JP3280175B2 - クレーンの安全装置 - Google Patents

クレーンの安全装置

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JP3280175B2 JP30214494A JP30214494A JP3280175B2 JP 3280175 B2 JP3280175 B2 JP 3280175B2 JP 30214494 A JP30214494 A JP 30214494A JP 30214494 A JP30214494 A JP 30214494A JP 3280175 B2 JP3280175 B2 JP 3280175B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブームを起伏させる起
伏ロープの過巻を防止するため、ブームの起伏角度に制
限を設けるようにしたクレーンの安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブームを固定した状態でブーム先端に連
結されたジブを起伏させて荷物の吊り上げ、吊り下ろし
や移動等を行うクレーンは、一般にタワーフロントと呼
ばれる。図7はタワーフロントの作業時における外観図
を示す。図7において、11はタワーフロントの下部走
行体、12は下部走行体11の上部に旋回可能に連結さ
れた上部旋回体、13は上部旋回体12の前部に起伏可
能に連結されたタワーブームである。タワーブーム13
の先端部には、タワージブ14と三角形のスイングレバ
ー15とがそれぞれ揺動自在に取り付けられており、三
角形のスイングレバー15の角部は、ペンダントロープ
16によってタワージブ14の先端部と接続されてい
る。
【0003】17は吊り荷の上げ下ろしを制御する巻き
上げウインチ、18はタワーブーム13の起伏を制御す
るブーム起伏ウインチ、19はタワージブ14の起伏を
制御するジブ起伏ウインチであり、巻き上げウインチ1
7、ブーム起伏ウインチ18およびジブ起伏ウインチ1
9はともに上部旋回体12の略中央部に配設されてい
る。巻き上げウインチ17から繰り出された巻き上げロ
ープ20は、タワーブーム13の先端部に取り付けられ
た滑車21およびタワージブ14の先端部に取り付けら
れた滑車22を介してフック23の滑車に掛け回されて
おり、フック23に取り付けられる吊り荷は巻き上げウ
インチ17の回転に応じて上下する。ブーム起伏ウイン
チ18から繰り出されたブーム起伏ロープ24は、マス
ト25の先端部に取り付けられた不図示のタワーブーム
ブライドルを介して、タワーブーム13の先端部と接続
されている。ジブ起伏ウインチ19から繰り出されたジ
ブ起伏ロープ26は、不図示のタワージブブライドルを
介して三角形のスイングレバー15の角部と接続されて
いる。
【0004】以上のように構成された従来のタワーフロ
ントでは、図7に示すようにタワーブーム13をほぼ垂
直に固定した状態で、起伏ウインチ19および巻上げウ
インチ17を操作して吊り荷等の作業を行うようになっ
ている。上述したように、タワーブーム13をほぼ垂直
状態にするためには、ブーム起伏ウインチ18の操作に
よってブーム起伏ロープ24を徐々に巻取ることによっ
て行うが、通常はマイクロスイッチ等の過巻検出器を備
えた安全装置により、ブーム起伏ロープ24の過巻によ
るタワーブーム13の後傾を防止するようになってい
る。
【0005】図8は従来のクレーンの安全装置の構成を
示す油圧回路図である。この安全装置は、例えば図7の
上部旋回体12の内部に設けられる。図8において、1
01はブーム起伏ロープ24の過巻を検出する過巻検出
器であり、例えばタワーブーム13の基端部の脇に配設
されたマイクロスイッチで構成され、タワーブーム13
の起伏角度が所定角度になると、タワーブーム13がマ
イクロスイッチに接触し、これにより、過巻になったこ
とが検出される。102はブーム起伏ウインチ18を駆
動する油圧モータ、103は油圧モータ102に油を供
