JP2836754B2 - 吸水性布帛及びその製造方法 - Google Patents
吸水性布帛及びその製造方法Info
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- JP2836754B2 JP2836754B2 JP2986790A JP2986790A JP2836754B2 JP 2836754 B2 JP2836754 B2 JP 2836754B2 JP 2986790 A JP2986790 A JP 2986790A JP 2986790 A JP2986790 A JP 2986790A JP 2836754 B2 JP2836754 B2 JP 2836754B2
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- fabric
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Description
本発明は、タオルやスポーツシャツ等の生地として好
適に使用しうる吸水性布帛及びその製造方法に関するも
のである。
適に使用しうる吸水性布帛及びその製造方法に関するも
のである。
従来より、タオルやスポーツシャツ等の生地として、
綿100%よりなる比較的密度の粗いパイル生地が用いら
れている。 しかし、この生地は初期吸水性能が低いという欠点が
あった。これは、綿製品に特有の仕上剤(ワックス等)
が繊維表面に付着しているため、水分をはじくからであ
る。従って、洗濯を繰り返すと仕上剤が脱落してゆき、
良好な初期吸水性能が得られる。 しかしながら、洗濯を繰り返すと生地を構成している
綿が脱落してゆき、生地が薄くなったり、風合が悪くな
るという新たな欠点が生じる。綿が脱落してゆく理由
は、綿の繊維長が短く、洗濯によって綿繊維が抜け落ち
てゆくからである。 また、初期吸水性能は向上するが、乾燥しにくくなる
という新たな欠点も生じる。これは、水分が綿繊維内部
に入って、そこで保持されるからである。
綿100%よりなる比較的密度の粗いパイル生地が用いら
れている。 しかし、この生地は初期吸水性能が低いという欠点が
あった。これは、綿製品に特有の仕上剤(ワックス等)
が繊維表面に付着しているため、水分をはじくからであ
る。従って、洗濯を繰り返すと仕上剤が脱落してゆき、
良好な初期吸水性能が得られる。 しかしながら、洗濯を繰り返すと生地を構成している
綿が脱落してゆき、生地が薄くなったり、風合が悪くな
るという新たな欠点が生じる。綿が脱落してゆく理由
は、綿の繊維長が短く、洗濯によって綿繊維が抜け落ち
てゆくからである。 また、初期吸水性能は向上するが、乾燥しにくくなる
という新たな欠点も生じる。これは、水分が綿繊維内部
に入って、そこで保持されるからである。
そこで、本発明は従来の綿100%よりなる生地が持っ
ている上記の欠点を悉く解決することを、その課題とす
るものである。即ち、良好な初期吸収性能及び速乾燥性
を持つと共に、洗濯を繰り返しても繊維素材が脱落せ
ず、更に吸水性能及び速乾燥性も低下しない生地を提供
しようというものである。
ている上記の欠点を悉く解決することを、その課題とす
るものである。即ち、良好な初期吸収性能及び速乾燥性
を持つと共に、洗濯を繰り返しても繊維素材が脱落せ
ず、更に吸水性能及び速乾燥性も低下しない生地を提供
しようというものである。
即ち、本発明は、パイル編地に吸水剤が付与されてな
る吸水性布帛において、前記パイル編地は天竺部とパイ
ル部とから構成され、前記パイル部を形成するパイルの
数は40個/cm2以上であり、且つ前記パイル編地の素材は
単糸デニールが2デニール以下のポリエチレンテレフタ
レート長繊維90〜60重量%とレーヨン長繊維10〜40重量
%とからなり、更に前記吸水剤として、テレフタル酸と
分子量1000〜3000のポリエチレングリコールの重縮合物
