JPS5939403B2 - 抗トロンビン様薬剤 - Google Patents

抗トロンビン様薬剤

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JPS5939403B2
JPS5939403B2 JP55172230A JP17223080A JPS5939403B2 JP S5939403 B2 JPS5939403 B2 JP S5939403B2 JP 55172230 A JP55172230 A JP 55172230A JP 17223080 A JP17223080 A JP 17223080A JP S5939403 B2 JPS5939403 B2 JP S5939403B2
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methanol
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滋 有地
義弘 内田
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OOSAKA YAKUHIN KENKYUSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、大豆(Glyeinemaxmerril
l)から抽出しうるサポニン成分を有効成分として含有
する抗トロンビン様薬剤に関する。
天然の植物や動物中に各種のサポニン物質が含まれてい
ることが知られ、大豆中にも複数のサポニン物質が含ま
れている。
大豆サポニン成分の中で、数種の化学構造が明らかにさ
れている。〔Chem、Pharm、Bull、第24
巻(1)、第121〜129頁(1978年)参照]。
従来大豆サポニン成分が溶血性、殺虫性、殺魚性の生理
活性を示すことは知られている。
またこの発明の発明者らの研究の結果から、大豆サポニ
ン成分が過酸化脂質抑制作用を有することが判明してい
る。しかし、これとは全く異なる作用すなわち抗トロン
ビン様作用を有し、凝血、血栓の防止に有効であること
が見出された。血液の凝固は、血漿中に溶存しているフ
ィブリノーゲン(線維素源)が蛋白分解酵素であるトロ
ノビンの働きによつてそのアルギニン−グリシン結合が
切断され、血漿に不溶のフィブリン(線維素)を生成析
出し、フィブリンは更にカルシウムイオンの存在で重合
固化し、凝固する現象である。
このトロンビンは通常、糖蛋白のプロトロンピンの形で
血漿中に存在する。血液が体外に出るとか、止血が必要
になつたとき、血液凝固因子のトロンボプラスチンが活
性化されて生成した活性トロンボプラスチンが、2価の
カルシウムイオンの存在下に上記プロトロンビンに作用
しトロンビンに変化させるといわれている。一方、血栓
の生成は血管内皮の損傷、炎症、血流のうつ滞、血液凝
固能の亢進等の起因になるといわれ、血管内皮の損傷、
炎症部に血小板が付着しこれにトロンビンの働きによつ
てフィブリノーゲンより分解生成した線維素(フィブリ
ン)が付着凝集し、この線維素の網に、血球がまきこま
れ血液塊となり血栓が形成される。
この血液凝固、血栓生成の主因になるフィブリン生成の
引金になるトロンビンに拮抗する抗トロンビン作用をも
つ化合物としては、日本薬局方にも収載されているヘパ
リンが有名である。へパリンは動物の肝臓、肺臓から抽
出され、ナトリウム塩として輸血の際の抗凝血剤又は血
栓、塞栓症の予防及び血栓、塞栓の成長の阻止の目的で
抗血栓剤として広く用いられている。この発明は、この
発明の大豆サポニン成分又はその主成分である下記定義
のソーヤサポニンIがへパリン以上の抗トロンビン作用
を有すことを見出してなされたものであり、大豆サポニ
ン成分又は少なくとも3−0−〔α上−ラムノピラノシ
