JP4839550B2 - 紡績糸及びそれを使用した繊維構造物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量,保温,バルキー性,抗菌性,形状安定性,肌触りに優れると共に、吸湿速乾性をも兼ね備えた紡績糸及びそれを使用した繊維構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
綿や絹、麻、羊毛等の天然繊維は、環境に優しく、しかも風合いや染色性、吸湿性等にも優れているため、種々の衣料に幅広く使用されている。
しかし、天然繊維は、防皺性や防縮性等に欠けるため、洗濯やアイロン掛けに手間がかかることや、ポリエステル繊維等の合成繊維に比して重かったり、吸収した水分の蒸発が遅いため、一旦汗を吸うと、着心地が悪くなり、また洗濯してもなかなか乾燥しない等の点が問題になっている。
【0003】
そこで、例えば、木綿とポリエステル繊維の混紡品や交織品等が市販されているが、これらの繊維は互いに染色性が異なるため、均一な染色が難しく、また、風合い的にも若干の問題があった。
【0004】
また、ポリエステル繊維は、自然に分解されることはないので、使用後の廃物処理にも問題があった。
【0005】
一方、生分解性繊維として知られているポリ乳酸系繊維は、とうもろこし等のデンプンから得られる乳酸を原料として得られるものであって、合成繊維としての基本的な物性や加工性を有するものであるが、染色性に制限があったり、吸湿性に欠けるものであり、また、耐熱性にも問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、かかる異なる繊維に着眼し、それぞれの特性をいずれも有効に発揮でき、廃物処理が容易で、しかも軽量にして、非常に風合いのよい繊維製品となしうる、形状安定性及び吸湿速乾性を兼ね備えた紡績糸を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題は、芯が溶剤可溶性成分である芯鞘型紡績糸であって、鞘部分に、下記(A)又は(B)の短繊維を有することを特徴とする芯鞘型紡績糸,(A)又は(B)の短繊維を構成繊維として有する中空紡績糸,鞘糸の構成繊維として(A)又は(B)の短繊維を有し、芯糸の構成繊維としてとして(C)又は(D)を有することを特徴とする芯鞘型紡績糸,鞘糸の構成繊維として、(A)又は(B)の短繊維を有し、芯糸の構成繊維として、(E)又は(F)を有し、かつ芯糸部分の空隙率が鞘糸部分の空隙率よりも高いことを特徴とする芯鞘型紡績糸,又はこれらの中空紡績糸及び/又は芯鞘型紡績糸を含むことを特徴とする繊維構造物によって達成される。
【0008】
(A)ポリ乳酸系繊維と天然繊維
(B)ポリ乳酸系繊維
(C)溶剤可溶性成分と、ポリ乳酸系繊維および天然繊維からなる糸
(D)溶剤可溶性成分と、ポリ乳酸系繊維からなる糸
(E)ポリ乳酸系繊維および天然繊維からなる糸
(F)ポリ乳酸系繊維からなる糸
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる溶剤可溶性成分としては、ポリ乳酸系繊維や天然繊維を溶解しない溶剤(水又はアルカリ水等の水系溶剤、あるいは各種有機溶剤)に溶解可能な繊維又は溶解可能な樹脂がいずれも使用できる。特に、使用し易いのは、水溶性のポリビニルアルコールを主体としたもの(以下、PVAと述べる)である。
【0010】
この溶剤可溶性成分は、溶剤可溶性繊維として用いても良いし、溶剤可溶性樹脂の形態で、紡績する他の天然繊維やポリ乳酸系繊維に含浸させたり、コーティングする等して用いることができる。
【0011】
本発明で用いられるポリ乳酸系繊維としては、乳酸モノマー単独からなるポリ乳酸繊維だけでなく、生分解性を阻害しない範囲で、他の成分をブレンドまたは共重合して得た繊維も含まれる。例えば国際公開公報WO 00/78839 A1 に記載されるような繊維が使用されればよく、芯糸としては、長繊維として使用されても、短繊維として使用されてもよいが、鞘糸としては、短繊維が好ましい。
