JP4357282B2 - 繊維材料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、2種以上の熱可塑性重合体からなる複合繊維材料の製造方法に関する。本発明は、特に、溶解性の異なる2種以上の熱可塑性重合体からなる複合繊維の易溶性成分を溶解除去することによる繊維材料の製造方法に関する。
水や、有機溶剤等の溶媒に対する溶解性が異なる2種以上の熱可塑性樹脂からなる複合繊維をその溶解性の違いにより、易溶性成分を溶解除去し、極細繊維や中空繊維を製造することは知られているが、易溶性成分を除去する加工を行った際に、易溶性成分が十分に除去されず、目標とする柔らかい風合いの発現や軽量化が達成されなかったり、反対に難溶性成分までもが一部除去され、糸や布帛の強度が低下してしまうなどの問題が発生していた。
このような現象は、芯成分が鞘成分を構成する熱可塑性成分に比べて溶解しやすい熱可塑性樹脂により構成された中空繊維において特に現れやすく、中空繊維の場合、鞘に覆われた芯成分にまで溶媒が届き難いため、芯を構成する易溶性成分が残留したり、強い条件で処理されるため、難溶性成分で構成されている鞘まで傷めてしまい、上記のような問題が発生すると考えられる。
中空繊維は、その繊維を用いて得られる布帛、さらにはその布帛を用いて得られる衣服やカバン等の軽量化や透け防止性、吸水性、保温性などを付与するために種々のものが開発されており、市場からは上記の問題点の早期の解決が望まれている。
そのため、溶解性の異なる2種以上の熱可塑性樹脂からなる複合繊維を用いる方法以外に、中空紡糸ノズルを用いて中空糸を製造する方法も検討されてはいるが、この方法では、中空繊維、特に多孔の中空繊維を製造する場合に、中空形状は形成されても固化までの間に、溶融状態にあるポリマーの表面張力や紡糸時の引取り張力等によって多孔部の中空部が潰れやすく、多孔中空部が潰れて消滅したり、中空部の割合が減少しやすく、多孔状の中空部を有する繊維を得ることは困難であった。
また、耐アルカリ性のあるポリマーを鞘成分とし、ポリエステルを芯成分とする複合繊維をアルカリ水溶液で処理して芯成分であるポリエステルを分解溶出させる多孔型中空繊維の製造方法も開示されてはいる(特許文献1)が、この方法では、鞘成分の吸水率が限定されており、汎用性に乏しいばかりか、芯成分の溶出速度も限定されており、この点においても汎用性に乏しく、現状では中空繊維を製造するための溶出処理を行っても溶解成分が十分溶出しないという問題があり、その解決が望まれていた。
特開平7−316977
本発明は、上記の如き従来技術の問題点を解決し、複合繊維を製造するための繊維の成分を厳しく限定することなく、風合いが柔らかく、軽量で、強度低下も少ない中空繊維や極細繊維を容易に製造することのできる方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために、2種以上の熱可塑性重合体からなる複合繊維であって、それらの熱可塑性重合体のうちの少なくとも1種の熱可塑性重合体と比較して他の熱可塑性重合体が熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい熱可塑性重合体からなる複合繊維、または該複合繊維を含む繊維材料を、グリコールエーテル系化合物を含む熱水により処理することを含む繊維材料の製造方法を提供する。
本発明は、また、上記繊維材料の製造方法において、複合繊維が芯鞘構造を有し、芯成分が鞘成分を構成する熱可塑性重合体に比べて熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい熱可塑性重合体にて構成されている繊維材料の製造方法、および複合繊維が芯鞘構造を有し、鞘成分が芯成分を構成する熱可塑性重合体に比べて熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい熱可塑性重合体にて構成されている繊維材料の製造方法を提供する。
上記繊維材料の製造方法においては、グリコールエーテル系化合物を含む熱水中にはアルカリ剤が含有されていてもよく、グリコールエーテル系化合物は下記式(1)で表される化合物であってよい。
R−(OCH2 CH2m −〔OCH2 CH(CH3 )〕n −OH (1)
(上式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アリル基、フェニル基またはベンジル基を表し、mおよびnはm+nが1〜6となるような0または正の整数を表す)
