JPS6137383B2 - - Google Patents

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JPS6137383B2
JPS6137383B2 JP54123436A JP12343679A JPS6137383B2 JP S6137383 B2 JPS6137383 B2 JP S6137383B2 JP 54123436 A JP54123436 A JP 54123436A JP 12343679 A JP12343679 A JP 12343679A JP S6137383 B2 JPS6137383 B2 JP S6137383B2
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fibrillated
composite fiber
fiber
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Susumu Tanaka
Shozo Makino
Tatsuhiko Onoe
Susumu Tokura
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Kanebo Ltd
Kanebo Gohsen Ltd
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Kanebo Ltd
Kanebo Gohsen Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、フイブリル繊維構造物、詳しくは、
表層部が実質的にポリエステルからなり内層部が
ポリアミドとポリエステルからなる極めて緻密な
構造を有するフイブリル繊維構造物の製造方法に
関する。 従来、極めて細繊度の単糸(フイブリル)から
なる編織布や不織布を起毛すること等によつてス
エード調の外観、風合を有する繊維構造物を得ん
とする試みも数多く提案されている。 その1つに、フイブリル化型複合繊維を用いて
得た編織布や不織布に加熱処理や化学的処理を施
して該複合繊維を各成分に分割(フイブリル化)
後、又は分割前に起毛処理し、スエード調の繊維
構造物とする方法がある。 この方法は、フイブリル化型複合繊維から極細
のフイブリルを発生せしめ、それと同時にある程
度組織も密になるため、組織形態(編目や織目
等)も外に現われず、しかも該フイブリルが立毛
を構成してスエード特有のチヨークマーク性も得
られるというものである。 しかしながら、このようにして得られる繊維構
造物は、柔軟ではあるが張り、腰感がなく、しか
もフイブリル化型複合繊維を構成する複数種の繊
維形成成分が複数種のフイブリルとなつてその
まゝ表層部に残るため染色しても濁つた色調で鮮
明さに欠け、更にチヨークマーク性もスエード本
来のものよりもやゝ弱いものである。 本発明者等は、このような従来の繊維構造物の
前記諸欠点を解消せんとして鋭意研究の結果、フ
イブリル化型複合繊維を用いた繊維構造物に特定
の薬剤を付与後、70℃以上の水蒸気による処理を
施してポリアミドを収縮せしめ、該複合繊維をフ
イブリル化すると共に該繊維構造物の表層部が実
質的にポリエステルからなるものとすれば、表面
のタツチがソフトで、しかも張り、腰感に優れ、
染色により鮮明な色調が得られ、その上必要に応
じ更に研磨起毛すれば優れたチヨークマーク性を
有する繊維構造物が得られることを見出し本発明
を完成するに到つた。 本発明の目的は、表面のタツチがソフトでしか
も張り、腰感に優れ、更に必要に応じ研磨起毛す
れば、スエード特有の極めて優れたチヨークマー
ク性を発現できるフイブリル繊維構造物を提供す
るにある。 他の目的は、染色すれば極めて鮮明な色調を付
与することのできるフイブリル繊維構造物を提供
するにある。 また他の目的は、このように優れた特性を有す
るフイブリル繊維構造物の工業的容易且つ安価な
製造法を提供するにある。 更に他の目的は、以下の記載より明らかとなろ
う。 即ち本発明は、ポリアミドとポリエステルより
なるフイブリル化型複合繊維を用いて不織布或い
は立毛を有する編織布を形成後、5〜50℃の温度
であつて、フエノール、ベンジルアルコール及び
