JPS5940944B2 - 模様状にフイブリル域を有する繊維構造物の製造方法 - Google Patents

模様状にフイブリル域を有する繊維構造物の製造方法

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JPS5940944B2
JPS5940944B2 JP53103395A JP10339578A JPS5940944B2 JP S5940944 B2 JPS5940944 B2 JP S5940944B2 JP 53103395 A JP53103395 A JP 53103395A JP 10339578 A JP10339578 A JP 10339578A JP S5940944 B2 JPS5940944 B2 JP S5940944B2
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fibrillated
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憲一 田川
徳雄 遠藤
宣男 安江
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、模様状にフィブリル域を有する繊維構造物の
製造方法に関する。
詳しくは、フィブリル化型複合繊維を含む編織布或いは
不織布のある区域は該複合繊維がフィブリル化し、他の
区域は該複合繊維がフィブリル化していないか或いは前
記区域よりも低度にフィブリル化し、しかも物理的衝撃
によってのフィブリル化が進行する能力をも実質的に失
ってなる光沢、ボリュウム感、色調及び透明感が模様状
に微妙に変化して見える模様状にフィブリル域を有する
繊維構造物の製造方法に関する。
従来よりレース等に見られる如く、編織時に異種の繊維
を混入する方法、あるいは組繊密度を部分的に変化させ
る方法等により得られる地模様を有する繊維構造物は、
よく知られている。
しかしながら該地模様を有する繊維構造物は全て繊維構
造物形成時に特別な手段によって地模様を形成したもの
であり、光沢、色調或いは透明感の変化は少ないか、例
えあっても比較的単調なものであった。
本発明者等は、前述の如き従来の地模様を有する繊維構
造物には備え得なかった光沢、色調、透明感の模様状の
微妙な変化を具備した繊維構造物を得るべく鋭意研究の
結果、特定のフィブリル化型複合繊維を含む編織布或い
は不織布を模様状部分的に特定手段でもってフィブリル
化し、次に加熱によりそれ以外の部分の物理的衝撃によ
りフィブリル化する能力を実質的に失せしめて得た模様
状にフィブリル域を有する繊維構造物が上記特性及びボ
リュウム感を長期の使用によっても失うことなく保持す
ることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明の目的は、光沢、ボリュウム感、色調及び透明感
が模様状に微妙に変化して見える繊維構造物を提供する
にあり、他の目的は、かかる特性が長期の使用によって
も劣化することのない模様状にフィブリル域を有する繊
維構造物を提供するにある。
更に他の目的は、フィブリル化型複合繊維を用いてなる
編織布或いは不織布を模様状部分的にフィブリル化する
方法を提供するにある。
また別の目的は、上記のような模様状にフィブリル域を
有する繊維構造物の工業的有利な製造法を提供するにあ
る。
即ち本発明は、ポリアミド及びポリアミドと親和性のな
い重合体からなり、一方の成分を他方の成分が完全に包
囲することなく両成分が接合された横断面を有するフィ
ブリル化型複合繊維を10重量%以上含む編織布或いは
不織布にフィブリル化抑制剤を模様状に付与し固着後フ
ィブリル化剤により処理して該抑制剤付着部分以外の該
複合繊維をフィブリル化し、次いで加熱により該抑制剤
付着部分の該複合繊維の物理的衝撃によってのフィブリ
ル化が進行する能力を実質的に失せしめることを特徴と
する模様状にフィブリル域を有する繊維構造物の製造方
法にある。
本発明にいう「フィブリル」とは、それが多数本集束し
て繊維束を成す細繊度の繊維のことであり、例えば、多
成分から成る複合構造を有する繊維(複合繊維)を各成
分に分割することにより容易に得ることができる。
本発明におけるフィブリル化型複合繊維とは、ポリアミ
ド及びポリアミドと親和性のない重合体が、単一フィラ
メントの横断面において一方の成分が他方の成分を完全
に包囲しない形状で、単一フィラメントの長手方向に沿
って接合されている形を言い、具体的には横断面が第1
図の如きサイドバイサイド型の複合繊維、第2図の如き
サイドバイサイド繰返し型の複合繊維、第3図〜第6図
