JPS5947006B2 - 前室を有する熱処理炉 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、前室を有する熱処理炉に関するものである。

従来、前室を有する熱処理炉で、材料を熱処理する場合
、炉本体から抽出された材料Ｃ熱材）を前室でクーラ、
循環ファンにより強制冷却してから炉外に抽出する一方
、新規材料〔金材）を前室に装入して、前室をパージし
てから炉本体に装入するようにしている。

このように、従来の前室を有する熱処理炉においては、
冷却処理が終了した材料が前室から抽出されて始めて次
の材料を前室に装入し、前室をパージして炉本体に装入
しなければならず、処理サイクルが長い。

これを解決するために、前室のパージ時間を短縮しよう
とすれば、短時間に所定量のパージガスを必要とするた
め大型パージガス発生器を必要とし設備が高くなる。

また、加熱室から抽出された処理材は、所定温度まで冷
却されて炉外に抽出されるが、この冷却時における熱量
を何ら利用することなく、放出するということは熱エネ
ルギーの点からも無駄であるという欠点を有する。

本発明Ｉ！し前記従来の前室を有する熱処理炉の欠点を
除去するためになされたもので、前記前室天井部の所定
位置に循環ファンを取付け、かつ前室内に、バッフルを
配置して循環流路を形成し、この循環流路中に、炉本体
から抽出された材料Ｃ熱材）と、新規材料（金材）を同
時に移動台上に位置させるようにし、循環ファンにより
各材料間で一力を予熱し、他力を冷却するようにして。

熱材の冷却時における熱量を有効利用する一力、炉本体
に、材料が在炉している間に新規材料を前室に装入して
パージし、つまり、パージ時間を、処理サイクルを長く
することなく実質的に長くすることによって小型のパー
ジガス発生器でよく、設備費の軽減および操炉効率の向
上を図ることができる前室を有する熱処理炉を提供しよ
うとするものである。

つぎに、本発明を実施例である図面にしたがって説明す
る。

第１図〜第３図は本発明の第１実施例を示し、熱処理炉
１は、大略、炉本体２、中間扉５を介して設けた前室（
ベスチブル）６、前室６内に位置する移動台である移動
台車１２、循環流路形成用バッフル１３． 循！ファン
１０および装入・抽出テーブル１５とからなる。

そして、前記炉本体２は、加熱ヒータ３および循環ファ
ン４を有する従来公知の構造となっている。

前記前室６は、装入・抽出扉７を有し、その内壁を断熱
材８で内張すし、断熱構造とするとともに、その天井部
９の一力側に循環ファン１０を有する。

また、前室６の下部には、材料Ｗの装入・抽出方向に対
して直交するように、シリンダ１１により移動する移動
台車１２が設置している。

この移動台車１２の上方は３枚のバッフル１３ａ。

１３ｂ、１３ｃによって、上方および炉長方向を開放し
た第１．第２の２室１４ａ、１４ｂに区画され、前室６
の天井部９に、たとえば前記中央のバッフル１３ｂが炉
中心線上に位置したとき、第１室１４ａのはソ中央上刃
となる位置に循環ファン１０が配置され、各室１４ａ、
１４ｂと循環ファン１０で循環流路が形成される。

なお、１６は搬送ローラ、１７は搬入・搬出ハンドラー
である。

つぎに、前記構成からなる熱処理炉の操業方法を説明す
る。

いま、材料Ｗ１が炉本体２内で加熱・均熱されていると
する。

この材料Ｗ１が加熱・均熱されている間に、前記シリン
ダ１１を駆動して、第１室１４ａに装入・抽出扉７から
新規材料Ｗ２を装入し、従来公知の手段で前室６をパー
ジする。

その後、シリンダ１１を前記とは逆方向に駆動し、約６
００°Ｃに加熱された材料Ｗ１を炉本体２から第２室１
４ｂＫ移送し、循環ファン１０を回転する。

すなわち、移動台車１２には高温の材料Ｗ１ と低温の
新規な材料Ｗ２が併存するため、前記循環ファン１０の
回転によって形成される循環流により両材料Ｗ１．Ｗ２
は熱交換し、高温の材料Ｗ１は冷却される一力、低温の
材料Ｗ２は予熱される。

かくして、材料Ｗ１が所定温度（約４００℃）に冷却さ
れると、シリンダ１１を駆動して中間扉５から新規材料
Ｗ２を炉本体２に装入し、加熱・均熱する。

その後、処理済材料Ｗ１ を装入・抽出テーブル１５へ
抽出する。

以後、前記工程を繰返して材料Ｗを順次熱処理すること
になる。

前記第１実施例においては、材料Ｗ１．Ｗ２を移動台車
１２で横方向に移動させるようにしたものを示したが、
第４図および第５図に示すように、材料Ｗ１．Ｗ２を上
下に移動してもよい。

