JP3145131B2 - 清涼性に優れた布帛 - Google Patents
清涼性に優れた布帛Info
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Description
し、さらに詳しくは、夏用衣服、寝具等の材料に適し
た、銅アンモニアレーヨンおよび/またはビスコースレ
ーヨンを含む清涼性に優れた布帛に関する。
のある布帛が好まれ、その材料についてはこれまでもい
ろいろ検討されてきた。現在、市販されているものとし
ては綿、麻、レーヨン(ビスコースレーヨン)、キュプ
ラ(登録商標:銅アンモニアレーヨン)などの親水性繊
維、ポリエステルなどの疎水性繊維に吸水性を付与した
繊維を用いた布帛、及びこれらを複合した布帛などが挙
げられる。
維だけを用いたものでは、吸汗性、熱の放散性は良好で
あるものの、水分の保持性が過剰であるため、これを衣
服として用いた場合には、べとつきや蒸れが生じやす
く、あまり快適ではない。又、疎水性繊維に吸水性を付
与した繊維を用いたものでは繊維自身は水を保持しない
ため吸汗量が十分でなく、衣服として着用した場合に
は、衣服と体の間に汗が残り不快である。さらに、親水
性繊維と疎水性繊維を複合した布帛の場合にも、上記効
果の改善はみられず、この布帛を衣服として用いた場合
には、べとつきや、蒸れが生じやすく、あまり快適では
ないという問題があった。
した従来の布帛の欠点を改良し、銅アンモニアレーヨン
および/またはビスコースレーヨンからなる親水性繊維
を含む布帛を衣服として用いて着用した場合に、熱のこ
もりや蒸れ感がなく、快適な着用感が得られる清涼性に
優れた布帛を提供することにある。
明は以下のとおりである。 (1)銅アンモニアレーヨンおよび/またはビスコース
レーヨンからなる親水性フィラメント繊維および凹部を
有する異形断面の疎水性繊維を含む布帛であって、該異
形断面の疎水性繊維の重量が、該親水性フィラメント繊
維の重量100に対して20以上であり、かつ該親水性
フィラメント繊維と該異形断面の疎水性繊維が接触して
おり、しかも布帛におけるこれらの繊維の分布に実質的
な偏りがなく、さらに該布帛の表面に露出する繊維の全
面積に対し該親水性フィラメント繊維の面積がどの部分
をとっても20%以上を占めることを特徴とする清涼性
に優れた布帛。
アンモニアレーヨンおよび/またはビスコースレーヨン
からなる親水性フィラメント繊維が用いられる(以下、
単に「親水性繊維」ということがある)。これらの繊維
は、含有水分率が高く、吸放湿性、熱伝導性が大きいた
め、これらを用いた布帛を衣服として着用すると、体か
ら発散する熱を逃し、汗をかいたときに素早く吸汗す
る。本発明者らによる着用実験では、着用時に熱がこも
らず、汗が衣服と体の間にたまらず、快適と感じるため
には、どの部分をとっても親水性繊維が肌側となる表面
に露出する繊維の全面積の20%以上を占める必要があ
り、20%未満では熱がこもり、又吸汗性も劣り快適と
はいえない。
れ、熱伝導率の小さな空気層の少ない構成が、より熱を
逃しやすい。従って、本発明では、羽毛の少ないフィラ
メント糸が用いられる。又、構造も緻密なほうが望まし
い。次に、本発明の布帛は、凹部を有する異形断面の疎
水性繊維(単に、「異形断面を有する疎水性繊維」とい
うことがある)を重量比で上記親水性繊維100に対し
20以上含み、該親水性繊維と該異形断面繊維が接触し
ていることを特徴としている。異形断面を有する疎水性
繊維としては断面がL型、十字型などである繊維で、素
材としてはナイロン、ポリエステルなどが挙げられる。
含むので、その部分に水を抱き込みやすく、水を拡散さ
せやすい。又、親水性繊維と違い、形態による物理的効
果で水を保持するため、速乾性にも優れている。この性
能は重量比で親水性繊維100に対し、異形断面を有す
る疎水性繊維が20以上で特に好ましくは30以上で良
好である。異形断面を有する疎水性繊維が親水性繊維1
00に対し、20未満では、親水性繊維の吸水の能力に
対し、異形断面を有する疎水性繊維の拡散の能力が劣
り、結果として、吸水量が低下するとともに、親水性繊
維の保持水分が多くなり、衣服として着用した際に、べ
とつきや蒸れが発生し、好ましくないからである。
合に、布帛における、親水性繊維、異形断面繊維の分布
に大きなかたよりがあると、衣服として着用した時に、
吸水、拡散性能がうまく機能しない。この機能を生かす
ためには布帛のどの部分をとっても約10cm×10c
mの布帛の表面に露出する繊維の全面積に対し、親水性
繊維の面積が20%以上であり、また約10cm×10
cmの布帛中で、異形断面を有する疎水性繊維の重量
が、該親水性繊維の重量100に対し20以上であるこ
とが望ましい。
する疎水性繊維が接触することを特徴としているため、