給する油圧ポンプ、104は過巻検出器101による過
巻検出結果に基づいてソレノイドバルブ105の開閉を
切り換えるコントローラである。
【0006】図8に示すタワークレーンの安全装置にお
いて、過巻検出器101が過巻を検出していないとき
に、不図示の操作レバーによってブーム起伏ロープ24
の巻き取りが指示されると、コントローラ104はソレ
ノイドバルブ105に信号を送り、油圧ポンプ103と
油圧モータ102の間の管路L1とL2を接続する。こ
れにより、油圧モータ102は駆動を開始し、ブーム起
伏ウインチ18はブーム起伏ロープ24の巻き取りを行
う。一方、過巻検出器101によって過巻が検出される
と、コントローラ104はソレノイドバルブ105に信
号を送って管路L1とL2を遮断させ、これにより、ブ
ーム起伏ウインチ18は駆動を停止する。
【0007】上述したように、従来のタワーフロント
は、過巻検出器101が過巻を検出したブーム起伏角度
でタワーブーム13を固定させ、タワージブ14を起伏
させて吊り荷等の作業を行なっていた。しかし、作業範
囲の拡大や操作性の向上等を目的として、吊り荷等の作
業においてもタワーブーム13をタワージブ14と同様
に起伏させることが可能なタワーフロントが望まれるよ
うになってきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】タワーブーム13はブ
ーム起伏ロープ24によって支持されており、このブー
ム起伏ロープ24にかかる張力は吊り荷の重量および吊
り荷までの水平方向距離等によって変化する。また、ブ
ーム起伏ロープ24の材料は弾性体であるため、張力が
変化するとそれに応じてブーム起伏ロープ24は伸縮す
る。ブーム起伏ロープ24の張力が増える作業として
は、荷物の吊り上げやタワージブ14を水平状態に近づ
ける作業等があり、このような作業を行なうと、ブーム
起伏ロープ24が伸びてタワーブーム13が前傾する。
一方、このように前傾した状態から吊り荷の接地やタワ
ージブ14の巻上げまたは巻下げによりブーム起伏ロー
プ張力を減少させると、ブーム起伏ロープ24は収縮し
てタワーブーム13は元の位置に戻ろうとする。すなわ
ち、ブーム起伏ロープ張力の増減によって、タワーブー
ム13は前傾したり元の位置に戻ったりする。
【0009】従来のようにタワーブーム13を固定して
作業を行なう場合は、ブーム起伏ウインチ18を強制的
に駆動できなくするため、ブーム起伏ロープ24の張力
が変化してもタワーブーム13が元の位置に戻るだけで
あり問題はなかった。これに対して、タワーブーム13
を起伏可能にして吊り荷等の作業を行なう場合、タワー
ブーム13が前傾し過巻検出器101が未作動の状態で
は、ブーム起伏ウインチ18によりブーム起伏ロープ2
4を巻き取ることが可能になる。このため、例えばタワ
ーブーム13を過巻検出器101が作動する限界の角度
まで起立させた状態で、ブーム起伏ロープ24の張力が
増えるような作業を行うと、それによってタワーブーム
13が前傾し、前傾した分だけブーム起伏ロープ24を
巻き取ることが可能になる。ところが、このような状態
でブーム起伏ロープ24を巻取った後にブーム起伏ロー
プ24の張力を減少させると、ブーム起伏ロープ24の
収縮によりタワーブーム13は元の状態よりもさらに後
側に傾き、過巻検出器101が作動する限界の角度を越
えて後傾するおそれがある。このように、従来のクレー
ンの安全装置は、ブーム起伏ロープ24の伸縮を加味し
て過巻検出を行なうことはできない。
【0010】以上の問題を解決するために、過巻検出器
101が過巻を検出するときのブーム起伏角度よりも小
さい角度、すなわちブーム起伏ロープ24の収縮による
タワーブーム13の後傾を予め考慮に入れ、タワーブー
ム13をほぼ垂直よりも前傾させる角度で過巻を検出
し、ブーム起伏角度がその角度以上にならないようにす
ることが考えられる。しかし、その場合には下記するよ
うな別の不具合が生じる。以下、この不具合について図
9,10を用いて説明する。タワーフロントは、作業前