【0012】
本発明で用いられる天然繊維としては、綿や絹、麻、羊毛等が挙げられるが、中でも吸湿性,染色性に優れ、肌ざわりが良く、家庭洗濯が容易に出来る等の点から、特に綿が好ましい。
【0013】
この天然繊維は、芯糸としては、長繊維として使用されても、短繊維として使用されてもよいが、鞘糸としては、短繊維が好ましい。
【0014】
本発明の、芯が溶剤可溶性成分である芯鞘型紡績糸を製造する方法としては、たとえば、PVA等の溶剤可溶性性成分からなるフィラメント又は紡績糸を芯糸とし、その外側に更にポリ乳酸系短繊維を紡績する、サイロスパン方式等が挙げられる。
【0015】
この芯が溶剤可溶性成分である芯鞘型紡績糸は、下記の、ポリ乳酸系繊維及び天然繊維,あるいはポリ乳酸系繊維を構成繊維として有する中空紡績糸を、容易に製造することのできる中間製品として好適である。
【0016】
ポリ乳酸系繊維と天然繊維の混率は、使用する糸に求められる上記の物性のどれに重きを置くかによって、任意に選択できるが、質量比で、100:0〜20:80が好ましい。ポリ乳酸系繊維の割合が20重量%以上で、後述する中空糸とした際の紡績糸の速乾性及び形態安定性が優れる。逆に天然繊維の割合が高いと、中空糸とした際の糸の吸水性に優れるため、水分が付着した際に、素速く吸収するという利点がある。
【0017】
可溶性成分からなる芯の割合は、可溶性成分を溶解して中空紡績糸をした際の保温性等を考慮して、紡績糸断面中、7〜75%であることが好ましく、更に15〜65%であることが好ましい。
可溶性成分部分の面積が7%以上であると、溶解後の中空繊維の保温性及びソフト感に特に優れる。また天然繊維によって紡績糸外部から吸収され、ポリ乳酸系繊維に紡績糸内部に素速く移行された水分の蒸発熱が奪われるため、衣類等に用いた場合の、ドライ感や清涼感が向上する。可溶性成分が75%以下であると、製品使用中も中空形態を保持でき、更に糸の強度も確保できるという点で好ましい。
【0018】
ポリ乳酸系繊維及び天然繊維、又はポリ乳酸系繊維を構成繊維として含む中空紡績糸は、上述の芯鞘型紡績糸の、芯部分を、溶剤等で溶解除去することにより、容易に製造することができる。
【0019】
かかる中空紡績糸の構成繊維として、ポリ乳酸系短繊維を用いると、中空糸としての保温性、ソフト感に加えて、糸の反発性、形態安定性に特に優れ、紡績糸内部の空隙への、吸着水分の移行スピードが速く、速乾性に優れるという利点がある。
【0020】
一方、中空紡績糸の構成繊維として、ポリ乳酸系繊維と天然繊維の両方を用いると、上述の利点に加えて、天然繊維の吸水力、肌触りも兼ね備えるため、更に吸湿速乾性が向上し、着心地も良くなるため、好ましい。
【0021】
この中空紡績糸を構成するポリ乳酸系繊維と天然繊維の混率は、使用する糸に求められる上記の物性のどれに重きを置くかによって、任意に選択できるが、質量比で、100:0〜20:80が好ましい。ポリ乳酸系繊維の割合が20重量%以上で、紡績糸の速乾性及び形態安定性が優れるからである。逆に天然繊維の割合が高いと、糸の吸水性に優れるため、水分が付着した際に、素速く吸収するという利点があるからである。
【0022】
この場合の、中空部分の割合は、中空紡績糸断面中、7〜75%であることが好ましく、更に15〜65%であることが好ましい。
中空部が7%以上であると、保温性及びソフト感に特に優れる。また天然繊維によって紡績糸外部から吸収され、ポリ乳酸系繊維に紡績糸内部に素速く移行された水分の蒸発熱が奪われるため、衣類等に用いた場合の、ドライ感や清涼感が向上する。
【0023】
本発明の、鞘糸として前記(A)又は(B)の短繊維を有し、芯糸として(C)又は(D)を有することを特徴とする芯鞘型紡績糸を製造するために、芯糸としては、例えば下記のものが使用できる。
【0024】