であって、その平均重縮合度が3〜10である重縮合物を
主成分とするものを用いることを特徴とする吸水性布帛
及びその製造方法に関するものである。 本発明において使用する基布は、パイル編地である。
このパイル編地は、天竺部(2)とパイル部(1)とか
ら構成されている。天竺部(2)は編組織であり、パイ
ル部(1)は多数のわな(パイル)によって形成されて
いる。パイル部を形成するパイルの数は、40個/cm2以上
である。パイルの数が40個/cm2未満であると、パイル間
での毛細管現象が生じにくくなり、パイル間で吸水しに
くくなると共に保水する能力が低下するため、好ましく
ない。なお、パイル部(1)は天竺部(1)の片面にの
み形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよ
い。両面に形成されている場合には、吸水性や保水性が
倍増し、好ましいものである。 本発明におけるパイル編地の一例としては、第1図に
示す如き編組織のものが用いられる。即ち、第1図にお
いて4F,8Fは1F,5Fで作られた編目A,Bをそれぞれ目外し
し、従って1F,5FのA及びBの編目はそれぞれパイルを
形成する。そして、2F,3F,5F,7Fはそれぞれ天竺部
(2)を形成する。この第1図の編素組織で得られたパ
イル編地は、第2図に示す如くウェール方向に交互にパ
イル部(1)と天竺部(2)とが表裏に形成されてなる
ものである。 このパイル編地の素材は、ポリエチレンテレフタレー
ト長繊維とレーヨン長繊維とからなる。即ち、ポリエチ
レンレテフタレート長繊維とレーヨン長繊維とが混繊さ
れた糸条で編成された編地や、ポリエチレンテレフタレ
ート長繊維からなる糸条とレーヨン長繊維からなる糸条
とで混編成された編地が用いられる。そして、このパイ
ル編地中において、ポリエチレンテレフタレート長繊維
とレーヨン長繊維との割合は、90〜60:10〜40(重量
%)であり、特に好ましくは85〜65:15〜35(重量%)
である。レーヨン長繊維が10重量%未満になると、洗濯
を繰り返した後の吸水性能が低下するので、好ましくな
い。また、レーヨン長繊維が40重量%を超えると、速乾
燥性が低下するので好ましくない。更に、ここで使用さ
れるポリエチレンテレフタレート長繊維の単糸デニール
は2デニール以下である。この単糸デニールが2デニー
ルを超えると、長繊維間で形成される空隙が広くなっ
て、毛細管現象が生じにくくなり、吸水性能が低下する
ので好ましくない。 以上の如き構成のパイル編地に、吸水剤を付与して吸
水性布帛を得る。吸水剤としては、テレフタル酸と分子
量1000〜3000のポリエチレングリコールの重縮合物であ
って、その平均重縮合度が3〜10である重縮合物を主成
分とするものを用いる。吸水剤として、テレフタル酸と
ポリエチレングリコールとの重縮合物を用いるのは、こ
れがポリエチレンテレフタレート長繊維と親和性に富
み、強固にその表面に付着し、洗濯によって脱落しにく
いからである。ポリエチレングリコールの分子量は1000
〜3000である。分子量が1000未満であると、ポリエチレ
ンテレフタレート長繊維表面が十分に親水化されず、長
繊維間での吸水性能が向上しないので好ましくない。ま
た、分子量が3000を超えると、吸水剤か各種の溶媒に溶
解しにくくなり、取り扱いにくくなるため好ましくな
い。また、テレフタル酸とポリエチレングリコールとの
重縮合度は、3〜10である。重縮合度が3未満である
と、冷水に溶解しやすくなり、洗濯を繰り返すと容易に
長繊維表面から脱落するため、好ましくない。また、重
縮合度が10を超えると、吸水剤が各種の溶媒に溶解しに
くくなり、取り扱いにくくなるため好ましくない。 上記の吸水剤をパイル編地に付与する方法としては、
吸水剤を溶解させた溶液にパイル編地を浸漬して、パイ
ル編地に吸水剤を吸尽させる方法が好ましい。具体的に
は、吸水剤を1〜20%o.w.f、更に好ましくは、1.5〜10
