JPS6235515B2 - - Google Patents

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JPS6235515B2
JPS6235515B2 JP54152117A JP15211779A JPS6235515B2 JP S6235515 B2 JPS6235515 B2 JP S6235515B2 JP 54152117 A JP54152117 A JP 54152117A JP 15211779 A JP15211779 A JP 15211779A JP S6235515 B2 JPS6235515 B2 JP S6235515B2
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JP
Japan
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resin
knitted fabric
polyurethane resin
fiber
fibers
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JP54152117A
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Iwakazu Murata
Kuniaki Hayakawa
Yoshio Araya
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は風合い、機能性など衣料用特性の優れ
た樹脂加工編織物およびその製造方法に関する。 繊維編織物は衣料用、非衣料用途に広く用いら
れており、その歴史も長く、数々の改善がなされ
て現在に至つているが、より優れた快適性、より
高い機能性の追求はとどまるところがない。 例えば、天然繊維編織物では風合い面や着心地
の面でそれぞれの素材がもつ特徴が好まれ、時節
に応じて適宜使い分けられているが、防しわ性、
プリーツ性、洗濯などに対する寸法安定性などの
機能特性は必ずしも満足ではない。 一方、合成繊維編織物は素材面での品質の均質
性、生産性、強力特性、取扱い易さなどの長所に
対し、風合いの単調さ、腰張りやライブリネスの
不足、スナツグやピリングの発生し易さなどの短
所があり、改善を望まれている。 従来から、これら風合いや機能性における問題
点を解決すべく、糸加工、編織物設計のみなら
ず、樹脂加工の併用など種々の方法が提案され、
実施されてきた。勿論、これらの改善策は個々の
問題点について、それなりの効果をおさめている
が、効果として必ずしも十分とはいえず、また、
例えば機能性は改善できるが風合いを損うなど弊
害を伴うことも多く、風合いと機能性の両面で、
かつ同時に複数の問題点を改善できたものは皆無
に等しい。 即ち、繊維編織物の防しわ性や抗スナツグ性な
どの機能性を改善する手段として、例えば、編織
物を各種樹脂液に浸漬、絞液後、乾燥、熱処理す
る方法が採られている。この方法では必然的に樹
脂が編織物の表面、内層、裏面にわたり均一に付
着するため、目的とする機能性を改善するのに必
要な量だけ樹脂を付着させると、編織物表面に樹
脂層が露出して、表面風合いを損うとともに、樹
脂が編織物中で繊維表面を覆つたり、繊維間の隙
間を充填したり、さらに編織物の組織交錯点で糸
同志を接結するなどのため、柔軟性の著しい低下
をきたし、例え、機能性が改善できたとしても、
風合いや快適性にかかわる繊維素材の本来の良さ
を失う結果となる。 また他の例として、繊維編織物の防シワ性や抗
スナツグ性などの改善とともに、腰張りの向上や
防水性の付与などを目的として、樹脂液を編織物
の表面に塗布し、乾燥、熱処理する方法が採られ
ている。この方法は主に樹脂皮膜の特性を生かし
て、編織物の機能性を改善せんとするものであ
り、編織物と樹脂皮膜の接着性を維持できる範囲