フエニルアルコールの少なくとも1種の薬剤の
1.5〜50重量%水溶液或いは乳化水溶液を該不織
布或いは編織物に含浸或いは塗布し、続いて70℃
以上の飽和水蒸気により処理してポリアミドを収
縮せしめ、該複合繊維をフイブリル化すると共に
該不織布或いは編織布の表層部が実質的にポリエ
ステルからなるものとすることを特徴とするフイ
ブリル繊維構造物の製造方法にある。 こゝでいう不織布或いは立毛を有する編織布の
表層部が実質的にポリエステルからなるフイブリ
ル繊維構造物の内層部は、ポリアミドとポリエス
テルからなる極めて緻密な構造を採り、該繊維構
造物は、各部分(層)を構成する素材からみて実
質的に層状構造をなすものである。 勿論、表層部とは立毛を有する編織布の場合、
立毛部分と立毛を支持する基材部の極く浅い表層
を意味するもので、またその裏面或いは不織布表
裏両面では、その面より比較的浅い内層までの部
分をいう。通常かゝる表層部は、表裏各面より布
の厚みの少なくとも5%までの部分をいう。 参考写真1は、このような本発明に係る層状構
造を有する繊維構造物の例であり、表層部が実質
的にポリエステル(黄色に着色)からなり、内層
部はポリアミド(黒色に着色)とポリエステルか
らなる緻密な構造を採つている。 本発明にいうポリアミドとポリエステルよりな
るフイブリル化型複合繊維とは、ポリアミド成分
とポリエステル成分が単一フイラメントの任意横
断面において、一方の成分を他方の成分が完全に
包囲することなく両成分が接合された形状を有す
る複合繊維をいい、具体的には横断面が第1図の
如きサイドバイサイド型の複合繊維、第2図の如
きサイドバイサイド繰返し型の複合繊維、第3図
の如きサイドバイサイドを繰返し中空部分を形成
する複合繊維、第4図〜第5図の如く放射型の形
状を有する成分と該放射部を捕完する形状を有す
る他の成分からなる複合繊維、第6図の如く放射
型の形状を有する成分と該放射部を補完し且つ中
心方向に向いたV字型の凹部のある形状を有する
成分と該凹部を補完するV字型の形状の該放射型
の形状を有する成分と同じ成分からなる複合繊維
等が挙げられる。 これらの複合繊維のうち、表面のソフトなタツ
チやスエード様のチヨークマーク性の付与に寄与
する極細フイブリルが得易いという点から、中空
部分のある、又はないサイドバイサイド繰返し型
の横断面を有する複合繊維及び横断面が放射型の
形状を有する成分のある複合繊維が好適である
が、とりわけ横断面が放射型の形状を有する成分
のある複合繊維は、横断面形態の安定した繊維が
得易いという利点がある。 尚、ポリアミドとしては、例えばナイロン4、
ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン
12、ナイロン66、ナイロン6・10、ポリメタキシ
レンアジパミド、ポリバラキシリレンデカンアミ
ド、ポリビスシクロヘキシルメタンデカンアミド
及びこれらを成分とするコポリアミド等が挙げら
れる。 ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテ
レフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンオキシベンゾエート、ポリ1・
4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポ
リピパロラクトン及びこれらを成分とするコポリ
エステル等がある。 本発明におけるフイブリル化型複合繊維はその
単糸繊度が1〜10デニール、とりわけ1〜5デニ
ール程度であるのが好ましい。 また該単糸繊度が大きくなるに従い、複合繊維
のフイブリル化後の単糸繊度をある程度に押える
ために、必然的に複合繊維のセグメント数を増加
せしめねばならないが、複合繊維の製造技術上該
セグメント数には上限があるため、複合繊維の単
糸繊度にも自ずから上限が生じる。 また、かゝる複合繊維のフイブリル化後の単糸
繊度、即ちポリアミド或いはポリエステルからな
るフイブリルの平均繊度は、1デニール以下、特
に0.5デニール以下であることが表面のタツチや
チヨークマーク性への配慮の点から好ましい。 本発明におけるフイブリル化型複合繊維を用い
て形成した不織布或いは立毛を有する編織布(こ