ル(1→2)一β−D−ガラクトピラノシル(1→2)
一β−D−グルクロノピラノシル〕−ソーヤサポゲノー
ルB(ソーヤサポニノI)と医薬的に受容な賦型剤とか
らなる抗トロンビン様薬剤を提供するものである。
血管内での血栓の形成は、その部位から先の血流を著し
く阻害し未梢血行阻害、組織の壊死などの重大な障害を
もたらす血栓症、塞栓症を招くがこの発明の薬剤はこれ
らの予防及び成長の阻止に有効である。
例えば閉塞性動脈硬化症、血栓性静脈炎、血栓性心内膜
炎、冠動脈血栓症、肺栓塞、血栓性大動脈分岐部開閉塞
症(ルリーシ一症候群)一血栓性脳軟化症、血栓性血小
板減少性紫斑病等、血栓症塞栓症の予防及び改善に用い
られる。また、:―:?:i成の予防、輸血時の抗凝血
剤とし本品は、食用に供せられる大豆のサポニンである
ので安全性が極めて高く〔LD5O3.57以上/Kg
(マウス、経口)、LD5Ol.O7以上/Kg(マウ
ス、、腹腔内)〕、しかも安価に製造できる。また、サ
ポニン類は一般的に血球膜に働いて血球破壊を行なうい
わゆる溶血作用を有するので、注射投与ができないが、
この発明の大豆サポニン及びその主成分であるソーヤサ
ポニンIは溶血作用が全く認められず、その上水に溶け
易いので注射剤、点滴剤としても利用できる利点がある
。又、他の抗凝血剤であるヘパリン、ウロキナーゼ、ア
ルピン、ワルフアリン、フエニンジオンACD液、AC
H−NIH−A液等を併用して用いることもできる。こ
の発明のサポニン成分は大豆から抽出分離し、溶剤で精
製するか、あるいは抽出液より樹脂吸着剤を用いて選択
的にサポニンを吸着させ精製することによつて得ること
ができる。
なお、この発明において単に゛サポニン成分゛と称する
場合は、これらの方法によつて得られる実質的にサポニ
ン類のみからなる混合物をいう。また、この大豆サポニ
ンは、大豆以外の植物にも含有されていると考えられる
。大豆からサポニン成分を得る方法としては、例えば次
のような方法がある。
すなわち、原料となる大豆の子実の粉末を通常の脂溶性
有機溶媒例えばヘキサンを用いて脱脂後、水または低級
脂肪族アルコール例えばメタノール類あるいは含水低級
脂肪族アルコールを用いてその有効成分を抽出し、抽出
液を蒸発濃縮して抽出工キズとする。
これを水飽和n−ブタノールに溶解し、該溶液に水を加
えて振盪した後静置し、nブタノール層を分離し、蒸発
乾固する。または、上記抽出工キズをn−ブタノール:
水(1:1)混合液に溶解し静置してn−ブタノール層
を分離し、蒸発乾固してもよい。この蒸発残留物を低級
脂肪族アルコールに溶解後、エーテル中に攪拌注入し生
成した析出物を沢取して大豆サポニンが得られる。もう
一つの方法としては、大豆粉末を脱脂処理し、水、低級
アルコールまたは含水低級アルコールにて抽出し、その
濃縮物を水または約30%以下の低級アルコール含有水
に溶解し、この溶液を巨大網状構造で多孔性の架橋され
たポリスチレン系樹脂吸着剤(例えばセルヴアクロムX
AD)と接触させて、大豆サポニンを吸着せしめた後、
低級アルコールまたは約30%以上の低級アルコール含
有水で溶離処理し、大豆サポニンが得られる。
このようにして得られた抽出物は、実質的にサポニン成
分のみを含むものであつて、そのままこの発明の有効成
分として使用できる。この発明によるサポニン成分は、
原料とする大豆の種類によつて構成される成分の種類、
量に若干の差があるが、後述するごとき式(1)、(]
])の化合物を含有するものである。
このサポニン成分(大豆サポニン)の性状、性質は次の
通りである。
1.黄白色〜褐色の粉末でわずかに苦昧を有する無臭の
粉末で、メタノール、希メタノールに易溶、水、エタノ
ールに可溶、クロロホルム、エーテル、ヘキサン、四塩
化炭素に難溶である。
2.1%水溶液は中性である。
3.赤外線吸収 IR:νMax(ヌジヨール)3400(Br)、33