でできるだけ編織物内層部への樹脂液の浸透を抑
制して表面に樹脂の連続皮膜を形成させる必要が
あり、このため比較的高濃度かつ高粘度の樹脂液
を薄く、均一に塗布する手段が採られる。したが
つて、この方法では必然的に編織物の表面風合い
は樹脂皮膜の触感が強調されること、および曲げ
特性は樹脂皮膜の特性が支配的となるため、繊維
編織物の本来の繊細な味わいは期待できない。 さらに他の例として、上述の樹脂液を含浸する
方法、あるいは塗布する方法において、いわゆる
湿式凝固法と称される手段が採られている。これ
は、樹脂液を含浸あるいは塗布後、乾燥に先立つ
て溶媒の置換あるいはエマルジヨン破壊を急激に
おこない、編織物上の樹脂層を多孔化する方法で
あり、透湿性や通気性が付与されるとともに、樹
脂皮膜が柔軟化されるので、前記乾式法に比べて
かなり柔軟な樹脂加工編織物を得ることが期待で
きるが、この方法を採つたとしても基本的には、
前記の編織物に対する樹脂の付着状態(繊維と樹
脂との位置関係)は変り得ないので、繊維編織物
の本来の風合いや快適性を維持したままで、機能
性を改善することはできない。 また、適用する樹脂については、ポリウレタン
系樹脂が、弾性の付与、伸縮性が大きいこと、風
合いの粗硬化が小さいこと、繊維との接着性が良
いことなど、多くの優れた特性をもちながら、前
記の如く、従来の樹脂加工手段を採る限り、十分
な効果が発揮できなかつた。 本発明者らはこれらの点に鑑み、鋭意検討を重
ねた結果、 (1) 繊維編織物における機能性にかかわる問題点
の多くは構成繊維の移動、毛羽立ち、毛羽の脱
落などに主因があること。 (2) 一方、風合い、快適性などについては、表面
に繊維が露出していること、および適正な範囲
内で構成繊維の移動が必要なこと。 (3) したがつて、樹脂を用いてこれらの点を解決
し、かつ付着した樹脂が最大限にその効果を発
揮するためには、付着した樹脂と繊維との位置
関係、および樹脂の付着形態が重要である。 ことを見出し、本発明の完成に至つたものであ
る。 本発明の主な目的は、合成繊維を主構成繊維と
する、秋冬物用に適した編織物用素材を提供する
ことにある。即ち、風合いに関してはソフトな触
感や適度なライブリネス、ドレープ性を有し、機
能性に関しては保温性、防しわ性、抗ピル性、抗
スナツグ性などを有する。秋冬用、特に紳士用ス
ーツ、スラツクス、コートなどに適した素材およ
びその製造手段を提供することにある。 本発明の他の目的は、合成繊維フイラメント編
織物、とりわけ仮撚加工糸編織物においては、風
合いのソフトさを損うことなく、ドレープ性、ラ
イブリネスを付与し、抗毛羽立ち性、抗ピル性、
抗スナツグ性、保温性、伸縮性などの機能性を改
善する手段を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、天然繊維を主構成
繊維とする編織物においては、天然繊維のもつ風
合いや吸透湿性などの快適性を何ら損うことな
く、防しわ性、寸法安定性、耐洗たく性などを改
善し、かつ毛羽の脱落や組織変形などによるへた
りを低減させる手段を提供することにある。 本発明の主要なる目的は上記の通りであるが、
付随する効果は多岐にわたり、例えば薄地強撚糸
織物においては目ずれや糸返りが防止でき、引裂
き強力や防しわ性を向上させることができ、編物
においては寸法安定性を付与でき、縫製時の編糸
切れが防止できるなどの効果がある。 本発明は上記各種目的を達成せんとするもので
あつて、次の構成を有する。 すなわち、本発明の編織物は、ポリウレタン系
樹脂により樹脂加工された繊維編織物において、
ポリウレタン系樹脂の付着量が繊維編織物の重量
に対して1%〜15%の範囲にあり、かつポリウレ
タン系樹脂が繊維編織物の表層部で皮膜を形成す
ることなく、内層部で網状構造を形成して繊維間
に固着していることを特徴とする樹脂加工編織物