また、上記繊維材料の製造方法においては、熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しにくい方の熱可塑性重合体はポリアミド系樹脂であってよく、あるいは熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しにくい方の熱可塑性重合体はポリエステル系樹脂であってよい。また、熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい方の熱可塑性重合体はポリエステル系樹脂またはポリビニルアルコール系樹脂であってよく、このポリエステル系樹脂はカチオン可染ポリエステル系樹脂またはポリ乳酸系樹脂であり、このポリビニルアルコール系樹脂はエチレン−ビニルアルコール系共重合体であってよい。
本発明の繊維材料の製造方法を用いれば、繊維を構成する成分に特殊な成分を用いることなく容易に中空繊維や極細繊維を製造することができるようになり、軽量化、透け防止性、吸水性、保温性などを有する繊維や布帛が得られ、また中空繊維や極細繊維を製造するための複合繊維の成分を厳しく制限しなくとも、易溶性成分が十分に除去されるため、軽量化、透け防止性、吸水性、保温性を有し、安価で、風合いも柔軟な布帛、衣服、カバン、テント、寝袋等の繊維製品を得ることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明では、2種以上の熱可塑性重合体からなる複合繊維であって、それらの熱可塑性重合体のうちの少なくとも1種の熱可塑性重合体と比較して他の熱可塑性重合体が熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい熱可塑性重合体からなる複合繊維、または該複合繊維を含む繊維材料、を用いるのであるが、本発明に有用な熱可塑性重合体としては、一般に繊維製造用として用いられる熱可塑性樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、水添ポリブタジエン系樹脂、ポリイソプレン系樹脂、水添イソプレン系樹脂などが挙げられる。
ここで、ポリエステル系樹脂としては、公知のものを用いることができ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートや、ポリエチレンテレフタレートにポリアルキレングリコールが共重合された共重合体やポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸や5−ナトリウムスルホイソフタル酸などを共重合させた塩基性染料(カチオン染料)にて染色することのできるカチオン可染ポリエステルと呼ばれている樹脂、さらにはポリエステル系樹脂成分と生分解性のあるポリ乳酸の共重合体や混合物を挙げることができる。
ポリアミド樹脂としては、6−ナイロンや6,6−ナイロンを挙げることができる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、好ましくはエチレン−ビニルアルコール系共重合体が用いられる。より具体的には、クラレ(株)製のエバールやエクセバールなどを挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどを挙げることができる。
上記の熱可塑性樹脂には、酸化チタン、シリカ、酸化防止剤、重合触媒など公知の添加剤を添加してもよい。
本発明では、特に、複合繊維が芯鞘構造を有し、芯成分が鞘成分を構成する熱可塑性重合体に比べ、熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい熱可塑性重合体にて構成されている、いわゆる中空繊維と呼ばれる繊維を得るための複合繊維に対し効果を発揮することができる(以下においては、一方の熱可塑性重合体に比べて熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい熱可塑性重合体の成分を「易溶性成分」という表現を用いる場合もあり、また一方の熱可塑性重合体に比べて熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解し難い熱可塑性重合体の成分を「難溶性成分」という表現を用いる場合もある。)
