部とに連結されたジブペンダントロープで
ある。スイングレバー10は、ジブ起伏ロープ11をジ
ブ起伏ウインチ9で巻き取ったり巻き戻したりすること
によりブーム2の頂部を支点に揺動し、その揺動動作
は、ジブペンダントロープ12を介してジブ3に伝達さ
れる。ジブ3の対地角度すなわちジブ3が水平地面に対
してなす角度は、ジブ起伏ロープ11をジブ起伏ウイン
チ9で適当量巻き取ったり巻き戻したりすることにより
所望の角度に設定することができる。以上の説明から明
らかなように、タワークレーンは、クレーンフロント部
の構成として、クレーン本体1に取り付けられブーム起
伏ロープ5により俯仰操作できるブーム2と、このブー
ム2に揺動可能に取り付けられジブ起伏ロープ11によ
り俯仰操作できるジブ3と、このジブ3に掛け回された
吊り荷を吊るための巻上げロープ4と、巻上げロープ
4、ブーム起伏ロープ5及びジブ起伏ロープ11をそれ
ぞれ巻き取るための巻上げロープウインチ7、ブーム起
伏ウインチ8及びジブ起伏ウインチ9とを備えている。
【0005】安全性が要求されるタワークレーンにおい
ては、以上のようなフロント部の構成に加え、作業中に
過大な吊り荷が吊られるのを防ぐための過負荷防止装置
や前述したブーム2の後傾を防ぐためのブーム過巻装置
が不可欠の安全装置として設けられている。まず、過負
荷防止装置の概要について述べると、タワークレーンに
過大な吊り荷重を加えた場合には、クレーン本体1を支
点としてその機体を傾けるようなモーメントすなわち転
倒モーメントが作用して機体の安定度に問題が生じる。
また、ブーム2やジブ3更にはスイングレバー10やロ
ープ4,5,11,12等に各種応力が作用して強度上
の問題も生じる。タワークレーンにおいては、こうした
機体の安定度やその構成部材の強度の問題を考慮して、
その転倒や破損を防止する観点から、定格総荷重と称す
る当該タワークレーンで吊り上げ可能な吊り荷の荷重の
限界値が安全率を見込んで設定されている。定格総荷重
は、タワークレーン各部の寸法や重量が一定でも、ブー
ム2やジブ3の傾斜角度が変われば、クレーンフロント
部の姿勢も変化して転倒モーメントも変わるし、機体各
部に加わる応力も変わるので、それらの傾斜角度ごとに
異なった設定値にする必要がある。そして、タワークレ
ーンにおいは、吊り荷を移送する作業時に、この定格総
荷重を超えた荷重の吊り荷が吊られると、タワークレー
ンが転倒したり破損したりするという極めて危険な事態
が生じるので、過負荷防止装置を設けることが不可欠で
ある。
【0006】この過負荷防止装置の構成を図4に基づい
て説明すると、図4において、13はブーム2の傾斜角
度を検出するためのブーム角度検出器、14はジブ3の
傾斜角度を検出するためのジブ角度検出器、15はフッ
ク6に吊り荷を引っ掛けて吊り荷重を加えた際にブーム
起伏ロープ5に加わる張力を検出するための荷重検出
器、16はこれらの各角度検出器13,14及び荷重検
出器15の検出結果に基づいて吊り荷の荷重等の演算や
その演算結果と定格総加重との比較等を行う過巻防止装
置制御部である。過巻防止装置制御部16には、各角度
検出器13,14でそれぞれ検出された各傾斜角度及び
張力検出器7で検出された張力に基づいて吊り荷の荷重
等を演算したりその演算結果を定格総荷重と比較したり
するための演算部を内蔵している。また、各角度検出器
13,14でそれぞれ検出された各傾斜角度及び荷重検
出器15で検出された張力に基づいて吊り荷重を演算で
きるようにするためのデータや、さらにはクレーンフロ
ント部の姿勢(この例ではブーム2及びジブ3の各傾斜
角度で規定している)に対応する定格総荷重に関するデ
ータ等を格納している記憶部を内蔵している。演算部で
は、同部で演算された吊り荷重を、記憶部に格納されて
いるブーム2及びジブ3の当該傾斜角度に対応する定格
総荷重と比較し、その結果、吊り荷重が定格荷重を超え
ている場合に指令信号を発し、警報装置や自動停止機構
等の過負荷防止安全手段を作動させる。以上、タワーク
レーンの過負荷防止装置の構成の一例を示したが、タワ
ークレーンは、ブーム起伏ロープ5にかかる負荷やフロ
ント部の姿勢が定まれば吊り荷の荷重を求めることがで
き、その荷重の演算方法も種々考えられる上に、吊り荷
の荷重を検出する方法も一様ではないので、タワークレ
ーンの過負荷防止装置は、ここで例示したものだけに限
らず、各種の構成のものが考えられる。
【0007】次に、もう一方の安全装置であるブーム過
巻装置の構成を図5に基づいて説明する。図5におい
て、20はブーム2の対地角度が予め設定した所定の設
定角を超えたか否かを検出するためのブーム過巻検出
器、21はこのブーム過巻検出器20の検出信号に基づ
いて後記ソレノイドバルブ22の作動を制御するコント
ローラ、22は油圧ポンプ23の圧油をブーム起伏ウイ
ンチ8の駆動用のモータ24へ流通させたり遮断したり
するための常開のソレノイドバルブである。ブーム過巻
検出器20は、図4には図示していないが、通常、ブー
ムの底部後方又はバックストップに設けたストライカと
称するストッパ部材と、ブーム2の対地角度が予め設定
した所定の設定角を超えた場合、すなわちブーム2が後
傾しょうとした場合にそのストッパ部材に押圧されて作
動するマイクロスイッチとで構成されている。ブーム過
巻検出器20は、ブーム2の対地角度が所定の設定角を
達したことを検出すると、その検出信号であるブーム過
巻信号を電気信号路25を通じてコントローラ21に出
力し、コントローラ21は、ブーム過巻信号が入力され
ると、ソレノイドバルブ22を閉作動させるための閉指
令信号を電気信号路26を通じてソレノイドバルブ22
の信号受け部に出力する。ソレノイドバルブ22は、そ
の信号受け部にコントローラ21から閉指令信号が出力
されたときに図5に示すように右位置に切り換えられて
油圧ポンプ23と油圧モータ24間の圧油の給排路2
7,28を閉鎖し、こうした指令信号が出力されていな
い通常の状態において、左位置に切り換えられてその給
排路27,28を開放する。したがって、ブーム過巻装
置は、ブーム2の後傾を直接的に防ぐものではなく、ブ
ーム2の対地角度が所定の設定角度に達したのを検出す
ることにより、ブーム起伏ウインチ8を駆動できなくす
るようにしたものである。
【0008】タワークレーンは、以上のような構成を通
常備えており、これを用いて作業を開始する場合には、
まず、ブーム起伏ロープ5をブーム起伏ウインチ8で巻
き取ることにより、ブーム2を90°近くの予め設定し
た所定の設定角度で起立させ固定状態で支持する。こう
したタワークレーンの操作時、ブーム起伏ロープ5を巻
き取り過ぎてブーム2の対地角度がその所定の設定角度
を超えようとした場合には、ブーム過巻検出器20がこ
れを検出してブーム過巻信号を電気信号路25を通じて
コントローラ21に出力し、コントローラ21は、ソレ