である。 また、本発明の編織物の製造方法は、ポリウレ
タン系樹脂の低粘度溶液またはエマルジヨンを繊
維編織物の表層部に塗布し、繊維編織物の内層部
に浸透させた後、急激な脱溶媒またはエマルジヨ
ンを破壊させて、繊維編織物の内層部でポリウレ
タン系樹脂の網状構造を形成させ、必要に応じて
繊維編織物の表層部の樹脂層を溶解洗浄除去した
後、乾燥、熱処理して繊維間に前記ポリウレタン
系樹脂を網状に固着させることを特徴とする樹脂
加工編織物の製造方法であり、さらには、かかる
樹脂加工編織物の製造方法において、繊維間に上
記の通りにポリウレタン系樹脂を網状に固着させ
た後、繊維編織物の片面または両面を起毛加工す
ることを特徴とする、樹脂加工編織物の製造方法
である。 以下に本発明の構成について詳細に説明する。 即ち、本発明は繊維編織物の内層部でポリウレ
タン系樹脂の網状構造を形成せしめて繊維間に固
着させ、外力による構成繊維の適度な可逆的移動
に対する自由度を付与し、かつ非可逆的移動や毛
羽立ち、毛羽の脱落を防止することにより、風合
いを改善し、または少なくとも風合いを損うこと
なく、複数の機能性を改善した繊維編織物とその
製造方法、ならびに該樹脂加工後に起毛した樹脂
加工繊維編織物の製造方法である。 本発明に用いる繊維編織物は天然繊維、合成繊
維のいずれでもよく、更に両者の混紡、交撚、混
繊、交織、交編など混用編織物でもよく、また糸
使いはフイラメント糸、紡績糸、あるいは両者の
混用などいずれでもよい。また、本発明の効果を
阻害しない範囲内で他の風合い加工や機能性加
工、例えば、制電加工、アルカリ減量加工、起毛
加工などが施されたいかなる繊維編織物でもよ
い。 本発明は上記の繊維編織物に適用できるが、特
に本発明の主目的の一つである秋冬物用に適した
素材を得るには、ポリエステル系、ポリアミド系
などの合成繊維を主構成繊維とする加工糸、紡績
糸、あるいはこれらの混用編織物などが有用であ
る。 本発明ではポリウレタン系樹脂を用いるが、各
種の樹脂について検討の結果、本発明の最も重要
なポイントである繊維編織物内層部で樹脂の網状
構造を形成し、かつ、各種繊維との固着、繊維編
織物の風合いおよび機能性の両面を改善するうえ
で、ポリウレタン系樹脂が必須であることが判つ
た。また、目的とする改善点、効果の程度によつ
て、ポリウレタン系樹脂の種類は適宜選定する必
要があるが、基本的な特性としてはポリウレタン
系樹脂の種類には左右されない。 本発明における樹脂層の構造、即ち付着した樹
脂と繊維との位置関係、および樹脂の付着形態
が、従来から採られている浸漬法やコーテイング
法による樹脂加工品とは根本的に異なる。そこ
で、繊維編織物の風合いと機能性の両面を改善す
る上で最も重要な点である、樹脂層の形成状態、
形成方法について、以下に更に詳しく説明する。 まず、樹脂層の形成状態であるが、付着した樹
脂の大部分は繊維編織物の表層部に皮膜状で存在
することなく、編織物の内層部で網状構造を形成
して繊維間に固着していることを特徴とするもの
である。 ここで表層部とは、繊維編織物において外観上
表面あるいは裏面として観察される部分であり、
内層部とは、表層部以外の部分である。樹脂が皮
膜状あるいは塊状で編織物の表層部に残存付着し
た場合には、例えば染色物において白つぽく変色
したり、樹脂の触感やざらつきのある粗硬感が出
たりして、繊維素材本来の優れた特性が発揮でき
ない。従つて、本発明の目的を達成できる範囲内
で、付着した樹脂の大部分は繊維編織物の内層部
に存在し、かつ網状構造を形成して繊維間に固着
している必要がある。 本発明の網状構造とは、構成繊維の表面で連続
皮膜を形成することなく、主として編織物内層部
の繊維間に存在し、不連続な中空状、気泡状の空
気層を樹脂層内に含み、いわゆる網の如き不連続
な状態で繊維間に固着している状態をいう。した
がつて、このような構造を有するので、外力によ
る構成繊維の適度な可逆的移動に対する自由度が
