JP3008414B2 - 立毛繊維シートおよびその製造方法 - Google Patents

立毛繊維シートおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な立毛繊維シートとその製造方法に関
するものであり、詳しくは、織編物と表面に極細繊維の
立毛毛羽を有する絡合極細繊維シートとからなる立毛繊
維シートとその製造方法に関するものである。
本発明にかかる立毛繊維シートは、コート、ジャケッ
ト、スカートなどに供される衣料用人工皮革として、ま
た、カーシート、ソファーなどに供される資材用人工皮
革などとして好適に用いられ得る。
[従来の技術] 従来、織編物と表面に極細繊維の立毛毛羽を有する絡
合極細繊維シートとからなる立毛繊維シートとしては、
例えば、特開昭62−78281号公報などに記載されたもの
等が知られている。
しかしながら、一般に該立毛繊維シートは、高分子弾
性体を含浸するため、風合が硬くなり、また毛羽の方向
性が規制され美しい毛羽表面が得られない等の欠点があ
った。
また、このような欠点の発生の防止するために、高分
子弾性体の含浸量を少なくすると、表面の毛羽が落ちや
すくなるという新たな欠点を生じていたものである。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、従来、織編物と絡合極細繊維と表面
の極細繊維毛羽を有している立毛繊維シートが有してい
た、 (1) 高分子弾性体を含浸するため、風合が硬くな
り、また毛羽の方向性が規制され美しい毛羽表面が得ら
れない、 また、逆に (2) 高分子弾性体の含浸量を少なくすると、表面の
毛羽が落ちやすくなる、 という2つの相反する欠点を同時に解消し得て、ソフト
な風合と美しい毛羽表面を有し、また、表面の毛羽落ち
も少ない立毛繊維シートおよびその製造法を提供せんと
するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記問題点を解決するため鋭意研究し
た結果、ついに本発明に達した。
すなわち、本発明の立毛繊維シートは、次のA〜Dの
構成要素から構成され、かつ、D要素の高分子弾性体が
含浸されたものであって、かつ、該織編物付近に偏在し
ていることを特徴とする立毛繊維シートである。
A.立体的に絡合した繊度0.8デニール以下の極細繊維、 B.該極細繊維の一部からなる表面の毛羽、 C.裏面付近の織編物、 D.一種または複数種の高分子弾性体、 また、かかる本発明の立毛繊維シートにおいて、好ま
しくは、該高分子弾性体の下記式で定義づけられる存在
比Xが、0.6以上であることを特徴とするものである。
X=W1/W0 ただし、 W1:立毛繊維シート裏面層の高分子弾性体重量
(g)) W0:立毛繊維シート表面層および裏面層の高分子弾性
体重量(g) 上式中、表面層および裏面層とは、繊維シートを厚み
方向に1/2にスライスして得られた2枚のシートのう
ち、表面の毛羽を有する方を表面層、裏面付近の織編物
を有する方を裏面層とするものである。
また、さらに好ましくは該Xの値が、0.8以上である
ものであり、最も好ましくは0.9以上であるものであ
る。あるいはまた、好ましくは、極細繊維が、織編物と
絡合していることを特徴とする立毛繊維シートであり、
あるいはまた、二種以上の高分子弾性体が含浸されてな
ることを特徴とす立毛繊維シートである。
また、本発明の立毛繊維シートの製造方法は、両面付
近に織編物を有していてかつ極細繊維および/または極
細繊維形成能力のある繊維よりなる絡合シートに、高分
子弾性体溶液を含浸し、さらに該高分子弾性体を偏在さ
せつつ凝固せしめ、さらにシート厚み方向に約1/2にス
ライスすることを特徴とする立毛繊維シートの製造方法
である。また、かかる立毛繊維シートの製造方法におい
て、好ましくは、該高分子弾性体溶液がポリウレタン弾
性体の有機溶剤溶液であるものである。
あるいはまた、本発明の立毛繊維シートの製造方法
は、両面付近に織編物を有していてかつ極細繊維および
/または極細繊維形成能力のある繊維よりなる絡合シー
トに、高分子弾性体分散液を含浸し、さらに該高分子弾
性体を偏在させつつ凝固せしめ、さらにシート厚み方向
に約1/2にスライスすることを特徴をする立毛繊維シー
トの製造方法である。また、かかる立毛繊維シートの製
造方法において、好ましくは、該高分子弾性体分散液
が、ポリウレタン弾性体の水分散液、あるいはアクリル
エステル系重合体の水分散液であることを特徴とする立
毛繊維シートの製造方法である。
[作用] 以下、さらに詳しく本発明の立毛繊維シートおよびそ
の製造方法について説明をする。
本発明の立毛繊維シートは、立体的に絡合した繊度0.