このような複合繊維の具体的な組合せとして、例えば、難溶性成分の熱可塑性樹脂として鞘成分に6−ナイロンを用いた場合には、易溶性成分の熱可塑性樹脂として芯成分にはポリエチレンテレフタレートを用いることができ、また難溶性成分の熱可塑性重合体として鞘成分にポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、易溶性成分の熱可塑性重合体として芯成分にはカチオン可染ポリエステル系樹脂を用いることができる。また、例えば、難溶性成分の熱可塑性重合体として鞘にカチオン可染ポリエステル系樹脂を用いた場合には、易溶性成分の熱可塑性樹脂として熱水に溶解しやすいエクセバールなどのポリビニルアルコール系樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂として難溶性成分を鞘成分として用いる場合には、耐熱水および/または耐アルカリ剤を含む熱水に対する溶解性の観点からは、6−ナイロンや6,6−ナイロンが好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂として易溶性成分を芯成分として用いる場合には、溶解性の観点から、ポリエステル系樹脂またはポリビニルアルコール系樹脂が好ましく用いられ、またポリエステル系樹脂の中でも、カチオン可染ポリエステル系樹脂やポリ乳酸を共重合したポリ乳酸系樹脂が好ましく用いられる。
好ましくは、芯成分と鞘成分を構成する易溶成分と難溶成分の熱水やアルカリ熱水に対する溶解性の差が大きいものが好ましく、難溶性の鞘成分としての熱可塑性樹脂としては、6−ナイロンや6,6−ナイロンを用い、易溶性の芯成分としての熱可塑性樹脂としては、カチオン可染ポリエステルやポリ乳酸系樹脂やポリビニルアルコール系樹脂という組合せが好ましく用いられる。
上記の如き熱可塑性樹脂の芯と鞘構造をもつ複合繊維を用いるのであるが、その複合繊維の構造としては、図1のように芯が一本あり、その周りを鞘が囲むように存在する構造のものや図2のように多数の芯を有し、その周りを鞘で囲んだものであってもよい。
また、その芯および鞘の形状は、丸断面、三角断面、星型断面等の任意の形状であってよい。
このような芯鞘構造をもつ複合繊維自体の形状も丸断面、三角断面、星型断面等の任意の形状であってよく、また複数の複合繊維や他の繊維、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維などの合成繊維や木綿、絹、ウールなどの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維と混繊もしくは混紡されていてもよい。
また、生糸として用いることもでき、あるいは仮よりなどを行った加工糸や撚りをかけた撚糸として用いることもできる。
また、本発明では、複合繊維が芯鞘構造を有し、鞘成分が芯成分を構成する熱可塑性重合体に比べて熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい熱可塑性重合体にて構成されているものであってもよい。
この場合は、鞘の部分を構成する成分を除去することにより、芯を構成する熱可塑性重合体が残り、極細繊維または隣の繊維と間隔をおいた風合いの柔らかい繊維や繊維布帛を得ることができる。
この構成の場合の芯成分と鞘成分の組み合わせは、先の芯成分が易溶性成分、鞘成分が難溶性成分により構成されているものと熱可塑性重合体の組合せを反対にしたものの組み合わせが好ましく用いられる。また、その芯、鞘の形状や複合繊維の構造、他の繊維との混繊、混紡、加工等においても先の芯成分が易溶性成分、鞘成分が難溶性成分により構成されているもの同様に行うことができる。
さらに、本発明において、複合繊維を含む繊維材料は、バラ毛、トウ、糸、布帛等のいかなる形態にあってもよいが、繊維布帛の形態にあることが好ましく、その形状は織物、編物、不織布等であってもよい。
また、他のポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維などの合成繊維や綿、絹、ウールなどの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維と交織もしくは交編された繊維布帛であってもよい。