ノイドバルブ22へ指令信号を出力してソレノイドバル
ブ22を右位置に切り換える。その結果、油圧ポンプ2
3と油圧モータ24間の圧油の給排路27,28が閉鎖
されてブーム起伏ウインチ8の駆動油圧モータ24を停
止し、ブーム起伏ロープ5が過剰に巻き取られてブーム
2が後傾するのを防ぐことができる。こうしてブーム2
を所定の設定角度で起立させ、固定状態で支持した後
は、今度は、ジブ起伏ロープ11をジブ起伏ウインチ9
で巻取り量を調節しながら巻き取ることによりジブ3の
対地角度を適当に設定して作業半径が所望の距離になる
ように調節する。このような準備操作をした後、巻上げ
ロープ4で吊り荷を吊って巻き上げ又は巻き下げつつ、
専らジブを俯仰操作して吊り荷の移送作業を行う。そし
て、その過程で、吊り荷の荷重が定格荷重を超えた場合
には、過負荷防止装置が働いて、演算装置からの指令に
より警報が発せられたり、クレーンを駆動できなくした
りする等して安全装置が作動する。
【0009】このように、タワークレーンは、作業時ブ
ームを固定させて、作業距離や吊り荷の移送動作の調節
は専らジブの傾斜角度で行うとようにするという発想を
原点にして開発されたものであるため、従来のタワーク
レーンにおいては、ブームは通常略垂直にセットし、そ
の角度を調節するというようなことは行われていなかっ
た。最近は、ブームの傾斜角度を、数段階に調節可能な
ものも提案されているが、これとても、ブームの傾斜角
度を作業開始時の初期設定の段階で調節できるようにし
ただけのものである。すなわち、こうしたタワークレー
ンであっても、ブームは、作業中、安全手段の作用によ
り起伏操作ができなくなっていて、作業半径や吊り荷の
移送動作の調節等は専らジブの傾斜角度により行うもの
であるから、従来のタワークレーンの発想の延長上のも
のである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近は、都
市開発及び地域開発の進展に伴ってクレーンを使用する
作業現場が多様化、複雑化し、どのような作業現場にで
も対応できる対応力の優れたタワークレーンが必要とな
っている。そのためには、ジブだけではなくブームも駆
使して、大きな作業範囲を確保することができ、かつ、
吊り荷の移送の際にも作業動作を自在に調節できる自由
度の高いタワークレーンを開発することが要請される。
例えば、奥行きの大きなビルや大型倉庫の建設には、ジ
ブだけではなくブームの傾斜角度も作業中に調節して大
きな作業半径で作業が行えるクレーンが必要になるし、
入り組んだ作業現場で挟所作業を行うには、吊り荷の移
送過程で吊り荷が周辺器物に接触しないようにブームも
駆使してその移送動作を自在に調節できる操作性の優れ
たクレーンが必要となる。こうしたことから、発明者
は、作業開始前だけではなく作業中もブームの傾斜角度
を適宜調節しながら使用することのできる自由度の高い
タワークレーンを現在開発しているが、その開発過程に
おいて、この新規開発のタワークレーンに従来のブーム
過巻装置の技術を適用した場合、従来のタワークレーン
にはみられない新たな安全上の問題が生じることを見出
した。そこで、以下にこのことについて言及する。
【0011】タワーブームは、すでに述べたとおり、ブ
ームをブーム起伏ロープで支持しているが、このロープ
は弾性体であるため、ロープに作用する張力に応じて伸
長する。タワークレーンにおいて、ブーム起伏ロープに
作用する張力が増加する場合としては、吊り荷を吊り上
げる作業をする場合、ジブの対地角度を小さくして使用
する場合があげられる。こうしたブーム起伏ロープの張
力が増加する態様でタワークレーンを使用した場合、ブ
ームを固定状態で用いる従来のタワークレーンも、作業
中に傾斜角度を調節しながら用いるようにした新規開発
のクレーンも、共にブーム起伏ロープが張力の増加で伸
びることに変わりはない。しかしながら、発明者は、こ
うしたブーム起伏ロープの張力増加による伸びの問題を
究明した結果、ブーム起伏ロープにこうした伸びが生じ
た場合に、従来のクレーンにおいては安全上何も問題が
生じなかったのに反して、新規開発のクレーンでは、ブ
ーム過巻装置との関連で安全上無視できない問題が生じ
ることを見出した。まず、従来のタワークレーンについ
てみると、ブーム起伏ロープの張力が増加する態様でタ
ワークレーンを使用した場合、ブーム起伏ロープが伸び
ることにより、ブームはブーム過巻装置の作動点の傾斜
角度よりも前傾するが、吊り荷を降ろしたりジブの対地
角度大きくしたりしてその張力を減少させるとブーム起
伏ロープは伸びた分だけ縮む。そして、その間、ブーム
は、初期設定時の状態において固定して用いているた
め、ブーム起伏ロープが縮むと初期設定時の原状態に復
帰し、それ以上後傾しないため安全上何も問題は生じな
い。
【0012】一方、新規開発のタワークレーンにおいて
は、ブーム起伏ロープの張力が増加する態様でタワーク
レーンを使用した場合、従来のものと同様、ブーム起伏
ロープが伸びてブームがブーム過巻装置の作動点よりも
前傾するが、この状態において、従来のものとは異な
り、ブームの傾斜角度を調節する操作が可能であるた
め、ブーム起伏ロープを巻き取ってブームの対地角度を
ブーム過巻装置の作動点に達するまで増加させる操作を
行うこともできる。そして、このような対地角度を増加
させる操作を行った状態において、ブーム起伏ロープの
張力の増加をもたらすような態様でのクレーンの使用を
止めてその張力を減少させると、ブームは、ブーム起伏
ロープが縮むことにより、ブーム過巻装置で設定した対
地角度よりも大きな角度で傾斜して初期設定時の状態か
ら後傾してしまう。換言すると、ブーム過巻装置は、ブ
ーム起伏ロープを巻き取り過ぎたときに、単にブーム起
伏ウインチを駆動不能してブームの後傾を防止するよう
にしたものであり、その後傾を直接的に防ぐものではな
いから、こうしたブーム起伏ロープが縮むことによるブ
ームの後傾までも防ぐことはできない。こうしたことか
ら、従来のブーム過巻装置にあっては、その技術を新規
開発のタワークレーンに適用した場合にブームが後傾し
て後方に転倒する危惧があり、安全上無視できない問題
が生じることが判明した。
【0013】本発明は、こうした新たな知見を出発点に
して、従来の技術にみられる問題を解決しようとするも
のであり、その目的は、作業中でもブームを俯仰操作し
て傾斜角度を調節できるようにしたタワークレーンであ
っても、ブーム過巻装置が適正に機能してブームの後転
を確実に防止できるようにしたタワークレーンを提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の前記の目的は、
(1)クレーン本体に取り付けられ、作業中でもブーム
起伏ロープにより俯仰操作できるブームと、このブーム
に揺動可能に取り付けられジブ起伏ロープにより俯仰操