8デニール以下の極細繊維と、該極細繊維の一部からな
る表面の毛羽と、裏面付近に存在する織編物と、一種ま
たは複数種の高分子弾性体とを構成要素とするものであ
り、特に、該高分子弾性体が上述の裏面付近に存在する
織編物付近に偏在している構造を有することを特徴とす
るものである。
ここで偏在とは、かたよって分布している状態を言
い、本発明ではシートの厚さ方向に均一な存在密度で分
布している状態ではなく、シートの厚さ方向において該
高分子弾性体の存在密度に差がある分布状態を言うもの
である。なお、該偏在している該高分子弾性体は、シー
ト厚さ方向の全体にわたって分布していてもよく、ある
いは、一部実質的に存在していない箇所があってもよい
ものである。
上述の偏在の程度としては、該高分子弾性体の下記式
で定義づけられる存在比Xが、0.6以上であることが好
ましく、さらに好ましくは該Xの値が、0.8以上、最も
好ましくは0.9以上であるものである。
X=W1/W0 ただし、 W1:立毛繊維シート裏面層の高分子弾性体重量
(g)) W0:立毛繊維シート表面層および裏面層の高分子弾性
体重量(g) 上式中、表面層および裏面層とは、繊維シートを厚み
方向に1/2にスライスして得られた2枚のシートのう
ち、表面の毛羽を有する方を表面層、裏面付近の織編物
を有する方を裏面層とする。したがって、該X値が0.5
のものは、表面層、裏面層で該高分子弾性体の存在密度
が同一のものであって、偏在しているとは言われないも
のである。
本発明の立毛繊維シートは、このような構造を有する
ことにより、高分子弾性体の含浸量を少なくでき、風合
が硬くなったり、また毛羽の方向性が規制されて美しい
毛羽表面が得られないなどの問題を解消して、ソフトな
風合と美しい毛羽表面を有し、かつまた、一方では、表
面の毛羽も落ちにくいという効果を奏し得たものであ
る。
本発明の立毛繊維シートを得るための具体的な手段の
例としては、まず、0.8デニール以下の極細繊維または
極細化可能繊維のウェブを形成する。
さらに、該ウェブと織編物とを重ね、適宜の絡合処理
を施すことにより、極細繊維または極細化可能繊維どう
し、および極細繊維または極細化可能繊維と織編物との
絡合を十分高めた後に、織編物付近に偏在する高分子弾
性体を付与する工程、表面をバフィングし毛羽立てる工
程、さらに必要に応じて、極細繊維化工程、高分子弾性
体を付与する工程、厚み方向にスライスする工程、染色
工程などを組み合わせて処理することにより、本発明の
立毛繊維シートを得ることができる。
該のウェブを形成する極細繊維の重合体としては、特
に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(以
下、PETという)、ポリブチレンテレフタレート(以
下、PBTという)、ポリエステルエラストマー等のポリ
エステル系、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド
系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、アクリルニト
リル系などの繊維形成を有する重合体が最適である。こ
の中でも、PET、PBT、ナイロン6、ナイロン66等は製品
の風合および実用性の点から特に望ましい。
本発明に用いられる極細繊維の太さは、シートの柔軟
性、触感、外観品位、強力特性などを高めるために、0.