には図9に示すようにタワーブーム13とタワージブ1
4が不図示の連結装置で連結されており、図7に示すよ
うな作業姿勢にする前には、いったん図9のようにタワ
ーブーム13をほぼ垂直となる位置に起立させた状態
で、タワーブーム13とタワージブ14を連結している
連結装置をはずし、さらに作業終了後は、作業姿勢から
いったん図9の姿勢に戻して、タワーブーム13とタワ
ージブ14を連結装置で連結するようにしている。
【0011】ところが、上述したようにタワーブーム1
3を図10に示すような垂直よりも前傾させた姿勢で連
結装置をはずすようにすると、この状態では、タワーブ
ーム13とタワージブ14の間の角度差が大きいため、
慣性力によってタワージブ14は大きく振れてしまう。
逆に、作業終了後にタワーブーム13とタワージブ14
を連結する場合も、タワージブ14に慣性をつけてタワ
ーブーム13に接触させなければならず、接触時にタワ
ーブーム13とタワージブ14の双方に大きな衝撃が加
わる。このように、従来よりも前傾させた姿勢で連結装
置を取り付けたり取り外したりすると、タワーブーム1
3とタワージブ14に無理な力が加わるおそれがある。
すなわち、従来よりも前傾させた姿勢で過巻を検出する
だけでは、タワーフロントを安定に動作させることがで
きない。
【0012】本発明の目的は、吊り荷等の作業を行う際
にタワーブームおよびタワージブの両方の動作を許可
し、その場合でも起伏ロープ張力が変化してもクレーン
が後傾することなく、かつ吊り荷等の作業開始前および
終了後には従来と同様安全にジブの起伏が行えるクレー
ンの安全装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】実施例を示す図1および
図4に対応づけて本発明を説明すると、本発明は、ブー
ムを起伏させる起伏ロープの過巻を検出する第1過巻検
出手段101と、この第1過巻検出手段101によって
過巻が検出されると、ブームの起立を停止させるブーム
駆動制御手段3と、を備えたクレーンの安全装置に適用
され、第1過巻検出手段101によって過巻が検出され
るときの起伏ロープの巻き量より少ない巻き量で過巻を
検出する第2過巻検出手段1と、クレーンの作業中か非
作業中かを判定する作業判定手段2とを備え、作業判定
手段2によって作業中と判定されると、第2過巻検出手
段1によって過巻が検出されるときのブーム起伏角度よ
りも小さいブーム起伏角度でブームの起伏を許可し、作
業判定手段2によって非作業中と判定されると、第1過
巻検出手段101によって過巻が検出されるときのブー
ム起伏角度よりも小さいブーム起伏角度でブームの起伏
を許可するように、ブーム駆動制御手段3を構成するこ
とにより、上記目的は達成される。請求項2に記載の発
明は、請求項1に記載されたクレーンの安全装置におい
て、ブーム起伏角度が第1の角度以上のときに過巻と判
断するように第1過巻検出手段101を構成し、第1の
角度よりも小さい第2の角度以上のときに過巻と判断す
るように第2過巻検出手段1を構成し、作業判定手段2
によって作業中と判定されると、ブーム起伏角度が第2
の角度以上にならないようにブームを起伏させ、作業判
定手段2によって非作業中と判定されると、ブーム起伏
角度が第1の角度以上にならないようにブームを起伏さ
せるブーム駆動制御手段3を設けるものである。請求項
3に記載の発明は、請求項2に記載されたクレーンの安
全装置において、作業中に起伏ロープの張力が変化して
も、ブーム起伏角度が第1の角度以上にならないよう
に、第2の角度を設定する第2過巻検出手段1を設ける
ものである。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
されたクレーンの安全装置において、ブームに作用する
負荷を検出する負荷検出手段5と、変更可能なブーム起
伏角度の最大値を、負荷検出手段5によって検出された
負荷に応じて設定する最大角度設定手段7とを備え、第
1または第2の過巻検出手段が、ブームの現在の起伏角