%o.w.f溶解させた温度100℃以上の水溶液中に、パイル
編地を10分間以上浸漬して、吸尽処理する方法が好まし
い。。吸水剤の溶解量が1%o.w.f未満であると、パイ
ル編地に対する吸水剤の付与量が少なくなって、良好な
吸水性能が得られない傾向となる。また、溶解量が20%
o.w.fを超えて吸水剤の付与量が多くなっても、吸水性
能の更なる向上は認められない傾向となる。水溶液の温
度が100℃未満であると、吸水剤のパイル編地に対する
吸尽量が少なくなって、良好な吸水性能が得られない傾
向となる。また、吸尽処理時間が10分間未満であって
も、吸水剤のパイル編地に対する吸尽量が少なくなっ
て、良好な吸水性能が得られない傾向となる。 なお、上記においては、パイル編地を編成してから吸
水剤を付与する方法について述べたが、パイル編地を編
成する前、例えばポリエチレンテレフタレート長繊維よ
りなる糸条に吸水剤を付与してもよい。また、パイル編
地に吸水剤を付与する場合でも、編成直後即ち染色前に
行ってもよいし、染色後に行ってもよい。更に、染色加
工と同時に行ってもよく、この場合には染色と吸尽処理
とが同時に行え、合理的である。 以上主として、吸尽処理する場合について述べたが、
本発明においては他の方法で吸水剤をパイル編地に付与
してもよい。即ち、吸水剤を含有する水溶液中にパイル
編地等を浸漬し、圧搾した後乾熱処理をする、従来公知
のパディング法等が採用される。しかしながら、この方
法は前記の吸尽処理法と比較すると、得られた吸水性布
帛から吸水剤が脱落しやすく耐久性のある吸水性能が得
られない。この理由は、必ずしも明確でないが、本発明
で使用する吸水剤は、高温吸尽処理によってポリエチレ
ンテレフタレート長繊維内部に良く吸収され、そしてよ
り強固に固着するためであると考えられる。 以上の如き方法で本発明に係る吸水性布帛を得ること
ができ、この吸水性布帛はタオルやスポーツシャツの生
地として好適に使用しうるものである。
る吸水性布帛において、前記パイル編地は天竺部とパイ
ル部とから構成され、前記パイル部を形成するパイルの
数は40個/cm2以上であり、且つ前記パイル編地の素材は
単糸デニールが2デニール以下のポリエチレンテレフタ
レート長繊維90〜60重量%とレーヨン長繊維10〜40重量
%とからなり、更に前記吸水剤として、テレフタル酸と
分子量1000〜3000のポリエチレングリコールの重縮合物
であって、その平均重縮合度が3〜10である重縮合物を
主成分とするものを用いることを特徴とする吸水性布帛
及びその製造方法に関するものである。 本発明において使用する基布は、パイル編地である。
このパイル編地は、天竺部(2)とパイル部(1)とか
ら構成されている。天竺部(2)は編組織であり、パイ
ル部(1)は多数のわな(パイル)によって形成されて
いる。パイル部を形成するパイルの数は、40個/cm2以上
である。パイルの数が40個/cm2未満であると、パイル間
での毛細管現象が生じにくくなり、パイル間で吸水しに
くくなると共に保水する能力が低下するため、好ましく
ない。なお、パイル部(1)は天竺部(1)の片面にの
み形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよ
い。両面に形成されている場合には、吸水性や保水性が
倍増し、好ましいものである。 本発明におけるパイル編地の一例としては、第1図に
示す如き編組織のものが用いられる。即ち、第1図にお
いて4F,8Fは1F,5Fで作られた編目A,Bをそれぞれ目外し
し、従って1F,5FのA及びBの編目はそれぞれパイルを
形成する。そして、2F,3F,5F,7Fはそれぞれ天竺部
(2)を形成する。この第1図の編素組織で得られたパ
イル編地は、第2図に示す如くウェール方向に交互にパ
イル部(1)と天竺部(2)とが表裏に形成されてなる
ものである。 このパイル編地の素材は、ポリエチレンテレフタレー