の如く放射型の形状を有する成分と該放射部を補完する
形状を有する他の成分からなる複合繊維、第7図の如く
放射型の形状を有する成分と該放射部を補完し且つ中心
方向に向いたV字型の凹部のある形状を有する他の成分
と該凹部を補完するV字型の形状を有する該放射型形状
を有する成分と同じ成分からなる複合繊維及び第8図の
如く中空部分のあるサイドバイサイド繰返し型複合繊維
等が挙げられる。
かかる複合繊維は、ポリアミド及びポリアミドと親和性
のない重合体により構成されるものである。
ポリアミドとしては、例えばナイロン4、ナイロン6、
ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6
6、ナイロン6.10、ポリメタキシレンアジパミド、
ポリパラキシリレンデカンアミド、ポリビスシクロヘキ
シルメタンデカンアミド及びそれらを成分とするコポリ
アミド等が挙げられる。
ポリアミドと親和性のない重合体としては、ポリエステ
ル、ポリオレフィン及びポリアクリロニトリル等が挙げ
られるが、ポリアミドとの溶融複合紡糸が容易であると
いう点からポリエステル及びポリオレフィンが好ましく
、中でも重合体の染色性の点からポリエステルが特に好
ましい。
即ちポリアミドとポリエステルの組合せが、繊維構造物
の色調、光沢、感触等の点から最も好ましいのである。
ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレ
ート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンオキシベンゾエート、ポリ1゜4−ジメチルシクロヘ
キサンテレフタレート、ポリピバロラクトン及びそれら
を成分とするコポリエステル等がある。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン及びそれらを成分とするコポリオレフィン等がある。
本発明にいうフィブリル化型複合繊維を含む編織布或い
は不織布とは、フィブリル化型複合繊維単独よりなる編
織布、不織布は言うに及ばず、フィブリル化型複合繊維
を一部使用してなる編織布や不織布、例えば通常の天然
繊維、化学繊維、合成繊維との交編織布、或いは混紡糸
としての編織布、不織布等であっても良いが、編織布或
いは不織布に含まれるフィブリル化型複合繊維の割合は
10重量%以上、好ましくは30重量%以上である事が
本発明の十分な効果が得られる点で必要である。
また編成、製織或いは不織布となした後に、必要に応じ
て針布起毛等による起毛を行なったものであっても本発
明には何ら差しつかえない。
か5る編織布或いは不織布に付与するフィブリル化抑制
剤としては、編織布或いは不織布の構成繊維表面を保護
し、フィブリル化剤の浸透を抑制する作用を有するもの
であって、しかもフィブリル化剤処理において多量に溶
出しないものであれば十分その効果が認められるが、特
に各種のワックス類、パラフィン類、ポリエチレン樹脂
、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリ
ル樹脂、シリコン樹脂、弗素系樹脂、各種のゴム等が効
果的であり、中でもワックス類、パラフィン類、ポリウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、弗素系樹脂
が好ましい。
本発明では、上記フィブリル化抑制剤を単独あるいは2
種以上を混合し、その溶融液、水溶液、有機溶剤溶液、
分散液又はエマルジョンとなして、編織布或いは不織布
に模様状に付与せしめるものであるが、該フィブリル化
抑制剤の編織布或いは不織布への付着量は、フィブリル
化抑制効果を考慮し、編織布或いは不織布の被付着部繊
維の重量に対し少くとも0.1%、好ましくは少なくと
も0.5%であることが望まれる。
フィブリル化抑制剤を模様状に付与する方法としては、
ハケなどによるぬりつけ法、スプレー法、スクリーン或
いはロール捺染法、転写法などが利用出来る。
模様の形状或いはその面積については、本発明は伺ら限
定されるものではない。
編織布或いは不織布に模様状に付与したフィブリル化抑
制剤は、その種類に応じて、冷却凝固、湿式ないし乾式
凝固或いは溶剤除去等の方法によって固着させればよい
次に編織布或いは不織布をフィブリル化剤により処理し
て上記抑制剤付着部分以外の複合繊維をフィブリル化す
るのである。
本発明に使用されるフィブリル化剤としては、複合繊維
のポリアミド成分を膨潤せしめる薬剤が好ましく、具体
的にはフェノール類、アルコール類等が挙げられる。
またその水溶液又は水性エマルジョンとして用いるのが