度を検出する角度検出手段4を有し、この検出されたブ
ーム起伏角度が最大角度設定手段7によって設定された
最大値に達すると過巻を検出するものである。
【0015】
【作用】請求項1に記載の発明では、第1過巻検出手段
101が過巻を検出する前に、第2過巻検出手段1によ
って過巻を検出する。作業判定手段2によってクレーン
の作業中と判定されると、ブーム駆動制御手段3は、第
2過巻検出手段1の過巻検出結果に基づいてブームの起
伏を許可し、非作業中と判断されると、第1過巻検出手
段101の過巻検出結果に基づいてブームの起伏を許可
する。すなわち、作業中は非作業中よりもブームを起伏
させる角度を小さくしてクレーンが後ろに引かれないよ
うにする。請求項2に記載の発明のブーム駆動制御手段
3は、作業中には、ブーム起伏角度が第2の角度以上に
ならないようにし、非作業中には、ブーム起伏角度が第
1の角度以上にならないようにする。請求項3に記載の
発明の第2過巻検出手段1は、作業中に起伏ロープの張
力が変化してそれに応じてブーム起伏角度が変化して
も、ブーム起伏角度が第1の角度以上にならないように
第2の角度を設定する。
【0016】請求項4に記載の発明では、負荷検出手段
5によってブームに作用する負荷を検出し、その負荷が
ブームに作用したときにブームを最も起立させることが
可能な角度を最大角度設定手段7によって設定する。そ
して、角度検出手段4によって検出した現在のブーム起
伏角度が、最大角度設定手段7によって設定した角度に
達すると、第1または第2の過巻検出手段が過巻を検出
する。
【0017】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
−第1の実施例− 図1は本発明によるクレーンの安全装置の第1の実施例
の油圧回路図である。なお、この実施例では、クレーン
の安全装置を、図7のタワーフロントに適用する場合に
ついて説明する。また、本実施例のタワーフロントは、
吊り荷等の作業中にタワーブーム13とタワージブ14
の双方を起伏できるようにされている。本実施例のクレ
ーンの安全装置は、例えば図7の上部旋回体12の内部
に設けられる。なお、図1では、図8に示す従来のクレ
ーンの安全装置と共通する構成部分には同一符号を付し
ており、以下では相違点を中心に説明する。
【0019】図1の1は従来の過巻検出器101の検出
角度より小さい角度でブーム起伏ロープ24の過巻を検
出するタワー過巻検出器である。以下では、従来の過巻
検出器101による過巻検出角度を第1の角度、タワー
過巻検出器1による過巻検出角度を第2の角度とする。
タワー過巻検出器1も、従来の過巻検出器101と同様
に例えばマイクロスイッチで構成され、タワーブーム1
3が第2の角度になると、マイクロスイッチの接点状態
が切り替わるようにされている。このタワー過巻検出器
1が検出する第2の角度の値は、ブーム起伏ロープ24
の伸びを考慮に入れて定められる。すなわち、吊り荷等
の作業中にブーム起伏ロープ張力が変化してタワーブー
ム13の起伏角度が大きくなっても、ブーム起伏角度が
第1の角度を越えないように第2の角度を予め設定して
おく。具体的には、例えば第1の角度を90度とする
と、第2の角度は第1の角度より小さな角度、例えば8
8度に設定される。2はタワーフロントが現在吊り荷等
の作業中か非作業中かを検出する作業状態検出器であ
り、例えばモーメントリミッタに設けられる作業/非作
業切換スイッチの状態によって検出する。3はタワー過
巻検出器1、作業状態検出器2および過巻検出器101
から出力された各信号に基づいて、ソレノイドバルブ1
05の開閉を制御するコントローラである。
【0020】図2は第1の実施例のコントローラ3の動
作を示すフローチャートであり、このフローチャートに
基づいてクレーンの安全装置の第1の実施例の動作を説
明する。ステップS1では、作業状態検出器2の出力を
読み込み、現在吊り荷等の作業中か否かを判定する。作
業中と判定されるとステップS2に進み、タワー過巻検