50(Br)、1720(Br)および1710(Br
)CT!L−11R:ν(KBr)3400(Br)、 3350(Br)、2918、1734(Br)、13
85(Br)、1074および10270π4.薄層ク
ロマトグラフイ一 担体:プレートのキーセルゲル60F254(タルク社
)展開溶剤:クロロホルム/メタノール/水(6:4:
1)1%硫酸第2セリウム−10%硫酸混合物を噴霧し
加熱すると明確な紅紫色のサポニンスポツトを発現した
5.酸加水分解により、水可溶部からグルクロン酸、ガ
ラクトーゼ、グルコーゼ、アラピノーゼ、ラムノーゼ、
キシローゼが得られ、水不溶部より構成主ゲニン体のソ
ーヤサポゲノールA(C3OH5OO4、融点310〜
312℃)、ソーヤサポゲノールB(C3OH5OO3
、融点260〜261℃)が得られ、他に微量のソーヤ
サポゲノールC.D.Eが認められる。
6.リーベルマン反応、ザルコウスキ一反応は陽性であ
る。
7.水に添加して振盪すると、持続性の小泡が発生する
この発明におけるサポニン成分中には次の式(1)また
は(11)で表わされるソーヤサポニン類(SOyas
apOnins)の少なくとも一種類以上が含まれてい
る。
式(1): 式中、R1はα−L−ラムノピラノシル(1→2)一β
−D−ガラクトピラノシル(1→2)β−D−グルクロ
ノピラノシル基、α−L−ラムノピラノシル(1→2)
一α−L−アラビノピラノシル(1→2)−β−D−グ
ルクロノピラノシル基またはβ−D−ガラクトピラノシ
ル(1→2)β−D−グルクロノピラノシル基を示す。
式(11) 式中、R1はβ−D−グルコピラノシル(1→2)−β
−D−ガラクトピラノシル一(1→2)β−D−グルク
ロノピラノシル基で、R2がβD−グルコピラノシル(
1→3)一α−L−アラビノピラノシル基のもの、また
はR1がβ−Dガラクトピラノシル一(1→2)一β−
D−グルクロノピラノシル基でR2がβ−D−グルコピ
ラノシル(1→3)一α−L−アラビノピラノシル基を
示す。
式(1)および式(nのサポニンは、トリテルペンのオ
レアナン系配糖体に属するサポニンである。
式(1)で表わされる化合物の個々の具体名としては、
3−0−〔α−L−ラムノピラノシル(1→2)β−D
−ガラクトピラノシル(1→2)−βD−グルクロノピ
ラノシル〕−ソーヤサポゲノールB(ソーヤサポニン1
.C48H78Ol8・2H20、融点238〜240
℃);3−0−〔α−L−ラムノピラノシル(1→2)
一α−L−アラビノピラノシル(1→2)−β−D−グ
ルクロノピラノシル〕−ソーヤサポゲノールB(ソーヤ
サポニン、C47H76Ol7・3H20、融点212
〜215℃);3−0−〔β−D−ガラクトピラノシル
(1→2)一β−D−グルクロノピラノシル〕ソーヤサ
ポゲノールB(ソーヤサポニン、C48H68Ol4・
2H201融点215〜216℃)が挙げられる。
式(11)で表わされる化合物の個々の具体名としては
、3−0−〔β−D−グルコピラノシル(1→2)−β
−D−ガラクトビラノシル(1→2)β−D−グルクロ
ノピラノシル]−21−0〔β−D−グルコピラノシル
(1→3)−β−Lアラビノピラノシル]−ソーヤサポ
ゲノールA(ソーヤサポニンA1、C59H96O29
・4H20、融点240〜242℃)、3−0−〔β−
D−ガラクトピラノシル一(1→2)一β−D−グルク
ロノピラノシル〕−210−〔β−D−グルコピラノシ
ル(1→3)α−L−アラビノビラノシル]−ソーヤサ
ポゲノールA(ソーヤサポニンA2、C,3H86O2
4・3H20、融点231〜233℃)が挙げられる。
この内、ソーヤサポニンIの含有量が最も多い。
なお、大豆の中には前述した式(1)、(l])の構造
を有するサポニンの他に極く微量の下記ソーヤサポゲノ