親水性繊維により吸いあげた水を異形断面を有する疎水
性繊維が拡散し、拡散により、速く乾くことが可能であ
る。このためこの布帛を衣服として、着用した際に衣服
と体の間に汗がたまらず蒸れが少なく快適である。接触
させる方法としては、親水性繊維と異形断面繊維を合撚
する方法、親水性繊維と異形断面繊維を混繊して1本の
繊維とする方法、あるいは、親水性繊維をタテ糸に、異
形断面繊維をヨコ糸にして、交織する方法、編立におい
て、親水性繊維と異形断面繊維をひきそろえて編む方
法、などが挙げられる。特に親水性繊維と異形断面糸を
300〜700回合撚したものが好ましく、接触面積が
大きいために、水を拡散させる効果も大きいので好まし
い。
形断面繊維以外の部分は通常のポリエステル繊維などが
好適に用いられるが、熱の放散性を良好にするために
は、親水性繊維と異形断面を有する疎水性繊維の重量の
和は布帛の重量100に対し20以上であることが好ま
しい。布帛の目付は70〜250g/m2 が適当であ
り、構造としても、空気層の少ない、緻密な構造が望ま
しい。さらに本発明の布帛を衣服の一部として使用する
場合は、衣服の重量の30%以上であることが好まし
く、特に発汗量の多い、胸部、背部などに用いると効果
的である。
く説明する。
5d/36fとポリエステルL型断面糸30d/24f
をダブルツイスターで500回/m合撚した糸(Aとす
る)とポリエステルレギュラー糸75d/36f(Bと
する)を28ゲージのシングル丸編機を用いて、表1の
ようにボーダーに編立てた。その後、これらの編地を通
常の方法で、精練、染色、乾燥、仕上げをし、不感蒸泄
時の熱損失、吸水性、速乾性を評価した。又、これらの
編地をランニングシャツに仕立て、実着用テストを行っ
た。これらの評価方法を以下に、又、評価の結果を表2
に示す。 (不感蒸泄時の熱損失)20℃×65%RHの環境のも
とで、サーモラボII(カトーテック株式会社製KES
−F7)を用い、10cm×10cmの熱板上に10c
m×10cmの東洋ろ紙No.2に自重の3.2倍の水
を含ませたものをのせ、その上に15cm×15cm×
2mmの発泡スチロールで中心に10cm×10cmの
角穴のあいたスペーサーをのせる。
て、20cm×20cm程度の角穴を有するアクリル板
等に、150dのポリエステルモノフィラメント糸をた
てよこ各々5本程度張ったものをのせる。さらにその上
に15cm×15cmの試料布帛を、15cm×15c
m×2mmの発泡スチロールで中心に10cm×10c
mの角穴をあげた、試料固定板に両面テープではりつけ
肌側を下にしてのせる。スペーサー、試料はそれぞれテ
ープ等で十分にはりつけ熱のもれを防ぐ、その状態で風
速10cm/minの状態に保ち、熱板を室温+10℃
に保つときの熱損失(W)をよみとり測定試料3枚の平
均値から次式により算出する。
間に十分気相の水分が存在し、不感蒸泄時に対応した熱
損失であると考えられる。この値が28W/m2 ・℃以
上であれば、実際に着用した際に涼しいと感じることが
できる。 (吸水性)20℃の水を抱水したガラスフィルターの上
に直径6cmの試料布帛をのせ、476.5gの荷重を
加えて接触させ、吸い上げる水の量を吸水計測管で読み
とる(ラローズ法)。
×100 (速乾性) 30cm×30cmの試料布帛(乾燥時重量W 0 )を20℃
の水に浸水後、家庭用洗濯機の脱水槽で5分間、脱水
し、その重量(W 1 )を測定し、30℃×70%に保た
れた恒温室内に放置する。30分後の重量(W 2 )を測
定し、乾燥率を次式により算出する。
−W 0 )〕×100 (実着用テスト) 5人の着用者が30℃×70%RHの環境下で試料を着
用し、80Wの負荷をかけたエアロバイクを15分作動
した際の着用感で判定した。着用感を涼しいを3点、暑
いを1点、どちらもいえないを0点とし、5名の合計点
が13点以上を◎、12〜11を○、10〜8を△、7
以下を×とした。
な放熱性吸汗速乾性、着用感が得られた。
テ糸、ヨコ糸それぞれをリング撚糸機で500回/m合
撚しウォータージェットルームで平織に織布した。それ
らを実施例1〜4と同様の方法で精錬、染色仕上げを
し、評価を行った。それらの結果を表4に示す。尚、織
布の合撚糸の部分を観察するとレーヨン75d/36f
とエステル50d/24fの合撚糸では、表面の70%
にレーヨンがみられ、レーヨン50d/24fとエステ
ル50d/24fの合撚糸では表面の60%にレーヨン
がみられた。
fとポリエステルレギュラー糸30d/24fをリング
撚糸機で500回/m合撚した糸(Cとする)と、ポリ
エステルレギュラー糸100d/48f(Bとする)を
28ゲージの丸編機を用いて表5のようにボーダーに編
立て、実施例1〜4と同様な方法で、精練、染色、仕上
げをし、評価を行った。それらの結果を表6に示す。
