JPS5938483B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、被加熱物６の温度を検知して自動的に加熱時
間を制御する機構を有する高周波加熱装置に関するもの
である。

電子レンジ等の高周波加熱装置において、被加熱物の加
熱状態を検知し、自動的に加熱制御する方法として、加
熱室内から排出する空気、または加熱室内の空気の温度
を検知して被加熱物の温度を間接的に検知する方法が考
えられている。

これは、被加熱物が加熱されると被加熱物から発生され
る熱気流や蒸気の温度によって加熱室内の空気があたた
められ、このあたためられた空気を加熱室から排出させ
、この温度を検知して被加熱物の温度を間接的に検知し
ようとするものであるが、被加熱物には調理済の食品を
もう一度あたためて食べる場合のように、ある温度まで
加熱すればよいものと、じゃがいも等のように、９０〜
１００℃程度まで加熱した後さらにデンプンのアルファ
化や組織の軟化を行なうために、ある程度の時間加熱す
る必要のあるものがある。

しかし、加熱室から排出する空気の温度または加熱室内
の空気の温度を検知する方式においては被加熱物から水
蒸気が発生し始めてしばらくすると、加熱室力・ら排出
される空気の温度は急激に上昇しはするものの、やがて
飽和してしまい、この状態になってからは自動制御が不
可能になってしまう欠点があった。

一般に、上記飽和状態になる以前に、被加熱物の温度を
６０〜９５℃といった具合に、ただ暖ためればよいとい
った再加熱調理には不都合が生じないが、上述した時間
をかけてデンプンのアルファ化や組織の軟化を行なうた
めには、どうしてもタイマー装置が必要になってくる。

ところで、加熱室から排出する空気の温度まだは加熱室
内の空気の温度を検知する方式の場合、検知精度の観点
から、高周波発生装置などを冷却した後の温風を加熱室
に入れることはｇ−ましくない。

がしかし、上記の温風を入れない状態で被加熱物から大
量の蒸気を発生させながら加熱を続行すれば、水蒸気が
充分に加熱室外へ搬出されないので加熱室内に滞留し、
扉のファインダ一部の曇〃を生じ、外部より加熱室内の
被加熱物の加熱の具合を観察できなくなった殴、加熱室
内に多量の水としてたまったりする。

ただ、加熱室から排出する空気または加熱室内の空気の
温度を検知して被加熱物の温度を検知し、加熱時間を制
御しようとする場合には、殆んどの場合蒸気が多量に発
生しかけたところで加熱を停止するので蒸気による弊害
はさほど問題とはならない。

ところが、本発明が取上げようとしているところの、所
定の温度に達した後、更にタイマーによって必要時間だ
け加熱を続行させようという場合には、上述の弊害が現
われる。

この問題の対策として、加熱室から排出する空気の温度
を検知して加熱制御する方法と、タイマーで加熱制御す
る方法とで、加熱室内の換気風の風路を変えることが考
えられているが、この換気風の風路切換装置を電磁装置
で作動させる場合、高周波加熱装置の運転中この電磁装
置のうなりが発生するという欠点があった。

また、高周波加熱装置の運転中、連続して電磁装置を動
作させる構成においては、温度上昇等の点から電磁装置
は大形化するという欠点があった。

本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消し、検
知精度を低下させることなく、扉のファインダ一部の曇
シなどが発生しない快適に使える高周波加熱装置を提供
することである。

上記目的を達成するだめに、本発明は加熱室の換気風の
温度を検知する温度検知機構と、その温度検知機構によ
って作動する高周波出力の自動制御機構と、加熱時間を
制御するタイマー装置と、高周波発生装置の冷却風を前
記自動制御機構を用いる場合には加熱室に入れず、他方
タイマー装置を用いる場合には加熱室に入れるように風
路を切り換える風路切換装置と、この風路切換装置を作
動させる電磁装置と、この電磁装置の電源をしゃ断する
しゃ断装置を備え、前記自動制御機構の動作からタイマ
ー装置の動作へ風路と共に自動切換し、前記風路切換装
置を動作させる時のみ電磁装置を作動させ、風路切換装
置が動作を完了した後には電磁装置の電源を自動的にし
ゃ断するようにしたものである。

以下、本発明を実施例とともに説明する。

第１図、第２図、第３図、第４図に本発明による高周波
加熱装置の一実施例を示す。

第２図は第１図の平面断面図であり、温度検知機構で加
熱室換気風の温度変化をとらえて加熱の自動制御を行な
う場合の風の流れを示しており、第３図は第１図の平面
断面図であり、タイマー装置を使う場合の風の流れを示
している。