まず、ポリ乳酸系繊維や天然繊維(以下、ポリ乳酸系繊維等)に、溶剤可溶性樹脂を含浸させたり、又はポリ乳酸系繊維等を溶剤可溶性樹脂で被覆したりしたものが挙げられるが、通常、ポリ乳酸系繊維等とPVA等の溶剤可溶性繊維の混紡糸、又はポリ乳酸系繊維等の長繊維糸にPVA短繊維を配分し、双糸のように撚り合わさった構造の単糸、或いはポリ乳酸系繊維等の長繊維糸とPVA紡績糸との交撚糸や混繊糸、或いはポリ乳酸系繊維等の長繊維とPVA長繊維のエアー交絡糸として使用するのが好ましい。
【0025】
従って、本発明の、鞘糸として前記(A)又は(B)の短繊維を有し、芯糸として(C)又は(D)を有することを特徴とする芯鞘型紡績糸は、上記の例示された糸を芯糸とし、その外側に更にポリ乳酸系短繊維や天然繊維を紡績する、サイロスパン方式等によって、製造することができる。
【0026】
この芯に溶剤可溶性成分を含む芯鞘型紡績糸は、下記の、鞘糸の構成繊維としてポリ乳酸系繊維及び天然繊維の短繊維,又はポリ乳酸系繊維の短繊維を有し、芯糸の構成繊維としてポリ乳酸系繊維及び天然繊維,又はポリ乳酸系繊維を有し、かつ芯糸部分の空隙率が鞘糸部分の空隙率よりも高い芯鞘型紡績糸を、容易に製造することのできる中間製品として好適である。中でも、天然繊維を有するタイプは、天然繊維が吸水力に富むことから、可溶性成分が水溶性の場合、その溶解除去が速やかに進み、熱消費量が少ないという点で、好ましい。その点では、芯に天然繊維を有するタイプが最も好ましい。
【0027】
鞘糸の構成繊維としてポリ乳酸系繊維及び天然繊維の短繊維,あるいはポリ乳酸系繊維の短繊維を有し、芯糸の構成繊維としてポリ乳酸系繊維及び天然繊維またはポリ乳酸系繊維を有し、かつ芯糸部分の空隙率が鞘糸部分の空隙率よりも高いことを特徴とする芯鞘型紡績糸は、上述の芯鞘型紡績糸の、溶剤可溶性成分を、溶剤等で溶解除去することにより、容易に製造することができる。
【0028】
かかる芯鞘型紡績糸の鞘糸の構成繊維として、ポリ乳酸系短繊維を用いると、溶剤可溶性成分除去により生じた空隙に由来する保温性、ソフト感に加えて、糸の反発性、形態安定性に特に優れ、吸着した水分の移行スピードが速く速乾性に優れるという利点がある。
【0029】
一方、芯鞘型紡績糸の鞘糸の構成繊維として、ポリ乳酸系繊維と天然繊維の両方を用いると、上述の利点に加えて、天然繊維の吸水力、肌触りも兼ね備えるため、更に吸湿速乾性が向上し、着心地も良くなるため、好ましい。
【0030】
この芯鞘型紡績糸の鞘糸を構成するポリ乳酸系繊維と天然繊維の混率は、使用する糸に求められる上記の物性のどれに重きを置くかによって、任意に選択できるが、質量比で、100:0〜20:80が好ましい。ポリ乳酸系繊維の割合が20重量%以上で、紡績糸の速乾性及び形態安定性が優れる。逆に天然繊維の割合が高いと、糸の吸水性に優れるため、水分が付着した際に、素速く吸収するという利点がある。
【0031】
芯糸部分の空隙率が鞘糸部分の空隙率よりも高いことによって、保温性、ソフト感が得られるため好ましい。
【0032】
芯糸に相当する部分が全て溶剤可溶性成分であり、その除去により中空紡績糸となる場合は、保温性に特に優れるが、上述のように鞘糸部分に比べて空隙率は高いものの、芯糸が残る芯鞘型紡績糸は、保温性をある程度維持しつつも、紡績糸の形態安定性に優れ、紡績糸強度も優れるという点で好ましい。
【0033】
特に、芯糸の構成繊維として、天然繊維を更に有する場合には、吸水力の高い天然繊維が紡績糸内部に存在するため、繊維表面に吸着した水分をすばやく繊維内部の空隙近くまで吸収し、ポリ乳酸繊維による空隙部分への水分移行がより速やかに促進されるため、吸湿速乾性に特に優れるという点で好ましい。
【0034】
芯糸部分の空隙率は、鞘糸部分の空隙率の1.5〜5倍であることが好ましい。この範囲で、芯糸となるポリ乳酸系繊維の特性を、空隙率の高い自由度のある状態で最大限に発揮しうるとともに、紡績糸が軽量化され、空隙部分による保温性及びソフト感が発揮され、またポリ乳酸系繊維により紡績糸内部に素速く移行された水分の蒸発熱が奪われるため、衣類等に用いた場合の、ドライ感や清涼感が特に向上するからである。