8デニール以下のものであることが重要である。
このような極細繊維は、次のような複合繊維から得ら
れる。
すなわち、例えば、2種以上の重合体からなる高分子
配列体繊維(特公昭44−18369号公報)、互いに相溶性
の小さな2種の重合体が隣接してなる易分割型複合繊維
(特公昭53−37456号公報)等のほか、混合紡糸繊維な
どから得られるものがあり、すなわち、これらから一部
成分を除去することにより残った成分が極細繊維を呈す
るものを用いることができ、また、スーパードロー法に
よる極細繊維も用いることができる。
しかし、本発明はこれにとらわれるものでなく、その
思想をもとに各種発展的形態の繊維が適用可能である。
本発明の極細繊維または極細化可能繊維どうし、およ
び極細繊維または極細化可能繊維と織編物との絡合処理
を行なう方法としては、例えば、ニードルパンチ、高速
流体の噴射などが適用できるが、絡合を内層まで充分に
高めるために、ニードルパンチ処理をするのが特に望ま
しい。
本発明の織編物を構成する繊維には、ポリエステル、
ポリアミド、アラミド等の合成繊維、木綿、羊毛、絹な
どの天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の
半合成繊維などの、織り編みが可能な繊維ならどのよう
な繊維でも使用することができる。使用する糸種として
は、フィラメント糸、紡績糸、あるいはこれらの併用な
ど、特に限定されるものではないが、絡合を高める方法
としてニードルパンチを採用する場合には、700から400
0T/m程度の強撚糸を使用することが、パンチ時の織編物
の切断・損傷を良好に防ぐことができるため望ましい。
本発明に用いられる織編物の目付は、20〜200g/m2
範囲であることが望ましく、最も好適には、30〜150g/m
2の範囲である。目付が20g/m2未満になると、織編物と
しての形態が極めてルーズになり、ウェブ表面に重ねる
際にシワが発生し、均一に広げることが困難になったり
する。また、目付が200g/m2を越えると編織物組織が密
になりすぎて、ウェブとの絡合が概して困難になる。
織編物の種類については、経編み、トリコット編み、
レース編みなどの編み物、あるいは平織、綾織、朱子織
などの織物などの各種のものが使用でき、特に限定され
るものではない。
本発明において織編物付近に偏在する高分子弾性体と
しては、ポリウレタン、ポリアクリルエステル、SBR、N
BR、ポリアミノ酸など、ゴム状弾性を有する重合体なら
何でも使用可能であるが、シート状物の風合・耐毛羽落
ち性を向上させるため、中でもポリウレタン、あるいは
ポリアクリルエステルを用いるのが特に望ましい。
さらに、高分子弾性体自身のフィルム物性としては、
破断時応力30〜800kg/cm2、破断時伸度300〜1000%、10
0%伸長時応力5〜50kg/cm2を有するものがより好まし
く用いられる。
該高分子弾性体は、シート状物の風合の硬化を極力押
え、効果的に耐毛羽落ちを向上させるため、織編物付近
に偏在することが必須であり、前述の如く高分子弾性体
の存在比X値で、0.6以上であることが好ましく、0.8以
上であればさらに好ましく、0.9以上であれば最も好ま
しい。このため、高分子弾性体の付与方法としては、高
分子弾性体の溶液または分散液をシート状物に含浸させ
た後、乾式または湿式法で凝固せしめ、織編物付近に偏
在させる方法が好ましく用いられる。
凝固方法としては、シート表面に熱風を当てることに
より乾燥時のマイグレーションにより高分子弾性体を織
編物付近に偏在させる乾式凝固法や、高分子弾性体を含
浸させる前に予め水等をシート状物に含浸させてさらに
シート表面に熱風を当てて表面層付近を乾かした後に、
高分子弾性体を含浸して織編物付近に偏在させて凝固さ
せる等の湿式凝固法などがとれるが、本発明者の知見に
よれば、前者の乾式法による方法が、簡単さの点などか
ら好ましい。すなわち、生産性の面から、具体的には、
両面付近に織編物を有していて、かつ極細繊維および/
または極細繊維形成能力のある繊維よりなる絡合シート
に、高分子弾性体溶液または分散液を含浸させ、例えば
熱風を当てつつ乾式凝固し、さらに厚み方向に1/2にス
ライスする方法が望ましいものである。
本発明で使用される織編物付近に偏在する高分子弾性
体の付与量としては、1〜100%(極細繊維+織編物に
対する重量%)が望ましく、1%以下では耐毛羽落ちの
効果が乏しく、100%以上では、シート状物の風合が一
般に硬いものとなってしまう。
また、織編物付近に偏在する高分子弾性体に加え、偏
在化しない公知の高分子弾性体を含浸・付与することも
可能である。
本発明の方法で用いられる表面をバフィングし毛羽立
てる方法としては、サンド・ペーパーを用いて、シート
状物の厚み調整とともに行う方法が一般的である。