適している。
かかるフェノール類及びアルコール類としては、フェノ
ール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルヨー
ル等が挙げられ、これらの水溶液よりもフィブリル化効
果の点で水性エマルジョンが好ましい。
特に以上の中でもベルジルアルコールの水性エマルジョ
ンが本発明には好適である。
上記フィブリル化剤の水性エマルジョンを作るには、フ
ィブリル化剤に界面活性剤を添加して乳化分散させれば
よく、該界面活性剤としては、ノニオン系活性剤、カチ
オン系活性剤、アニオン系活性剤、両性活性剤、又はそ
れらの混合型等いずれでもよい。
フィブリル化剤の濃度は、フィブリル化効果を得るため
には1.5重量%以上とする必要があり、50重量%を
超えると水性エマルジョンの場合には不安定となり、又
フィブリル化後のフィブリル化剤の除去が非常に困難と
なる。
更に50重量%を超えるとポリアミド成分以外の成分に
悪影響を与える危険を生じる恐れがある。
かかる観点から該濃度は3〜30重量%であるのが好ま
しい。
本発明では、上記のようなフィブリル化剤を含む処理液
中に被処理布帛を浸漬放置するか、浸漬後絞液して放置
するのが好適である。
該処理液の温度は、5〜80℃、特に10〜50℃が望
ましく、浸漬絞液する場合、該布帛が保持するフィブリ
ル化剤の量は、1〜50重量%(対布帛重量)が好まし
い。
該フィブリル化剤による処理によって、フィブリル化抑
制剤が付着していない部分の複合繊維はフィブリル化さ
れ、非或いは低フィブリル化部分(フィブリル化抑制剤
付着部分)との状態の相違により模様が現出するのであ
る。
次いでこのように模様状部分的にフィブリル化した編織
布或いは不織布を加熱して、非或いは低フィブリル化部
分のフィブリル化型複合繊維の物理的衝撃によってのフ
ィブリル化が進行する能力を実質的に失せしめるのであ
る。
か5る加熱の熱源としては、乾熱或いは湿熱の何れでも
よく、その方法としては通常の繊維加工において用いら
れる方法によればよい。
加熱条件としては、乾熱の場合は130℃以上、湿熱の
場合は80°C以上が望ましく、上限温度については特
に制限されるものではないが、得られる繊維構造物の風
合の点から該繊維構造物を構成する繊維状重合体の融点
以下であることが好ましい。
また加熱時間は、加熱の方法により一概ではないが、例
えば最も一般的なピンテンターを用いる場合5秒以上で
ある事が望ましい。
斯くて一時的にフィブリル化が抑制された状態にある非
或いは低フィブリル化部分のフィブリル化型複合繊維は
、以後物理的衝撃によってフィブリル化が進むことが実
質的になくなるのである。
即ち、ポリアミド及びポリアミドと親和性のない重合体
からなるフィブリル化型複合繊維は、延伸熱セツト後の
上記加熱により物理的衝撃は勿論のこと、場合によって
は化学的衝撃に対してもフィブリル化が抑制されるとい
う極めて希なる特徴を有していることが本発明の研究過
程で判明したが、更にフィブリル化の十分なる抑制には
上述した加熱温度と時間が好適である。
なお加熱後は前記フィブリル化抑制剤を編織布或いは不
織布から除去してもよいし、またしなくてもよい。
しかし除去する場合は、柔軟性その他の点で一層良好な
製品とする事ができる。
更に加熱後に、染色、制電撥水加工或いは樹脂加工等の
後加工を行ない繊維製品としての品位を高める事は何ら
差し支えない。
斯くて本発明により得られる繊維構造物は、編織布或い
は不織布のある区域のフィブリル化型複合繊維がフィブ
リル化しており、他の区域は該複合繊維がフィブリル化
していないか或いは前記区域よりも低度にフィブリル化
したものであって、しかも該フィブリル化域(見方を逆
にすれば該非或いは低フィブリル化域)が模様をなして
いるものである。
こ5で「フィブリル化している」とは、例えばフィブリ
ル化型複合繊維が第2図の如き横断面を有する場合、各
成分の接合部が分割され、A成分の4本のセグメント糸
とB成分の5本のセグメント糸からなる9本のフィブリ
ルとなっている状態をい5、また例えば該複合繊維が第
5図の如き横断面を有する場合も、同様に分割され、十
字形の横断面を有するA成分の1本のセグメント糸と扇
形の横断面を有するB成分の4本のセグメント糸からな
る5本のフィブリルとなっている状態をいうのである。
更にフィブリル化型複合繊維が他の如何なる横断面形状
を有する場合であっても、そのフィブリル化している状
態は、以上の記載より容易に推察できるであろう。
フィブリル域におけるフィブリル化型複合繊維のフィブ
リル化度は、85%以上、特に90%以上、就中95%