ールC.D.Eを骨格とする構造未定のサポニン類も含
まれており、これらの物質もこの発明のサポニン成分に
含まれる。R1 −HソーヤサポゲノールC R,一ー一0CH3ソーヤサポゲールD Rl−一0ソーヤサポゲールE 前記個々の化合物は、前述のごとくして得られたソーヤ
サポニン(大豆総サポニン)を、例えばクロロホルム/
メタノール/水系あるいはn−ブタノール/酢酸/水系
の展開溶剤を用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフ
イ一、高速液体クロマトグラフイ一などにより各構成サ
ポニンに分離精製することによつて得ることが出来る。
しかしながら、経済的見地から個々の構成サポニンに分
離して使用するより、混合物として用いる方が好ましい
。この発明における組成物の投与は経口用または非経口
用のいずれであつてもよい。
経口用剤形としては通常散剤、錠剤、乳剤、カプセル剤
、茶剤、顆粒剤、液剤(チンキ剤、流工キズ剤、酒精剤
、懸濁剤、リモナーデ剤、シロツプ剤などを含む)など
が挙げられる。また非経口剤形としては、注射剤、点滴
剤、軟膏、硬膏剤、液剤(酒精剤、チンキ剤、ローシヨ
ン剤等を含む)、湿布剤(パツプ剤、バスタ一剤)塗布
剤、噴霧剤、散布剤、リニメント剤(塗擦剤)、クリー
ム剤、乳剤、浴剤などが挙げられる。投与量は病状に応
じて異なるが、経口用の製剤の場合、サポニン成分とし
て成人1日当り50〜1000即、好ましくは100〜
600即を2〜3回に分けて投与することによつて効力
を発揮することが出来る。
又注射剤、点滴剤の場合、1日10〜〜800η、好ま
しくは30mク〜600ワを1〜3回に分けて投与する
。又、非経口用の外用の場合、サポニン成分として0.
01〜5%濃度の配合でよく、好ましくは0.1〜1%
の製剤として使用するのがよい。ここに使用される固体
または液体の賦形剤としては、当該分野で公知のものが
使用される。
ただ後述のような1回の投与量に必要なこの発明の化合
物を含むように製剤化するのが望ましい。いくつかの例
を挙げると散剤、その他の内服用粉末剤における賦形剤
としては、乳糖、澱粉、デキストリン、リン酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、合成および天然ケイ酸アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウム、ステ
アリン酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、乾燥酵母な
どが挙げられる。外用散剤の場合は酸化亜鉛、タルク、
澱粉、カオリン、ホウ酸末、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸マグネシウへ炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシ
ウム、次没食子酸ビスマス、硫酸アルミニウムカリウム
末などが挙げられる。
液剤における賦形剤としては水、グリセリン、プロピレ
ングリコール、単シロツプ、エタノール、脂肪油、エチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトー
ルなどが挙げられる。さらに軟膏剤の場合には脂肪、脂
肪油、ラノリン、ワセリン、グリセリン、ミツロウ、モ
クロウ、パラフイン、流動パラフイン、樹脂、高級アル
コール、プラスチックス、グリコール類、水界面活性剤
などを組み合わせて作つた疎水性基剤あるいは親水性基
剤(乳剤性基剤、水溶性基剤および懸濁剤性基剤を含む
)が賦形剤として使用される。溶剤とするには、本発明
のサポニン成分にホウ硝や硫酸カリウム等の希釈剤を加
えて製剤化するのが好ましい。
次にこの発明の大豆サポニンの製造例を示す。