ト長繊維とレーヨン長繊維とからなる。即ち、ポリエチ
レンレテフタレート長繊維とレーヨン長繊維とが混繊さ
れた糸条で編成された編地や、ポリエチレンテレフタレ
ート長繊維からなる糸条とレーヨン長繊維からなる糸条
とで混編成された編地が用いられる。そして、このパイ
ル編地中において、ポリエチレンテレフタレート長繊維
とレーヨン長繊維との割合は、90〜60:10〜40(重量
%)であり、特に好ましくは85〜65:15〜35(重量%)
である。レーヨン長繊維が10重量%未満になると、洗濯
を繰り返した後の吸水性能が低下するので、好ましくな
い。また、レーヨン長繊維が40重量%を超えると、速乾
燥性が低下するので好ましくない。更に、ここで使用さ
れるポリエチレンテレフタレート長繊維の単糸デニール
は2デニール以下である。この単糸デニールが2デニー
ルを超えると、長繊維間で形成される空隙が広くなっ
て、毛細管現象が生じにくくなり、吸水性能が低下する
ので好ましくない。 以上の如き構成のパイル編地に、吸水剤を付与して吸
水性布帛を得る。吸水剤としては、テレフタル酸と分子
量1000〜3000のポリエチレングリコールの重縮合物であ
って、その平均重縮合度が3〜10である重縮合物を主成
分とするものを用いる。吸水剤として、テレフタル酸と
ポリエチレングリコールとの重縮合物を用いるのは、こ
れがポリエチレンテレフタレート長繊維と親和性に富
み、強固にその表面に付着し、洗濯によって脱落しにく
いからである。ポリエチレングリコールの分子量は1000
〜3000である。分子量が1000未満であると、ポリエチレ
ンテレフタレート長繊維表面が十分に親水化されず、長
繊維間での吸水性能が向上しないので好ましくない。ま
た、分子量が3000を超えると、吸水剤か各種の溶媒に溶
解しにくくなり、取り扱いにくくなるため好ましくな
い。また、テレフタル酸とポリエチレングリコールとの
重縮合度は、3〜10である。重縮合度が3未満である
と、冷水に溶解しやすくなり、洗濯を繰り返すと容易に
長繊維表面から脱落するため、好ましくない。また、重
縮合度が10を超えると、吸水剤が各種の溶媒に溶解しに
くくなり、取り扱いにくくなるため好ましくない。 上記の吸水剤をパイル編地に付与する方法としては、
吸水剤を溶解させた溶液にパイル編地を浸漬して、パイ
ル編地に吸水剤を吸尽させる方法が好ましい。具体的に
は、吸水剤を1〜20%o.w.f、更に好ましくは、1.5〜10
%o.w.f溶解させた温度100℃以上の水溶液中に、パイル
編地を10分間以上浸漬して、吸尽処理する方法が好まし
い。。吸水剤の溶解量が1%o.w.f未満であると、パイ
ル編地に対する吸水剤の付与量が少なくなって、良好な
吸水性能が得られない傾向となる。また、溶解量が20%
o.w.fを超えて吸水剤の付与量が多くなっても、吸水性
能の更なる向上は認められない傾向となる。水溶液の温
度が100℃未満であると、吸水剤のパイル編地に対する
吸尽量が少なくなって、良好な吸水性能が得られない傾
向となる。また、吸尽処理時間が10分間未満であって
も、吸水剤のパイル編地に対する吸尽量が少なくなっ
て、良好な吸水性能が得られない傾向となる。 なお、上記においては、パイル編地を編成してから吸
水剤を付与する方法について述べたが、パイル編地を編
成する前、例えばポリエチレンテレフタレート長繊維よ
りなる糸条に吸水剤を付与してもよい。また、パイル編
地に吸水剤を付与する場合でも、編成直後即ち染色前に
行ってもよいし、染色後に行ってもよい。更に、染色加
工と同時に行ってもよく、この場合には染色と吸尽処理
とが同時に行え、合理的である。 以上主として、吸尽処理する場合について述べたが、
本発明においては他の方法で吸水剤をパイル編地に付与
してもよい。即ち、吸水剤を含有する水溶液中にパイル
編地等を浸漬し、圧搾した後乾熱処理をする、従来公知
のパディング法等が採用される。しかしながら、この方
法は前記の吸尽処理法と比較すると、得られた吸水性布