【0035】
ここに空隙率とは、紡績糸断面の電子顕微鏡写真をもとに、芯領域と鞘領域に区分けし、各々の領域における空隙部分の割合を算出したものである。区分けは、鞘部に当たる繊維の、紡績糸の中心に最も近い繊維の内側を結んだ線を境界とし(図1参照)、その外側を鞘領域、内側を芯領域とすることにより行う。
【0036】
なお、空隙部分とは繊維成分によって占有されない空間を言うが、単繊維内に形成される中空部を除くものである。
【0037】
例えば、芯領域全体の断面積をSn1、芯糸部分の断面積合計をSn2とし、鞘領域全体の断面積をSy1、鞘糸部分の断面積合計をSy2とすると、芯糸部分の空隙率Anは、An=(Sn1−Sn2)/Sn1×100(%)、鞘部分の空隙率Ayは、Ay=(Sy1−Sy2)/Sy1×100(%)となる。従って、前述の空隙率の割合はAn/Ayとして算出される。
【0038】
本発明の紡績糸には、ポリ乳酸系繊維、天然繊維の特性を喪失させない範囲で、ほかの繊維成分も適宜使用することができるが、紡績糸や繊維構造物全体に、生分解性を求める場合には、使用する繊維成分も、生分解性であることが望ましい。
【0039】
なお、本発明の繊維構造物としては、織物、編物、不織布、直交(不織)布等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
本発明の実施例を次に示す。なお、実施例において%とあるのは、特に断らない限り、重量%を示す。
【0041】
実施例1
1.4dtex、38mmのポリ乳酸系繊維(カネボウ社製のラクトロン、登録商標)を鞘糸,38mmのPVA繊維(クラレ社製のクラロンK−II、登録商標)を芯糸とし、通常のサイロスパン方式で芯鞘型紡績糸を製造した。
出来上がった複合糸の番手は20綿番手で、ポリ乳酸系繊維80%、PVA繊維20%であった。
この糸を使って、20ゲージのスムースを編み染色整理加工で、PVA成分を除去し、中空紡績糸からなる編物を得た。
得られた生地は、ふくらみのある、軽くて暖かく、弾力性を感じるものであり、吸湿速乾性にも優れるものであった。
なお、PVA成分除去後の、中空紡績糸は、断面中の中空部分の面積比率が約20%であった。
【0042】
実施例2
鞘糸として、綿65%,及び1.4dtex、38mmのポリ乳酸系繊維(カネボウ社製のラクトロン、登録商標)35%を用いる以外は実施例1と同様にして、芯鞘型紡績糸,及び中空紡績糸からなる編物を製造した。
得られた生地は、ふくらみのある、軽くて暖かく、弾力性を感じるものであり、吸湿速乾性にも優れるものであった。また鞘部分に綿も使用しているため、実施例1よりも更に吸水スピードに優れていた。
なお、PVA成分除去後の、中空紡績糸は、断面中の中空部分の面積比率が約20%であった。
【0043】
実施例3
1.4dtex、38mmのポリ乳酸系繊維(カネボウ社製のラクトロン、登録商標)と38mmのPVA繊維(クラレ社製のクラロンK−II、登録商標)の混紡糸44綿番手(ポリ乳酸系繊維51%、PVA繊維49%)を準備し、これを芯糸とし、鞘成分が綿65%,ポリ乳酸系繊維35%として、通常のサイロスパン方式で製造した。
出来上がった複合糸の番手は20S で、トータル混率は綿36%、ポリ乳酸系繊維42%、PVA繊維22%であった。
【0044】
この糸を使って、18ゲージの天竺を編み、反応性染料を使用した染色整理加工で、PVA成分を除去して、芯糸部分の空隙率が鞘糸部分の空隙率よりも高い芯鞘型紡績糸からなる編物を得た。
得られた生地は、ふくらみのある、軽くて暖かく、弾力性を感じるものであり、吸湿速乾性にも優れるものであった。さらに、実施例1,2の中空紡績糸に比べて、芯糸部分もポリ乳酸系繊維が残るため、芯鞘型紡績糸の速乾性及び形態安定性が優れる。
