JPS5941875Y2 - シ−トクツシヨン座面の傾斜角調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として車両用のシートにおいて、そのシー
トクッション座面の傾斜角を調整する装置の改良に関す
るものであり、構造が比較的簡単で、軽量、安価な調整
装置を提供することを目的としている。

着座する人の体格や、好みに応じ、シートクッション座
面の傾斜角を調整し、疲労を除き、長時間に亘って快適
な着座姿勢を保ちうるようにした装置は、既に種々提案
されているが、機構が複雑で大重量となりかつ価格も比
較的高い等の欠点がある。

本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載する構成とす
ることにより、上述のごとき欠点のない装置を得たもの
である。

以下図示例についてその構成を説明する。

本考案に係る装置は、第１図に実線で示されるシートク
ッション１の座面２の傾斜角を、その前縁３を上げるこ
とにより、鎖線２′で示すように変化、調整するもので
あり、その具体的実施の１例が第２図乃至第４図に示し
である。

シートクッション１のシートクッションフレームは、後
部において、シートスライドアジャスタ４．５に軸６，
７で枢着され、矢印イで示すよう上下に揺動可能とされ
ている。

上述のシートスライドアジャスタ４，５は、シートスラ
イド用のアッパレールに固着される点で、公知構造と同
一である。

一方のシートスライドアジャスタ５には、シートクッシ
ョンフレームの前部に対応する位置に、リフトアーム８
がその後端９においてトルク棒１０により、上下方向に
揺動可能に枢着されている。

このリフトアーム８には、その長さ方向に長溝１１が開
設され、ロックピン１２が摺動自在に嵌入されている。

図示例のロックピン１２は、鼓形で、細径部が長溝１１
内に嵌入し、両側膨頭部がリフトアーム８の両側面に位
置するよう嵌装されている。

リフトアーム８のノブ１３寄りの位置には、ロックピン
１２の操作用のＬ形の操作レバー１４が軸１５で枢着さ
れており、゛・操作レバ一端１６と、前述のロックピン
１２とがリンク１７で連結されている。

従って、第２図、第３図に示す状態はおいて、操作レバ
ー１４を矢印口方向に回動させると、リンク１７が矢印
ハ方向に移動し、ロックピン１２を長溝１１にそって図
において右方へ移動させることができる。

前述のシートスライドアジャスタ５には、リフトアーム
８の揺動と、操作レバー１４の揺動とによって移動変位
させられるロックピン１２の上下、前後方向の摺動軌跡
と交叉する位置に、ロックプレート１８が固着されてお
り、ロックプレート１８のロックピン１２側の端面には
、上下複数段のロックピン係合溝１９，２０．２１が形
成され、ロックピン１２と係合しうるように構成されて
いる。

前述のリンク１Ｔの端部２２は、ロックピン１２を超え
て僅かに延出させられており、該端部２２とリフトアー
ム８の前部寄りの部分２３との間にコイルバネ２４が張
設され、リンク１７に、ロックピン１２をロックピン係
合溝１９，２０゜２１に向けて常時進出させる弾性勢力
を付与している。

このため、操作レバー１４の矢印口方向への回動を解除
すると、ロックピン１２はコイルバネ２４の弾力で選ば
れた倒れかのロックピン係合溝１９，２０或は２１に進
入し、係合することとなる。

リフトアーム８は、トルク棒１０による枢着部とロック
ピン１２の組み付は位置との中間に、リンク２５が軸２
６で枢着、立設されており、該リンク２５の上端２１が
軸孔部２８でシートクッションフレームに枢着されてい
る。

このため、ロックピン１２を第３図に示されるロックピ
ン係合溝１９から外し、第４図に示される如く、ロック
ピン係合溝２１に係合させるべく、リフトアーム８を上
方へ揺動させると、リンク２５に押されてシートクッシ
ョンフレームも軸６゜７を中心として上方へ揺動し、座
面２の傾斜角が変化させられる。

なお、図中符号２９は、トルク棒１０を回動自在に支持
する支持ブラケットであって、シートスライドアジャス
タ５上に固定されているが、他方のシートスライドアジ
ャスタ４上にも同一位相に、支持ブラケット３０が固定
され、トルク棒１０の他端３１を回動自在に支持してお
り、この部分のトルク棒１０にリンク３２が固着されて
いる。

このリンク３２には、更にリンク２５と同一構造のリン
ク３３が枢着されているが、このリンク３３とトルク棒
１０との位置関係は、支持ブラケット２９側におけるリ
ンク２５とトルク棒１０との位置関係と全く同一とされ
リンク３３の上端は軸孔部３４でシートクッションフレ
ームに枢着されている。

更に支持ブラケット３０には、トルクバネ３５の一端３
６が固定されており、該トルクバネ３５の他端３γは、
リフトアーム８の下端面に当接され、該リフトアーム８
に、矢印二で示すよう常に上方への回動勢力を付与して
いる。

このトルクバネ３５による上方への回動勢力は着席荷重
に抗することとなるので、着席姿勢のままシートクッシ
ョン１の座面２の傾斜角度を急角度に調整する際の補助
力として作用する。

本考案は、上述の構成であるから、第２図、第３図に示
される位置から、操作レバー１４をノブ１３と一体に握
りしめ、矢印口方向に回動させると、リンク１７の矢印
ハ方向の移動により、ロックピン１２は、ロックピン係
合溝１９から外れる。

この状態でリフトアーム８を上方へ引き上げ、揺動させ
リンク２５を介し、シートクッション１のシートクッシ
ョンフレームモ軸６ 、７を中心として揺動させられ、
例えば第４図に示されるように、ロックピン１２がロッ
クピン係合溝２１に相対する位置となったとき、操作レ
バー１４を解放し、ロックピン１２をロックピン係合溝
２１に進入させ係合させれば、シートクッションはその
位置に係止、固定され、座面２は選ばれた傾斜角度に保
たれるものである。

本考案は、上述のごとき構成２作用のものであって構造
が比較的簡単であり、構成部品数も少なく、軽量に仕上
げることができ、従って安価に提供できるし、操作レバ
ーとリフトアームとの操作のみで座面の傾斜角度を調整
できるので、操作を著しく簡便ならしめうる等の効果を
有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案ｔこ係る装置を適用した自動車用シー
トの略示側面図、第２図は、実施の１例の斜面図、第３
図は、第２図中１−１線断面図、第４図は、第３図と同
一位置において、調整途中の状態を示す断面図である。 １・・・・・・シートクッション、２・・・・・・座面
、４．５・・・・・・シートスライドアジャスタ、８・
・・・・・リフトアーム、１２・・・・・・ロックピン
、１８・・・・・・ロックプレート、１９〜２１・・・
・・・ロックピン係合溝、２５・・・・・・リンク、２
７・・・・・・リンクの上端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートスライド用のアッパレールに固着されるシートス
   ライドアジャスタに、シートクッションフレームの後部
   が枢着され、該シートクッションフレームの前部に対応
   する位置の一方のシートスライドアジャスタには、リフ
   トアームが上下方向に揺動可能に枢着され、リフトアー
   ムには、該アーム長さ方向に前後摺動可能なロックピン
   と、ロックピン摺動用の操作レバーとが組み付けられ、
   また前記シートスライドアジャスタには、ロックピンの
   上下および前後の各摺動軌跡と交叉する位置に、上下複
   数段のロックピン係合溝を有するロックプレートが固着
   されており、かつリフトアームにおいて、その枢着部と
   ロックピン組み付は位置との間に枢着、立設されたリン
   クの上端が、シートクッションフレームに枢着されてい
   ることを特徴とするシートクッション座面の傾斜角調整
   装置。