帛から吸水剤が脱落しやすく耐久性のある吸水性能が得
られない。この理由は、必ずしも明確でないが、本発明
で使用する吸水剤は、高温吸尽処理によってポリエチレ
ンテレフタレート長繊維内部に良く吸収され、そしてよ
り強固に固着するためであると考えられる。 以上の如き方法で本発明に係る吸水性布帛を得ること
ができ、この吸水性布帛はタオルやスポーツシャツの生
地として好適に使用しうるものである。
本発明には、以下の(a)〜(f)の作用があり、そ
れらが各々組み合わされて、本発明の全体としての作用
を奏する。 (a)本発明に係る吸水性布帛を構成するパイル編地に
は、パイル部と天竺部とがあり、パイル部を構成するパ
イルの数は40個/cm2以上と多いので、パイル間で毛細管
現象が働き、水分等を吸水しやすい。 (b)パイル編地中には、単糸デニール2デニール以下
のポリエチレンテレフタレート長繊維が用いられている
ため、ポリエチレンテレフタレート長繊維間で形成され
ている間隙が狭く、毛細管現象が働き水分等を吸水しや
すい。 (c)パイル編地は、長繊維100%で形成されているた
め、洗濯を繰り返しても繊維が脱落しにくい。 (d)パイル編地中には、一定量のポリエチレンテレフ
タレート長繊維と一定量のレーヨン長繊維とが含有され
ているので、耐久性のある吸水性能が得られると共に速
乾燥性も良好である。 (e)吸水剤として、テレフタル酸と一定の分子量のポ
リエチレングリコールとの重縮合物(重縮合度3〜10)
を用いたので、ポリエチレンテレフタレート長繊維に強
固に吸水剤が固着して、初期吸水性能はもとより耐久性
のある吸水性能をパイル編地に与えることができる。な
お、この重縮合物は取り扱いも容易である。 (f)パイル編地に吸水剤を付与する方法として、ある
特定の吸尽処理法を採用すると、吸水剤がパイル編地に
より強固に固着する。
れらが各々組み合わされて、本発明の全体としての作用
を奏する。 (a)本発明に係る吸水性布帛を構成するパイル編地に
は、パイル部と天竺部とがあり、パイル部を構成するパ
イルの数は40個/cm2以上と多いので、パイル間で毛細管
現象が働き、水分等を吸水しやすい。 (b)パイル編地中には、単糸デニール2デニール以下
のポリエチレンテレフタレート長繊維が用いられている
ため、ポリエチレンテレフタレート長繊維間で形成され
ている間隙が狭く、毛細管現象が働き水分等を吸水しや
すい。 (c)パイル編地は、長繊維100%で形成されているた
め、洗濯を繰り返しても繊維が脱落しにくい。 (d)パイル編地中には、一定量のポリエチレンテレフ
タレート長繊維と一定量のレーヨン長繊維とが含有され
ているので、耐久性のある吸水性能が得られると共に速
乾燥性も良好である。 (e)吸水剤として、テレフタル酸と一定の分子量のポ
リエチレングリコールとの重縮合物(重縮合度3〜10)
を用いたので、ポリエチレンテレフタレート長繊維に強
固に吸水剤が固着して、初期吸水性能はもとより耐久性
のある吸水性能をパイル編地に与えることができる。な
お、この重縮合物は取り扱いも容易である。 (f)パイル編地に吸水剤を付与する方法として、ある
特定の吸尽処理法を採用すると、吸水剤がパイル編地に
より強固に固着する。
実施例 ダブル丸編機LPJ−H型(33″×28G、福原精機製)で
第1図の編組織図に基づき、パイル部を形成する給糸口
1F,5Fには、75デニール/30フィラメントのレーヨン長繊
維糸と55デニール/168フィラメントのポリエチレンテレ
フタレート長繊維加工糸とを混繊した混繊糸条を供給
し、天竺部を形成する給糸口のうち2F,6Fには55デニー
ル/168フィラメントのポリエチレンテレフタレート長繊
維加工糸を、3F,7Fには110デニール/336フィラメントの
ポリエチレンテレフタレート長繊維糸をそれぞれ供給し
て、両面パイル編地を編成した。このパイル編地中の素
材は、レーヨン長繊維が27%で、残りが単糸デニール0.