また第４図は自動制御機構からタイマー装置へ自動切換
する場合の風の流れを示している。

第１図、第２図、第３図、第４図中の矢印は風の流れの
向きを示し、実線矢印７５毛動制御機構を使う場合、破
線矢印がタイマー装置を使う場合を示す。

第１図において８は風路切換装置、９は加熱室排気口、
５は風路しゃ断装置、１８は電磁装置１９、電磁装置１
９の電源に接続されたしゃ断装置２０、風路切換装置８
および風路しゃ断装置５に連動して外部より操作可能な
制御切換装置である。

風路切換装置８は第２図、第３図、第４図に示す高周波
発生装置冷却風排気ダク）８ｃとその内部の軸８ｂを中
心に可動自在なダンパー、８ａおよびダンパーを固定す
るバネ８ｄとで構成される。

また、風路しゃ断装置は、加熱室排気ダク）５ｃとその
内部の軸５ｂを中心に可動自在なダンパー５ａとで構成
される。

また、風路切換装置８は風路しゃ断装置とで連動になっ
ている。

第２図は、第１図の平面断面図であり、制御切換装置１
８を自動制御機構１３が動作するようにした場合のダン
パー８ａとダンパー５ａの位置を示している。

自動制御機構のみで使用する場合の風の流れについて説
明すると、高周波発生装置６がマイクロ波を発振すると
被加熱物２は加熱される。

加熱期間中送風機７は回転し加熱室１内空気を加熱室排
気口９から排出する。

加熱室吸気口兼加熱室排気口１５から加熱室１内に入っ
た外気は、被加熱物２の周囲を通過して加熱室排気口９
から加熱室外に流出し、加熱室排気ダクト５ｃから送風
機７を介して高周波発生装置６を冷却しながら高周波発
生装置冷却風排気口１０を介して高周波加熱装置外に流
出する。

一方、高周波加熱装置の底面に小孔群を穿設して形成さ
れた機械室吸気口１７ａから機械室１７に入った外気は
電気部品を冷却しながら送風機７に吸入され、加熱室１
よ〃排出された空気と共に高周波発生装置６を通り、高
周波発生装置冷却風排気口１０“よ乃高周波発生装置の
外に流出する。

温度検知機構４は風路しゃ断装置５内に設けであるので
、これによって加熱室排気口９を通って加熱室１から排
出される空気の温度変化を検知することにより、被加熱
物２の温度を間接的に検知することができる。

そして、この検知信号を自動制御機構１３に加えると排
気温度の上昇があらかじめ設定した値に達したときに、
自動制御機構１３の働らきによって高周波発生装置６の
発振を停止せしめ、加熱を終了させる。

次にタイマー装置１４で使用する場合の風路について第
３図を用いて説明する。

使用に際して制御切換装置１８を用いてダンパー８ａお
よびダンパー５ａを第３図の状態にしておく。

ダンパー８ａはバネ８ｄによって第３図の状態に静止し
ている。

これによって、加熱期間中送風機７は動作し、機械室吸
気口１７ａから機械室１７に入った外気は機械室内の電
気部品等を冷却しながら風路切換装置８を通り、加熱室
人気口１６から加熱室１内の仕切板１１の上部に侵入す
る。

その後この風は仕切板孔１１ａから扉３のファインダ一
部に吹きつけられ、ファインダーへの蒸気の結露を防ぎ
ながら被加熱物２の周囲を通シ、加熱室吸気口兼加熱室
排気口１５を通り、高周波加熱装置外に流出する。

すなわち、自動制御機構１３で使用する場合は温度検知
精度の点から加熱室１内に高周波発生装置６の冷却風な
どの温風を入れず、タイマー装置１４で使用する場合に
は扉３のファインダ一部への曇如防止のために温風を加
熱室１内に入れる構成である。

次に自動制御機構１３を用いて被加熱物２の温度を上げ
、続けてタイマー装置１４で加熱を行なう場合の風の流
れについて第１図および第４図を用いて説明する。

電磁装置１９は、制御切換装置１８を自動制御機構１３
を使用する状態にセットするとともにタイマー装置１４
に加熱時間が設定された状態のときだけであって、なお
かつ加熱室内の食品の温度が上ることによって自動制御
機構１３がＯＦＦ Ｌだ場合にのみ動作するようになっ
ている。