作できるジブと、このジブに掛け回された吊り荷を吊る
ための巻上げロープと、巻上げロープ、ブーム起伏ロー
プ及びジブ起伏ロープをそれぞれ巻き取るための巻上げ
ロープウインチ、ブーム起伏ウインチ及びジブ起伏ウイ
ンチとをクレーンフロント部の構成として備えたタワー
クレーンにおいて、ブーム起伏ロープの伸び量に応じて
ブームの後傾防止のためのブームの傾斜角度の限界が制
限されるように、クレーンフロント部にかかる負荷の値
に基づいてブームの傾斜角度の限界に関する設定値を演
算するブーム傾斜角度設定値演算手段と、このブーム傾
斜角度設定値演算手段で演算されるブームの傾斜角度の
限界に関する設定値に基づいてクレーン使用時のブーム
の傾斜角度が安全上許容される傾斜角度であるか否かを
判定するブーム過巻判定手段とを設け、このブーム過巻
判定手段での判定結果に基づいてブーム起伏ウインチの
駆動を停止させるための信号を出力するようにしたこ
と、(2)クレーン本体に取り付けられ、作業中でもブ
ーム起伏ロープにより俯仰操作できるブームと、このブ
ームに揺動可能に取り付けられジブ起伏ロープにより俯
仰操作できるジブと、このジブに掛け回された吊り荷を
吊るための巻上げロープと、巻上げロープ、ブーム起伏
ロープ及びジブ起伏ロープをそれぞれ巻き取るための巻
上げロープウインチ、ブーム起伏ウインチ及びジブ起伏
ウインチとをクレーンフロント部の構成として備え、ブ
ームの傾斜角度を検出するブーム角度検出手段と、ジブ
の傾斜角度を検出するジブ角度検出手段と、ブーム起伏
ロープの張力を検出する荷重検出手段と、これらの各検
出手段で検出された検出結果に基づいて吊り荷の荷重を
演算し、その演算結果を定格総荷重と比較する過負荷防
止装置制御部とを有する過負荷防止装置を設けたタワー
クレーンにおいて、ブーム起伏ロープの伸び量に応じて
ブームの後傾防止のためのブームの傾斜角度の限界が制
限されるように、過負荷防止装置で得られるクレーンフ
ロント部にかかる負荷の値に基づいてブームの傾斜角度
の限界に関する設定値を演算するブーム傾斜角度設定値
演算手段と、このブーム傾斜角度設定値演算手段で演算
されたブームの傾斜角度の限界に関する設定値に基づい
てブーム角度検出手段で検出されたブームの傾斜角度が
安全上許容される傾斜角度であるか否かを判定するブー
ム過巻判定手段とを過負荷防止装置制御部に付設し、こ
のブーム過巻判定手段での判定結果に基づいてブーム起
伏ウインチの駆動を停止させるための信号を出力するよ
うにしたこと、(3)クレーン本体に取り付けられ、作
業中でもブーム起伏ロープにより俯仰操作できるブーム
と、このブームに揺動可能に取り付けられジブ起伏ロー
プにより俯仰操作できるジブと、このジブに掛け回され
た吊り荷を吊るための巻上げロープと、巻上げロープ、
ブーム起伏ロープ及びジブ起伏ロープをそれぞれ巻き取
るための巻上げロープウインチ、ブーム起伏ウインチ及
びジブ起伏ウインチとをクレーンフロント部の構成とし
て備えたタワークレーンにおいて、ブームの後傾防止の
ための第1の設定角度にブームが起立したことを検出す
る第1のブーム過巻検出手段と、第1の設定角度より小
さい第2の設定角度にブーム2が起立したことを検出す
る第2のブーム過巻検出手段と、規定値以上の負荷がク
レーンフロント部にかかっているか否かの負荷の有無を
検出する負荷検出手段とを設け、負荷検出手段で負荷が
あることを検出したとき、ブームが第2の設定角度を超
えて起立するのを不可能にし、負荷検出手段で負荷がな
いことを検出したとき、ブームが第2の設定角度を超え
て起立するのを可能にし、第1の設定角度を超えて起立
するのを不可能にするようブーム起伏ウインチの駆動を
制御するようにしたこと、の何れによっても達成され
る。
【0015】本出願の第1番目の発明のタワークレーン
は、前項の(1)に示した技術手段を採用しているの
で、作業中、ブーム起伏ロープやジブ起伏ロープでブー
ムやジブを俯仰操作してこれらの傾斜角度を調節したり
吊り荷を吊ったりする等クレーンの使用態様が変化した
場合に、ブーム起伏ロープに作用する張力が変化してブ
ーム起伏ロープの伸び量が変動するが、ブーム傾斜角度
設定値演算手段では、その都度、そのブーム起伏ロープ
の伸び量に応じて、ブームの後傾防止のためのブームの
傾斜角度の限界が制限されるように、ブームの傾斜角度
の限界に関する設定値をクレーンフロント部にかかる負
荷の値に基づいて演算する。そして、ブーム過巻判定手
段では、このブーム傾斜角度設定値演算手段で演算され
る設定値に基づいてクレーン使用時のブームの傾斜角度
が安全上許容される傾斜角度であるか否かを判定し、こ
のブーム過巻判定手段での判定結果に基づいてブーム起
伏ウインチの駆動を停止させるための信号を出力する。
したがって、ブーム起伏ロープの張力の増加をもたらす
ような態様においてブームを駆使して作業をした後、そ
の態様での作業を止めてブーム起伏ロープが縮んだとし
ても、ブームが後傾防止上許容されるブームの傾斜角度
の限界を超えて傾斜するようなことはない。
【0016】本出願の第2番目の発明のタワークレーン
は、前項の(2)に示した技術手段を採用していて、前
記のブーム傾斜角度設定値演算手段やブーム過巻判定手
段を過負荷防止装置制御部に付設しているので、ブーム
傾斜角度設定値演算手段において、ブームの傾斜角度の
限界に関する設定値をクレーンフロント部にかかる負荷
の値に基づいて演算する場合、過負荷防止装置で得られ
る負荷の値を利用して演算することができる。そして、
ブーム過巻判定手段において、このブーム傾斜角度設定
値演算手段で演算される設定値に基づいてクレーン使用
時のブームの傾斜角度が安全上許容される傾斜角度であ
るか否かを判定する場合、過負荷防止装置のブーム角度
検出手段で検出されたブームの傾斜角度を利用して判定
することができ、過負荷防止装置から得られる各種デー
タを、単に過負荷防止のためだけでなく過巻防止のため
にも利用できて、多角的に活用することができる。
【0017】本出願の第3番目の発明のタワークレーン
は、前項の(3)に示した技術手段を採用しているの
で、負荷検出手段で負荷があることを検出した場合にお
いて、第2のブーム過巻検出手段で第2の設定角度にブ
ームが起立したことを検出したときは、ブーム起伏ウイ
ンチの駆動を不能にして、ブームが第2の設定角度を超
えて起立するのを不可能にし、また、第2のブーム過巻
検出手段で第2の設定角度にブームが起立したことを検
出しなかったときは、ブーム起伏ウインチの駆動を可能
にする。一方、負荷検出手段で負荷がないことを検出し
た場合は、ブーム起伏ウインチの駆動を可能にて、ブー
ムが第2の設定角度を超えて起立できるようにし、第1
のブーム過巻検出手段で第1の設定角度にブームが起立
したことを検出したときだけ、ブーム起伏ウインチの駆
