JPS5946287B2 - オ−ステナイト系ステンレス鋼の固溶化処理法 - Google Patents

オ−ステナイト系ステンレス鋼の固溶化処理法

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JPS5946287B2
JPS5946287B2 JP54015877A JP1587779A JPS5946287B2 JP S5946287 B2 JPS5946287 B2 JP S5946287B2 JP 54015877 A JP54015877 A JP 54015877A JP 1587779 A JP1587779 A JP 1587779A JP S5946287 B2 JPS5946287 B2 JP S5946287B2
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JP
Japan
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stainless steel
precipitation
austenitic stainless
temperature
rolling
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JP54015877A
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一彦 織田
能夫 細川
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、オーステナイト系ステンレス鋼、すなわち
J15−G4303〜4309でオーステナイト系とし
ての、C≦0008%、5i≦5000%、Mn≦10
.00%、Ni4.00〜22.00%、Cr15.0
0〜26.00%、を主成分とするステンレス鋼、また
は上記主成分の他にM0≦4900%、Cu≦2450
%、N≦0325%、Ti≦0460%、Nb≦160
0%のうち1種または2種以上を含有したステンレス鋼
を固溶化処理する方法に関する。
オーステナイト系ステンレス鋼は第1図のヒートパター
ンで示すように、鋼材を圧延温度に加熱後熱間圧延して
放冷し、さらに1000〜1150℃に再加熱して急冷
する固溶化熱処理を行なっている。
この固溶化熱処理はオーステナイト系ステンレス鋼の欠
点である粒界腐食がクロム炭化物の析出に起因するため
、この析出を阻止する操作であることは良(知られてい
る。すなわち、第1図の熱間圧延後の放冷過程において
、主として550〜850℃の温度域でオーステナイト
中の炭素固溶限以上の炭素がクロムと結合してクロム炭
化物として粒界に析出し、このため粒界付近のクロムが
欠乏して粒界に沿って腐食され易くなるといわれている
そこで、このクロム炭化物な固溶化する温度以上に加熱
して急冷し、その析出を阻止する固溶化熱処理がなされ
るのである。またクロム炭化物を固溶化させるための理
論的温度は850℃以上であるが、平衡状態への到達時
間を短縮するため上記JIS規格では固溶化熱処理温度
を920〜1150℃の高温に定められている。
ところが、上記の固溶化熱処理の実施には、再加熱のた
めの燃料を必要とするのみならず、圧延ラインとは別の
オフラインで実施するための設備が必要であり、さらに
又、上記温度以上の高温に加熱された鋼材を急冷する場
合に、鋼材の肉厚が大きくなると中心部分の冷却速度を
クロム炭化物の析出を阻止するのに十分な速度に確保す
るのが困難になる。
そこで発明者達は再加熱することなく圧延ラインで固溶
化熱処理の出来ること、つまりクロム炭化物のオーステ
ナイト粒界への析出を防止し、且つオーステナイト結晶
粒度を適正にすることを目的として実験を行った結果、
850〜1150℃の温度域における累計圧下率が50
%以上で、かつ仕上温度850℃以上1150℃以下で
圧延後、引続いて、850〜550℃の温度域を、V=
CXlOOO V:平均冷却速度(’C/秒) C:対象鋼の炭素含有量(%) で示す平均冷却速度以上で急冷することがきわめて効果
的であることを見い出した。
以下、上記の圧延、熱処理を含むオーステナイト系ステ
ンレス鋼のクロム炭化物固溶化の処理方法について詳述
する。第2図はこの発明のオーステナイト系ステンレス
鋼の固溶化処理方法のヒートパターンを図示するもので
クロム炭化物の固溶を容易にする温度に鋼材を加熱して
熱間圧延し、これに引続く熱間圧延後の冷却過程におい
て、固溶化熱処理を行うもので、第1図に示す従来法と
その処理方法を異にしている。すなわち、鋼材を115
0〜1300℃に加熱された後、熱間圧延機で850〜
1150゜Cの温度域における累計圧下率が50%以上
になるようにし、かつ仕上圧延温度を850℃以上11
50℃以下で熱間圧延を行うものである。圧延温度を8
50〜1150℃の範囲に限定したのは850℃以下で
はクロム炭化物の析出が開始するため好ましくな《、又
、1150℃以上では圧延後の再結晶によってオーステ