以上であるのが好ましい。
ここでフィブリル化度とは、次の方法によって測定され
た値をいう。
即ち、測定すべき区域にあるフィブリル化型複合繊維(
フィブリル化して繊維束の状態となっているもの、一部
フイブリル化しているもの及び全くフィブリル化してい
ないものを含む)について任意の100本の断面を観察
し、実際に分割されて存在するフィブリル本数Nを計数
する。
この場合全くフィブリル化していない複合繊維は1本、
また一部フイブリル化しているものは半フィブリル化複
合繊維とそれから分割されて存在するフィブリル本数と
の合計本数とする。
次に該100本の複合繊維が完全にフィブリル化したと
想定した場合に得られるフィブリル本数(Np)を算出
し、−Lx 1o oの値をフィブリル化度とする。
Np フィブリル域がなす模様の形状は、前述したように特に
限定されるものではなく、布帛上に表現し得る模様であ
れば如伺なるものであってもよい。
フィブリル化していないか或いはフィブリル化度が低度
の区域のフィブリル化型複合繊維は、通常では物理的衝
撃、例えば染色等の後工程や縫製時等の外力、衣料品と
して着用する際の屈曲や摩擦等の外力、によってフィブ
リル化が徐々に進行するが、本発明の場合は、該複合繊
維が物理的衝撃によってフィブリル化が進行する能力を
実質的に失っているため、長期の使用によって模様がぼ
ける或いは消滅するといったことがなく、模様を半永久
的に維持し得るのである。
か5るフィブリル化していないか或いはフィブリル化度
が低度の区域のフィブリル化型複合繊維のフィブリル化
度は40%以下、特に30%以下、就中20%以下であ
ることが明瞭なフィブリル模様を保持する上で望まれる
本発明の繊維構造物は、以上のようにフィブリル化区域
と非或いは低フィブリル化区域とが模様状に配置補完さ
れているため、光沢、ボリュウム感、透明感、染色を施
した場合は色調が模様をなして微妙に変化する衣料用素
材、或いはカーテン等のインテリア素材としては極めて
有効なものである。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、勿
論如伺なる態様においても本発明はか5る実施例に限定
されるものではない。
実施例 1 相対粘度38.8(8,4%蟻酸溶液中、30℃)のナ
イロン66と個有粘度0.63(オルツク旧レフエノー
ル中、30°C)のポリエチレンテレフタレート(以下
PETと略称する。
)を1:3(容積比)の割合で溶融紡糸し、700m/
minで巻き取って第7図と同様の断面を有するフィブ
リル化型複合フィラメント未延伸糸を得た。
但しナイロン66が十字形部及びV字形部をPETがそ
の以外の部分を構成する如く接合した。
該未延伸糸を85℃に加熱された熱ローラーを使用して
4.02倍に延伸し、150℃のプレートに接触せしめ
てセットし、800 m/minで巻き取って50d/
25fのフィブリル化型複合フィラメントを得た。
該複合フィラメントを用いて、フロント組織第9図−バ
ック組織第10図の如く28ゲージのトリコット編機を
使用して機上コース数80/インチにてトリコットサテ
ン地を編成し生地とした。
該トリコットサテン地に花模様状に穴のあいたスクリー
ンを通して下記の組成からなるフィブリル化抑制剤の混
合液を塗布した後、100℃にて10分間乾燥し固着し
た。
該付与による抑制剤の付着量は被付着部分の繊維の重量
に対し0.5%であった。
フィブリル化抑制剤混合液組成 抑制剤:ポリアクリル酸エステルアンモニウム塩20重
量%水溶液(商品名 プラスサイズJ6互応化学工業■
製) 50重量部 増粘剤:界面活性剤(Reducer conc 50
0 、大日本インキ化学工業■製) 5重量% 水 35/150重量% ミネラルターペン 60 〃 (上記ポリアクリル酸エステルアンモニウム塩は乾燥工
程によってアンモニアがはずれ、耐水性に優れた皮膜を
形成する。
)斯くの如くフィブリル化抑制剤が、花模様状に付着し
たトリコットサテン地を30℃のベンジルアルコールの
15%水性エマルジョン(乳化剤として日華化学■製、
サンモールB K Concを1.5%使用)中に浸漬
後マングルにて搾成し、30分間室温にて放置した後充
分水洗し、100℃にて乾燥した。
次いでピンテンターを使用して180℃にて1分間加熱
処理した後、アルカリ浴中にてフィブリル化抑制剤の溶
解除去を実施し、乾燥した。
得られた繊維構造物は、複合フィラメントの模様状部分
的フィブリル化に基づくバルキー性と光沢を有する外周
部と、透明感を与える花模様部とから成る極めて鮮明な
る模様状にフィブリル域を有するものであった。
尚、か\る繊維構造物の模様は、JISL−1079A