れら繊維構造物と称する。)としては、該複合繊
維を用いた通常の不織布や通常の経編、丸編等の
編物、織物に起毛、パフイング等を施したもの、
パイル編織物、該複合繊維を常法により植毛した
編織物等が挙げられる。 これらの繊維構造物は、少なくともその一部
に、編織布の場合には好ましくは少なくとも立毛
部にフイブリル化型複合繊維を用いたものであ
り、勿論他の合成繊維、天然繊維、再生繊維を交
編、交織、混紡して用いることも有用である。 本発明は、これらの繊維構造物に特定の薬剤の
水溶液や乳化水溶液を付与し、該複合繊維のフイ
ブリル化を進行せしめる際に、或いはフイブリル
化後に水蒸気処理を施してポリアミドを収縮せし
め、繊維構造物を実質的に層状構造とするもので
ある。 特にかゝる薬剤付与後の水蒸気処理が層状構造
となし、ソフトなタツチと優れた張り、腰感を付
与するに重要なのである。 従来、このような薬剤付与後に、フイブリル化
進行或いは繊維構造物の収縮を目的として、乾熱
処理や熱水処理を施しているが、何れも付与した
薬剤が大気中や水中に蒸発乃至は溶解するため、
繊維構造物の収縮の程度が不十分である。また、
薬剤の水溶液が乳化水溶液を高温にして処理する
方法もあるが、この場合は薬剤がポリアミドに過
剰に吸収されてポリアミドが過度に膨潤或いは溶
解するため全体の風合が劣化(硬くなる。)する
恐れがあり、また高温では乳化水溶液が不安定と
なり繊維構造物に斑を生じ易い。 本発明において、フイブリル化は、ベンジルア
ルコール、フエニルエチルアルコール及びフエノ
ールの少なくとも1種の薬剤の水溶液又は乳化水
溶液を含浸或いは塗布することによつて行なわれ
る。該薬剤を含浸せしめた時、フイブリル化型複
合繊維がフイブリル化するのは、ポリアミドに対
する該薬剤の膨潤効果の故と考えられる。 尚、上記薬剤の中でも作業環境への影響や繊維
に与える影響からみて、ベンジルアルコール及
び/又はフエニルエチルアルコールが本発明には
好適である。 本発明において薬剤の乳化水溶液とは、該薬剤
に界面活性剤を添加して乳化分散させた液を意味
し、界面活性剤としては、ノニオン系活性剤、カ
チオン系活性剤、アニオン系活性剤、両性活性
剤、又はそれらの混合型等いずれでもよい。薬剤
の濃度は、フイブリル化効果を得るためには1.5
重量%以上とする必要があり、50重量%を超える
と乳化水溶液の場合には不安定となり、又フイブ
リル化工程後の薬剤の除去が非常に困難となる。
更に50重量%を超えるとポリアミド成分以外の成
分に悪影響を与える危険を生じる恐れがある。
かゝる観点から該濃度は3〜30重量%であるのが
好ましい。 本発明のフイブリル化方法の第1段階は、以上
のようにフイブリル化型複合繊維を含む繊維構造
物に薬剤を含浸或いは塗布する工程である。この
含浸は通常の含浸工程と同様に行なわれ、含浸液
中を通過或いは浸漬せしめた後にマングルで搾液
或いは脱水機で脱液する。勿論塗布の場合も常法
に従えばよい。含浸或いは塗布液の温度は、5〜
50℃であることが必要で、好ましくは10〜40℃が
よく、含浸搾液或いは塗布後該繊維構造物が保持
する薬剤液のピツクアツプ量は、純薬剤分として
1〜50重量%(対繊維構造物)であるのがよい。 含浸する薬剤の温度及びピツクアツプ量は、該
繊維構造物の組織、密度或いは用いるフイブリル
化型複合繊維の繊維構造物に対する割合から適当
に調整すべきである。 尚、薬剤の水溶液や乳化水溶液中にシリコン化
合物やポリオレフイン等の風合調節剤を予め添加
して使用すれば、得られる繊維構造物の風合をコ
ントロール(例えば組織緻密化により硬くなるの
を防ぐ。)することができる。 かゝる薬剤付与後(好ましくは薬剤液の含浸又
は塗布開始後少なくとも1分を経過した後)、70
℃以上、好ましくは90〜120℃、より好ましくは
90〜100℃の水蒸気処理を施しポリアミドを収縮
せしめて繊維構造物を層状構造となすのである。
70℃未満の水蒸気による処理では、十分な層状構
造を形成することができず、本発明の目的を達し
得ない。また、水蒸気としては飽和水蒸気を用い
る。不飽和水蒸気では、層状構造に斑が生じるこ
とがあり、過飽和水蒸気では蒸気のドリツプが発
生し、繊維構造物を汚染することがあるので注意
を要する。 このように水蒸気で繊維構造物を処理し、その