動を不能にする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1〜図3に基づい
て説明することにより、本発明の実施の形態を明らかに
する。図1は、本発明の第1具体化例のタワークレーン
のブーム過巻装置に関する油圧電気回路図である。図2
は、本発明の第1具体化例のタワークレーンのブーム過
巻装置での制御動作を説明するためのフローチャート
図、図3は本発明の第1具体化例のタワークレーンのブ
ーム過巻装置に使用するテーブルを示す図である。図1
乃至図3中、図4及び図5と同一符号を付けた部分は、
これらの図と同一の部分を表すので、説明の重複を避け
るため詳述しない。なお、図4は、従来例だけでなく本
具体化例にも共通するタワークレーンの一般的な構造例
を示したものであるから、本具体化例のタワークレーン
を説明するに当たっては、その符号も引用して説明をす
る。
【0019】本発明の第1具体化例のタワークレーン
は、従来のものと同様、クレーン本体1に取り付けられ
ブーム起伏ロープ5により俯仰操作できるブーム2と、
このブーム2に揺動可能に取り付けられジブ起伏ロープ
11により俯仰操作できるジブ3と、このジブ3に掛け
回された吊り荷を吊るための巻上げロープ4と、巻上げ
ロープ4、ブーム起伏ロープ5及びジブ起伏ロープ11
をそれぞれ巻き取るための巻上げロープウインチ7、ブ
ーム起伏ウインチ8及びジブ起伏ウインチ9とをクレー
ンフロント部の構成として備えている。また、こうした
クレーンフロント部の構成に加え、ブームの傾斜角度を
検出するブーム角度検出器13と、ジブの傾斜角度を検
出するジブ角度検出器14と、ブーム起伏ロープ5の張
力を検出する荷重検出器15と、これらの各検出器1
3,14,15で検出された検出結果に基づいて吊り荷
の荷重を演算し、その演算結果を定格総荷重と比較する
過巻防止装置制御部16とを有する過負荷防止装置を設
けており、こうした点でも、従来のものと基本的な構成
において差異はない。
【0020】以上を確認の上、本発明の第1具体化例の
特徴的な技術内容を図1乃至図4に基づいて説明する
と、本具体化例のタワークレーンは、ブーム2をブーム
起伏ロープ5により俯仰操作できるようにしている点で
は従来のものと一見似通っているが、ブーム2を、作業
中でも俯仰操作して傾斜角度の調節が自由に行えるよう
にしている点で従来のものとは基本的に異なる。本具体
化例のタワークレーンは、こうしたブーム2の傾斜角度
の調節が作業中でも自由に行える新タイプのタワークレ
ーンを前提に、ブーム過巻装置が適正に機能してブーム
の後転を確実に防止できるようにしたものである。「発
明が解決しようとする課題」の項で述べたように、発明
者は、ブーム起伏ロープ5に張力が作用してこれが伸び
た場合、こうした新タイプのタワークレーンでは従来の
ものと異なり、その伸びがブーム2の後傾に重大な影響
をもたらすことを見出したが、本発明の最大の特徴は、
こうした新しい知見を基に、ブーム2の傾斜角度の限界
を、特に、ブーム起伏ロープ5の伸びに起因するブーム
2の後傾を織り込んで設定できるようにして、ブーム過
巻装置が適正に機能するようにした点にある。
【0021】この点について言及すると、タワークレー
ンにおいては、吊り荷の荷重やフロント部の自重により
ブーム起伏ロープ5に張力がもたらされ、この張力は、
クレーンフロント部の姿勢すなわちブーム2やジブ3の
傾斜角度によっても変化する。そして、ブーム起伏ロー
プ5は、こうした張力が増加すれば伸びてブーム2の対
地角度を減少させ、こうした張力が減少すれば縮んでそ
の対地角度を増加させることとなる。すなわち、ブーム
2の対地角度は、クレーンの使用態様によって微妙に変
動することとなるが、ブーム2の傾斜角度を作業中も調
節しながら使用できるようにした自由度の高い新タイプ
のタワークレーンでは、ブーム2の対地角度がこのよう
にクレーンの使用態様によって変動すると、ブーム2の
後転を防止する上で重大な問題が生じる。こうしたこと
から、本発明は、ブームの後傾防止のためのブーム2の
傾斜角度の限界を、従来のようにクレーンの使用態様に
かかわりなく画一的に設定するのではなく、ブーム起伏
ロープ5の伸び量に応じて制限するように設定すること
とした。そして、ブーム起伏ロープ5の伸び量を決定す
るロープ5の張力は、吊り荷の荷重等クレーンフロント
部にかかるそれ以外の負荷の値によっても算出できるこ
とから、このように、ブームの後傾防止のためのブーム
2の傾斜角度の限界をブーム起伏ロープ5の伸び量に応
じて制限するように設定する場合に、ブーム傾斜角度設
定値演算手段を設けて、その設定値をクレーンフロント
部にかかる負荷の値に基づいて演算するようにした。ま
た、このブーム傾斜角度設定値演算手段と関連して、こ
の演算手段で演算されたブーム2の傾斜角度の限界に関
する設定値に基づいてクレーン使用時のブーム2の傾斜
角度が安全上許容される傾斜角度であるか否かを判定す
るブーム過巻判定手段とを設け、このブーム過巻判定手
段での判定結果に基づいてブーム起伏ウインチ8の駆動
を停止させるための信号を出力するようにした。
【0022】「従来の技術」の項で述べたように、安全
性が要求されるタワークレーンにおいては、作業中に過
大な吊り荷が吊られるのを防ぐための過負荷防止装置が
不可欠の安全装置として設けられるが、以上のような技
術内容を具体化する際、本具体化例では、過負荷防止装
置の構成の一部をブーム過巻装置の構成に兼用するよう
にした。すなわち、本具体化例では、ブーム過巻装置を
設ける場合、前記のブーム傾斜角度設定値演算手段やブ
ーム過巻判定手段を特にこの過負荷防止装置に付設する
ことにより、過負荷防止装置の既存の構成を有効に活用
するようにしており、この点にも特徴がある。本具体化
例におけるブーム過巻装置の構成を図1に基づいて説明
すると、前記のブーム傾斜角度設定値演算手段やブーム
過巻判定手段は、過負荷防止装置制御部16に付設され
て内蔵されており、図1には表れていない。これらの手
段が付設される過負荷防止装置は、前述したように、ブ
ーム2の傾斜角度を検出するためのブーム角度検出器1
3、ジブ3の傾斜角度を検出するためのジブ角度検出器
14及びブーム起伏ロープ5に加わる張力を検出するた
めの荷重検出器15を有し、これらの検出器13,1
4,15の各検出結果が過巻防止装置制御部16に入力
されるようになっている。また、この過巻防止装置制御
部16では、それらの各検出結果に基づいて吊り荷重等
が演算されるようになっている。したがって、ブーム起
伏ロープ5に加わる張力や吊り荷重等クレーンフロント
部にかかる負荷の値に関する各種データが過巻防止装置
制御部16で得られるので、ブーム傾斜角度設定値演算
手段でクレーンフロント部の負荷の値に基づいてブーム
の傾斜角度の限界に関する設定値を演算する場合、こう
したデータを利用することができる。また、このブーム