しゃ断装置２０は電磁装置１９の電源に接続されている
スイッチであり、制御切換装置１８を自動制御機構１３
を使用する状態にセットしたときはＯＮ状態になってお
沙、他方制御切換装置１８をタイマー装置１４を使用す
る状態にセットしたときはＯＦＦ状態になる。

使用に際して外部よシ操作可能な制御切換装置１８を用
いて自動制御機構を使用する状態にセットし、ダンパー
８ａとダンパー５ａを実線の状態にしておき、同時にタ
イマー装置に希望の時間をセットしてお（。

電源装置１２をＯＮすると加熱が始まシ、風の流れは実
線矢印のごとくとなる。

被加熱物２の温度が設定温度まで上シ、自動制御機構１
３がＯＦＦすると、しゃ断装置がＯＮになっているため
、電磁装置１９が動作し、制御切換装置１８は自動制御
機構を使用する状態からタイマー装置１４を使用する設
定状態に切換わる。

同時にしゃ断装置２０はＯＦＦ状態になるだめ、電磁装
置１９の電源はＯＦＦする。

このトキ、ダンパー８ａとダンパー５ａは実線の状態か
ら破線の状態に切換わる。

この動作によって加熱室内の換気風は実線矢印の流れか
ら破線矢印の流れに切換わシ、加熱室内には高周波発生
装置を冷却した後の温風が流れ込み、扉３のファイン゛
り゛一部の結露水による曇シを除却した後加熱室吸気口
兼加熱室排気口１５から流出する。

同時にタイマー装置１４が動作を開始し、セットされて
いる時間だけ加熱を続行し、その後電源を切る。

以上、被加熱物２の加熱時間を自動的に制御する機構に
ついて述べたが、本発明の特長は、第４図に示すように
、電磁装置１９を用いて自動制御機構１３からタイマー
装置１４へ自動切換し、自動切換終了後は電磁装置１９
はしゃ断装置２０を用いて自動的にＯＦＦするようにし
たことにある。

自動制御機構１３を用いて被加熱物２の温度を自動的の
検知し、設定温度に達した時点で電磁装置１９を動作さ
せダンパー８ ａ ％ダンパー５ａを自動的に切換えて
扉３のファインダ一部に温風を吹きつけタイマー装置１
４を励時に作動させ、設定した時間だけ加熱を継続させ
るので、被加熱物２から多量の蒸気を発生しながら加熱
を続ける場合でも、扉３のファインダ一部が蒸気で曇っ
て外部から加熱室１内の被加熱物２の加熱の具合が観察
できなくなったり、多量の蒸気のため加熱室１内が水滴
で−ばいになったりする不都合は解消される。

まだ、自動切換終了後は電磁装置の動作を停止させるの
で、電磁装置によるうな沙が発生するとともな（快適に
高周波加熱装置を使用することができる。

また、高周波加熱装置の運転中に連続して電磁装置る動
作させないので、電磁装置は短時間定格のものでよく、
小形軽量、安価なものが使用できる特長がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２図は第１
図の平面断面図で自動制御機構の風路を示す図、第３図
は第１図の平面断面図でタイマー装置の場合の風路を示
す図、第４図は第１図の平面断面図で自動制御機構から
タイマー装置への自動切換の場合の風路な示す図である
。 図において、１・・・加熱室、２・・・被加熱物、４・
・・温度検知機構、１３・・・自動制御機構、１４・・
・タイマー装置、１９・・・電磁装置、８・・・風路切
換装置、２０・・・しゃ断装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被加熱物を収納する加熱室内に高周波電力を供給し
   、被加熱物を加熱する高周波加熱装置において、高周波
   発生装置と、前記加熱室の換気風の温度を検知する温度
   検知機構と、その温度検知機構によって作動する自動制
   御機構と、加熱時間を制御するタイマー装置と、前記高
   周波加熱装置の冷却風を前記自動制御機構を用いる場合
   には加熱室に入れず、他方タイマー装置を用いる場合に
   は加熱室に入れるように風路を切り換える風路切換装置
   と、この風路切換装置を作動させる電磁装置と、この電
   磁装置の電源をしゃ断するしゃ断装置を備え、前記自動
   制御機構の動作からタイマー装置の動作に風路切換装置
   と共に自動切換し、自動切換後に電磁装置の電源は自動
   的にしゃ断されることを特徴とした高周波加熱装置。