JPS5941805Y2 - ミシンの糸駒支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は上面カバーに糸駒を収納するための糸駒収納部
を凹設したミシンにおける糸駒支持装置に関するもので
ある。

従来、上面カバーに糸駒収納部を凹設したミシンにおい
て、糸駒収納部の配設スペースを縮小し、且つ糸駒の糸
立棒からの脱落を防止するために、糸駒収納部内に糸立
棒を上糸の繰り出し方向（アーム長手方向）と直角方向
に設け、糸立棒の先端部がやや高くなるように糸立棒を
傾斜させて取付けたものがある。

ところが、従来のものは、糸立棒はその根元部を糸駒収
納部の側壁部にばねによって弾性的に固定され、糸立棒
はその取付部を中心としてわずかに揺動できるのみであ
ったので、大きな糸駒を収納するときに収納がしに＜＜
、さらに糸駒を斜め方向から収納しなければならないの
で上面カバーのスペースが効果的に使用できないという
欠点があった。

一方、縫製中、特に模様縫いの場合はｌステッチに消費
される上糸量は常に変化し、これに伴って上糸にかかる
張力も変化する。

この場合糸駒から繰り出される上糸の速度がいろいろと
変化し、これによって糸駒が空転しく糸駒の慣性によっ
て回りすぎる）、上糸消費量以上の上糸が繰り出され、
糸駒の円周上に円環状の上糸のたるみができる。

このような状態のときに従来のものは、特にロー引きカ
タン糸やフィラメント系化繊糸のような滑りの良い糸は
円環状の上糸のたるみが糸駒端部のつばから外れて上糸
が糸立棒に絡みついてしまうという欠点があった。

本考案は上面カバーに糸駒を収納するための糸駒収納部
を凹設したミシンにおいて、どんな糸駒でも容易に収納
（セット）でき、且つ上面カバーのスペースを効率良く
使用すると共に、縫製中に糸立棒に糸が絡みつくトラブ
ルを無くすことを目的とするものである。

以下本考案の実施例を図面により詳細に説明する。

第１図は本案糸駒支持装置を装備したミシンの外観図、
第２図はその糸駒収納部のＡＡ断面図、第３図は同じく
そのＢＢ断面図、第４図は下方から見た糸駒収納部の分
解斜視図である。

第１図において、ミシン本体１の上部には上面カバー２
を取付け、上面カバー２には開閉板３を開閉自在に取付
けている。

上面カバー２の上面には糸駒４を収納する糸駒収納部５
を凹ませて形成している。

糸駒収納部５内には第２図に示すように、糸駒支持部材
６が配置される。

糸駒支持部材６は円板状のフランジ部７と、フランジ部
７の中心部から垂直に延びる糸立棒８と、フランジ部７
の周縁部に糸駒４の端部を覆う短い側壁９を一体に形成
してなり、後述のように上面カバー２に回動自在に取付
けられていて、糸駒収納部５へ収納及び取り出しが出来
るようになっている。

また、糸駒支持部材６が糸駒収納部５に収納された時に
糸立棒８は上糸の繰り出し方向（アーム長手方向）と直
角を或し、且つ先端部がやや高くなるよう傾斜して配設
されるようにしている。

１０はフェルトであり、摩擦抵抗によって糸駒４の空転
を防止するために、フランジ部Ｉと糸駒４の間に敷かれ
ている。

糸駒支持部材６は、第３図、第４図に示すように、その
側壁９の外面に突出して形成した取付部１１を上面カバ
ー２の裏面においてピン１２により回動自在に支持され
て取付けられていて、取付部１１端面に上面カバー２の
裏面に固着した係止板ばね１３を当接させて、第３図に
示すように、糸駒支持部材６を糸駒収納部５内の収納位
置及び外方に回動した位置で半固定するようにしている
。

本案装置を使用するには、まず糸駒支持部材６を外方に
回動させて、第３図中実線で示す位置まで糸駒支持部材
６を立て、その状態で糸立棒８に糸駒４を装着する。

この場合糸立棒８は糸駒収納部５から外部に露出してい
るので、糸駒４の装着は横方向から容易に行うことがで
きる。

次に、糸駒支持部材６を糸駒収納部５内に倒して収納す
る。

糸駒収納部５内では糸立棒８は上糸の繰り出し方向と直
角を威し、且つ先端部が高くなるよう傾斜して支持され
るので、糸駒４の収納スペースを縮少することができる
と共に、糸駒４は常に糸立棒８の根元部のフランジ部７
の方へ寄せられ、自然に糸駒４の糸立棒８からの脱落が
防止される。

また、本例のように根元部にフェルト１０を設ければ前
記糸駒４の空転の率を低くすることができ、本考案によ
れば、仮りに糸駒４が空転して糸が弛んでも、フランジ
部Ｉの周縁部に側壁９を設けて糸駒４端部を覆っている
ので、その側壁９により糸が糸駒４から外れることがな
く、従って、糸が糸立棒８に絡みつくのを防止すること
ができる。

以上のように本考案によれば、糸駒支持部材を上面カバ
ーに回動自在に取付け、糸駒の糸立棒への着脱は糸駒支
持部材を糸駒収納部から出した状態で行うことができる
ようにしたので、どんな糸駒でも容易に収納することが
でき、上面カバーのスペースを効率良く使用することが
できる。

また、糸駒支持部材の側壁の作用により縫製中に糸立棒
に糸が絡みつくトラブルを無くすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を装備したミシンの外観図、
第２図はその糸駒収納部のＡＡ断面図、第３図は同じく
そのＢＢ断面図、第４図は下方から見た糸駒収納部の分
解斜祝図である。 １・・・・・・ミシン本体、２・・・・・・上面カバー
、３・・・・・・開閉板、４・・・・・・糸駒、５・・
・・・・糸駒収納部、６・・・・・・糸駒支持部材、７
・・・・・・フランジ部、８・・・・・・糸立棒、９・
・・・・・側壁、１１・・・・・・取付部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面を覆う開閉板を開閉自在に取付けた上面カバーをミ
   シン本体上部に装着し、該上面カバーの上面に糸駒を収
   納するための糸駒収納部を凹設したミシンにおいて、円
   板状のフランジ部と該フランジ部の中心部から垂直に延
   びる糸立棒と該糸立棒に装着された糸駒０端部を覆うた
   めに該フランジ部の周縁部に形成した側壁を有してなる
   糸駒支持部材を、該糸駒支持部材に突出して形成した取
   付部をもって該上面カバーに回動自在に取付け、該糸駒
   支持部材が該糸駒収納部内にあって該糸立棒が上糸の繰
   り出し方向と直角を威し且つ先端部がやや高くなるよう
   傾斜して配設される収納位置と該糸駒収納部の外部に露
   出した位置を取り得るようにしたことを特徴とするミシ
   ンの糸駒支持装置。