の傾斜角度の限界に関する設定値に基づいてクレーン使
用時のブームの傾斜角度が安全上許容される傾斜角度で
あるか否かをブーム過巻判定手段で判定する場合、クレ
ーン使用時のブームの傾斜角度をブーム角度検出器13
の検出結果から知ることができるので、ブーム角度検出
器13のデータを利用することができる。このように、
本発明を具体化する場合、ブーム過巻装置のブーム傾斜
角度設定値演算手段やブーム過巻判定手段を特に、過負
荷防止装置制御部16に付設するようにすることによ
り、過負荷防止装置で得られる各種データを多角的に活
用することができる。
【0023】ブーム2の傾斜角度の限界に関する設定値
を演算する場合の基礎となるクレーンフロント部にかか
る負荷の値として、ブーム起伏ロープ5の伸び量と直接
関連する荷重検出器15でのブーム起伏ロープ5の張力
の検出値を用いるようにすれば、他の負荷の値を用いた
場合よりも、その設定値の計算が簡単に行える。しかし
ながら、過負荷防止装置によっては、こうしたブーム起
伏ロープ5の張力を検出するための荷重検出器15を設
けないで、吊り荷の荷重を検出するための荷重検出器を
巻上げロープ4に設ける場合もあるので、こうした場合
には、ブーム2の傾斜角度の限界に関する設定値を演算
するのに吊り荷の荷重を用いることもできる。すなわ
ち、こうした吊り荷の荷重の値が分かれば、クレーンフ
ロント部の姿勢(ブーム角度検出器13及びジブ角度検
出器14の検出結果により特定できる。)を勘案するこ
とによりブーム起伏ロープ5の張力も定まってその伸び
量を決定できるから、ブーム2の傾斜角度の限界に関す
る設定値を吊り荷の荷重に基づいて演算することもでき
る。本具体化例では、クレーンフロント部の負荷の値に
対応するブームの傾斜角度の限界に関する設定値を図3
に例示するようなテーブルとして予め定めておき、この
テーブルを用いて、ブームの傾斜角度の限界に関する設
定値をクレーンフロント部の負荷の値から直ちに演算で
きるようにしている。ブーム起伏ロープ5の張力の値や
吊り荷の荷重等のクレーンフロント部の負荷の値が定ま
れば、前記したようにブーム起伏ロープ5の伸び量を決
定できて、これが縮んだときに生じるブーム2の対地角
度の増加分も算定できるから、ブームの後傾防止のため
のブーム2の傾斜角度の限界を、そのクレーンフロント
部の負荷の各値に対応して予め算定しておくことができ
る。こうして算定した理論上の算定結果に、適宜安全率
を見込んでブームの傾斜角度の限界に関する設定値を設
定して、その設定値をクレーンフロント部の負荷の値に
対応してテーブルに予め定めておくようにすれば、ブー
ムの傾斜角度の限界に関する設定値の演算は、このテー
ブルを用いることにより、複雑な計算を行うことなく簡
単に行える。ブームの傾斜角度の限界に関する設定値を
こうしたテーブルを用いて演算する場合には、その演算
する場合の基礎となるクレーンフロント部にかかる負荷
の値として、ブーム起伏ロープ5の張力に限らず過巻防
止装置制御部16で演算される吊り荷の荷重を用いても
その設定値の演算を簡単に行える。したがって、クレー
ンフロント部にかかる負荷の値としては、ブーム起伏ロ
ープ5の伸び量を決定できるような値であれば、これら
以外のものであってもよい。
【0024】本具体化例のタワークレーンに設けられて
いるブーム過巻装置は、ブーム2の傾斜角度が設定値を
超えたか否かを検出するためのブーム過巻検出手段を、
ブームの危険な傾きを直接検出するブーム過巻検出器2
0のようなもので構成しないで、以上述べたような過負
荷防止装置に付設したブーム傾斜角度設定値演算手段や
ブーム過巻判定手段で構成している点において、図5に
示す従来のもの相違するだけである。したがって、ブー
ム過巻検出手段からのブーム過巻信号が電気信号路25
を通じて入力されたときにソレノイドバルブ22を閉作
動させるための閉指令信号を電気信号路26を通じて出
力するコントローラ21と、コントローラ21から閉指
令信号が出力されたときに図1に示すように右位置に切
り換えられて油圧ポンプ23と油圧モータ24間の圧油
の給排路27,28を閉鎖し、そうでないとき、左位置
に切り換えられてその給排路27,28を開放するソレ
ノイドバルブ22とを有し、こうした点では、図5の従
来のものと実質上差異はない。なお、本具体化例のタワ
ーブームは、前述したように、ブーム2を作業中でも俯
仰操作可能にしているため、過負荷防止装置からの信号
によってもブーム起伏ウインチ8の駆動を不能にするこ
とが必要となるが、コントローラ21やソレノイドバル
ブ22は、こうした過負荷防止装置によるブーム起伏ウ
インチ8の駆動禁止手段にも兼用する。
【0025】次に、本発明の第1具体化例のタワークレ
ーンについて、ブーム過巻装置での制御動作を図2のフ
ローチャートを用いて説明する。まず、ブーム傾斜角度
設定値演算手段において、荷重検出器15で検出された
ブーム起伏ロープ5の張力の値又は過巻防止装置制御部
16で演算される吊り荷の荷重等クレーンフロント部の
負荷の値を読み込み、次いで、図3のテーブルを用い、
その負荷の値に基づいてブーム2の傾斜角度の限界に関
する設定値を演算する。次いで、こうして演算された設
定値と、クレーン使用時のブーム2の傾斜角度の実際値
としてのブーム角度検出器13で検出されたブーム2の
傾斜角度とをブーム過巻判定手段に読み込み、このブー
ム過巻判定手段では、ブーム傾斜角度設定値演算手段で
演算された前記設定値に基づいてブーム角度検出器13
で検出されたブーム2の傾斜角度が安全上許容される傾
斜角度であるか否かを判定する。その結果、ブーム2の
傾斜角度の実際値が設定値に等しいか大きい場合には、
過負荷防止装置制御部16からのブーム過巻信号がセッ
トされた状態となり、その結果、コントローラ21から
ソレノイドバルブ22を閉作動させる信号を出力してブ
ーム起伏ウインチ8の駆動を不能にする。また、ブーム
2の傾斜角度の実際値が設定値に満たない場合には、ブ
ーム過巻信号のセットがクリアーされている状態とな
り、その結果、コントローラ21からソレノイドバルブ
22を通常の状態である開状態に保持する信号を出力
し、ブーム起伏ウインチ8を駆動可能な状態にする。
【0026】本具体化例のタワークレーンにおいては、
作業中、クレーンの使用態様を変えることにより、ブー
ム起伏ロープ5の伸び量が変動してブーム2の傾斜角度
が変動しても、以上述べたように、ブーム傾斜角度設定
値演算手段で、その都度、その伸び量に応じて、ブーム
2の後傾防止のための傾斜角度の限界が制限されるよう
に、ブーム2の傾斜角度の限界に関する設定値を、クレ
ーンフロント部にかかる負荷の値に基づいて演算してク
レーンの使用態様に応じて変更するようにし、従来のよ
うに画一的に設定するようなことは行っていない。そし
て、そのブーム傾斜角度設定値演算手段で演算された設