製造例 1大豆種子粉末1.0k9を、1001のn−
ヘキサンで2回1時間ずつ加熱抽出し脱脂した後、10
01ずつのメタノールで2回3時間ずつ加熱抽出した。
この抽出液を減圧蒸留して溶剤を留去した後、残留物に
101の水飽和n−ブタノールを用いて約1時間ずつ3
回蒸気浴上で攪拌しながら溶解させた。得られた溶液を
31(7)n−ブタノール飽和水を用いて3回水洗して
夾雑する糖類や色素を水に移行させて取り除き、分離し
た水飽和n−ブタノール層を80℃以下で減圧蒸留、乾
固した。残留物を31のメタノールに溶かし、601の
エーテル中に撹拌下に注入した。1日静置後、析出物を
濾別し、60℃以下で減圧乾燥して大豆サポニン30y
を得た。
製造例 2 大豆種子粉末10kgを1001のn−ヘキサンで2回
1時間ずつ加熱抽出し脱脂した。
その脱脂乾燥物を101の99%メタノールを加え60
℃で1時間加熱抽出した。この操作を3回行い、各濾液
を合し、60℃以下の温度で減圧濃縮乾燥した。この残
留物を水100m1に溶解した溶液を、合成樹脂吸着剤
セルヴアクロムXAD−Type2の1.8kgを3f
?の水に分散させて内径8?のカラムに充填したセルヴ
アクロムXAD−Type2カラムの上部から注入し、
流速20m1/分の速度で通過させサポニンを吸着させ
た。さらに流下物の着色のなくなるまで水を追加流下せ
しめ不純物を除去した。着色がなくなつてから99%メ
タノールを、流速10m1/分の速度で流下させ、セル
ヴアクロムに吸着しているサポニンを溶離させた。溶離
の完了は薄層クロマトグラフイ一〔担体:キーゼルゲル
F254、溶剤:クロロホルム/メタノール/水(65
:35:10下層)、検出:1%第二硫酸セリウム−1
0%硫酸噴霧後105℃で5分加熱]でチエツクした。
5fの99%メタノールの流下によつて完全にサポニン
を溶離した。
得られた溶離液を60℃以下で蒸発乾固し、残留物を6
0℃で乾燥して黄褐白色の大豆サポニン末327を得た
。製造例 3 大豆種子の粉末10kgをn−ヘキサン1001で加熱
抽出を2回行い、脱脂した。
脱脂粉末は98%メタノール100/?.で、2回煮沸
下に3時間ずつ抽出処理した。抽出液を減圧蒸留に付し
て、1.4kgの工キズを得た。この工キズをn−ブタ
ノール:水(1:1)の混液100′に溶解し、分配し
静置した。n−ブタノール移行部を分取し、減圧下に溶
媒を留去した後、98%メタノール51に溶解し、エチ
ルエーテル100111(FC少量ずつ加えた。生じた
沈澱を▲取し、ついで沈澱に水飽和n−ブタノール10
1を加え、不溶部と可溶部に分けた。可溶部を減圧蒸留
して溶媒を完全に留去し、残留物647を得た。この残
留物はnブタノール:水(1:2)混液101を用いて
分配した。水移行部は減圧留去し、得られた残留物(3
27)をシリカゲルカラムクロマトグラフイー〔タルク
社製シリカゲルG(70〜230メツシユ)、溶出溶媒
一クロロホルムーメタノール水(65:35:10の下
層〜6:4:1)]に付した。溶出液を薄層クロマトグ
ラフイ一〔担体一シリカゲル60F254、展開溶媒一
クロロホルムーメタノール一水(6:4:1)、発色剤
−1%硫酸第2セリウム−10%硫酸溶液噴霧]で検し
、Rf約0.25とRf約0.30のそれぞれに出現す
るソーヤサポニンA1とソーヤサポニンA2を含む各フ
ラクシヨンを分取した。各フラクシヨンは溶媒を減圧留
去し、各残留物を100m1の水に懸濁させ、1yの陽
イオン交換樹脂(ダウエツクス50WX8)を加え、よ
く攪拌した。懸濁物は透明に溶解した。沢過したそれぞ
れの水溶液を減圧下で蒸発乾固し、白色粉末のソーヤサ
ポニンAll.97およびソーヤサポニンA2l.2y
を得た。各生成物は水性メタノールから再結晶して純品
とした。ソーヤサポニンA1は以下の性質を有する。