出器1によって過巻が検出されたか否か、すなわちブー
ム起伏角度が第2の角度に達したか否かを判定する。ス
テップS2で過巻と判定されるとステップS3に進み、
ソレノイドバルブ105に信号を送って図1に示す管路
L1とL2を遮断する。これにより、ブーム起伏ウイン
チ18は駆動を停止し、タワーブーム13は第2の角度
以上に起立されなくなる。ステップS2で過巻でないと
判定されるとステップS4に進み、ブーム起伏ウインチ
18の駆動を許可する。この状態で不図示の操作レバー
によってブーム起伏ロープ24の巻き取りが指示される
と、コントローラ3はソレノイドバルブ105に信号を
送って管路L1とL2を接続する。これにより、油圧モ
ータ102およびブーム起伏ウインチ18が駆動し、タ
ワーブーム13はさらに起立する。
【0021】一方、ステップS1で非作業中と判定され
るとステップS5に進み、従来の過巻検出器101によ
って過巻が検出されたか否か、すなわちブーム起伏角度
が第1の角度に達したか否かを判定する。ステップS5
で過巻と判定されるとステップS6に進み、管路L1と
L2を遮断してブーム起伏ウインチ18の駆動を停止さ
せる。また、ステップS5で過巻でないと判定されると
ステップS7に進み、ブーム起伏ウインチ18の駆動を
許可する。ステップS3,4,6,7のいずれかの処理
が終了すると、ステップS1に戻って上述の処理を繰り
返す。
【0022】以上、コントローラ3の動作をまとめると
図3のようになる。図3に示すように、第1の実施例の
安全装置では、過巻検出器101が過巻を検出する角度
を第1の角度、タワー過巻検出器1が過巻を検出する角
度を第2の角度とし、第1の角度よりも小さい角度であ
る第2の角度を吊り荷等の作業中のブーム起伏角度の上
限値として定め、作業中にはブーム起伏角度が第2の角
度以上にならないようにする。また、第2の角度はブー
ム起伏ロープ24の伸縮量を考慮に入れて定めるため、
作業中にブーム起伏ロープ張力が変化し、それに応じて
タワーブーム13の起伏角度が大きくなっても、ブーム
起伏角度が第1の角度よりも大きくなることはない。し
たがって、吊り荷作業等の作業中にタワーブーム13の
作動を許可するため作業範囲が広がり、かつその場合、
ブーム起伏ロープ24の張力が変化してもタワーフロン
トが後傾することはなく、従来同様の安全性が確保され
る。一方、非作業中の場合には、従来と同様に第1の角
度までタワーブーム13を起立可能とするため、連結装
置の取り付けおよび取り外しの際に、タワーブーム13
とタワージブ14に慣性力による衝撃が加わることはな
い。
【0023】したがって、第1の実施例によれば、吊り
荷等の作業中でもタワーブーム13を作動させることが
でき、従来のタワークレーンよりも作業領域を広げるこ
とができ、かつ作業中と非作業中で過巻を検出するブー
ム起伏角度を変えるようにしたため、タワーブーム13
とタワージブ14を双方とも起伏可能にして作業を行う
場合でも、クレーンが後傾することがなく、従来同様の
安全性が確保され、さらに吊り荷等の作業開始前および
終了後には、ジブの起伏を従来同様安全に行うことがで
きる。
【0024】−第2の実施例− 以下に説明する第2の実施例は、タワーフロントの負荷
に応じて、タワーブーム13を起伏させる上限角度を定
めるものである。図4に示す4は本発明によるクレーン
の安全装置の第2の実施例の油圧回路図であり、図1と
共通する構成部分には同一符号を付しており、以下では
相違点を中心に説明する。図4の4はタワーブーム13
の起伏角度を検出する角度検出器、5はタワーフロント
の負荷を検出する負荷検出器であり、例えばモーメント
リミッタや荷重検出器によって構成される。6は角度検
出器4で検出されたブーム起伏角度と、負荷検出器5で
検出されたタワーフロントの負荷とに基づいて、ソレノ
イドバルブ105の開閉を制御するコントローラであ
る。7はタワーフロントの負荷とそれに対応するブーム
起伏角度の限界値を記憶するROMである。
【0025】図5はROM7に記憶されているタワーフ