目的を達するには、、2秒以上行なうのが好まし
い。しかしながら、前記した薬剤のピツクアツプ
量や、水蒸気の温度等により処理時間を適当に調
節する必要がある。尚、通常のピツクアツプ量や
水蒸気温度の場合は、4〜20秒程度で十分であ
る。 斯くてポリアミドが内層部まで収縮沈降し参考
写真1に示すように表層部が実質的にポリエステ
ル(黄色)からなり、内層部は勿論ポリエステル
も残存するがポリアミド(黒色)が収縮し緻密な
組織となつた層状構造を有する繊維構造物が得ら
れるのである。 このような繊維構造物は、表層部が実質的にポ
リエステルのフイブリルからなるため、表面のタ
ツチがソフトな上に染色しても濁らず鮮明な色調
を有するものとなる。また必要に応じて研磨起毛
すればスエード本来の優れたチヨークマーク性を
有するものとなる。勿論、内層部は緻密な構造で
あるため全体としての張りや腰感も満足できるも
のである。 尚、前述した従来の方法である薬剤付与後に熱
水処理を施した場合は、参考写真2に示すよう
に、ポリアミドの収縮沈降が十分でなく、構造物
全体にポリアミドとポリエステルが混在するもの
であるため、柔軟ではあるが張り、腰感がなく、
染色しても濁つた色調となり、チヨークマーク性
もやゝ弱いものである。 本発明方法によつて得られたフイブリル繊維構
造物は、必要に応じて染色、樹脂加工、起毛、シ
ヤーリング、パフイング、仕上処理等を施すこと
ができる。 かゝるフイブリル繊維構造物は、人工スエード
の基材として特に優れたものであり、該構造物に
ポリウレタン等の弾性体を付与し、パフイング等
の処理を施せば、天然スエードに比肩し得る人工
スエードを得ることができる。 以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、実施例中「%」とあるは特に断わりのな
い限り「重量%」を意味する。 実施例 1 第5図に示したような横断面を有し、但しA成
分としてナイロン6を、B成分としてポリエチレ
ンテレフタレート(以下PETと略称する)を用
いた50デニール/25フイラメントのフイブリル化
型複合繊維をフロント糸として用い、通常の30デ
ニール/12フイラメントのPET糸をバツタ糸と
して用いてトリコツトサテンを編成した。但し28
ゲージのトリコツト編機を使用し、コースは90コ
ース/インチとした。得られたトリコツト生機の
表面及び裏面の両面を針布起毛機を用いて起毛し
た。次いで該起毛トリコツトに次のようにしてフ
イブリル化型複合繊維のフイブリル化処理を施し
た。 先ずベンジルアルコール8%、陰イオン活性剤
2%の乳化水溶液を30℃で含浸、搾液した。該乳
化水溶液のピツクアツプ率は75%/起毛布であつ
た。 次いで該起毛布に第1表に示す各種条件で水蒸
気処理を施し、続いて水洗によつて十分にベンジ
ルアルコールを除去後乾燥した。 得られたフイブリル化起毛布()〜()を
180℃で60秒間ヒートセツトし、次いで高圧ウイ
ンス中分散染料(C.l.Disperse Brown 9)10%
o.w.f.にて130℃で90分間高温高圧染色し、還元
洗浄、水洗後乾燥した。 染色後ポリウレタンのジメチルホルムアミド溶
液を含浸し、水中でポリウレタンを再生した。こ
の時のポリウレタンの付着量は15%/染色布であ
つた。 次いでポリウレタン付着染色布にベルトサンダ
ーでサンデイングを行ない、仕上処理して人工ス
エード()〜()を得た。 得られた人工スエードの外観・風合を7人の熟
練した判定者によつて観察し、表面タツチ、張
り、腰感、チヨークマーク性及び色調を評価し
た。その結果を第1表に示す。
【表】 第1表に見られるように、人工スエード
()、()はナイロン6とPETが表層部にも共
存し層状構造を形成していないため、全体として
柔軟ではあるものゝ、張り、腰感なく、チヨーク
マーク性も不自然で、濁つた鮮明さに欠ける色調
のものであつた。これに対し人工スエード
()、()、()は、層状構造を有し、表面タ
ツチもソフトな上に張り・腰感にも優れ、且つ天
然スエードと同様の優れたチヨークマーク性を有
し、表層部が実質的にポリエステルからなるため
色調も鮮明であつた。 尚、各人工スエードの断面構造の観察には、反
射顕微鏡を用いた。 また、前記フイブリル化起毛布()及び