定値に基づいてブーム過巻判定手段で、ブーム2の傾斜
角度の実際値が安全上許容される傾斜角度であるか否か
を判定して、その判定結果に基づいてブーム起伏ウイン
チ8の駆動を停止させるようにしている。そのため、ブ
ーム起伏ロープ5の張力の増加をもたらすような態様に
おいてブーム2を駆使して作業をした後、その態様での
作業を止めてブーム起伏ロープ5が縮んだとしても、ブ
ーム2が後傾防止上許容されるブーム2の傾斜角度の限
界を超えて傾斜するようなことはない。したがって、本
具体化例によれば、作業中でもブーム2を俯仰操作して
傾斜角度を調節できるようにしたタワークレーンであっ
ても、ブーム過巻装置が適正に機能してブーム2の後転
を確実に防止できるようにしたタワークレーンが得られ
る。また、ブーム傾斜角度設定値演算手段やブーム過巻
判定手段を特にこの過負荷防止装置に付設して過負荷防
止装置制御部16で得られる起伏ロープ5に作用する張
力又は吊り荷の荷重に関するデータやブーム角度検出器
13で検出されブーム2の傾斜角度に関するデータを利
用するようにしているため、過負荷防止装置の既存の構
成をブーム過巻装置に有効に活用することができて構成
を簡素化でき、製作費が節減できる。また、過負荷防止
装置で得られる各種データを、単に過負荷防止のためだ
けでなく過巻防止のためにも利用できて、多角的に活用
することができる。
【0027】ブーム傾斜角度設定値演算手段やブーム過
巻判定手段を設ける場合、本具体化例では、これらの手
段を過負荷防止装置に付設してその装置の構成の一部を
ブーム過巻装置の構成に兼用するようにしているが、こ
うしたブーム傾斜角度設定値演算手段やブーム過巻判定
手段は、過負荷防止装置と独立させて設けることもでき
る。ブーム過巻判定手段での判定結果に基づいてブーム
起伏ウインチの駆動を停止させる場合、本具体化例で
は、ブーム起伏ウインチを駆動する油圧モータへの圧油
の給排路を閉鎖する信号を出力してブーム起伏ウインチ
の駆動を自動停止させるようにしているが、こうした場
合に警報を発するようにし、その警報の発令に応じてブ
ーム起伏ウインチの駆動をオペレータに手動停止させる
ようにしてもよく、要は、ブーム起伏ウインチの駆動を
停止させるための信号を出力するようにしさえすればよ
い。
【0028】次に、図6及び図7に基づいて本発明の第
2具体化例のタワークレーンを説明する。図6は、本発
明の第2具体化例のタワークレーンのブーム過巻装置に
関する油圧電気回路図、図7は、本発明の第2具体化例
のタワークレーンのブーム過巻装置での制御動作を説明
するためのフローチャート図である。図6及び図7中、
図4及び図5と同一符号を付けた部分は、これらの図と
同一の部分を表すので、説明の重複を避けるため詳述し
ない。なお、図4は、従来例だけでなく本発明の具体化
例にも共通するタワークレーンの一般的な構造例を示し
たものであるから、この第2具体化例のタワークレーン
を説明するに当たっても、その符号も引用して説明をす
る。本具体化例のタワークレーンは、従来のものと同
様、ブーム起伏ロープ5により俯仰操作できるブーム2
と、ジブ起伏ロープ11により俯仰操作できるジブ3
と、吊り荷を吊るための巻上げロープ4と、巻上げロー
プ4、ブーム起伏ロープ5及びジブ起伏ロープ11をそ
れぞれ巻き取るための巻上げロープウインチ7、ブーム
起伏ウインチ8及びジブ起伏ウインチ9とをクレーンフ
ロント部の構成として備えている。また、前記第1具体
化例のものと同様、ブーム2を、作業中でも俯仰操作し
て傾斜角度の調節が自由に行えるようにしている点で従
来のものとは基本的に異なる。
【0029】この第2具体化例の特徴的な技術内容を説
明すると、本具体化例のタワークレーンは、ブーム2の
後傾防止のための所定の設定角度までブーム2が起立し
たことを検出してブーム起伏ロープ5の過巻を検出する
従来のブーム過巻検出器20に加え、このブーム過巻検
出器20で検出する設定角度より小さい設定角度にブー
ム2が起立したことを検出して作業時におけるブーム起
伏ロープ5の過巻を検出するタワー過巻検出器32を新
たに設けている。すでに述べたように、作業中に吊り荷
を降ろしたりジブ3の対地角度を大きくしたりすると、
ブーム起伏ロープ5がその張力の減少で縮んでブーム2
の対地角度がその分増加するが、タワー過巻検出器32
で検出する第2の設定角度の設定値は、こうしたブーム
起伏ロープ5の張力減少でブーム2の対地角度が増加し
ても、ブーム2の対地角度がブーム過巻検出器20で検
出する第1の設定角度を超えないように予め設定してお
く。具体的には、作業時においてブーム起伏ロープ5の
張力減少で実際上生じ得るブーム2の対地角度の増加の
最大値、例えば2°程度を予め設定しておき、第2の設
定角度を少なくともその対地角度の増加の最大値だけ第
1の設定角度よりも小さくするように設定する。この対
地角度の最大増加分は、作業の種類によって異なること
もあるから、第2の設定角度を複数段に設定するように
してもよい。本具体化例では、タワー過巻検出器32
は、従来のブーム過巻検出器20と同様、マイクロスイ
ッチで構成しており、マイクロスイッチは、ブーム2が
第2の設定角度まで起立すると、作動してこのことを検
出し、接点状態が切り換わって検出信号を電気信号路を
通じてコントローラ21に出力する。
【0030】このコントローラ21には、こうしたブー
ム過巻検出器20やタワー過巻検出器32の検出信号の
ほか、作業状態検出器33や負荷検出器34の検出信号
がそれぞれ出力されるようになっている。作業状態検出
器33は、タワークレーンで現在吊り荷の上げ降ろしを
しているか否か等タワークレーンが作業中か非作業中か
を検出するもので、例えば、モーメントリミッタ(過負
荷防止装置)に設けられる作業・非作業切換スイッチで
構成し、その接点状態によりこうしたことを検出する。
負荷検出器34は、クレーンフロント部が現在負荷を吊
っているか否か等、予め設定した規定値以上の負荷がク
レーンフロント部にかかっているか否かの負荷の有無を
検出するもので、例えば、モーメントリミッタにこうし
た検出機能を持たせるようにして構成し、検出信号を出
力させるようにすることができる。すでに説明した図3
から窺い知ることができるように、第2の設定角度は、
クレーンフロント部にかかる負荷が比較的小さい場合、
クレーンフロント部が負荷を吊っていない場合とほとん
ど変わらないから、負荷の有無の基準は、必ずしも、ク
レーンフロント部に吊り荷を吊っているかいない否かに
置く必要はなく、規定値以上の負荷がかかっているか否
かを基準に置くこともでき、その場合でもブームの後傾
防止のための設定角度を設定する上で問題は生じない。
第2具体化例のタワークレーンにおいては、以上のよう
なブーム過巻検出器20、タワー過巻検出器32、作業
状態検出器33及び負荷検出器34の各検出信号に基づ
きコントローラ21を通じてソレノイドバルブ22の開