ロントの負荷とブーム起伏角度の限界値との関係を示す
図である。図示の曲線の形状はタワーブーム13やタワ
ージブ14の材質や重量、形状等によって変化するた
め、タワーフロントの種類ごとに予め実験等で求めた結
果を予めROM7に記憶しておく。
【0026】図6は第2の実施例のコントローラ6の動
作を示すフローチャートであり、このフローチャートに
基づいてクレーンの安全装置の第2の実施例の動作を説
明する。ステップS101では、負荷検出器5で検出さ
れたタワーフロントの負荷を読み込む。ステップS10
2では、読み込んだタワーフロントの負荷に応じたブー
ム起伏角度の限界値を、ROM7から読み込む。ステッ
プS103では、現在のブーム起伏角度を角度検出器4
から読み込む。ステップS104では、現在のブーム起
伏角度がステップS102で読み込んだ限界値より小さ
いか否かを判定する。限界値よりも小さいと判定される
と、ブーム起伏ウインチ18の駆動を許可する。一方、
ステップS104で限界値よりも大きいと判定されると
ステップS106に進み、ソレノイドバルブ105に信
号を送って管路L1とL2を遮断する。これにより、ブ
ーム起伏ウインチ18は駆動を停止する。
【0027】このように、第2の実施例では、タワーフ
ロントの負荷に応じてタワーブーム13を起伏させる限
界角度を設定し、ブーム起伏角度がこの限界角度以上に
ならないように制御するため、負荷ごとに最小の作業半
径を設定できる。したがって、例えば軽負荷時には、重
負荷時よりも小さな最小作業半径を設定できる。
【0028】上記第1の実施例では、過巻検出器1,1
01としてマイクロスイッチを用いる例を説明したが、
過巻か否かを判断する手段はマイクロスイッチに限定さ
れない。また、第1の実施例では、ブーム起伏角度によ
って過巻を検出したが、例えばブーム起伏ウインチ18
に巻き取られるブーム起伏ロープ24の長さによって過
巻を検出してもよい。上記第1の実施例のタワー過巻検
出器が検出する第2の角度の候補を複数用意し、その中
から第2の角度を任意に選択できるようにしてもよい。
上記第2の実施例の図6のステップS102で求めたブ
ーム起伏角度の限界値を第1の実施例の第2の角度とし
て設定し、図2に示す第1の実施例のフローチャートに
従って過巻検出を行うようにしてもよい。
【0029】以上に説明した第1の実施例の過巻検出器
101が第1過巻検出手段に、コントローラ3がブーム
駆動制御手段に、タワー過巻検出器1が第2過巻検出手
段に、作業状態検出器2が作業判定手段に、第2の実施
例の角度検出器4が角度検出手段に、負荷検出器5が負
荷検出手段に、ROM7が最大角度設定手段に、それぞ
れ対応する。
【0030】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、吊り荷等の作業中でもブームの作動を許可したた
め作業領域が広くなり、吊り荷等の作業中は非作業中よ
りもブームを起伏可能な角度を小さくしたため、ブーム
とジブの双方を起伏させて作業を行う場合でも、クレー
ンが後傾することはなく、ブームを固定させて吊り荷等
の作業を行う従来技術と同様の安全性を確保できる。ま
た、請求項3に記載の発明によれば、作業中の起伏ロー
プの張力の変化を考慮に入れて、作業中の過巻検出角度
を定めるようにしたため、作業内容によってロープ張力
が変化しても、クレーンが後傾することはない。請求項
4に記載の発明によれば、ブームに作用する負荷に応じ
てブーム起伏角度の上限値を定めるため、軽負荷時には
最小作業半径を小さくすることができ、さらに作業領域
を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるクレーンの安全装置の第1の実施
例のブロック図。
【図2】図1のコントローラの動作を示すフローチャー
ト。
【図3】各検出器の検出値とブーム起伏ウインチの駆動
状態との関係を示す図。
【図4】本発明によるクレーンの安全装置の第2の実施
例のブロック図。
【図5】ROMに記憶されるタワーフロントの負荷とブ