有り、かつ非可逆的移動が防止され、小さなスプ
リングが無数に編織物内に存在した状態となり、
繊維と樹脂の効果として、風合い的には粗硬化を
伴なうことなく反発性の改善ができ、機能性の面
でも、繊維の非可逆的移動に起因する特性、例え
ば、防しわ性、抗スナツグ性、抗ピル性などが一
挙に改善できる。また、樹脂が網状構造で存在す
るため、樹脂が付着していない場合に比べて通気
性を抑えて保温性を改善でき、しかも透湿性を低
下させないなどの特徴もある。更にまた、繊維編
織物の表層部に樹脂が存在しないことから、繊維
編織物の表面特性として、風合いなど繊維本来の
特性が維持されるのみならず、染色物における色
相変化がない、樹脂の光による劣化などに起因す
る問題が少なく樹脂の耐久性も良い、接着縫製時
の樹脂による接着不良などの障害がないなど、多
くの特徴を兼備している。 ここで図面により本発明を説明すると、第1図
は、本発明の樹脂加工編織物の1例における織物
断面の顕微鏡写真(348倍)であり、織物の内層
部でポリウレタン系樹脂が、クモの巣をかけたよ
うに網状構造を形成して構成繊維間に固着してい
ることがわかる。 また、第2図は、第1図に示した本発明品と比
較をするための、本発明外の樹脂加工編織物にお
ける織物断面の顕微鏡写真(348倍)であり、織
物の表層部においてポリウレタン系樹脂が被膜状
に存在してなるものである。 ポリウレタン系樹脂の付着量については樹脂の
種類、繊維編織物の素材、厚さ、目的とする改善
効果により異なるが種々テストの結果、後述の実
施例1に示すように繊維編織物の重量に対して少
なくとも1%〜15%の範囲にある必要があり、よ
り好ましくは2%〜12%であることが伴つた。と
くに付着量が増大するにつれて機能性改善効果は
向上するが風合い的に樹脂の影響が出てくる。 ところで、本発明のごとくポリウレタン系樹脂
を固着させる手段としては次のような要件があ
る。即ち、ポリウレタン系樹脂液は低粘度で繊維
編織物内部へ浸透が容易である必要がある。低粘
度であるということを一義的に決定することは困
難であり、編織物の種類やポリウレタン系樹脂液
の溶媒、塗付方法などにより異なる。したがつ
て、塗付したポリウレタン系樹脂液が繊維編織物
の内層部へ移行が可能な程度の粘度と定義する。 ポリウレタン系樹脂液は繊維編織物の内部へ十
分浸透する必要があるので溶媒としては繊維との
ぬれのよいものがよい。エマルジヨンの場合、ぬ
れをよくするために浸透剤の併用が望ましい。ま
た、単なるエマルジヨンでなく、空気を入れて発
泡させたエマルジヨンの発泡体も使用できる。発
泡体は通常、粘度が上昇するのでエマルジヨン中
に適量の浸透剤を用いるか、あるいはあらかじめ
繊維編織物に浸透剤を浸透させ、しかる後、ポリ
ウレタン系樹脂の低粘度溶液またはエマルジヨン
を繊維編織物の表層に塗付し、繊維編織物の内層
部に浸透させた後、急激な脱溶媒またはエマルジ
ヨンを破壊させて、繊維編織物の内層部でポリウ
レタン系樹脂の網状構造を形成させ、必要に応じ
て繊維編織物の表層部の樹脂層を溶解洗浄除去す
る。急激な脱溶媒の方法としてはポリウレタン系
樹脂溶剤の貧溶媒あるいは一部良溶媒を含む貧溶
媒との置換により得られる。たとえば溶剤として
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)を用いた場合、貧溶媒としては
水あるいは水蒸気がよい。 エマルジヨンを急激に破壊させる方法としては
例えば次の方法がある。 A 多価金属塩、酸などの水溶液中で凝固する。 B アルコール、アセトンなど界面活性剤を溶解
する溶剤を含む水溶液中で凝固する。 C 極低温で凍結凝固する。 D マイクロ波加熱などの内部加熱により急激乾
燥する。 E 超音波などによる機械的なエマルジヨン破
壊。 また、表層部で皮膜を形成されない程度までポ
リウレタン系樹脂を内層部まで移行させるか、あ