本発明では、上記のごとき複合繊維または該複合繊維を含む繊維材料をグリコール系化合物を含む熱水にて処理するのであるが、芯成分として用いられている熱可塑性樹脂にアルカリ可溶性がある場合には、熱水中にアルカリ剤を含むのが好ましい。ここで用いられるアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを挙げることができ、水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。その使用量は、鞘成分に用いられる熱可塑性樹脂がアルカリ剤を含む熱水に対する溶解性により適宜選択することができるが、1〜300g/l程度の範囲で用いるのが特に好ましい。
また、本発明におけるグリコールエーテル系化合物としては、例えば、前記式(1)で表される化合物を挙げることができ、これらの化合物のうちの2種以上を混合して用いてもよい。
より具体的には、CH2 =CHCH2 −O−CH2 CH2 −OH(化合物1)、C65 −O−CH2 CH2 −OH(化合物2)、C65 −CH2 −O−CH2 CH2 −OH(化合物3)、C65 −CH2 −(O−CH2 CH2k −OH(kは1〜6の整数である)(化合物4)およびC65 −O−CH2 CH(CH3 )−OH(化合物5)が挙げられ、特に風合いの観点からは上記化合物1または化合物5が好ましく、軽量化の観点からは化合物2が好ましく、風合い、軽量化のバランスからは化合物4が好ましく用いられる。
なお、本発明においては、これらの化合物は、これを主成分とする他の化合物との混合物の状態で用いられてもよい。
これらの化合物の使用量としては、好ましくは0.1g/l〜300g/l、より好ましくは10g/l〜100g/lであってよい。
また、グリコールエーテル系化合物を含む熱水による処理は、例えば、60〜135℃、好ましくは90℃〜120℃の熱水を用い、10〜60分間、熱水を該複合繊維または複合繊維を含む繊維材料に付与した状態にすることをいい、かかる処理に用いる加工機としては、ウインス、液流染色機、ロータリーワッシャー、ビーム染色機やチーズ染色機、かせ染機などを用いることができる。
また、このような熱水処理を、2回以上行ってもよい。
グリコールエーテル系化合物を含む熱水により処理を行った後、必要に応じて、水洗、湯洗いなどを行ってもよく、この際洗浄浴には界面活性剤等のソーピング剤を添加してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
鞘に6,6−ナイロン、芯にカチオン可染ポリエステル系樹脂を用い、芯の本数が1本の複合繊維からなる78デシテックス/24フィラメントの糸を用いた平織物(密度タテ92本/2.54cm、ヨコ67本/2.54cm)に対して、下記組成の水溶液を処理液として用い、液流染色機中で、110℃で60分間熱水処理を行った。
処理液組成
前記化合物1 20g/l
水酸化ナトリウム 50g/l
その後、50℃で10分間湯洗いを行い、処理織物を得た。電子顕微鏡を用いて織物を構成する複合繊維の断面を観察すると芯成分のカチオン可染ポリエステル系樹脂がなくなっており、ちくわのような中空状の中空繊維からなる平織物が得られた。
次に、この平織物を110℃で30分間、酸性染料(Nylosan N−3RL 0.5%owf クラリアント製)を用い、常法で染色した後、水洗を行い、乾燥後、撥水処理を行った。
次に、この平織物を用いてウインドブレーカーを製造したところ、柔らかく、軽く、保温性に優れたものが得られた。
比較例1
化合物1を用いなかった以外は実施例1と同様にして平織物を得た。電子顕微鏡を用いて、複合繊維の断面を観察したところ中空となっていないところが所々に見られた。
さらに、この織物を用いてウインドブレーカーを作成したところ、風合いが硬く、軽さ、暖かさも特に感じなかった。
実施例2
鞘に6,6−ナイロン、芯にエクセバールを用い、芯の本数が12本の複合繊維(84デシテックス24フィラメント)からなる糸を用いて28ゲージで編んだスムースに対して、下記組成の処理水溶液により、液流染色機中で、110℃で60分間熱水処理を行った。
処理液組成
前記化合物4(k=2) 20g/l
その後、50℃で10分間湯洗いを行い、処理編物を得た。電子顕微鏡を用てい編物を構成する複合繊維の断面を観察すると芯成分のカチオン可染ポリエステル系樹脂がなくなっており、蓮根のような中空状の中空繊維を用いた編物が得られた。
次に、この編物を110℃で30分間、酸性染料(Nylosan N−3RL 0.5%owf クラリアント製)を用い、常法で染色した後、水洗を行い、乾燥後、帯電防止処理を行った。