()につき、ポリエステル成分は黄色、ポリア
ミド成分は黒色に染色して得た2種の染色布の断
面の反射顕微鏡写真を起毛布()の場合を参考
写真2に、起毛布()の場合を参考写真1に示
す。 参考写真2の場合は、層状構造が形成されてお
らず、しかも表層部までポリアミドとポリエステ
ルが混在しており、内層部もさほど緻密でないも
のであるが、参考写真1ではポリエステル(黄
色)が実質的に表層部を占め、ポリアミド(黒
色)は収縮沈降し、内層部はポリアミドとポリエ
ステルからなる極めて緻密な構造となつた多層構
造が形成されている。 実施例 2 実施例1で用いた複合繊維を38mmのカツト長に
切断し、ランダムウエバーを用いてウエブを形成
し、針番手40番を用い針密度3000p/cm2となる如
くニードルパンチを施し、3次元絡合不織布を
得、スライスして0.7mm厚のものとした。該不織
布にβ−フエニルエチルアルコール20%、非イオ
ン活性剤3%の乳化水溶液を、ピツクアツプ率80
%になるように含浸せしめ、98℃の飽和水蒸気に
て10秒間処理し、水洗・乾燥した。 その後該不織布に実施例1と同様にして染色、
ポリウレタン付与、サンデイング、仕上処理を施
し、人工スエードを得た。 得られた人工スエードは、表面ソフトなるも張
り・腰感に優れ、チヨークマーク性や色調鮮明さ
の点でも優れたものであつた。 実施例 3 経糸としてPETの150デニール/48フイラメン
トの仮撚加工糸を用い、緯糸として第4図のよう
な横断面を有し、成分Aがナイロン6、成分Bが
PETからなる150デニール/75フイラメントのフ
イブリル化型複合繊維を用いて、織密度経糸100
本/in、緯糸60本/inの5枚朱子織の織物を得
た。この織物を針布起毛機に12回通して起毛織物
を得た。 該起毛織物に本発明方法によつてフイブリル
化・収縮処理を施した。即ち20%ベンジルアルコ
ール乳化水溶液に含浸し、10分後に98℃の飽和水
蒸気中で10秒間処理を行なつた。含浸時の乳化水
溶液のピツクアツプ率は、80%(対起毛織物)、
温度は30℃であつた。蒸気処理に次いで50℃の温
水中にて十分に洗浄、乾燥し、180℃で1分間ヒ
ートセツトした。これをフイブリル化起毛布
()とする。 他に対照として同じ起毛織物にフイブリル化処
理を施した。即ち上記と同様にしてベンジルアル
コール乳化水溶液に含浸し、10分後に蒸気処理を
行わずに50℃の温水で洗浄し、同様に乾燥、ヒー
トセツトをしてこれをフイブリル化起毛布()
とした。 フイブリル化起毛布()、()を次のように
して染色した。高圧ウインスを用いて、先ず分散
染料(C.l.Disperse Blue 139、8%OWf)によ
つて130℃で90分間高温、高圧染色を行い、PET
成分を染色し還元洗浄を行つた。 次いで酸性染料(C.l.Acid Blue 247、4%
OWf)によつて85℃で60分間染色を行い、フイ
ツクス処理をしてそれぞれ染色布()及び
()を得た。 本発明方法によつて得られた染色布()は、
鮮明な色相、すぐれたチヨークマーク性、張り、
腰を要するものであつたが、対照の染色布()
は布の表層部にPETとナイロンのフイブリルが
混在するために、PETとナイロンがかなり近い
色に染色されているにもかゝわらず、くすんだ色
相であり、又チヨークマーク性、張り、腰も不十
分なものであつた。 実施例 4 実施例1で用いた50デニール/25フイラメント
のフイブリル化型複合繊維をフロント糸として用
い、通常の30デニール/6フイラメントのナイロ
ン6糸をバツク糸として用いてトリコツトサテン
を編成した。28ゲージのトリコツト編機を使用
し、コースは90コース/inとした。該トリコツト
生機を針布起毛機を用いて表面及び裏面の両面を
起毛した。 次いで該起毛トリコツトを実施例3と同様の方
法によつてフイブリル化処理を行い、本発明方法
によつて処理したものをフイブリル化起毛布
()とし、対照方法によつて処理したものをフ
イブリル化起毛布()とした。 両フイブリル化起毛布を実施例3と同様の方法
によつて染色し、次いでシヤーリング加工を施し
て、それぞれ染色布()及び()とした。 本発明方法によつて得られた染色布()は、
鮮明な色相、すぐれたチヨークマーク性を有し、
且つ強靭な張り及び腰を有するもので、特に靴、