るいは表層部に残存する場合、表層部の樹脂層を
溶解洗浄除去する必要がある。 ついで本発明の具体的な製造方法としてはポリ
ウレタン系樹脂の低粘度溶液またはエマルジヨン
を繊維編織物の表層部に塗布し、繊維編織物の内
層部に浸透させた後、急激に脱溶媒またはエマル
ジヨンを破壊させて繊維編織物の内層部で網状構
造を形成させるわけである。ポリウレタン系樹脂
の溶液は、濃度が高いと急激な脱溶媒またはエマ
ルジヨン破壊を生ぜしめることが難しい場合があ
るので、ポリウレタン系樹脂溶液の濃度は、該急
激な脱溶媒またはエマルジヨン破壊が起り得るよ
うな低いものに、適宜、実際に使用されるポリウ
レタン系樹脂種に応じ設定するのが肝要である。 塗付方法としては各種ローラやドクターナイフ
などによるコーテイング、スプレーノズル、スプ
レーガンなどによる吹き付け、転写など通常用い
られるいずれの方法でもよいが、できるだけ均一
かつ薄く塗付できる方法が望ましい。 また、樹脂加工に連続してあるいは別個に繊維
編織物の片面または両面を起毛することにより抗
ピル性、抗スナツグ性などの機能性、腰張り、ラ
イブリネスなどの風合いを保持しつつ、スパンラ
イク化、スエードライク化が可能である。 起毛の手法としては針布法、サンドペーパによ
る毛羽立て法、パイルカツト法、ループカツト法
などを用い得る。 とくに本発明の起毛加工品はポリウレタン系樹
脂が繊維編織物の内層部のみに樹脂層を形成して
いるため、起毛加工時に樹脂による弊害が皆無に
等しく、製品についても樹脂加工効果と起毛加工
効果が相乗的に現われる。 つぎに実施例を上げてさらに詳しく説明する。 実施例 1 ポリエステル仮ヨリ加工糸織物(150デニール
80フイラメント使い、組織カシミヤ、密度タテ
113、ヨコ99本/インチ、試織染色上り品)にポ
リエーテル系ポリウレタン樹脂、“サンプレン”
(三洋化成(株)試作品、100%モジユラス50Kg/cm2
軟化点150℃)のDMF溶液(有効成分13%、粘度
2000CPS)を用いてグラビアコータ(横山製作所
(株)製)と種々のグラビアロールを用いて織物表面
へコーテイング加工後、コーテイング面を上にし
て約2分間放置して織物内部へ樹脂DMF溶液を
浸透後、水槽中を連続的に通過させて急激な脱溶
媒により湿式凝固させ、予備乾燥後、140℃で有
幅で定長仕上げセツトした。ポリウレタン樹脂の
付着量と製品特性は表−1に示す通りであり、風
合い的には腰張りとライブリネスが付与され、ま
た、機能性では防シワ性、抗スナツグ性、抗毛羽
立ち性などの改善された良好な織物が得られた。 ポリウレタン樹脂の付着量との関連では付着量
が1.5%程度では風合い、機能性とも改善効果が
軽微であり、また21%程度と多くなると風合い、
機能性ともマイナス要因となる特性が出てくるこ
とが判つた。
【表】 <反発率:腰張り特性> 編織物を3CM×6CMの大きさにカツトして
(タテ、ヨコ方向別に)、長手方向に2つ折にして
定速度圧縮型万能試験機(“インストロン”)によ
り定荷重150g/3CM幅まで定速度(5MM/
MIN)で高曲率圧縮した後、同一速度で圧縮開始
点まで回復させたとき、次のように算出(タテ、
ヨコの平均値で表示)した。 反発率=回復仕事量/圧縮仕事量×100 <タツチのソフトさ、ライブリネス> 官能検査法による特性値(判定者5名による平
均) 記号説明 × 不良 △ やや不良 〇 良 ◎ 優良 <防シワ率:モンサント形法> JIS L1079に準じて測定。 <抗スナツグ性:ICI社MACE法> 1級(不良)〜5級(優良)の官能判定(標準
見本使用)。3級以上が合格。 <抗毛羽立ち性:着用や洗濯の繰返しによる毛羽
の立ちにくさ> ピルテスター(JIS L1076 H法)を用い、ブ
ラツシングを20分間行つた後の毛羽立ち程度をみ
る。 大、中、小、無の4段階評価。 <通気性> JIS L1079(フラジール形法)に準ずる。 *:ポリウレタン樹脂の付着量が多くなり、織物