このスムースを用いてカットソーを製造したところ、柔らかく、軽く、保温性に優れたものが得られた。
実施例3
化合物4に代えて前記化合物1を用いた以外は実施例2と同様にして中空繊維からなる編物を得た。
実施例4
化合物4に代えて前記化合物2を用いた以外は実施例2と同様にして中空繊維からなる編物を得た。
実施例5
化合物4に代えて前記化合物3を用いた以外は実施例2と同様にして中空繊維からなる編物を得た。
実施例6
化合物4に代えて前記化合物5を用いた以外は実施例2と同様にして中空繊維からなる編物を得た。
比較例2
化合物1を用いなかった以外は実施例2と同様にして中空繊維からなる編物を得た。
実施例2〜6および比較例2で得られた編物の風合いと軽量化の度合を比較し、表1に記した。
Figure 0004357282
実施例7
鞘にカチオン可染ポリエステル、芯にポリエチレンテレフタレートを用い、芯の本数が12本の複合繊維(84デシテックス24フィラメント)を用いて28ゲージで編んだスムースに対し、下記組成の処理水溶液により、液流染色機中で、110℃で60分間熱水処理を行った。
処理液組成
前記化合物4 20g/l
水酸化ナトリウム 40g/l
その後、50℃で10分間湯洗いを行い、処理編物を得た。電子顕微鏡を用いて編物を構成する複合繊維の断面を観察すると鞘成分のカチオン可染ポリエステル系樹脂がなくなっており、非常に柔らかく、軽い編物が得られた。
本発明に有用な芯が1本の複合繊維の断面図である。 本発明に有用な芯が多数本の複合繊維の断面図である。
符号の説明
1…複合繊維
2…芯
3…鞘

Claims (9)

  1. 2種以上の熱可塑性重合体からなる複合繊維であって、それらの熱可塑性重合体のうちの少なくとも1種の熱可塑性重合体と比較して他の熱可塑性重合体が熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい熱可塑性重合体である複合繊維、または該複合繊維を含む繊維材料を、CH =CHCH −O−CH CH −OH、C −O−CH CH −OH、C −CH −O−CH CH −OH、C −CH −(O−CH CH −OH(kは1〜6の整数である)およびC −O−CH CH(CH )−OHからなる群から選ばれる少なくとも1種のグリコールエーテル系化合物を10〜100g/lの量で含む熱水により処理することを含む繊維材料の製造方法。
  2. 複合繊維が芯鞘構造を有し、芯成分が、鞘成分を構成する熱可塑性重合体に比べて熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい熱可塑性重合体で構成されている、請求項1記載の繊維材料の製造方法。
  3. 複合繊維が芯鞘構造を有し、鞘成分が、芯成分を構成する熱可塑性重合体に比べて熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい熱可塑性重合体で構成されている、請求項1記載の繊維材料の製造方法。
  4. グリコールエーテル系化合物を含む熱水中にアルカリ剤が含有されている、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維材料の製造方法。
  5. 熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しにくい方の熱可塑性重合体が、ポリアミド系樹脂である、請求項1〜のいずれかに記載の繊維材料の製造方法。
  6. 熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しにくい方の熱可塑性重合体が、ポリエステル系樹脂である、請求項1〜のいずれかに記載の繊維材料の製造方法。
  7. 熱水および/またはアルカリ剤を含む熱水に対して溶解しやすい方の熱可塑性重合体が、ポリエステル系樹脂またはポリビニルアルコール系樹脂である、請求項1〜のいずれかに記載の繊維材料の製造方法。
  8. ポリエステル系樹脂が、カチオン可染ポリエステル系樹脂またはポリ乳酸系樹脂である、請求項記載の繊維材料の製造方法。
  9. ポリビニルアルコール系樹脂が、エチレン−ビニルアルコール系共重合体である、請求項記載の繊維材料の製造方法。
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