(1) Mp.24O〜242℃である。(2) 〔α
際+23.24(C−0.9、メタノール)の旋光度を
有する。
(3)赤外線吸収スペクトル(KBr.cm−1)は3
375(プロード、強)、2918、1737、163
2、1385(プロード)、1074(プロード、強)
、1027(プロード)に特有の吸収極大を有する。
(4) 210nmより長波長には紫外線吸収を示さな
い。
(5) 13C一核磁気共鳴スペクトル(D5−ピリジ
ンδc)は、172.1(COOH)、144.0(C
l3)、及び108,1、106.5、105.7、1
04,5、102.9(以上アノメリツクC)を示す。
(6)溶解性はメタノールに溶けやすく、水、ピリジン
、ジメチルスルホキシド、エタノールに可溶、アセトン
、クロロホルム、エーテルに不溶である。(7)臭はな
く、水溶液は弱酸性を示す(水1m1にソーヤサポニン
A,lOηを溶解させた溶液はPH6を示す)。
(8)無色の微細粉末状結晶(水性メタノールから結晶
化)である。
(9)シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフイ一(プ
レコートのシリカゲル60F254、0.25關、タル
ク社製、展開溶媒;クロロホルムリメタノール:水=6
:4:1)に付した場合Rf値0.25を示す。
薄層クロマトグラフ上1%の硫酸第2セリウムと10%
の硫酸の混合液を噴霧し、加熱すると青紫色を呈す。
(代)メタノリシス(9%の塩酸一乾燥メタノール中加
熱還流する)とメチルガラクトシド、メチルアラビノシ
ド、メチルグルクロニドをそれぞれ1モルとメチルグル
コシド2モルを与える。
また箱守法(沃化メチル、ジメチルスルホキシド、水素
化ナトリウム)によつて、メチル化して得られる完全メ
チル化体(分子式:C77Hl32O29)を還元後メ
タノリシスするとメチル3・4−ジ一0−メチルグルコ
ピラノシド、メチル3・4・6−トリ−0−メチルガラ
クトピラノシド、メチル2・4−ジ一0−メチル アラ
ビノピラノシドをそれぞれ1モルとメチル2・3・4・
6−テトラ−0−メチルグルコピラノシドを2モル与え
る。
またサポゲノールとして3・22・24−トリ−0−メ
チルソーヤサポゲノールA(C33H56O4)を1モ
ル与える。ソーヤサポニンA2は以下の性質を有する。
(1) Mp.23l〜233℃である。(2) 〔α
柵+23.93(C−0.9、メタノール)の旋光度を
有する。
(3)赤外線吸収スペクトル(KBr.crn−1)は
3350(プロード、強)、2925、1740、16
40、1385(プロード)、1027(プロード、強
)に特有の吸収極大を有する。
(4) 210nmより長波長には紫外線吸収を示さな
い。(5) 13C一核磁気共鳴スペクトルは、172
.2(COOH)、144.0(Cl3)、及び108
.3、106.01105。
3と104.7(以上アノメリツクC)を示す。
(6)溶解性はメタノールに溶けやすく、水、ピリジン
、ジメチルスルホキシド、エタノールに可溶、アセトン
、クロロホルム エーテルに不溶である。
(7)臭はなく、水溶液は弱酸性を示す(水1m1にソ
ーヤサポニンA25m9を溶解させた溶液はPH6を示
す)。
(8)無色の微細結晶(水性メタノールから結晶化)で
ある。
(9)シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフイ一(プ
レコートのシリカゲル60F254、0.25關、タル
ク社製、展開溶媒;クロロホルムリメタノール:水−6
:4:1)に付した場合Rf値0.3を示す。
薄層クロマトグラフ上1%硫酸第2セリウムと10%硫
酸の混合液を噴霧し、加熱すると青紫色を呈す。
UO)メタノリシスすると、メチルグルコシド、メチル
ガラクトシド、メチルアラビノシド、メチルグルクロニ