[実施例] 次に、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに
詳細に説明する。
なお、物性の測定法は次の方法によった。
ドレープ係数:JIS L1096(1979、一般織物試験法) 耐毛羽落ち法:横置きした直径18cmの円柱の外周に、
縦25cm×横10cmの試料を、表面を外側にして張りつけ
る。縦22cm×横5cmのポリエステル65%/コットン35%
の白色ブロード布を、試料表面が該ブロート布に接触す
るよう該円柱の上部外周に添わせる。そして、ブロード
布に58.2g/5cmの縦張力を与えることにより円柱の上部
外周に密着させつつ、角速度12度/秒、振幅角度114度
で3往復させることにより、試料とブロード布摩擦さ
せ、ブロード布についた毛羽の量を、目視判定する。
全く毛羽の付かないものを10級、著しく毛羽の付くも
の1級とし、この中を等分することにより判定等級とし
た。
実施例1 島成分としてポリエチレンテレフタレート、海成分と
してポリスチレンからなる成分比80/20、島数16、複合
繊維のデニール3d、繊維長51mm、捲縮数14山/インチの
海島型複合繊維の原綿を用いて、カード、クロスラッパ
ーの工程を経てウェブを作成し、次いで250本/cm2のニ
ードルパンチを行いプレフェルトを得た。プレフェルト
の両表面に、750−36f、ヨリ数2000T/mの生糸(延伸
糸)強撚糸使いの平織物(目付量90g/m2)を均一に拡げ
張り合わせた後、2000本/cm2のニードルパンチを行ない
目付650g/m2のフェルトを得た。
該フェルトを95℃の熱水中で収縮させた後、オリウレ
タン分散液“パーマリンUA150"(三洋化成工業(株)
製)の18%水希釈液を含浸し、熱風乾燥させた。
さらに、テトラクロルエチレンで海成分ポリスチレン
を抽出、除去した後、厚み1/2にスライスし、スライス
面をバフィングした。
さらに、分散染料を用いて120℃×60分間液流染色
し、厚さ1.12mm、目付360g/m2の繊維シートを得た。
なお、厚み1/2にスライスの後、窒素含量から測定し
た高分子弾性体の存在比X値は0.78であった。
得られたシートは、第1表に示すように風合が柔軟で
優美な表面を有し、かつ優れた耐毛羽落ち性を持ち、ス
エード調人工皮革としてカーシート、スポーツシュー
ズ、家具などの非衣料分野に好適なものであった。
実施例2 ポリウレタン分散液の水希釈液を含浸し、マイクロ波
による加熱乾燥を行った後、熱風乾燥させる以外は実施
例1と同様の操作により、厚さ1.12mm、目付355g/m2
繊維シートを得た。
高分子弾性体の存在比X値は0.57であった。
得られたシートは、第1表に示すように風合が柔軟で
あるものの、耐毛羽落ち性には若干劣り、スエード調人
工皮革として実施例1のものに比べるとやや不満足なも
のであった。
比較例1 ポリウレタン分散液の水希釈液の濃度を30%とした以
外は比較例1と同様により、厚さ1.10mm、目付363g/m2
の繊維シートを得た。高分子弾性体存在比は0.50であっ
た。
得られたシートは、第1表に示すように耐毛羽落ち性
では優れるものの、風合の柔軟性に劣り、また表面外観
も劣るなど、スエード調人工皮革としては不満足なもの
であった。
実施例3 実施例1と同様のフェルトにポリビニルアルコール
(PVA)5%水溶液を含浸し乾燥した後、テトラクロル
エチレンで海成分ポリスチレンを抽出、除去した。
次いで、ポリテトラメチレンオキシグリコール、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジア
ミノジフェニルメタンを主成分とするポリウレタンのN,
N−ジメチルフォルムアミド溶液(12%)を含浸し、水
中で湿式凝固した後、熱水中で脱溶媒・脱PVAし乾燥し
た。さらにアクリルエステル系重合体の水分散液“アク
ロナールYJ2741D"(三菱油化バーデッシュ(株)製)の
1.5%水希釈液を含浸し、熱風乾燥により乾式凝固させ
た後、厚み1/2にスライスし、スライス面をバフィング
した。
さらに、分散染料を用いて120℃×60分間液流染色
し、厚さ0.82mm、目付230g/m2の繊維シートを得た。さ
らに、厚み1/2にスライスの後、N,N−ジメチルフォルム
アミドによる抽出後の窒素含量から測定した高分子弾性
体存在比は0.91であった。
こうして得られた得られたシートは、第2表に示した
ように、風合が非常に柔軟で優美な表面を有し、かつ優
れた耐毛羽落ち性を持ち、スエード調人工皮革としてジ
ャケット、コートなどの衣料分野に好適なものであっ
た。
比較例2 アクリルエステル系重合体の水分散液を付与しなかっ
たことを除いて、他は実施例3と同様の操作により、厚
さ0.82mm、目付225g/m2の繊維シートを得た。