3デニールのポリエチレンテレフタレート長繊維であっ
た。 このパイル編地を、液流染色機((株)日阪製作所、
サーキュラー染色機)でリラックス,精錬を行った後、
下記組成を水溶液を用い、前記の液流染色機で浴比1:2
0,温度130℃×時間30分間の染色処理及び吸尽処理を行
い、テンター(市金工業社製,ヒートセッター)にて17
0℃×30秒のファイナルセットを行った。得られた吸水
性布帛を構成するパイル編地のパイル数は、80個/cm2で
あった。この吸水性布帛の吸水速度等を試験し、その結
果を第1表に示した。 記 テレフタル酸と主成分が分子量2000のポリエチレング
リコールとの重縮合物(平均分子量7000、平均重縮合度
3.23) 5.0%o.w.f Palanil Yellow 3G(BASF社製) 0.01%o.w.f ニッカサンソルトRZ−8(日華化学製、均染剤) 0.5g/ 酢酸(濃度48%) 0.2cc/ 比較例1 実施例でパイル部を形成するために使用した75デニー
ル/30フィラメントのレーヨン長繊維糸に代えて、55デ
ニール/36フィラメントのポリエチレンテレフタレート
長繊維加工糸を用いる以外は、すべて実施例と同様の方
法で吸水性布帛を得た。従って、この吸水性布帛を構成
するパイル編地は、ポリエチレンテレフタレート長繊維
100%からなるものである。 このようにして得られた吸水性布帛の吸水速度等を試
験し、その結果を第1表に示した。 比較例2 地たてに綿コーマ60/1を用い、パイルたてに綿コーマ
40/2を用いて、両面4本よこタオル組織に製織した一般
に市販されている綿タオルを入手し、この綿タオルより
なる布帛の吸水速度等を試験し、その結果を第1表に示
した。 (注)1)洗濯は以下の如き工程で行った。即ち、洗濯
(40℃×10分)→排水・吸水→ススギ(2分)→排水・
給水→ススギ(2分)→排水・給水→オーバーフロー水
洗(3分)→排水→脱水(2.5分)の順に行った。な
お、使用洗濯機は撹拌型洗濯機であり、使用洗剤は中性
合成洗剤とした。また、試料は825g使用し、浴比1:40
(洗液33)とした。 2)吸水速度はラローズ法で評価した。試料重量に対す
る吸水量の百分率〔(試料の吸水量cc/試料の元重量
g)×100〕を測定し、百分率が150%以上……◎、100
〜150%……○、50〜100%……△、50%以下……×とし
た。 3)乾燥性は以下の方法で評価した。即ち、試料を水に
浸漬後、30秒間遠心脱水を行い、20℃で65%RHの環境下
に放置し、10分毎の水分量の測定を行った。その結果、
180分内に水分がなくなる……◎、180〜360分内に水分
がなくなる……○、360〜500分内に水分がなくなる……
△、500分以上で水分がなくなる……×とした。 4)外観変化は肉眼にて布帛表面の変化を観察した。そ
の結果、殆ど変化なし……◎、若干の変化あり……○、
かなり変化した……△、変化が顕著である……×とし
た。 5)風合はハンドリングにて柔らかさの変化を評価し
た。その結果、殆ど柔らかさに変化なし……◎、若干硬
くなる……○、かなり硬くなる……△、顕著に硬くなる
……×とした。
第1図の編組織図に基づき、パイル部を形成する給糸口
1F,5Fには、75デニール/30フィラメントのレーヨン長繊
維糸と55デニール/168フィラメントのポリエチレンテレ
フタレート長繊維加工糸とを混繊した混繊糸条を供給
し、天竺部を形成する給糸口のうち2F,6Fには55デニー
ル/168フィラメントのポリエチレンテレフタレート長繊
維加工糸を、3F,7Fには110デニール/336フィラメントの
ポリエチレンテレフタレート長繊維糸をそれぞれ供給し
て、両面パイル編地を編成した。このパイル編地中の素
材は、レーヨン長繊維が27%で、残りが単糸デニール0.