ドをそれぞれ1モル与える。
箱守法によつてメチル化して得られる完全メチル化体(
C68Hll6O24)を還元後メタノリシスするとメ
チル化糖としてメチル3・4−ジ一0メチルグルコピラ
ノシド、メチル2・4−ジ0−メチルアラビノビラノピ
ラノシド、メチル2・3・4・6−テトラ−0−メチル
ガラクトピラノシド、メチル2・3・4・6−テトラ0
−メチルグルコビラノシドをそれぞれ1モル与え、メチ
ル化サポゲノールとして3・22・24−トリ−0−メ
チルソーヤサポゲノールAを1モル与える。製造例 4 大豆種子の粉末2kgを201(7)n−ヘキサンで2
回加熱抽出を行ない脱脂した。
その脱脂乾燥物を201の98%メタノールに加え、煮
沸下に2回、3時間ずつ加熱抽出した。この抽出液を減
圧蒸留に付して1607の工キズを得た。この工キズを
n−ブタノール:水(1:1)の混液20fに溶解し、
分配し静置した。n−ブタノール移行部を分取し、減圧
下に溶媒を留去して得た残留物(507)を、98%メ
タノール11に溶解し、エチルエーテル20f中に少量
ずつ加えた。生じた沈澱を沢取し(357)、これをシ
リカゲルカラムクロマトグラフイ〔タルク社製シリカゲ
ルG(70〜230メツシユ)、溶出溶媒=クロロホル
ム−メタノール一水(65:35:10の下層)]に付
し、活性炭で処理して、総ソーヤサポニン127を得た
。これをさらに遠心液体クロマトグラフイ一(KTゲル
使用、500rpm)に付して、ソーヤサポニンI(2
.527)、ソーヤサポニン(0.457)、ソーヤサ
ポニン(0.21y)、ソーヤサポニンA1 (0.4
07)およびソーヤサポニンA2(0.487)を各々
単離した。
次にこのようにして製造した大豆サポニンの薬理試験結
果を示す。
トロンビンのフイブリノーゲン凝固作用に対する大豆サ
ポニンの抑制効果血液血漿中のフイブリノーゲンの緩衝
液にトロンビンを作用させるとフイプリンを生じ凝固す
ることはよく知られている。
この凝固作用を抑制する作用(抗トロンビン作用)を有
する物質が添加されると凝固作用が抑制され凝固時間が
延長される。この発明の大豆サポニンとヘパリンの抗ト
ロンビン作用を下記の試験を行つて比較した。フイブリ
ノーゲン液(牛血漿より得たフイブリノーゲンを0.1
5MNaC1/0.05Mトリス緩衝(PH7.5)液
に溶解した0.5%牛フイブリノーゲン液)の1m1づ
つに、2種の大豆サポニン(製造例1で得た大豆サポニ
ンと製造例4で得たソーヤサポニンI)の各種濃度の水
溶液及びヘパリンの10U/mlを水溶液(ナトリウム
塩)の各0.1m1を添加した各被検液並びに上記フイ
プリノーゲン液の0.1m1に水0.1m1を加えたコ
ントロール液を作製した。これらの液のそれぞれにトロ
ンビン液(0.2U/ml)を0.1m1づつ添加しそ
の凝固時間を25℃で測定した。結果は下記のとおりで
あつた。上記の結果から大豆サポニン類は凝固時間を延
長することは明らかであり顕著な抗トロンビン作用を有
する。
またヘパリンの1ηは130Uに相当するのでその10
U/mlは77μ7/mlに相当する。従つて重量単位
で大豆サポニン類とヘパリンとの凝固時間を比較すると
大豆サポニン類の方が優れていることが分かる。次に臨
床例によつて製造例1で得た大豆サポニンの効力を説明
する。
臨床例 1 T.S.46才女性 主婦 病名゛血栓閉塞性静脈炎 現病歴:2年前より左右下肢に静脈瘤を生じ冷えたり疲
れたりすると非常に痛むので他病院で治療を受けたが、
殆んど改善されなかつた。
最近下肢全体に浮腫を生じ殊に左下肢が固くなりその指
が少し変色してきたので血管撮影をしたところ血管静脈
が閉塞している事が見出され、早速入院手術の要ありと
いわれたので来院した。治療結果:血液検査結果は、白
血球数:7000/土中性脂肪:141ワ/Dj、総コ
