JPS593283Y2 - ガス自動炊飯器の感熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ガス自動炊飯器の釜底の温度を検出して制
御部に燃焼停止信号を発信する感熱装置に関するもので
ある。

この種の自動炊飯器にあっては、釜を出し入れするとき
に感熱装置が釜の底面と衝突して破損されるこを防止し
、また、釜底の温度を正確に検出させるために感熱装置
を昇降可能にしている。

ところが、釜の底面が変形したり、釜が水平にセットさ
れなかった場合等にあっては、感熱作用をする感熱ケー
スの上面が釜の底面に密着しないで感熱応答性が悪化し
、また、感熱ケースを収容した収納ボックスの上縁と釜
底との間に隙間ができてバーナーからの輻射熱、排気熱
が収納ボックス内に流入し、感熱ケース内に装着した感
熱素子を誤動作させることがある。

この考案は、このような従来の事情に鑑みてなされたも
ので、釜底が何らかの原因によって傾斜している場合に
あっても感熱ケースの上面および収納ボックスの上縁を
釜底に確実に密着させて感熱応答性の悪化あるいは誤動
作を防止し、信頼性の高い感熱装置を提供するものであ
って、以下、図示された実施例を参照しつつこの考案を
詳細に説明する。

図において、１はガス自動炊飯器のケース、２は該ケー
ス１の前面を開閉する扉であって、前記ケース１内には
釜３を出入自在に載置支持する蓋受レール４を設けてい
る。

５はケース１の内底面に設けられたバーナーであって、
ケース１の外側面に設けた制御ボックス６を介してガス
供給管７に接続されている。

８はバーナー５の内側中央部で昇降する収納ボックスで
あって、前記ケース１の内底面中央に固定された案内台
９に昇降自在に挿着した案内体１０の上端部に傾動自在
に連結され、コイルスプリング１１にて上昇付勢されて
いる。

実施例では案内体１０を筒体で構成し、収納ボックス８
の下面中央に案内体１０の内径より充分に細い軸１２を
突設し、案内体１０の上端部に小径の連結孔１３を開設
すると共に軸１２の下端部に大径の連結孔１４を開設し
、これらの連結孔１３．１４に連結ピン１５を貫通させ
て挿着することにより案内体１０の上端部に収納ボック
ス８をある程度の範囲内であらゆる方向に傾動自在に連
結し、前記スプリング１１を案内体１０の内部に装着し
てその上端部を軸１２の下端面に衝接係止させることに
より収納ボックス８の姿勢を弾圧保持させているが、収
納ボックス８を案内体１０の上端部にいわゆるユニバー
サル機構を介して装着したものであればその構成は任意
である。

１６は前記スプリング１１の張力に抗して収納ボックス
８を下降させ得る引下具であって、前記扉２の開閉動作
にともなって往復移動するチェノで構成されており、扉
２を開くとスプリング１１の張圧力に抗して収納ボック
ス８を下降させ、また、扉２を閉じるとスプリング１１
の張圧力によって収納ボックス８が上昇し、その上縁を
釜３の底面に密着させるのである。

１７はスプリング受、１８は案内ローラである。

このようにして昇降制御される収納ボックス８の内部に
は、サーミスタ等の感熱素子１９を内装した感熱ケース
２０を設け、このケース２０をスプリング２１にて上方
に突出付勢させている。

２２は感熱ケース２０の昇降を案内するロッド、２３は
感熱ケース２０の上面を形成する伝熱板、２４は感温素
子１９を包持する伝熱筒、２５は断熱材であって、前記
感温素子１９によって検出した温度情報を前記制御ボッ
クス６に入力し、釜底の温度が一定値を超えればガスの
燃焼を停止させるようにしている。

２６は収納ボックス８とバーナー５との間に設けた保護
筒である。

以上のように構成してなる感熱装置において、蓋受レー
ル４に釜３をセラ１へしてケース１の内部に入れ、扉２
を閉じると、スプリング１１の張圧作用と案内体１０の
案内作用とを受けて収納ボックス８が上昇し、その上縁
を釜３の底面に密着させる。

また、収納ボックス８の内部に装置された感熱ケース２
０はスプリング２１の張圧作用とロッド２２の案内作用
とを受けて上動付勢されているので、その上面に定着し
た伝熱板２３を釜３の底面中央に密着させる。