法(ユニバーサル法)による共布を用いて1000回の
平面摩耗テストにおいても何ら変化することはなかった
実施例 2 実施例1のフィブリル化型複合フィラメントをフロント
糸とし、バック糸としては30 d/12 fのPET
フィラメントを使用して、実施例1と同様の組織、ゲー
ジ、コース数にてトリコットサテン地を編成し生地とし
た。
該生地に実施例1と同様のフィブリル化抑制剤を実施例
1と同様の方法にて塗布、固有するに際し、スクリーン
のメツシュ、フィブリル化抑制剤混合液組成等を変化さ
せ、該抑制剤付着量が被付着部分の繊維の重量に対し、
0.05%、0.1%、0.5%となる如く調整した。
しかる後実施例1と同様の方法、条件にて複合フィラメ
ントのフィブリル化処理、加熱処理、フィブリル化抑制
剤の溶斗*解除去を順次行なった。
得られた各繊維構造物について、花模様部と外周部のフ
ィブリル化型複合フィラメントのフィブリル化度と模様
の鮮明度合を調べた結果を第1表に示すが、フィブリル
化抑制剤の付着量が0.05%のものはフィブリル化の
抑制が不満足であり、模様はやや不鮮明であった。
但しフィブリル化度の測定は、試料編布をハサミで切断
し、複合フィラメントを取り出し、該フィラメントをパ
ラフィンで包理した後薄層に切り出し、光学顕微鏡で該
薄層片を観察して2成分の分割の程度を観察し、かかる
観察結果から前記した方法によって求めた。
そのフィブリル化度には次のランク付けを行ない、第1
表には、ランクでもって記載した。
分割が90%以上の時 ランクA〃 60%
以上90%未満の時 ランクB〃 30%以上60%未
満の時 ランクC1130%未満の時 ラン
クDなお、本実施例によって得られた製品の模様は、実
施例1と同様の平面摩耗テストによっても何ら変化する
ことはなかった。
実施例 3 個有粘度1.15のナイロン6(メタクレゾール中、3
0°C)と個有粘度0.63のPET(オルソクロルフ
ェノール中、30°C)を実施例1とほぼ同様に紡糸、
延伸して50 d/25 fのフィブリル化型複合フィ
ラメントを得、該複合フィラメントで綾羽二重を製織し
た。
但し機上密度は経160本/インチ、緯116本/イン
チとした。
得られた生地に熱反応性水溶性ウレタン樹脂(商品名エ
ラストロンF−29、第一工業製薬■製)の10%水溶
液を、スプレーにて模様状に吹きつけ、110℃で10
分間乾燥し固着した。
該付与による樹脂の付着量は被付着部繊維の重量に対し
1%であった。
次いで該生地を30℃のβ−フェニルエチルアルコール
の10%水性エマルジョン(乳化度として花王アトラス
■製、スコアロール900を1%含む)中に浸漬後マン
グルにて搾成し、30分間室温にて放置した後光分水洗
し、100℃にて乾燥した。
該フィブリル化処理によりウレタン樹脂の付着部分以外
を構成する複合フィラメントがフィブリ化され、模様が
現出した。
得られた模様状繊維構造物をピンテンターを使用して乾
燥処理するに際し加熱温度を(1)熱処理なし、(2)
120’C,(3)130℃、(4) 160℃、(5
)190°C,(6)220℃の各温度にて実施した。
なお熱処理時間は各々1分間とした。
しかる後高圧ウィンスにてポリエステルサイドのみの染
色を実施した。
以上の結果を第2表に示す。第2表で明らかな様に、加
熱処理を実施しないもの(番号1)及び温度が低く熱処
理が不十分なもの(番号2)は、高圧染色中における揉
み、しごき等の物理的衝撃によって未フィブリル化複合
フィラメントのフィブリル化が促進され、模様が不鮮明
となり、また複合フィラメントの構成成分であるナイロ
ン6の融点温度での加熱処理(番号6)の場合、風合が
粗硬となり好ましい結果は得られなかった。
実癩例 4 実施例1のフィブリル化型複合フィラメントをカットフ
ァイバーとし、綿と混合して紡績糸とした。
但し混合比率を変化させ複合繊維の比率が5重量%、1
0重量%、50重量%の3種類の紡績糸を作製した。
該紡績糸にて実施例3と同様の密度で綾羽二重を製織し
生地とした。
該生地に実施例1と同様にフィブリル化抑制剤付与、固
着処理、フィブリル化処理、加熱処理、抑制剤溶解除去
処理を順次実施したところ、得られた3種類の製品の中
で、複合繊維の比率が5重量%のものは、フィブリル化
による模様が不鮮明で品位の低いものであったが、他の
2種類の製品は模様が極めて鮮明な高級感あふれる織物
が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は、本発明に係るフィブリル化型複合繊
維の横断面図であり、第1図は横断面がサイドバイサイ
ド型の複合繊維、第2図は横断面がサイドバイサイド繰