ナイト結晶粒が粗大になるためである。
また上記850〜1150℃の温度範囲における、累計
圧下率を50%以上としたのは累計圧下率が50%以下
の場合には再結晶の進行が不十分で、再結晶の進行過程
でオーステナイト粒界が移動し、クロム炭化物の粒界へ
の析出を抑制する効果を減少するためである。また仕上
圧延温度を850℃以上1150℃以下としたのは85
0℃以下では累計圧下率50%以下の場合と同様に再結
晶の進行が不十分で再結晶の進行過程でオーステナイト
粒界が移動し、クロム炭化物の粒界への析出を抑制する
効果を減少させるからであり、また1150℃以上では
圧延後の再結晶によってオーステナイト粒が粗大になる
ためである。
上記した条件にて熱間圧延を終了した後引続く冷却過程
において、850〜550℃の温度範囲を鋼材の肉厚中
心部分の平均冷却速度Vを上記したV=C2XIOOO
(’c/秒)以上の速度で急冷する。
第2図の矢印Sはこの急冷処理域を示す。急冷処理する
温度域を850〜550℃としたのは、この温度範囲に
おいてオーステナイト粒界にクロム炭化物が短時間で析
出し易いことによる。又、オーステナイト中の炭素含有
量が多い程冷却速度を犬による必要がある。この発明に
おける平均冷却速度Vについては、後述する多くの実験
の結果によって得られたものである。つぎに、この発明
のために実施した実験について説明する。
第1表はこの実験の供試材としたオーステナイト系ステ
ンレス鋼の化学成分を示す。これらの供試鋼を、この発
明法(直接固溶化熱処理法)と、比較のために行った従
来法(再加熱固溶化熱処理法)によって、それぞれ固溶
化熱処理し、その供試材の板厚中心部の顕微鏡写真でオ
ーステナイト結晶粒界へのクロム炭化物の析出程度、す
なわち粒界腐食の鋭敏化程度を級別判定した。なお従来
法の固溶化熱処理は加熱炉で1100℃に加熱して板厚
中心部が1100゜Cに到達後、20分保持し850〜
550℃間は本発明法のものと同じ平均冷却速度で急冷
した。第3図は第1表の鋼種Cについて、クロム炭化物
の粒界析出程度を級別判定した顕微鏡写真の一例で、
I からIVへと進むに従い析出が進行する。
すなわち I は析出が全《認められないもの、IIは析出
が微量のもの、IIIは析出が軽量のもの、IVは析出が中
量のもので、 I 〜IVは製品として許容され、それ以上
のものはVで表示した。なお他の鋼種についても同様に
して級別判定をした。第2表に上記実験の条件とその結
果を示す。上表から明らかなように、同一平均冷却速度
で急冷されても熱間圧延に引続いて直接固溶化熱処理さ
れた本発明法のものは、従来法のものに比較してクロム
炭化物の粒界進出が少ないことがわかる。
また本発明法欄のものでも、クロム炭化物の固溶を容易
にするために限定した圧延条件を満足させない供試材は
、いずれも再結晶の進行が不十分かオーステナイト結晶
粒の粗大化など、鋼材品質が劣化している。また第4図
は従来の、また第5図は本発明法の、それぞれ供試材の
炭素含有量と850〜550℃間の平均冷却速度の関係
におけるクロム炭化物の粒界析出程度の級別を図示し、
各級別域を曲線で想定区分した図表であるが、炭素含有
量と平均冷却速度が同レベルとすれば、本発明法は明瞭
に従来法よりクロム炭化物の析出を少くなし得ること、
およびこの発明で限定した平均冷却速度( v=C2x
lOOO)で処理したものは、クロム炭化物の析出程度
が級別m上の良い結果を顕示していて、この発明のクロ
ム炭化物析出阻止効果の大きいのがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図はオーステナイト系ステンレス鋼の従来の固溶化
処理方法の説明図、第2図はこの発明による固溶化処理
方法の説明図、第3図はクロム炭−化物の粒界析出程度
を級別した顕微鏡写真で、 I は析出のないもの、IIは
微量のもの、IIIは軽量のもの、IVは中量のものを示す
、第4図は従来法によるオーステナイト系ステンレス鋼
の固溶化処理において炭化含有量と平均冷却速度の関係
からクロム炭化物の析出程度を級別図示した図表、第5
図は本発明法による同上級別図示した図表である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 オーステナイト系ステンレス鋼の熱間圧延において
    、850〜1150℃の温度域における累計圧下率が5
    0%以上で、かつ仕上温度を850℃以上1150℃以
    下で熱間圧延を行った後、引続いて850〜550℃の
    温度域をV=C^2×1000 ただし、 V:平均冷却速度(℃/秒) C:対象鋼の炭素含有量(%) で示す平均冷却速度以上で急冷することを特徴とするオ
    ーステナイト系ステンレス鋼の固溶化処理法。
JP54015877A 1979-02-13 1979-02-13 オ−ステナイト系ステンレス鋼の固溶化処理法 Expired JPS5946287B2 (ja)

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