3デニールのポリエチレンテレフタレート長繊維であっ
た。 このパイル編地を、液流染色機((株)日阪製作所、
サーキュラー染色機)でリラックス,精錬を行った後、
下記組成を水溶液を用い、前記の液流染色機で浴比1:2
0,温度130℃×時間30分間の染色処理及び吸尽処理を行
い、テンター(市金工業社製,ヒートセッター)にて17
0℃×30秒のファイナルセットを行った。得られた吸水
性布帛を構成するパイル編地のパイル数は、80個/cm2で
あった。この吸水性布帛の吸水速度等を試験し、その結
果を第1表に示した。 記 テレフタル酸と主成分が分子量2000のポリエチレング
リコールとの重縮合物(平均分子量7000、平均重縮合度
3.23) 5.0%o.w.f Palanil Yellow 3G(BASF社製) 0.01%o.w.f ニッカサンソルトRZ−8(日華化学製、均染剤) 0.5g/ 酢酸(濃度48%) 0.2cc/ 比較例1 実施例でパイル部を形成するために使用した75デニー
ル/30フィラメントのレーヨン長繊維糸に代えて、55デ
ニール/36フィラメントのポリエチレンテレフタレート
長繊維加工糸を用いる以外は、すべて実施例と同様の方
法で吸水性布帛を得た。従って、この吸水性布帛を構成
するパイル編地は、ポリエチレンテレフタレート長繊維
100%からなるものである。 このようにして得られた吸水性布帛の吸水速度等を試
験し、その結果を第1表に示した。 比較例2 地たてに綿コーマ60/1を用い、パイルたてに綿コーマ
40/2を用いて、両面4本よこタオル組織に製織した一般
に市販されている綿タオルを入手し、この綿タオルより
なる布帛の吸水速度等を試験し、その結果を第1表に示
した。 (注)1)洗濯は以下の如き工程で行った。即ち、洗濯
(40℃×10分)→排水・吸水→ススギ(2分)→排水・
給水→ススギ(2分)→排水・給水→オーバーフロー水
洗(3分)→排水→脱水(2.5分)の順に行った。な
お、使用洗濯機は撹拌型洗濯機であり、使用洗剤は中性
合成洗剤とした。また、試料は825g使用し、浴比1:40
(洗液33)とした。 2)吸水速度はラローズ法で評価した。試料重量に対す
る吸水量の百分率〔(試料の吸水量cc/試料の元重量
g)×100〕を測定し、百分率が150%以上……◎、100
〜150%……○、50〜100%……△、50%以下……×とし
た。 3)乾燥性は以下の方法で評価した。即ち、試料を水に
浸漬後、30秒間遠心脱水を行い、20℃で65%RHの環境下
に放置し、10分毎の水分量の測定を行った。その結果、
180分内に水分がなくなる……◎、180〜360分内に水分
がなくなる……○、360〜500分内に水分がなくなる……
△、500分以上で水分がなくなる……×とした。 4)外観変化は肉眼にて布帛表面の変化を観察した。そ
の結果、殆ど変化なし……◎、若干の変化あり……○、
かなり変化した……△、変化が顕著である……×とし
た。 5)風合はハンドリングにて柔らかさの変化を評価し
た。その結果、殆ど柔らかさに変化なし……◎、若干硬
くなる……○、かなり硬くなる……△、顕著に硬くなる
……×とした。
以上述べたように、本発明に係る吸水性布帛は、前記
(a),(b),(d),(e)の作用を奏するため、
優れた初期吸水性及び耐久性の良好な吸水性能を持つと
共に、吸水した水を速やかに乾燥させるという効果を奏
し、更に前記(c)の作用を奏するため、洗濯を繰り返
しても外観変化や風合変化が少ないという効果を奏する
ものである。 また、請求項第(2)項記載の方法は前記(f)の作
用を奏するため、この方法で得られた吸水性布帛は、非
常に優れた耐久性のある吸水性能を持つという効果を奏
するものである。 依って、本発明に係る吸水性布帛を、吸汗製品である
タオルやスポーツシャツ等の生地として使用すれば、商
品価値の高いタオルやスポーツシャツ等が得られるので
ある。
(a),(b),(d),(e)の作用を奏するため、