の加工面には若干樹脂が残留した。 比較例 実施例と全く同一の加工糸織物およびポリウレ
タン樹脂を用いて通常行われている含浸法および
コーテイング法について比較テストを行なつた。 水準1:含浸法。ポリウレタン樹脂有効成分8%
(粘度1100CPS)、を用いて含浸後、マングルに
て樹脂液の付着量が織物重量の80%となるよう
に絞つた。ひき続き実施例1と全く同様に水槽
中を通過させた後、仕上げセツトした。 水準2:コーテイング法。ポリウレタン樹脂有効
成分25%(粘度25000CPS) 装置および仕上げ条件は実施例1と全く同様に
仕上げた(グラビアロールは150メツシユ使
用) 製品特性は表−2に示すように単に含浸法では
風合い、機能性とも改善効果が小さく、逆にマイ
ナス効果として、風合い(タツチのソフトさ)の
低下や生地表面(表裏とも)の樹脂による変色な
どが避けられないことが判つた。 また、コーテイング法については従来の方法で
も抗スナツグ性、抗毛羽立ち性など繊維の移動に
関する特性は改善されるが防シワ性などは逆にブ
ランク(未加工の原布)よりも低下する。また、
風合いは当然のことながら従来コーテイング品の
ように織物の風合いは消失し、ポリウレタン樹脂
の風合いとなつた。
【表】 実施例 2 各種の繊維編成物について、実施例1と同じポ
リウレタン樹脂、同じ加工装置を用いて製造し
た。詳細は表−3のとおりである。 ポリウレタン樹脂濃度:13(%) グラビアロール:#20 加工速度:5M/MIN
【表】 表−3に示されるように本発明のポリウレタン
樹脂加工による効果は風合い、機能性の両面で顕
著であり、各種素材の繊維編織物で効果の高いこ
とが判る。 実施例 3 実施例2で製造したポリウレタン樹脂加工ポリ
エステル加工糸織物(カシミヤ)を用いてエメリ
ーによる織物の毛羽立て加工(#180エメリーペ
ーパー、クリアランス3MM、2回通し、表裏と
も加工)したものはポリウレタン樹脂による良好
な反発弾性を有し、表面タツチ、外観が極めてス
エードライクな織物となつた。 一方、機能性に関しても表−4に示すように良
好な防シワ性、抗スナツグ性、抗ピル性を示し
た。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の樹脂加工編織物の1例にお
ける織物断面の顕微鏡写真(348倍)である。第
2図は、第1図に示した本発明品と比較をするた
めの本発明外の樹脂加工編織物における織物断面
の顕微鏡写真(348倍)である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリウレタン系樹脂により樹脂加工された繊
    維編織物において、ポリウレタン系樹脂の付着量
    が繊維編織物の重量に対して1%〜15%の範囲に
    あり、かつポリウレタン系樹脂が繊維編織物の表
    層部で皮膜を形成することなく、内層部で網状構
    造を形成して繊維間に固着していることを特徴と
    する樹脂加工編織物。 2 ポリウレタン系樹脂の低粘度溶液またはエマ
    ルジヨンを繊維編織物の表層部に塗布し、繊維編
    織物の内層部に浸透させた後、急激な脱溶媒また
    はエマルジヨンを破壊させて、繊維編織物の内層
    部でポリウレタン系樹脂の網状構造を形成させ、
    必要に応じて繊維編織物の表層部の樹脂層を溶解
    洗浄除去した後、乾燥、熱処理して繊維間に前記
    ポリウレタン系樹脂を網状に固着させることを特
    徴とする樹脂加工編織物の製造方法。 3 繊維間に前記ポリウレタン系樹脂を網状に固
    着させた後、繊維編織物の片面または両面を起毛
    加工することを特徴とする特許請求の範囲第2項
    記載の樹脂加工編織物の製造方法。
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