閉を制御する。
【0031】次に、本発明の第2具体化例のタワークレ
ーンについて、ブーム過巻装置での制御動作を図7のフ
ローチャートを用いて説明する。コントローラ21にお
いては、作業状態検出器33の検出結果が読み込まれ、
まず、タワークレーンが現在作業中か非作業中かが判定
される。その結果、作業中と判定されると、コントロー
ラ21に読み込まれている負荷検出器34の検出結果か
ら負荷の有無が判定され、負荷があると判定されると、
タワー過巻検出器32によりブーム起伏ロープ5の過巻
が検出されたか否か、すなわち、第2の設定角度にブー
ム2が起立したか否かが判定される。その結果、ブーム
起伏ロープ5の過巻が検出されたと判定されると、コン
トローラ21からソレノイドバルブ22を閉作動させる
信号を出力することにより、給排路27,28を遮断し
てブーム起伏ウインチ8の駆動を不能にし、第2の設定
角度を超えてブーム2を起立させることが不可能とな
る。また、タワー過巻検出器32によりブーム起伏ロー
プ5の過巻が検出されなかったきは、ブーム起伏ウイン
チ8の駆動を許可し、その駆動を続行することができ
る。
【0032】一方、コントローラ21において、作業状
態検出器33の検出結果が読み込まれた結果、非作業中
と判定されたとき、又は作業中と判定された場合におい
て負荷がないと判定されたときには、ブーム過巻検出器
20によりブーム起伏ロープ5の過巻が検出されたか否
か、すなわち、第1の設定角度にブーム2が起立したか
否かが判定される。その結果、ブーム過巻検出器20に
よりブーム起伏ロープ5の過巻が検出されたと判定され
ると、従来のタワークレーン同様、コントローラ21か
らソレノイドバルブ22を閉作動させる信号を出力する
ことにより、給排路27,28を遮断してブーム起伏ウ
インチ8の駆動を不能にし、第1の設定角度を超えてブ
ーム2を起立させることが不可能となる。また、ブーム
過巻検出器20によりブーム起伏ロープ5の過巻が検出
されなかったときは、ブーム起伏ウインチ8の駆動を許
可し、その駆動を続行することができる。したがって、
タワークレーンが非作業中のときや作業中であっても負
荷がないときは、ブーム2は、第2の設定角度を超えて
起立させることが可能となり、第1の設定角度を超えて
起立させることだけが制限されることとなる。
【0033】このように、第2具体化例では、第1の設
定角度にブーム2が起立したことを検出する従来のブー
ム過巻検出器20に加え、第1の設定角度より小さい第
2の設定角度にブーム2が起立したことを検出するタワ
ー過巻検出器32とを設けて、ブーム起伏ロープ5の張
力が減少しても、ブーム2の対地角度が第1の設定角度
を超えないようにしたので、第1具体化例のように過負
荷防止装置制御部16にブーム傾斜角度設定値演算手段
やブーム過巻判定手段のようなものを設けなくても、第
1具体化例同様、ブームの後転を確実に防止できるタワ
ークレーンが得られ、ブーム過巻装置の制御機構を簡素
化できる。前述の第1具体化例では、ブーム傾斜角度設
定値演算手段において、クレーンフロント部にかかる負
荷の値に基づいてブームの傾斜角度の限界に関する設定
値を演算するようにしたことにより、その負荷との関連
上支障のない限り、ブーム2を大きい角度で起立できる
ようにしているが、本具体化例では、規定値以上の負荷
がクレーンフロント部にかかっているか否かの負荷の有
無を検出する負荷検出器34を設け、負荷検出器34で
負荷がないことを検出したとき、ブームが第2の設定角
度を超えて起立できるようブーム起伏ウインチ8の駆動
を制御するようにしているため、規定値以上の負荷がク
レーンフロント部にかかっていないときには、ブーム2
を、第2の設定角度を超えて第1の設定角度になるまで
起立させることができる。その結果、タワークレーンの
最小の作業半径を第1具体化例に準じて小さくすること
ができ、その分、タワークレーンの作業範囲を拡大する
ことができる。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本出願
の第1番目の発明、第2番目の発明及び第3番目の発明
は、それぞれ特許請求の範囲の請求項1、請求項2及び
請求項6に記載されている構成を採用しているので、作
業中でもブームを俯仰操作して傾斜角度を調節できるよ
うにしたタワークレーンであっても、ブーム過巻装置が
適正に機能してブームの後転を確実に防止できるように
したものが得られる。そして、特に、本出願の第2番目
の発明は、ブーム過巻装置を設ける場合、ブーム傾斜角
度設定値演算手段やブーム過巻判定手段を特にこの過負
荷防止装置に付設するようにしているため、過負荷防止
装置の既存の構成をブーム過巻装置に有効に活用するこ
とができて構成を簡素化でき、製作費が節減できる。ま
た、過負荷防止装置で得られる各種データを、単に過負
荷防止のためだけでなく過巻防止のためにも利用でき
て、多角的に活用することができる。また、本出願の第
3番目の発明は、ブーム過巻装置の制御機構を簡素化で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1具体化例のタワークレーンのブー
ム過巻装置に関する油圧電気回路図である。
【図2】本発明の第1具体化例のタワークレーンのブー
ム過巻装置での制御動作を説明するためのフローチャー
ト図である。
【図3】本発明の第1具体化例のタワークレーンのブー
ム過巻装置に使用するテーブルを示す図である。
【図4】従来例及び本発明の具体化例の両者のタワーク
レーンに共通するタワークレーンの一般的な構造例を示
す側面図である。
【図5】従来のタワークレーンのブーム過巻装置に関す
る油圧電気回路図である。
【図6】本発明の第2具体化例のタワークレーンのブー
ム過巻装置に関する油圧電気回路図である。
【図7】本発明の第2具体化例のタワークレーンのブー
ム過巻装置での制御動作を説明するためのフローチャー
ト図である。
【符号の説明】
1 クレーン本体 2 ブーム 3 ジブ 4 巻上げロープ 5 ブーム起伏ロープ 7 巻上げロープウインチ 8 ブーム起伏ウインチ 9 ジブ起伏ウインチ 10 スイングレバー 11 ジブ起伏ロープ 12 ジブペンダントロープ 13 ブーム角度検出器 14 ジブ角度検出器 15 荷重検出器 16 過負荷防止装置制御部 20 ブーム過巻検出器 21 コントローラ 22 ソレノイドバルブ 23 油圧ポンプ 24 油圧モータ 32 タワー過巻検出器 33 作業状態検出器 34 負荷検出器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーン本体に取り付けられ、作業中で
    もブーム起伏ロープにより俯仰操作できるブームと、こ
    のブームに揺動可能に取り付けられジブ起伏ロープによ
    り俯仰操作できるジブと、このジブに掛け回された吊り