すなわち、前室６を縦長とするとともに、その側内壁と
所定間隙をもってバッフル１３を配置して炉長方向に開
放する室１４ｃを形成し、この室１４Ｃの上方に循環フ
ァン１０を配置する。

また、前室６の上方にエレベータシリンダ１８が設けら
れ、このシリンダ１８のロッド１９シま上下動可能とな
るとともに、ロッド１９には材料Ｗを載置する移動台で
ある積載台１２ａ、１２ｂが設けられ、シリンダ１８に
よって積載台１２ａ、１２ｂは室１４Ｃ内をガイド２０
に沿って上下動するようになっている。

なお、その他は第１実施例と全く同様である。

すなわち、第２実施例においては、いま、炉本体内で材
料Ｗ１が加熱・均熱されているとすると、この間に、装
入・抽出扉７から新規材料Ｗ２を積載台１２ａ上に装入
し、前室６をパージする。

その後、エレベータシリンダ１８を作動させて積載台を
上昇させ、約６００℃に加熱されたＷｌを積載台１２ｂ
上に抽出し、循環ファン１０を回転し、高温の材料Ｗ、
を冷却するとともに、低温の材料Ｗ２を予熱する。

かくして、材料Ｗ１ が所定温度（約４００°Ｃ）に冷
却されると、積載台１２ｂを下降させ、中間扉５から新
規材料Ｗ２を炉本体２に装入し、加熱・均熱する。

また、シリンダ１８を引き上げて処理済材料Ｗ□を装入
・抽出扉７から装入・抽出テーブル１５へ抽出するもの
である。

以上の説明で明らかなように、本発明によれば、前室の
パージは、先の材料が加熱・均熱されている間に行なう
ことができるため、従来のように、パージ時間によって
材料の処理サイクルが長くならず、しかもパージ時間を
十分にとれ、小型のパージガス発生器で十分前室のパー
ジができるものである。

また、加熱された材料は新規な低温材料との熱交換によ
り冷却され、これと同時に新規材料は予熱されるため、
高温材料の冷却時における熱エネルギーを有効に利用す
ることができる。

さらに、新規材ｎｔ予熱に要する時間だけ炉本体での在
炉時間を短縮でき、前記パーシカ法とによって、短かい
処理サイクルで効率よく熱処理することができる。

しかも、従来のように、クーラを必要とせず、かつパー
ジガス発生機も小型でよいから装置全体な安価なものと
なし得る等多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明にか＼る第１実施例を示す熱処理炉の一
部断面正面図、第２図は第１図の■−■線断面図、第３
図は第１図■−■線断面図で、第４図、第５図は第２実
施例の前室部分を示し、第４図は断面正面図で、第５図
は第４図の■−Ｖ線断面図である。 ２０．・・・炉本体、５・・・・・・中間扉、６・・・
・・・前室、７・・・・・・装入・抽出扉、８・・・・
・・断熱材、９・・・・・・天井部、１０・・・・・・
循環ファン、１１・・・・・・シリンダ、１２゜１２ａ
、１２ｂ・・・・・・移動台、１３・・・・・・バッフ
ル、１４ａ、１４ｂ・・・・・・第１、第２室、１４Ｃ
・・・・・・室、ｗ（ｗ１９ｗ２ ）・・・・・・材料
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前室を有する熱処理炉において、前室天井部の所定
   位置に循環ファンを取付けるとともに、前室内にバッフ
   ルを配置して循環流路を形成し、前記循環流路中に、加
   熱室から抽出した熱材と、次期処理材である金材を移動
   台上に配置するようにし、熱材の冷却熱を金材の予熱に
   使用することを特徴とする前室を有する熱処理炉。 ２ 炉巾方向に移動する移動台上の両端部と中央部にそ
   れぞれバッフルを配置して上方および炉長方向に開放す
   る２室を形成し、−力の室の上方に循環ファンを位置さ
   せて循環流路としたことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項に記載の前室を有する熱処理炉。 ３ 前記移動台を、炉高力向に移動する２段の材料積載
   部付エレベータ機構とし、前室の側内壁と所定間隙をも
   ってバッフルを配置して炉長方向に開放する室を形成し
   、この室の上方に循環ファンを位置させて循環流路とし
   たことを特徴とする特許 処理炉。