返し型の複合繊維、第3図〜第6図は横断面が放射型の
形状を有する成分と該放射部を補完する形状を有する他
の成分からなる複合繊維、第7図は横断面が放射型の形
状を有する成分と該放射部を補完し且つ中心方向に向い
たV字型の凹部のある形状を有する他の成分と該凹部を
補完するV字型の形状を有する該放射型の形状を有する
成分と同じ成分からなる複合繊維、第8図は横断面が中
空部分のあるサイドバイサイド繰返し型の複合繊維を夫
々示す。 第9図及び第10図は、本発明に用い得るトリコットサ
テン組織を示す組織図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリアミド及びポリアミドと親和性のない重合体か
    らなり、一方の成分を他方の成分が完全に包囲すること
    なく両成分が接合された横断面を有するフィブリル化型
    複合繊維を10重量%以上含む編織布或いに不織布にフ
    ィブリル化抑制剤を模様状に付与し固着後フィブリル化
    剤により処理して該抑制剤付着部分以外の該複合繊維を
    フィブリル化し、次いで加熱により該抑制剤付着部分の
    該複合繊維の物理的衝撃によってのフィブリル化が進行
    する能力を実質的に失せしめることを特徴とする模様状
    にフィブリル域を有する繊維構造物の製造方法。 2 フィブリル化型複合繊維が2成分がサイドバイサイ
    ドに接合された横断面を有する特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 3 フィブリル化型複合繊維が2成分がサイドバイサイ
    ドを繰返して接合された横断面を有する特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 4 フィブリル化型複合繊維が放射型形状の成分と該放
    射部を補完する形状の他の成分が接合された横断面を有
    する特許請求の範囲第1項記載の方法。 5 フィブリル化型複合繊維が放射型形状の成分と該放
    射部を補完し且つ中心方向(こ向いたV字型の凹部のあ
    る形状の他の成分と該凹部を補完するv字型形状の該放
    射型形状の成分と同一の成分が接合された横断面を有す
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。 6 フィブリル化型複合繊維が2成分がサイドバイサイ
    ドを繰返し中空部分を形成するが如く接合された横断面
    を有する特許請求の範囲第1項記載の方法。 7 ポリアミドと親和性のない重合体がポリエステル、
    ポリオレフィン又はポリアクリロニトリルである特許請
    求の範囲第1〜6何れかの項記載の方法。 8 フィブリル化抑制剤がワックス類、パラフィン類、
    ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹
    脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂 ポリ塩化ビ
    ニル樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、弗素系樹脂及
    びゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物
    である特許請求の範囲第1項記載の方法。 9 フィブリル化抑制剤の溶融液、水溶液、有機溶剤溶
    液、分散液又はエマルジョンを模様状に付与する特許請
    求の範囲第1項又は第8項記載の方法。 10 フィブリル化抑制剤をぬりつけ法、スプレー法、
    スクリーン或いはロール捺染法又は転写法により模様状
    に付与する特許請求の範囲第1項、第8項又は第9項記
    載の方法。 11 フィブリル化抑制剤を冷却凝固、湿式ないし乾
    式凝固又は溶剤除去して固着する特許請求の範間第1項
    又は第10項記載の方法。 12 フィブリル化剤がポリアミドを膨潤せしめる薬
    剤である特許請求の範囲第1項記載の方歩。 13 フィブリル化剤がフェノール類又はアルコール
    類であり、その水溶液又は水性エマルジョンを用いる特
    許請求の範囲第12項記載の方法。 14加熱温度が乾熱130℃以上又は湿熱80℃以上で
    ある特許請求の範囲第11項記載の方法。 15加熱時間が5秒以上である特許請求の範囲第1項又
    は第14項記載の方法。
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