尚、編み地の合撚糸部分を観察すると裏面に出てきてい
るのは80%がレーヨン糸であった。
ュラー糸では、吸水−拡散の連携がみられず、吸水、速
乾のいずれの性能も好ましくない。
および/またはビスコースレーヨンからなる親水性フィ
ラメント繊維が、布帛における該繊維の分布に実質的な
偏りがなく、どの部分をとっても表面に露出する繊維の
全面積の20%以上を占めるため、放熱性、吸水性に優
れている。また、凹部を有する異形断面の疎水性繊維の
重量が、親水性フィラメント繊維の重量100に対して
20以上であり、親水性フィラメント繊維と凹部を有す
る異形断面の疎水性繊維が接触し、布帛の構造が空気層
の少ない緻密な構造となるため、親水性フィラメント繊
維によって吸水した水を異形断面の疎水性繊維の凹部に
抱き込んで効果的に拡散し、放出することができる。こ
のため、本発明の布帛を衣服として着用した際に熱がこ
もらず、汗をかいても、すばやく吸汗し、なおかつ衣服
内の蒸れが少なく、快適に保つことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 銅アンモニアレーヨンおよび/またはビ
スコースレーヨンからなる親水性フィラメント繊維およ
び凹部を有する異形断面の疎水性繊維を含む布帛であっ
て、該異形断面の疎水性繊維の重量が、該親水性フィラ
メント繊維の重量100に対して20以上であり、かつ
該親水性フィラメント繊維と該異形断面の疎水性繊維が
接触しており、しかも布帛におけるこれらの繊維の分布
に実質的な偏りがなく、さらに該布帛の表面に露出する
繊維の全面積に対し該親水性フィラメント繊維の面積が
どの部分をとっても20%以上を占めることを特徴とす
る清涼性に優れた布帛。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02593091A JP3145131B2 (ja) | 1991-02-20 | 1991-02-20 | 清涼性に優れた布帛 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02593091A JP3145131B2 (ja) | 1991-02-20 | 1991-02-20 | 清涼性に優れた布帛 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04272257A JPH04272257A (ja) | 1992-09-29 |
JP3145131B2 true JP3145131B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=12179497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02593091A Expired - Lifetime JP3145131B2 (ja) | 1991-02-20 | 1991-02-20 | 清涼性に優れた布帛 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3145131B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011195971A (ja) * | 2010-03-17 | 2011-10-06 | Daiwabo Holdings Co Ltd | 複合糸、及びそれを用いた織編物 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1112902A (ja) * | 1997-06-23 | 1999-01-19 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 交編物 |
JP5997979B2 (ja) * | 2012-08-30 | 2016-09-28 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 防振装置 |
-
1991
- 1991-02-20 JP JP02593091A patent/JP3145131B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011195971A (ja) * | 2010-03-17 | 2011-10-06 | Daiwabo Holdings Co Ltd | 複合糸、及びそれを用いた織編物 |
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JPH04272257A (ja) | 1992-09-29 |
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