なお、PVA成分除去後の紡績糸の芯部の空隙率は51%、鞘部の空隙率は20%であった。
【0045】
比較例1
綿100%の26綿番手の通常の紡績糸を実施例と同様の綿を使用して作り、該糸を使用して、実施例1と同様の18ゲージ天竺を編み、実施例1と同様の染色整理加工をした。
【0046】
性能評価
実施例1および比較例1で得られた製品について、性能評価をしたので、その結果を次に示す。
【0047】
〔評価項目〕 〔実施例1〜3〕〔比較例1〕
.ウオッシュ・アンド・ウエア性 良 不良
.防縮性 良 不良
.強度 良 普通
.風合い 良 普通
.軽量性 良 不良
.保温性 良 不良
.吸湿性 良 良
.吸湿速乾性 良 不良
【0048】
【発明の効果】
本発明の芯鞘型紡績糸は、本発明の中空紡績糸や、芯糸部分の空隙率が鞘糸部分の空隙率よりも高い芯鞘型紡績糸(以下、中空紡績糸等)を製造するのに好適であり、かかる中空紡績糸等は、ポリ乳酸系繊維を鞘糸とした中空構造又は芯鞘構造を有するため、ポリ乳酸系繊維の形状安定性、吸湿速乾性がそのまま発現される。そして、鞘糸に、天然繊維をも有する場合には、吸着水分の繊維内部への取り込みスピードが速いため、ポリ乳酸系繊維の水分移行性がより有効に発揮されるとともに、天然繊維の有する肌ざわりの良さをも併せ持つという優れた性質を有している。そして、芯糸部分の空隙率が鞘糸部分の空隙率よりも高い芯鞘型紡績糸(以下、中空紡績糸等)の場合、内部に更にポリ乳酸系繊維等を有していることから、特に形状安定性等が優れており、ウオッシュ・アンド・ウエア性や防縮性に富んだ製品となる。
なお、芯糸部分の空隙率が鞘糸部分の空隙率より大とすることによって、本発明の紡績糸及びそれを使用した繊維構造物は、軽量となり、しかも、芯糸及び鞘糸それぞれの特性が、いずれも、非常に有効に発揮されるものとなる。
かかる本発明の紡績糸を使用した繊維構造物は、形状安定性、ウオッシュ・アンド・ウエア性や防縮性にも優れるため、頻繁に洗濯するような肌着や作業着等にも、使用し易いものとなる。
また、ポリ乳酸系繊維及び天然繊維いずれも生分解性を有するため、廃物処理の問題もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡績糸の断面を模式的に示した図面である。

Claims (5)

  1. 芯が溶剤可溶性成分である芯鞘型紡績糸であって、鞘部分に、下記(A)又は(B)の短繊維を有することを特徴とする芯鞘型紡績糸。
    (A)ポリ乳酸系繊維と天然繊維
    (B)ポリ乳酸系繊維
  2. 請求項1記載の芯鞘型紡績糸から芯部を溶出することにより得られた(A)又は(B)の短繊維を構成繊維として有する中空紡績糸。
    (A)ポリ乳酸系繊維と天然繊維
    (B)ポリ乳酸系繊維
  3. 鞘糸の構成繊維として下記(A)又は(B)の短繊維を有し、芯糸の構成繊維としてとして(C)又は(D)を有することを特徴とする芯鞘型紡績糸。
    (A)ポリ乳酸系繊維と天然繊維
    (B)ポリ乳酸系繊維
    (C)溶剤可溶性成分と、ポリ乳酸系繊維および天然繊維からなる糸
    (D)溶剤可溶性成分と、ポリ乳酸系繊維からなる糸
  4. 請求項3記載の芯鞘型紡績糸から芯部を溶出することにより得られた、鞘糸の構成繊維として、下記(A)又は(B)の短繊維を有し、芯糸の構成繊維として、(E)又は(F)を有し、かつ芯糸部分の空隙率が鞘糸部分の空隙率よりも高いことを特徴とする芯鞘型紡績糸。
    (A)ポリ乳酸系繊維と天然繊維
    (B)ポリ乳酸系繊維
    (E)ポリ乳酸系繊維および天然繊維からなる糸
    (F)ポリ乳酸系繊維からなる糸
  5. 請求項2記載の中空紡績糸及び/又は請求項4記載の芯鞘型紡績糸を含むことを特徴とする繊維構造物。
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