ーム起伏角度の限界値との関係を示す図。
【図6】図4のコントローラの動作を示すフローチャー
ト。
【図7】タワーフロントの作業姿勢を示す図。
【図8】従来のクレーンの安全装置のブロック図。
【図9】吊り荷等の作業前または作業後における従来の
過巻検出位置でのタワーフロントの姿勢を示す図。
【図10】吊り荷等の作業前または作業後に従来の過巻
検出位置より前傾させた状態でのタワーフロントの姿勢
を示す図。
【符号の説明】
1 タワー過巻検出器 2 作業状態検出器 3,6 コントローラ 4 角度検出器 5 負荷検出器 18 ブーム起伏ウインチ 101 過巻検出器 102 油圧モータ 103 油圧ポンプ 105 ソレノイドバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 23/88 B66C 23/90

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブームを起伏させる起伏ロープの過巻を
    検出する第1過巻検出手段と、 この第1過巻検出手段によって過巻が検出されると、前
    記ブームの起立を停止させるブーム駆動制御手段と、を
    備えたクレーンの安全装置において、 前記第1過巻検出手段によって過巻が検出されるときの
    前記起伏ロープの巻き量より少ない巻き量で過巻を検出
    する第2過巻検出手段と、 クレーンの作業中か非作業中かを判定する作業判定手段
    とを備え、 前記ブーム駆動制御手段は、前記作業判定手段によって
    作業中と判定されると、前記第2過巻検出手段によって
    過巻が検出されるときのブーム起伏角度よりも小さいブ
    ーム起伏角度で前記ブームの起伏を許可し、前記作業判
    定手段によって非作業中と判定されると、前記第1過巻
    検出手段によって過巻が検出されるときのブーム起伏角
    度よりも小さいブーム起伏角度で前記ブームの起伏を許
    可することを特徴とするクレーンの安全装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたクレーンの安全装
    置において、 前記第1過巻検出手段は、ブーム起伏角度が第1の角度
    以上のときに過巻と判断し、 前記第2過巻検出手段は、前記第1の角度よりも小さい
    第2の角度以上のときに過巻と判断し、 前記ブーム駆動制御手段は、前記作業判定手段によって
    作業中と判定されると、ブーム起伏角度が前記第2の角
    度以上にならないように前記ブームを起伏させ、前記作
    業判定手段によって非作業中と判定されると、ブーム起
    伏角度が前記第1の角度以上にならないように前記ブー
    ムを起伏させることを特徴とするクレーンの安全装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されたクレーンの安全装
    置において、 前記第2過巻検出手段は、作業中に前記起伏ロープの張
    力が変化しても、ブーム起伏角度が前記第1の角度以上
    にならないように、前記第2の角度を設定することを特
    徴とするクレーンの安全装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されたクレーンの安全装
    置において、 前記ブームに作用する負荷を検出する負荷検出手段と、 変更可能なブーム起伏角度の最大値を、前記負荷検出手
    段によって検出された負荷に応じて設定する最大角度設
    定手段とを備え、 前記第1または第2の過巻検出手段は、前記ブームの現
    在の起伏角度を検出する角度検出手段を有し、この 検出
    されたブーム起伏角度が前記最大角度設定手段によって
    設定された最大値に達すると過巻を検出することを特徴
    とするクレーンの安全装置。
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