レステロール:158η/DllHDLコレステロール
:48m′/dlであり正常であつた。
入院安静を保たしめると共に、製造例1の方法で得た大
豆サポニンを1日当り500mクを散剤として1日2回
分服し連日投与した。
1ケ月後には、足指の変色は全くなくなり足の皮膚温度
が上昇し、両肢とも血管の怒張がほとんどなくなり浮肺
もとれ痛みも軽減した。
6ケ月後には、自覚症状も平常に戻り、レントゲン血管
撮影によつても血栓閉塞は殆どなくなり造影剤もほぼ正
常に通過し、痛みは全くなく通院に切替えた。
8ケ月後には静脈瘤も殆んど認められなくなり、正常生
活にもどることができた。
臨床例 2L.M.52才 男性 公務員 病名:脳梗塞症及び高脂血症 現病歴:1年前より動脈硬化症、高脂血症と診断され、
他病院で治療を受けていたが、2日前より言葉がもつれ
、左半身に運動麻痺を生じ時々意識が遠くなる症状が出
てきたので来院した。
治療経過:初診血液検査結果は、白血球数:11500
/m邊、中性脂肪:282即/dl、総コレステロール
:248ワ/Dj、HDLコレステロール:41ヮ/d
lであり、高脂血症が認められた。断層レントゲン写真
で、右第3脳室に軽度の出血固化層が発見された。更に
左上下肢の鍵反射が充進しており、右脳血症と診断した
。製造例1の方法で得た大豆サポニン200ワづつを1
日3回計6007r19を空腹時に内服投与し、リンゲ
ル及び水溶性ビタミン類を静注併用した。2週間後の断
層写真診断では右第3脳室に認められた出血固化層は完
全に消失し早期に吸収されており、又左半身の麻痺も殆
んど認められなくなつた。
3週間後にぱ言語も非常に明確となり血液検査は、白血
球:7200/MlL.中性脂肪:160η/Dll総
コレステロール:177ヮ/DllHDLコレステロー
ル:61T9/dlで殆んど平常の血液所見となり、高
脂血症も大巾に改善された。
脳部における出血層の吸収は最近1ケ月以上要するのが
普通であるが、本例の場合著しく早く改善されたといえ
る。臨床例 3 M.S.43才女性 主婦 病名 脳虚血症 現病歴:1年前高血圧、動脈硬化症と診断され、他病院
で治療したが改善が認められず、10日前より嘔吐を伴
うめまいが1日数回起るようになつたので来院した。
脳血管レントゲン撮影により、脳血管狭小がみられ、脳
血管に虚血症状が認められ一過性の脳虚血症と診断され
た。
血圧は最高168、最低98であつた。
また血液検査は、中性脂肪:264η/dl、総コレス
テロール:200my/Dl,.HDLコレステロール
:31〜/dlであり、高脂血症状を示し心電図で冠不
全が認められた。製造例1の方法で得た大豆サポニン1
日400ηを散剤として1日空腹時2回に分服せしめた
。1ケ月後には、嘔吐、目まいが殆んどなくなり2ケ月
後には、これらの自覚症状は全くなくなつた。
2ケ月後の脳血管レントゲン撮影では脳血管の虚血症状
は全く認められず、血液検査結果は、中性脂肪:152
W19/Dll総コレステロール:168m9/Dl,
.HDLコレステロール:48ヮ/dlであり大巾な改
善が認められた。
又、血圧は最高142、最低91となつた。3ケ月後に
は大豆サポニン服用をやめ社会生活復帰をした。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 大豆サポニン成分と医薬的に受容な賦型剤とからな
    る抗トロンビン様薬剤。 2 大豆サポニン成分が3−0−〔α−L−ラムノピラ
    ノシル(1→2)−β−D−ガラクトピラノシル(1→
    2)−β−D−グルクロノピラノシル〕−ソーヤサポゲ
    ノールB(ソーヤサポニンI)である特許請求の範囲第
    1項記載の抗トロンビン様薬剤。
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