したがって、収納ボックス８の内部にバーナー５からの
輻射熱が直接侵入したり排気が流入するおそれがないの
で、伝熱板２３は釜３の底面からの熱のみにて加熱され
る。

このために、感熱素子１９には釜３からの熱のみが伝え
られることになり、制御ボックス６内の制御回路を誤動
作させることなく正確な制御が行われる。

また、何らかの原因によって釜３の底面が傾斜している
場合にあっても、収納ボックス８が釜３の底面に沿って
傾斜するのでその内部に排気等が流入することがなく、
感熱素子１９の誤動作を防止する。

このようにして収納ボックス８が傾斜すると、その内部
に設けた感熱ケース２０も同様に傾斜するので、その上
面を形成する伝熱板２３を必ず釜３の底面中央に密着さ
せ得る。

他方、収納ボックス８の上縁に対向する部分と伝熱板２
３に対向する部分とが異なる方向に傾斜している場合に
おいても、スプリング２１およびロッド２２によるフロ
ーティング作用を受けて収納ボックス８に対して感熱ケ
ース２０が任意の方向に傾斜するため、その上面を形成
する伝熱板２３を常時釜３の底面中央に密着させること
ができ、感熱素子１９の熱応答性を確保する。

なお、収納ボックス８と案内体１０とを実施例のように
細径の連結ピン１５で連結した場合は、いわゆるユニバ
ーサル機構を簡略化し、小型化できるので都合よく、ま
た、案内体１０を筒体で構成してその内部にスプリング
１１を装着すれば、スプリング１１の座屈等を防止させ
る格別な装置が不要となり、かつ、引下具１６をチェノ
で構成すれば、この引下具１６が収納ボックス８の傾動
作用を妨害することがないので都合がよい。

以上説明したように、この考案に係る感熱装置は、収納
ボックスを昇降案内する案内体の上端部に収納ボックス
を傾動自在に装着したものであるから、釜の底面が傾斜
している場合にあっても収納ボックスの上縁を必ず釜底
に密着させることができるため、釜底と収納ボックスと
の間からバーナーの輻射熱あるいは排気熱等が収納ボッ
クス内に侵入して感熱ケース内に装着した感熱素子を誤
動作させることがないので、ガスの燃焼停止時期を高精
度に制御でき、炊飯特性を向上させるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る感熱装置を備えたガス自動炊飯
器の斜視図、第２図は同上要部の平面図、第３図は第２
図の縦断面図である。 １・・・・・・ケース、２・・・・・・扉、３・・・・
・・釜、５・・・・・・バーナー、８・・・・・・収納
ボックス、１０・・・・・・案内体、１１・・・・・・
スプリング、１２・・・・・・軸、１３．１４・・・・
・・連結孔、１５・・・・・・連結ピン、１６・・・・
・・引下具、１９・・・・・・感熱素子、２０・・・・
・・感熱ケース、２３・・・・・・伝熱板。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）釜３の底面中央部に上面を対向させた感熱ケース
   ２０を、バーナー５の内側で昇降する収納ボックス８の
   内部に装着し、収納ボックス８を上昇させてその上縁と
   感熱ケース２０の上面とをそれぞれ釜３の底面に密着さ
   せて釜底の温度が一定値以上に上昇すればガスの燃焼を
   自動的に停止させるようにしたガス自動炊飯器において
   、収納ボックス８を上昇付勢させるスプリング１１と、
   該スプリング１１の張圧力に抗して収納ボックス８を下
   降させ得る引下具１６と、収納ボックス８を昇降案内す
   る案内体１０とを設け、前記収納ボックス８を案内体１
   ０の上端部に傾動自在に装着したことを特徴とするガス
   自動炊飯器の感熱装置。
2. （２）収納ボックス８の下面中央部に突設した軸１２の
   下端部と、軸１２を遊挿した筒状の案内体１０の上端部
   とにそれぞれ連結孔１３．１４を開設し、少なくとも一
   方の連結孔よりも充分に細い連結ピン１５を前記連結孔
   １３．１４に貫通挿着して収納ボックス８と案内体１０
   とを連結したことを特徴とする第１項に記載の感熱装置
   。
3. （３）収納ボックス８を上昇付勢させるコイル状のスプ
   リング１１を筒状に形成した案内体１０の内部に挿着し
   たことを特徴とする第１項または第２項に記載の感熱装
   置。
4. （４）スプリング１１に抗して収納ボックス８を下降さ
   せる引下具１６を、ガス自動炊飯器の扉２の開閉にとも
   なって往復移動するチェノで構成したことを特徴とする
   第１項、第２項または第３項に記載の感熱装置。