    荷を吊るための巻上げロープと、巻上げロープ、ブーム
    起伏ロープ及びジブ起伏ロープをそれぞれ巻き取るため
    の巻上げロープウインチ、ブーム起伏ウインチ及びジブ
    起伏ウインチとをクレーンフロント部の構成として備え
    たタワークレーンにおいて、ブーム起伏ロープの伸び量
    に応じてブームの後傾防止のためのブームの傾斜角度の
    限界が制限されるように、クレーンフロント部にかかる
    負荷の値に基づいてブームの傾斜角度の限界に関する設
    定値を演算するブーム傾斜角度設定値演算手段と、この
    ブーム傾斜角度設定値演算手段で演算されるブームの傾
    斜角度の限界に関する設定値に基づいてクレーン使用時
    のブームの傾斜角度が安全上許容される傾斜角度である
    か否かを判定するブーム過巻判定手段とを設け、このブ
    ーム過巻判定手段での判定結果に基づいてブーム起伏ウ
    インチの駆動を停止させるための信号を出力するように
    したことを特徴とするタワークレーン。
  2. 【請求項2】 クレーン本体に取り付けられ、作業中で
    もブーム起伏ロープにより俯仰操作できるブームと、こ
    のブームに揺動可能に取り付けられジブ起伏ロープによ
    り俯仰操作できるジブと、このジブに掛け回された吊り
    荷を吊るための巻上げロープと、巻上げロープ、ブーム
    起伏ロープ及びジブ起伏ロープをそれぞれ巻き取るため
    の巻上げロープウインチ、ブーム起伏ウインチ及びジブ
    起伏ウインチとをクレーンフロント部の構成として備
    え、ブームの傾斜角度を検出するブーム角度検出手段
    と、ジブの傾斜角度を検出するジブ角度検出手段と、ブ
    ーム起伏ロープの張力を検出する荷重検出手段と、これ
    らの各検出手段で検出された検出結果に基づいて吊り荷
    の荷重を演算し、その演算結果を定格総荷重と比較する
    過負荷防止装置制御部とを有する過負荷防止装置を設け
    たタワークレーンにおいて、ブーム起伏ロープの伸び量
    に応じてブームの後傾防止のためのブームの傾斜角度の
    限界が制限されるように、過負荷防止装置で得られるク
    レーンフロント部にかかる負荷の値に基づいてブームの
    傾斜角度の限界に関する設定値を演算するブーム傾斜角
    度設定値演算手段と、このブーム傾斜角度設定値演算手
    段で演算されたブームの傾斜角度の限界に関する設定値
    に基づいてブーム角度検出手段で検出されたブームの傾
    斜角度が安全上許容される傾斜角度であるか否かを判定
    するブーム過巻判定手段とを過負荷防止装置制御部に付
    設し、このブーム過巻判定手段での判定結果に基づいて
    ブーム起伏ウインチの駆動を停止させるための信号を出
    力するようにしたことを特徴とするタワークレーン。
  3. 【請求項3】 クレーンフロント部にかかる負荷の値に
    基づいてそのブームの傾斜角度の限界に関する設定値を
    演算する場合に、クレーンフロント部にかかる負荷の値
    としてブーム起伏ロープの張力の値を用いるようにした
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2のタワークレー
    ン。
  4. 【請求項4】 クレーンフロント部にかかる負荷の値に
    基づいてそのブームの傾斜角度の限界に関する設定値を
    演算する場合に、クレーンフロント部にかかる負荷の値
    として吊り荷の荷重の値を用いるようにしたことを特徴
    とする請求項1又は請求項2のタワークレーン。
  5. 【請求項5】 クレーンフロント部にかかる負荷の値に
    基づいてブームの傾斜角度の限界に関する設定値を演算
    する場合に、その負荷の値に対応するブームの傾斜角度
    の限界に関する設定値が定められたテーブルを用いて演
    算するようにしたことを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項3又は請求項4のタワークレーン。
  6. 【請求項6】 クレーン本体に取り付けられ、作業中で
    もブーム起伏ロープにより俯仰操作できるブームと、こ
    のブームに揺動可能に取り付けられジブ起伏ロープによ
    り俯仰操作できるジブと、このジブに掛け回された吊り
    荷を吊るための巻上げロープと、巻上げロープ、ブーム
    起伏ロープ及びジブ起伏ロープをそれぞれ巻き取るため
    の巻上げロープウインチ、ブーム起伏ウインチ及びジブ
    起伏ウインチとをクレーンフロント部の構成として備え
    たタワークレーンにおいて、ブームの後傾防止のための
    第1の設定角度にブームが起立したことを検出する第1
    のブーム過巻検出手段と、第1の設定角度より小さい第
    2の設定角度にブーム2が起立したことを検出する第2
    のブーム過巻検出手段と、規定値以上の負荷がクレーン
    フロント部にかかっているか否かの負荷の有無を検出す
    る負荷検出手段とを設け、負荷検出手段で負荷があるこ
    とを検出したとき、ブームが第2の設定角度を超えて起
    立するのを不可能にし、負荷検出手段で負荷がないこと
    を検出したとき、ブームが第2の設定角度を超えて起立
    するのを可能にし、第1の設定角度を超えて起立するの
    を不可能にするようブーム起伏ウインチの駆動を制御す
    るようにしたことを特徴とするタワークレーン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008001443A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Kobelco Cranes Co Ltd 起伏部材の起伏機構
CN106629432A (zh) * 2016-10-18 2017-05-10 徐萍 一种用于建筑吊塔卷扬轮的安全防超载结构
CN106629433A (zh) * 2016-10-18 2017-05-10 徐萍 一种用于建筑吊塔卷扬轮的防超载装置

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JP2008001443A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Kobelco Cranes Co Ltd 起伏部材の起伏機構
CN106629432A (zh) * 2016-10-18 2017-05-10 徐萍 一种用于建筑吊塔卷扬轮的安全防超载结构
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