優れた初期吸水性及び耐久性の良好な吸水性能を持つと
共に、吸水した水を速やかに乾燥させるという効果を奏
し、更に前記(c)の作用を奏するため、洗濯を繰り返
しても外観変化や風合変化が少ないという効果を奏する
ものである。 また、請求項第(2)項記載の方法は前記(f)の作
用を奏するため、この方法で得られた吸水性布帛は、非
常に優れた耐久性のある吸水性能を持つという効果を奏
するものである。 依って、本発明に係る吸水性布帛を、吸汗製品である
タオルやスポーツシャツ等の生地として使用すれば、商
品価値の高いタオルやスポーツシャツ等が得られるので
ある。
第1図は、本発明で使用するパイル編地の編組織の一例
を示したものであり、第2図は第1図の編組織で編成し
たパイル編地の模式的横断面図を示したものである。 (1)……パイル部,(2)……天竺部
を示したものであり、第2図は第1図の編組織で編成し
たパイル編地の模式的横断面図を示したものである。 (1)……パイル部,(2)……天竺部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−117880(JP,A) 特開 平1−306677(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 15/507
Claims (2)
- 【請求項1】パイル編地に吸水剤が付与されてなる吸水
性布帛において、前記パイル編地は天竺部とパイル部と
から構成され、前記パイル部を形成するパイルの数は40
個/cm2以上であり、且つ前記パイル編地の素材は単糸デ
ニールが2デニール以下のポリエチレンフタレート長繊
維90〜60重量%とレーヨン長繊維10〜40重量%とからな
り、更に前記吸水剤として、テレフタル酸と分子量1000
〜3000のポリエチレングリコールの重縮合物であって、
その平均重縮合度が3〜10である重縮合物を主成分とす
るものを用いることを特徴とする吸水性布帛。 - 【請求項2】請求項第(1)項記載のパイル編地を、請
求項第(1)項記載の吸水剤を1〜20%o.w.f添加した
温度100℃以上の水溶液中に浸漬し、10分間以上吸尽処
理をすることを特徴とする吸水性布帛の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2986790A JP2836754B2 (ja) | 1990-02-08 | 1990-02-08 | 吸水性布帛及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2986790A JP2836754B2 (ja) | 1990-02-08 | 1990-02-08 | 吸水性布帛及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03234873A JPH03234873A (ja) | 1991-10-18 |
JP2836754B2 true JP2836754B2 (ja) | 1998-12-14 |
Family
ID=12287924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2986790A Expired - Lifetime JP2836754B2 (ja) | 1990-02-08 | 1990-02-08 | 吸水性布帛及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2836754B2 (ja) |
-
1990
- 1990-02-08 JP JP2986790A patent/JP2836754B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03234873A (ja) | 1991-10-18 |
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