インテリア用等に有用なものであつた。対照の染
色布()は、くすんだ色相であり、チヨークマ
ーク性、張り、腰何れも不十分なものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は本発明に使用し得るフイブリ
ル化型複合繊維の横断面図であり、第1図は2成
分がサイドバイサイドに接合された横断面を有す
る複合繊維、第2図は2成分がサイドバイサイド
を繰り返して接合された横断面を有する複合繊
維、第3図は2成分がサイドバイサイドを繰り返
し中空部分を形成するが如く接合された横断面を
有する複合繊維、第4図〜第5図は放射型形状の
成分と該放射部を補完する形状の他の成分が接合
された横断面を有する複合繊維、第6図は放射型
形状の成分と該放射部を補完し、且つ中心方向に
向いたV字型の凹部のある形状の他の成分と該凹
部を補完するV字型形状の該放射型形状の成分と
同一の成分が接合された横断面を有する複合繊維
を夫々示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリアミドとポリエステルよりなるフイブリ
    ル化型複合繊維を用いて不織布或いは立毛を有す
    る編織布を形成後、5〜50℃の温度であつて、フ
    エノール、ベンジルアルコール及びフエニルエチ
    ルアルコールの少なくとも1種の薬剤の1.5〜50
    重量%水溶液或いは乳化水溶液を該不織布或いは
    編織物に含浸或いは塗布し、続いて70℃以上の飽
    和水蒸気により処理してポリアミドを収縮せし
    め、該複合繊維をフイブリル化すると共に該不織
    布或いは編織布の表層部が実質的にポリエステル
    からなるものとすることを特徴とするフイブリル
    繊維構造物の製造方法。 2 フイブリル化型複合繊維が一方の成分を他方
    の成分が完全に包囲することなく両成分が接合さ
    れた横断面を有する特許請求の範囲第1項記載の
    方法。 3 フイブリル化型複合繊維が2成分がサイドバ
    イサイドに接合された横断面を有する特許請求の
    範囲第2項記載の方法。 4 フイブリル化型複合繊維が2成分がサイドバ
    イサイドを繰返して接合された横断面を有する特
    許請求の範囲第2項記載の方法。 5 フイブリル化型複合繊維が2成分がサイドバ
    イサイドを繰返し中空部分を形成するが如く接合
    された横断面を有する特許請求の範囲第2項記載
    の方法。 6 フイブリル化型複合繊維が放射型形状の成分
    と該放射部を補完する形状の他の成分が接合され
    た横断面を有する特許請求の範囲第2項記載の方
    法。 7 フイブリル化型複合繊維が放射型形状の成分
    と該放射部を補完し且つ中心方向に向いたV字型
    の凹部のある形状の他の成分と該凹部を補完する
    V字型形状の該放射型形状の成分と同一の成分が
    接合された横断面を有する特許請求の範囲第2項
    記載の方法。 8 フイブリル化型複合繊維のフイブリル化後の
    単糸繊度が1.0デニール以下である特許請求の範
    囲第1〜7の何れかの項記載の方法。 9 立毛を有する編織布がフイブリル化型複合繊
    維が少なくとも立毛部を構成するパイル編織布又
    は起毛編織布である特許請求の範囲第1〜8の何
    れかの項記載の方法。 10 乳化水溶液がフエノール、ベンジルアルコ
    ール及びフエニルエチルアルコールの少なくとも
    1種の薬剤に界面活性剤を添加し、水中に乳化分
    散させた液である特許請求の範囲第1〜9の何れ
    かの項記載の方法。 11 不織布或いは編織布に含浸或いは塗布する
    薬剤の水溶液或いは乳化水溶液量が純薬剤分とし
    て不織布或いは編織布重量に対し1〜50重量%で
    ある特許請求の範囲第1〜10の何れかの項記載
    の方法。 12 水蒸気の温度が90〜120℃である特許請求
    の範囲第1〜11の何れかの項記載の方法。 13 水蒸気による処理時間が2秒以上である特
    許請求の範囲第1〜12の何れかの項記載の方
    法。
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