得られたシートは、第2表に示すように風合が柔軟で
はあるものの、耐毛羽落ち性に劣り、スエード調人工皮
革としては不満足なものであった。
[発明の効果] 以上述べた通りの本発明によれば、次のような効果が
得られる。
すなわち、絡合した極細繊維と織編物が、該織編物の
存在するシートの裏面付近で効果的に存在する高分子弾
性体によって止められているため、表面では高分子弾性
体の存在密度を小さくでき得て、柔軟な風合と優美な表
面品位とを持ち、一方では、高い耐毛羽落ち性をも併せ
持つ高品位の立毛シートが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−193582(JP,A) 特開 昭55−84479(JP,A) 特開 昭58−203179(JP,A) 実開 昭51−101381(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06N 3/00 - 3/18

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次のA〜Dの構成要素から構成され、か
    つ、D要素の高分子弾性体が含浸されたものであって、
    かつ、該織編物付近に偏在していることを特徴とする立
    毛繊維シート。 A.立体的に絡合した繊度0.8デニール以下の極細繊維 B.該極細繊維の一部からなる表面の毛羽 C.裏面付近の織編物 D.一種または複数種の高分子弾性体
  2. 【請求項2】該高分子弾性体の下記式で定義づけられる
    存在比Xが、0.6以上であることを特徴とする請求項1
    記載の立毛繊維シート。 X=W1/W0 ただし、 W1:立毛繊維シートの裏面層の高分子弾性体重量(g) W0:立毛繊維シートの表面層および裏面層の高分子弾性
    体重量(g) 上式中、表面層および裏面層とは、繊維シートを厚み
    方向に1/2にスライスして得られた2枚のシートのう
    ち、表面の毛羽を有する方を表面層、裏面付近の織編物
    を有する方を裏面層とする。
  3. 【請求項3】該高分子弾性体の存在比Xが、0.8以上で
    あることを特徴とする請求項2記載の立毛繊維シート。
  4. 【請求項4】該高分子弾性体の存在比Xが、0.9以上で
    あることを特徴とする請求項2記載の立毛繊維シート。
  5. 【請求項5】該極細繊維が、織編物と絡合していること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載の立毛繊維
    シート。
  6. 【請求項6】該高分子弾性体が、二種以上の高分子弾性
    体からなるものであることを特徴とする請求項1、2、
    3、4または5記載の立毛繊維シート。
  7. 【請求項7】両面付近に織編物を有していて、かつ、極
    細繊維および/または極細繊維形成能力のある繊維より
    なる絡合シートに、高分子弾性体溶液を含浸し、さらに
    該高分子弾性体を偏在させつつ凝固せしめ、さらにシー
    ト厚み方向に約1/2にスライスすることを特徴をする立
    毛繊維シートの製造方法。
  8. 【請求項8】該高分子弾性体溶液が、ポリウレタン弾性
    体の有機溶剤溶液である請求項7記載の立毛繊維シート
    の製造方法。
  9. 【請求項9】該高分子弾性体の凝固が、乾式凝固による
    ものである請求項7記載の立毛繊維シートの製造方法。
  10. 【請求項10】両面付近に織編物を有していて、かつ、
    極細繊維および/または極細繊維形成能力のある繊維よ
    りなる絡合シートに、高分子弾性体分散液を含浸し、さ
    らに該高分子弾性体を偏在させつつ凝固せしめ、さらに
    シート厚み方向に約1/2にスライスすることを特徴をす
    る立毛繊維シートの製造方法。
  11. 【請求項11】該高分子弾性体分散液が、ポリウレタン
    弾性体の水分散液である請求項10記載の立毛繊維シート
    の製造方法。
  12. 【請求項12】該高分子弾性体分散液が、アクリルエス
    テル系重合体の水分散液である請求項10記載の立毛繊維
    シートの製造方法。
  13. 【請求項13】該高分子弾性体の凝固が、乾式凝固によ
    るものである請求項10記載の立毛繊維シートの製造方
    法。
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KR101158454B1 (ko) * 2004-02-13 2012-06-19 도레이 카부시키가이샤 피혁모양 시트상물 및 그 제조방법

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